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発明の名称 二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296852
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−105750
出願日 平成9年(1997)4月23日
代理人
発明者 川口 和浩 / 岸田 稔
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ナイロン6(N6)/ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)=80/20 〜95/5(重量比)からなる組成物を原料として用い、押出機内で加熱溶融してシート状に押し出した後、縦および横方向に延伸して二軸延伸ポリアミドフィルムを製造する方法において、押出機内におけるスクリュー計量部の最大せん断速度を20〜50sec -1、樹脂の滞留時間を1〜5分、樹脂の最高温度を260〜280 ℃の各条件で押し出すことを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた透明性、実用強度、寸法安定性、および長手方向に引き裂いた際の引裂直進性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、雑貨等の包装には、各種プラスチックフィルム製包装袋が多量に使用されており、通常、二軸延伸されたプラスチックフィルムとヒートシール可能な無配向フィルムとをラミネートしたものが多く用いられている。
【0003】特に、二軸延伸ポリアミドフィルムはガスバリア性が優れるため、食品などを長期保存する上で好適な包装材料である。包装袋に要求される特性としては、強度と、開封するときの易引裂性の一見相反すると思われる2つの特性を兼備していることが要求される。従来、易引裂性を満たすためには、ミシン目、ティアテープ、あるいはノッチを付したりするという工夫がなされている。しかし、このような従来の方法では、新たに加工工程を追加することが必要であり、また、フィルムの強度が低下するという問題がある。また、一軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートする方法があるが、引き裂くために大きな力を要したり、あるいは、包装袋を直線的に引き裂けないというトラブルがしばしば発生する。このような場合、開封と同時に内容物が飛散すると、内容物が無駄になったり、また、衣服や調度品を汚したり、あるいは、内容物が熱い場合、火傷の原因になったりするというトラブルが生じる。
【0004】ポリアミド樹脂の改質により、易引裂性を付与する方法として、N6/MXD6=85〜40/15〜60(重量比)からなる混合ポリアミド組成物を溶融押出し、インフレーション法を用いて、長手方向(MD)、巾方向(TD)共に2.8 倍以上に延伸した易引裂性フィルム、およびこの易引裂性フィルムが複数層の一層として形成されたラミネートフィルムが提案されている(特開平5−220837号公報、特開平5−200958号公報)。
【0005】また、N6/MXD6=80〜95/20〜5 (重量比)の混合物からなり、MXD6の分散粒子の形状を特定の形状に分散させた引裂直進性を有する二軸延伸ポリアミドフィルムが提案されている(特開平7−113015号公報)。
【0006】しかしながら、上記のような従来のフィルムにおいては、製膜安定性に問題があったり、フィルムの厚み斑が大きくなり商品価値が低下したり、あるいは引裂直進性が不十分な場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、ポリアミドフィルムの強靱性と優れた透明性と厚み均一性を有し、かつ、フィルムの長手方向に引き裂いた際の直進性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して生産することができる方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の製造方法を用いることにより、引裂直進性を有し、かつ、厚み斑の少ないポリアミドフィルムを安定して生産できることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明の要旨は、N6/MXD6=80/20 〜95/5(重量比)からなる組成物を原料として用い、押出機内で加熱溶融してシート状に押し出した後、縦および横方向に延伸して二軸延伸ポリアミドフィルムを製造する方法において、押出機内におけるスクリュー計量部の最大せん断速度を20〜50sec -1、樹脂の滞留時間を1〜5分、樹脂の最高温度を 260〜280 ℃の各条件で押し出すことを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法にある。
【0010】
【発明実施の形態】本発明において用いられるポリアミドは、N6とMXD6の混合物であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリアミドや、ポリアミド樹脂に通常用いられる各種の無機および有機系の添加剤を配合してもよい。無機添加剤としてはタルク、シリカ、アルミナ、マグネシア、炭酸カルシウムなどの滑剤やハロゲン化銅などの酸化防止剤が挙げられ、有機添加剤としてはε−カプラミド二量体、グラファイトなどの結晶核剤、芳香族アミン、ヒンダードフェノールなどの酸化防止剤、変性ポリオレフィンなどのフィルム改質剤が例示される。
【0011】また、N6の相対粘度は 2.5〜4.0 、好ましくは、2.9 〜3.3 である。相対粘度が2.5 未満の場合にはMXD6の分散粒子径が大きくなり、フィルムの引裂直進性が低下し、また、相対粘度が4.0 より大きいとフィルムの押出製膜性が低下するため好ましくない。
【0012】本発明におけるMXD6としては、本発明の効果を損ねない範囲であれば、パラキシリレンアジパミド成分を5%以下(重量%)程度含有したものでもよい。
【0013】また、MXD6の相対粘度は 2.0〜3.0 、好ましくは2.3 〜2.5 である。相対粘度が2.0 未満の場合、N6中でのMXD6の分散粒子の生成が阻害され、得られるフィルムの引裂直進性が低下する。また、相対粘度が3.0 より大きいとMXD6の分散粒子径が大きくなり、引裂直進性が低下する。
【0014】本発明におけるN6およびMXD6の重量比は、N6/MXD6=80/20〜95/5 (重量比)である。MXD6が20重量%より多い場合、フィルムの厚み変動などの操業性の問題が発生しやすく、また、MXD6が5重量%より少ない場合は引裂直進性が得られないため好ましくない。
【0015】本発明においては、原料樹脂を押出機内で加熱溶融してダイスからシート状に押し出した後、縦および横方向に延伸して二軸延伸ポリアミドフィルムを製造するが、押出機内におけるスクリュー計量部の最大せん断速度が20〜50sec -1、樹脂の滞留時間が1〜5分、樹脂の最高温度が 260〜280 ℃の各条件を満足することが必要である。
【0016】本発明におけるスクリュー計量部とは、スクリュー供給部、スクリュー圧縮部に続くスクリューの前方部分であり、溶融した樹脂の均一混練性を付与する部分である。スクリュー計量部の最大せん断速度とは、押出機内のスクリュー計量部で溶融樹脂に与えられる最大のせん断速度のことである。最大せん断速度の大きさは20〜50sec -1、好ましくは30〜45sec -1である。最大せん断速度が20sec -1より小さい場合、混練が不十分となり、フィルムの各種性能が低下する。また、50sec -1より大きい場合、混練効果が強すぎてフィルムの引裂直進性が低下するため好ましくない。
【0017】本発明における樹脂の滞留時間とは、押出機内に原料が供給されてから、押出機のシリンダーから押し出されるまでの時間である。滞留時間は1〜5分、好ましくは1〜3分であり、滞留時間が1分より短い場合は混練が不十分でありフィルムの各種性能が低下し、5分より長い場合は混練が強すぎてフィルムの引裂直進性が低下するため好ましくない。
【0018】本発明において、押出機内における樹脂の最高温度は 260〜280 ℃である。最高温度が 280℃より高い場合、N6とMXD6の反応が進行してフィルムの引裂直進性が低下したり、フィルムの厚みが不均一となりやすく、一方、最低温度が260℃より低い場合、押出圧力の上昇や製膜安定性が低下する。
【0019】本発明において用いられるスクリューとしては、フルフライトタイプ、ダムフライトタイプなどの一般的なものを用いることができるが、前記スクリューにユニメルトやマードックなどの混練部を付加したものを用いた場合、N6とMXD6の反応が進み、得られるフィルムの引裂直進性が低下する場合があるので好ましくない。
【0020】本発明におけるフィルムの製造方法としては、N6とMXD6の混合物を押出機に供給し、本発明において規定される各条件で加熱溶融した後、ダイスからシート状に押出し、回転するキャストロール上で急冷する。次に、得られた未延伸シートを二軸延伸するが、二軸延伸の方法としては、テンター式同時二軸延伸法、ロール・テンター式逐次二軸延伸法などが用いられる。
【0021】たとえば、テンター式同時二軸延伸法を用いる場合には、まず未延伸シートの水分率を1〜6%に調整した後、同時二軸延伸機に送り込み、延伸温度 160〜190 ℃で、縦および横方向の延伸倍率をそれぞれ 2.8〜3.8 倍程度として同時二軸延伸する。
【0022】次に、二軸延伸されたフィルムを引き続き熱処理して二軸延伸を固定する。この熱処理条件としては、温度 190〜220 ℃、時間3〜10秒、巾方向の弛緩率0〜10%の範囲が望ましい。
【0023】延伸フィルムの厚みは、包装材料として求められる強度を備えておればよく、特に限定されないが、通常10〜50μm 程度である。
【0024】本発明の方法により得られた二軸延伸ポリアミドフィルムは、他のフィルムや紙、布、金属などをラミネートしたり、アルミナ、シリカなどを蒸着して用いることもできる。
【0025】
【作用】本発明の方法により得られる二軸延伸ポリアミドフィルムが優れた引裂直進性を有する理由は、押出機内のスクリュー計量部における最大せん断速度、樹脂の滞留時間および最高温度をコントロールすることによって、引裂直進性を発現するためのN6とMXD6の適度な混練が達成されるためと推察される。
【0026】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。なお、フィルムの各性能の評価方法は次の通りである。
【0027】(1)ポリアミドの相対粘度〔η〕;96%硫酸 100ml中に試料1g を溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計を用い、25℃の条件下で測定した。
(2)スクリュー計量部におけるせん断速度スクリュー計量部におけるせん断速度γ(s -1)は、押出機シリンダーの内径D(cm)、スクリュー回転数 n(rps )、計量部の溝深さH(cm)の各値を用いて、次式より求めた。
γ=π n /H(3)押出機内における樹脂の滞留時間押出機のシリンダー内に原料が供給されてから、押出機から押し出されるまでにかかった時間を測定した。
(4)押出機内における樹脂の最高温度押出機シリンダー内のスクリューの供給部、圧縮部、計量部の各部に相当する位置に、スクリューの回転および樹脂の流動に影響を及ぼさないよう温度センサーを設置して測定した。
(5)引張強度幅10mm、試料長100mm の試料を用いて、ASTM-D882 に準じて測定した。
(6)フィルムの厚み変動放射線式フィルム厚み測定器をフィルムの幅方向に走査することにより、延伸フィルムの厚みをライン走行中にリアルオンタイムで測定した。100mの走行あたり、測定器をフィルム幅方向に5往復させ、厚みの平均値Da、最大値Dmax および最小値Dmin から、次式により厚み変動率P(%)を計算した。
P=〔(Dmax −Dmin )/Da 〕×100Pが7%未満のものを○、7%以上のものを×として評価した。
(7)長手方向の引裂直進性延伸フィルムのTD方向に所定間隔(Ws:20mm)で切れ目を入れ、これらの切れ目に沿ってフィルムをMD方向に200mm 引き裂いた時、切れ目を入れていない他端のズレ幅We(mm)を測定し、次式により引裂きにおけるズレ率α(%)を計算した。
α=We/Ws× 100この測定を10回繰り返し、αの平均値が±10%未満のものを◎(引裂直進性が非常に良好)、±10%≦α≦±30%のものを○(引裂直進性が良好)、αが±30%を超えるものを×(引裂直進性が不良)として評価した。
【0028】実施例1N6(ユニチカ社製、商品名:A1030BRF、相対粘度3.10)およびMXD6(三菱瓦斯化学社製、商品名:MXナイロン S6907、相対粘度2.40)を80:20の重量比で混合したポリアミド組成物を、200mm φダムフライトタイプのスクリューを備えた押出機を使用して、スクリュー計量部における最大せん断速度40 sec-1、押出機内における樹脂の滞留時間を2分、シリンダー内における樹脂の最高温度270℃の条件でTダイよりシート状に押し出した。押し出した未延伸シートを表面温度15℃に温調された回転するキャストロールに密着急冷し、厚み約 150μm の未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを60℃の温水中で1分間処理した後、テンター式同時二軸延伸機のクリップに把持し、延伸温度185 ℃、延伸倍率を縦および横方向に 3.0×3.3 倍の条件で延伸した後、205 ℃で4秒間の熱処理を施して厚み約15μmの二軸延伸フィルムを得た。熱処理の際、巾方向に5%の弛緩処理を施した。得られた二軸延伸フィルムの引張強度、厚み均一性および長手方向の引裂直進性を測定した結果は表1に示したとおりであり、優れた厚み均一性と良好な長手方向の引裂直進性を有していた。
【0029】実施例2〜3N6、MXD6の配合比を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの各物性の評価結果を表1に示した。
【0030】実施例4〜6スクリュー計量部における最大せん断速度、押出機内における樹脂の滞留時間および樹脂の最高温度を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの各物性の評価結果を表1に示した。
【0031】比較例1〜2N6、MXD6の配合比を表1のように変化させた以外は、実施例1と同様の方法により二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの各物性の評価結果を表1に示した。
【0032】比較例3〜5スクリュー計量部における最大せん断速度、押出機内における樹脂の滞留時間および樹脂の最高温度をそれぞれ表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法により二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの各物性の評価結果を表1に示した。
【0033】
【表1】

【0034】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、優れた強度を有し、かつ、フィルムの長手方向の引裂直進性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安定して生産することができるため、その経済的価値は極めて大きい。




 

 


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