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発明の名称 粒状ポリアリレートの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−272625
公開日 平成10年(1998)10月13日
出願番号 特願平9−79674
出願日 平成9年(1997)3月31日
代理人
発明者 高木 伸哉 / 岸本 聡一郎 / 大脇 隆正 / 早瀬 茂
要約 目的


構成
攪拌槽内で、常圧ないし減圧で40〜100℃に加熱され、撹拌されているポリアリレート−水系スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を供給して混合し、塩化メチレンを留去しながら、混合スラリーを撹拌槽に設けた循環ラインを通して循環させ、かつ循環スラリーの一部を抜き取りながら回収して粒状のポリアリレートを製造する方法において、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を攪拌翼の外側の特定位置に供給する。
特許請求の範囲
【請求項1】 攪拌槽内で、常圧ないし減圧で40〜100℃に加熱され、攪拌機により撹拌されているポリアリレート−水系スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を供給して混合し、塩化メチレンを留去しながら、混合スラリーを撹拌槽に設けた循環ラインを通して循環させ、かつ循環スラリーの一部を抜き取りながら回収して粒状のポリアリレートを製造する方法において、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を攪拌翼の外側で、下記(1)及び(2)式を満足する位置に供給することを特徴とする粒状ポリアリレートの製造方法。
0.1≦2FX /(D−DP )≦0.9 (1)
0.1≦FY /HL ≦0.9 (2)
ただし、FX :供給位置から撹拌翼先端までの水平距離FY :供給位置から槽底までの垂直距離D:槽径、DP :翼径、HL :液深
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリレートの塩化メチレン溶液から、粒状のポリアリレートを操業性よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、界面重合後の塩化メチレン溶液から、粒状のポリアリレートを製造する方法として種々の方法が提案されている。例えば、ポリアリレートを溶解せず、塩化メチレンと相溶するアルコールのような貧溶媒中に界面重合後のポリアリレートの塩化メチレン溶液を強撹拌下添加しポリアリレートを沈澱させてポリアリレート粉末を製造する溶剤沈澱法、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を押出機中で加熱または減圧下で加熱することによって溶媒を留去し、ポリアリレート粉末を製造するニーダー法、ポリアリレートの溶液を噴霧して溶媒を留去し、微粒子状粉末を製造するスプレードライ法等である。
【0003】前記溶剤沈澱法によるポリアリレート粉末の製造においては、貧溶媒を塩化メチレン溶液の体積の20倍程度使用しなければならず、非常にコストが高くなり、また厳密に防爆された設備が必要であった。さらに、この方法によって得られる粉末は嵩密度が低くハンドリングに難を有するという問題があった。また、ニーダー法によるポリアリレート粉末の製造においては、ポリアリレートがブロック状の塊となって固化するため、塊の内部に塩化メチレンが残留し易く、また、この方法は比較的高い温度を必要とするため、場合によってはポリアリレートが着色するという問題があった。スプレードライ法によるポリアリレート粉末の製造においては、塩化メチレン溶液の粘度調整が必要であり、例えば高粘度の溶液を用いた場合、ポリアリレートは繊維状になり粉末で得ることが困難であった。また低粘度に希釈して粉末状のポリアリレートが得られたとしても粒子径が100μm以下のもので、ハンドリングに難を有するものであった。
【0004】この様な問題を解決する方法として、特開昭50−139156号公報には、常温ないし200℃のポリアリレートの塩化メチレン溶液を、50〜80℃に保持されている空間もしくは温水中へ細孔から噴射し、撹拌状態の該温水中で造粒作用を完結させて、粒状ポリアリレートを製造する方法が開示されている。この方法では、撹拌槽内に羽付き撹拌翼を設置し、それを3500rpmで高速回転させることによって粒子を粉砕するため、粒子径分布が広くなったり、微粉末が発生したりするという問題があった。また塩化メチレンが少量残存した柔らかく粘着性のあるポリアリレート粒子が、撹拌翼の高速回転で器壁に高速で衝突するために、器壁に粒子が付着しやすく、長時間運転した場合には成長した付着粒子の樹脂塊が発生して撹拌できなくなるという致命的な問題があった。さらにこの方法においては高速回転できる羽付き撹拌翼のような特殊な装置が必要であった。
【0005】また、特開平4−202220号公報には、重合中にポリアリレートがゲルまたは固形物となって析出するような高い濃度でポリアリレートの重合を行い、この際に予め分散安定剤を添加し、粒状に析出させてポリアリレート粉末を製造する方法が開示されている。この方法によれば、ポリアリレートの粉末が得られたとしても、重合中にゲル化するので活性な酸クロライド末端が失活せず、また未反応モノマーがポリマー内部に残留し、ポリマーの色調や熱安定性を悪くするという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑み、本発明の課題は、攪拌槽内において樹脂付着を起こすことなく長時間にわたる連続かつ安定的な運転が可能となるので、操業性、生産性が良好であり、かつ粒子内に未反応モノマーや活性末端基を有するポリアリレートを含まず、微粉末が含まれておらず、ハンドリングの良い粒状のポリアリレートを簡単な装置で得ることができる粒状ポリアリレートの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を、特定の温度に保たれ撹拌されているポリアリレート−水系スラリー中へ供給し、この後、塩化メチレンを留去しつつスラリーを循環し、循環ライン中でスラリーに撹拌を加えることによって蒿密度が高く、微粉末の少ない粒状のポリアリレートを製造する方法において、攪拌層内の樹脂付着がポリアリレート塩化メチレン溶液の供給位置によって著しく異なり、特定の位置に供給すれば上記課題が解決できるとの知見を得、この知見に基づき本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明の要旨は、攪拌槽内で、常圧ないし減圧で40〜100℃に加熱され、攪拌機により撹拌されているポリアリレート−水系スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を供給して混合し、塩化メチレンを留去しながら、混合スラリーを撹拌槽に設けた循環ラインを通して循環させ、かつ循環スラリーの一部を抜き取りながら回収して粒状のポリアリレートを製造する方法において、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を攪拌翼の外側で、下記(1)及び(2)式を満足する位置に供給することを特徴とする粒状ポリアリレートの製造方法である。
0.1≦2FX /(D−DP )≦0.9 (1)
0.1≦FY /HL ≦0.9 (2)
ただし、FX :供給位置から撹拌翼先端までの水平距離FY :供給位置から槽底までの垂直距離D:槽径、DP :翼径、HL :液深【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明において、ポリアリレートは実質的に二価フェノールと芳香族ジカルボン酸から構成される非晶性芳香族ポリエステルである。
【0010】ポリアリレート樹脂を構成する二価フェノール成分として好ましいものは、レゾルシノール、ハイドロキノン、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビス(2,6−キシレノール)、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−(1−メチルペンチリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4' −ジヒドロキシルビフェニル、3,3',5,5' −テトラメチル−4,4' −ジヒドロキシビフェニル、4,4' −ジヒドロキシベンゾフェノンや1,4−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン等のテルペンジフェノール類等を挙げることができる。また、ポリマーの特性を損なわない範囲で二価フェノールを、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、1、4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等の二価アルコールで置き換えてもよい。
【0011】さらに、本発明のポリアリレートを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基等のアルキル基が1ないし2個置換したフタル酸誘導体類、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸誘導体類、4,4’−ジカルボキシビフェニル、ジフェン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。この中でも好ましいのは、テレフタル酸及びイソフタル酸であり、特に好ましいのはテレフタル酸とイソフタル酸の混合物である。
【0012】本発明において、ポリアリレートは、前述した芳香族ジカルボン酸の他に、実質的にその特性を損なわない範囲で、他の脂肪族ジカルボン酸類で置き換えても良い。そのようなジカルボン酸としては、ジカルボキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ドデカン二酸等を挙げることができる。
【0013】また、ポリアリレートの末端は、フェノールのほか、o,m,p−クレゾール、ジメチルフェノール、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−n−プロピルフェノール、o,m,p−イソプロピルフェノール、o,m,p−n−ブチルフェノール、o,m,p−イソブチルフェノール、o,m,p−sec−ブチルフェノール、o,m,p−tert−ブチルフェノール等の一価フェノールやメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパンノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の一価のアルコールや酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸等の一価のカルボン酸で封鎖されていてもよい。
【0014】また、ポリアリレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量が、5000以上であるものが好ましく、10000〜300000であるものがより好ましい。分子量が5000未満であると、ポリマーとしての機械的物性が低下し、一方300000を超えると溶融時の加工性が低下するので好ましくない。
【0015】本発明で得られる粒状ポリアリレートの平均粒子径は500μm以上であることが好ましい。平均粒子径が500μm未満であるとハンドリングが悪くなる傾向にある。平均粒子径が1000μm以上であることがより好ましい。平均粒子径の測定方法は種々提案されているが、本発明における平均粒子径とは光学顕微鏡によって直接測定した各サンプルの粒子径の数平均値を単に平均粒子径と呼ぶ。
【0016】さらに、本発明で得られる粒状ポリアリレートは、微粉末の割合が少ない。微粉末の割合の定義として、250μm篩の通過重量%をとれば、本発明で得られる粒状ポリアリレートは、通過重量%が5%重量以下であるものが好ましく、より好ましくは3%以下である。微粉末が5%を超えると、成形時や押出し時のホッパー供給において、粉塵の飛散が起こるので好ましくない。
【0017】また、本発明で得られる粒状のポリアリレートは、0.2以上の嵩密度であることが好ましく、0.3以上がより好ましい。嵩密度が0.2未満であるとハンドリングが悪くなる傾向にある。嵩密度は、公知の方法で測定することができる。本発明においては、タッピングしない場合の嵩密度が採用される。
【0018】本発明で用いるポリアリレートは、いかなる方法で製造したものも適用できるが、界面重合後、液−液分離した後のポリアリレートの塩化メチレン溶液を使用することが、操業を連続して行える点で好ましい。界面重合は重合触媒の共存下で、二価フェノール化合物と場合によっては前述した末端封鎖剤を溶解したアルカリ水溶液に、塩化メチレンに溶かした芳香族ジカルボン酸ハライドを混合して二価フェノールと前述した芳香族ジカルボン酸のハライドを2〜50℃で0.5〜5時間撹拌しながら反応させることにより行われる。
【0019】界面重合時の塩化メチレンの量は、通常ポリマー濃度が5〜25重量%となるように用いることが好ましい。ポリマー濃度が5重量%未満ではポリマーの生産性の低下とコストが高くなるので好ましくなく、25重量%を超えると重合時にポリマーがゲル状になって析出することがある。ゲル状になったポリマー中の酸ハライド基等の活性末端は失活させることが困難であり、この様なポリマーは成形時の色調に悪影響を与える。
【0020】また、反応時に用いるアルカリ水は、二価フェノール化合物と場合によって用いる末端封鎖剤を溶解できる濃度であれば限定されず、通常塩化メチレンの体積の1〜3倍の量を用い、アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0021】さらに重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリヘキシルアミン、トリデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチルアニリン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、テトラメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド等の第4級アンモニウム塩等、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、テトラメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライド、トリフェニルベンジルホスホニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムハライド等の第4級ホスホニウム塩類、18−クラウン−6、18−ベンゾクラウン−6、18−ジベンゾクラウン−6、15−クラウン−5等のクラウンエーテル類が挙げられ、特に重合速度と価格の面から第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0022】界面重合終了後に酸を添加して反応の停止と中和を行い塩類と未反応モノマーを含む水相とポリアリレートを溶解した塩化メチレン相を、デカンター、遠心分離機など公知の方法を用いて分離する。この時に用いられる酸としては塩酸、硫酸、リン酸および酢酸等が好ましい。さらに、塩化メチレン相を水洗し、残留する塩類やモノマーを除去した後、引き続き本発明に使用する。
【0023】次に図面を参照しつつ本発明の実施の態様を説明する。図1は、本発明を実施する装置の一例を示す概略図である。図1において、攪拌槽1内で、常圧ないし減圧で40〜100℃に加熱され、攪拌機2により撹拌されているポリアリレート−水系スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を供給管3から供給して混合する。蒸発塩化メチレンを導出管5から留去しながら、混合スラリーを撹拌槽1に設けたスラリー導出管6から循環ラインに導入して循環スラリー導入管10から攪拌槽1に戻して循環させるとともに、循環スラリーの一部をスラリー抜き出し管9から抜き取り、回収して粒状のポリアリレートを製造する。また、循環ライン内には、スラリーを循環させるための原動力としてスラリーポンプ7が設けられており、攪拌槽1にはスラリーを所定濃度に保つために補給水導入管4が設けられており、補給水を供給する。
【0024】このとき、ポリアリレートの塩化メチレン溶液は、攪拌翼の外側で、下記(1)及び(2)式を満足する位置に供給される。
0.1≦2FX /(D−DP )≦0.9 (1)
0.1≦FY /HL ≦0.9 (2)
ただし、FX :供給位置から撹拌翼先端までの水平距離FY :供給位置から槽底までの垂直距離D:槽径、DP :翼径、HL :液深【0025】ポリアリレートの塩化メチレン溶液供給位置が撹拌翼先端よりも内側であると、供給されたポリアリレート溶液が撹拌軸に瞬時に付着し樹脂塊が発生するので操業できなくなる。2FX /(D−DP )の値が0.1未満または0.9を超えると、供給されたポリアリレート溶液が撹拌翼や撹拌軸あるいは攪拌槽壁に直接付着し、その結果、長時間、造粒を続けるとスラリー粒子の付着を引き起こして攪拌槽内の撹拌不良や樹脂塊が発生し、操業できなくなる。またFY /HL の値が0.1未満であると、ポリアリレート溶液が攪拌槽の底に直接付着し、スラリー粒子の付着を引き起こし、操業できなくなる。FY /HL の値が0.9を超えるとポリアリレート溶液が供給直後にスラリー液相表面に瞬時に浮上してフィルム状の樹脂およびスラリーの凝集物を形成し、攪拌槽内の撹拌不良や樹脂塊が発生する。
【0026】攪拌槽1としては、ポリアリレートの塩化メチレン溶液が水中で懸濁状態を保つことができる装置であれば特に限定されない。撹拌機2の撹拌翼の形状としては、塩化メチレンの蒸発にともなってスラリーは浮上してくる傾向があるので、かき下げ型のものを選択することが好ましい。例示すれば、傾斜パドル型、傾斜タービン型で、2枚羽根から6枚羽根等適宜選択することができる。撹拌速度は、造粒した粒子が槽壁に高速で衝突して付着しない程度であれば特に限定されないが、スラリーを均一に分散させ浮上を防ぎ、かつ汎用で安価な撹拌装置を使用する点から、撹拌翼の形状にもよるが、通常100〜800rpmの範囲にあればよい。
【0027】ポリアリレートの塩化メチレン溶液は攪拌槽1に供給管3からスラリー液相中に連続的または間欠的に供給される。供給管3の形状は、ポリアリレート溶液をスラリー中に分散させて供給できるものであれば特に限定されないが、細孔を有するものが好ましい。ポリアリレートの塩化メチレン溶液の濃度は、5〜25重量%の濃度のものが好ましく、製造速度を勘案すれば10重量%〜25重量%の濃度のものがより好ましい。5重量%未満では生産速度が著しく低下し、25重量%を超えると塩化メチレン溶液中にゲル状物が発生し粘度上昇やラインの閉塞が起こり、安定して供給できなくなる傾向にある。
【0028】攪拌槽1内のスラリー中のポリアリレートの濃度は、3〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましい。スラリー濃度は、できるだけ一定に保つことが好ましく、通常、ポリアリレートの塩化メチレン溶液の供給量、塩化メチレンの蒸発量、製品としてのスラリーの抜き出し量、補給水の供給量を調整することによって行う。
【0029】攪拌槽1で塩化メチレンを蒸発させるためのスラリーの温度は常圧ないしは減圧下で40℃〜100℃で行う。塩化メチレンの蒸発速度と水の蒸発量を勘案すれば、50〜90℃がより好ましい。40℃未満では塩化メチレンの蒸発速度が遅く、スラリー粒子の分散が低下するので好ましくなく、100℃を超えると塩化メチレンの蒸発が激しくなりスラリーが著しく飛散するので好ましくない。
【0030】また、攪拌槽1内では、循環しているスラリーと供給されたポリアリレートの塩化メチレン溶液が接触し合一するので、循環ラインにスラリー導出管6から導入したスラリーを、循環ラインに循環スラリー撹拌機8を設けて、これを通過させて合一した粒子を再度分散させることが好ましい。循環スラリー撹拌機8としては、合一した粒子を連続して分散できるものであれば特に限定されないが、好ましくは湿式粉砕機がよい。循環スラリー撹拌機8で用いることのできる撹拌翼としては、プロペラ、タービン型、パドル型等公知のものが使用できる。撹拌翼径はポリアリレートの塩化メチレン溶液の供給管が槽壁に設置できるものであれば特に限定されないが、撹拌効率の点から槽径に対して0.1〜0.9の比であるものが好ましい。
【0031】攪拌槽1から循環ラインに導入されたスラリーは、一部をスラリー抜き出し管9から抜き出して回収し、残部は攪拌槽1へ戻して循環させる。回収した粒状ポリアリレートを含むスラリーは、公知の固液分離機を用いてろ過し、さらに真空乾燥機、流動層乾燥機等を用いて乾燥し、粒状ポリアリレートを得る。
【0032】なお、本発明の製造法においては、ヒンダードフェノール系化合物、亜燐酸系化合物、ヒンダードアミン化合物またはチオエーテル系化合物等の酸化防止剤、着色剤等の添加剤を重合後の塩化メチレン溶液中に添加することによって各種添加剤を含有した粒状のポリアリレート粒子を得ることもできる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形および応用が可能である。
【0034】参考例1(界面重合によるポリアリレートの調製)
撹拌装置を備えた反応容器中に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン100重量部、p−tert−ブチルフェノール3.4重量部、水酸化ナトリウム41.4重量部、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド0.6重量部を仕込み、水1350重量部に溶解した(水相)。これとは別に塩化メチレン767重量部に、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物93重量部を溶解した(有機相)。この有機相を先に調製した水相中に強撹拌下で添加し、3時間重合反応を行った。この後酢酸50重量部を添加して反応を停止し、水相と有機相を分離し、有機相が中性となるまで水洗を繰り返し17重量%のポリアリレートの塩化メチレン溶液を得た。この溶液の水に対する界面張力は2.5×10-2N/mであった。
【0035】実施例1図1に示す装置を用い、粒状ポリアリレートの製造を行った。まず、実容積V=250L(槽径D=60cm)である攪拌槽1に50℃の温水135Lを仕込み、乾燥したポリアリレート粒子22.95kgを仕込みスラリー濃度を17重量%に調整した。この時の液深HL は55cmであった。次いで、参考例1で得られた17重量%のポリアリレートの塩化メチレン溶液を、供給管3から25.9kg/hrの速度でスラリー液相に供給した。ポリアリレートの塩化メチレン溶液の供給位置は、X 、FY が2FX /(D−DP )=0.75、FY /HL =0.55となるように設置した。また、補給水導入口より25.9kg/hrの速度で50℃の温水を供給した。スラリーの循環は、循環ラインに設けたスラリーポンプ7によりQ=150L/minで行い、さらに4枚タービン型撹拌翼を持つ循環スラリー撹拌機8を用いてスラリーをN=50s-1の撹拌速度で分散撹拌し、全量循環スラリー導入管10より攪拌槽に戻した。留去された塩化メチレンは、蒸発塩化メチレン導出管5を通じて抜き出した。このとき、攪拌槽内は50℃に温度を保ち、傾斜パドル翼(翼径DP )を有する攪拌機2を用いて250rpmで撹拌を行った。
【0036】ポリアリレート塩化メチレン溶液の供給開始と共に、循環ライン内のスラリー抜き出し管より、30.3kg/hr(0.49L/min)でポリアリレート−水系スラリー(樹脂分17重量%)を抜き出し、残部は循環スラリー導入管10から攪拌槽1に戻し引きつづき循環させた。抜き出したポリアリレート−水系スラリーは、固液分離機を用いてろ過し、乾燥を行い粒状ポリアリレートを得た。このようにして得られた粒状ポリアリレートは粒子内に未反応モノマーや活性末端基を有するポリアリレートを含むこと無く、蒿密度が高く、微粉も少ないものであった。
【0037】実施例2〜5及び比較例1〜4ポリアリレート溶液の供給位置(FX 、FY )を変化させ、実施例1と同様に、粒状ポリアリレートの製造を行った。それぞれの条件を表1に示す。なお、造粒の状態は運転開始から48時間後の槽内の観察結果であり、そのときの蒿密度ならびに粒子径を測定した。嵩密度の測定はタッピングせずに測定し、さらに粒子径の測定は顕微鏡法を用いて行った。
【0038】
【表1】

【0039】
【発明の効果】本発明によれば、攪拌槽内の樹脂付着を起こすことなく長時間にわたる連続かつ安定的な運転が可能となるので、操業性、生産性において極めて有利である。また、本発明の方法で得られる粒状ポリアリレートは、粒子内に未反応モノマーや活性末端基を有するポリアリレートを含むこと無く、蒿密度が高く、微粉も少ないのでハンドリングがよく、各種成形材料やアロイ等の原料、フィルム原料、バインダー樹脂の原料として好適に使用することができる。




 

 


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