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発明の名称 粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−211649
公開日 平成10年(1998)8月11日
出願番号 特願平9−18177
出願日 平成9年(1997)1月31日
代理人
発明者 細川 文彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)90〜96重量%と、(イ)より高いガラス転移温度及び(イ)より0.1ダイン/cm以上異なった臨界表面張力を有し、かつ温度280℃、せん断速度102 sec-1における溶融粘度が500〜50000ポイズの熱可塑性樹脂(ロ)10〜4重量%からなる樹脂組成物を原料として用いて二軸延伸フィルムを製造する方法において、延伸フィルムにおける巾方向の曇度の最高値をHmax 、Hmax 以外の巾方向の他の位置の曇度をHとした場合、曇度Hの位置に対応するフィルムの延伸開始点(予熱ゾーンと延伸ゾーンの境界点)における温度をHmax の位置に対応するフィルムの延伸開始点の温度より高く調節して同時二軸延伸することにより、延伸フィルムの巾方向の曇度を均一化することを特徴とする粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項2】 曇度Hの位置に対応するフィルムの延伸開始点の温度を、下記式(1)で求められる温度(T)だけ高くなるように調節して同時二軸延伸することを特徴とする請求項1記載の粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
T(℃)=0.7×(Hmax −H)±0.2 (1)
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用マットフィルム、磁気テープ用リーダーテープ、写真印刷用マットフィルム、アルミ蒸着用マットフィルム、合成紙などの基材フィルムとして有用な粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、優れた物理的、化学的性質を有するため、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、感光材料、各種写真材料など多くの用途に使用されている。二軸延伸ポリエステルフィルムは装置や製造技術の進歩により高速化及び5m以上の広巾化の生産が可能である。しかしながら一方では、延伸機が大型化し、製品巾が広くなるほど巾方向に均一な物性を有する延伸フィルムを製造することが難しくなる。特に、本発明におけるような、高い曇度を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する場合、フィルムの巾方向におけるフィルム表面の凹凸形状が変化し、延伸フィルムの中央部は曇度が高く、端部は中央部に比べて曇度が低くなる。すなわち、二軸延伸工程においてフィルム中央部と端部の延伸挙動の差異により、中央部と端部の表面凹凸の程度が変化し、この傾向は巾方向に延伸挙動の差が出やすい広巾延伸機を用いた場合に特に顕著になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記のような問題のない、フィルム巾方向の曇度が均一な粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(a)熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)90〜96重量%と、(イ)より高いガラス転移温度及び(イ)より0.1ダイン/cm以上異なった臨界表面張力を有し、かつ温度280℃、せん断速度102 sec-1における溶融粘度が500〜50000ポイズの熱可塑性樹脂(ロ)10〜4重量%からなる樹脂組成物を原料として用いて二軸延伸フィルムを製造する方法において、延伸フィルムにおける巾方向の曇度の最高値をHmax 、Hmax 以外の巾方向の他の位置の曇度をHとした場合、曇度Hの位置に対応するフィルムの延伸開始点(予熱ゾーンと延伸ゾーンの境界点)における温度をHmax の位置に対応するフィルムの延伸開始点の温度より高く調節して同時二軸延伸することにより、延伸フィルムの巾方向の曇度を均一化することを特徴とする粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
(b)曇度Hの位置に対応するフィルムの延伸開始点の温度を、下記式(1)で求められる温度(T)だけ高くなるように調節して同時二軸延伸することを特徴とする上記(a)記載の粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
T(℃)=0.7×(Hmax −H)±0.2 (1)
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明において用いられる、熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)〔以下(イ)と略記する〕としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)あるいはポリ−p−エチレンオキシベンゾエート(PEOB)およびこれらの共重合体、あるいは、これらを2種類以上混合したものが好適である。(イ)のガラス転移温度(以下、Tgという)は熱可塑性樹脂(ロ)〔以下(ロ)と略記する〕との関係で重要な役割を果たすが、示差熱分析(DSC)法により測定され、PETは70℃、PBTは50℃、PENは120℃、PCTは95℃、PEOBは60℃である。
【0006】(ロ)は、(イ)より高いTgと、(イ)より0.1ダイン/cm以上異なる臨界表面張力を有する熱可塑性樹脂である。Tg及び臨界表面張力の値の限定は次のような理由による。すなわち、(イ)と(ロ)は溶融混合されることにより、(イ)が海成分、(ロ)が島成分を形成するような組成物となり、フィルム状に押し出され、さらに延伸されて粗面化フィルムとなるのであり、(ロ)の臨界表面張力が(イ)の臨界表面張力と同じか近似すると、(イ)と(ロ)が均一に溶融して粗面化フィルムが得られない。また、(ロ)のTgが(イ)より低いと、延伸に際して(イ)と一緒に塑性変形して(ロ)が核となり得ず、フィルム表面に突起が発生しないからである。(イ)と(ロ)の臨界表面張力の差は、好ましくは0.1ダイン/cm以上、さらに好ましくは0.5ダイン/cm以上である。また、(イ)と(ロ)のTgの差は好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上である。
【0007】また、(ロ)の溶融粘度は、温度280℃、せん断速度102 sec-1において、500〜50000ポイズの範囲、好ましくは1000〜50000ポイズの範囲にあることが必要である。溶融粘度が500ポイズ未満の場合は、(イ)のマトリックスに分散する(ロ)の粒子が小さくなり、フィルム表面の突起形成及び隠ぺい性が不十分となり、50000ポイズ以上の場合は、(ロ)の粒子が大きくなりフィルムの機械的性質などが低下する。
【0008】本発明において用いられる(ロ)としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、非晶性ポリアミド、非晶性ポリオレフィン、マレイミド系共重合体などが挙げられる。これらの中で、特に、非晶性ポリアミドは、得られる二軸延伸フィルムの物性や生産性において好ましい。
【0009】非晶性ポリアミドとは、結晶性がないものか、結晶性の乏しいポリアミドを総称しており特に制限はないが、一般には、結晶化を阻害するような構造、すなわち側鎖や環構造を有するモノマー成分からなる重合体である。このような重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸と、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、イソフォロンジアミンなどのジアミンとの反応により得られるポリアミド、あるいは、上記成分にさらにラクタム成分や4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合したポリアミドが挙げられる。非晶性ポリアミドのTgは高い程、フィルムの粗面化が容易であるが、重合工程や溶融成形時の加工性の面から200℃以下が好ましい。
【0010】本発明における粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムは、未延伸フィルムの表面では殆ど表面の凹凸はないが、これを延伸することにより表面凹凸が形成される。延伸工程において、フィルムの巾方向に表面凹凸の分布が発現する理由は定かではないが、次のように推測される。すなわち、フィルムを二軸延伸する場合、縦と横の延伸倍率の比を全幅に渡って均一に延伸することが理想的であるが、延伸軌跡に関する機械設計上の制約や延伸工程で発生するボーイング現象のため、フィルム端部の縦延伸が先行し、中央部の横延伸が遅れる傾向があり、表面凹凸の程度は延伸フィルムの端部で低く、中央部で高くなり、その結果、曇度も中央部で高く、端部で低くなる。また、フィルム表面の凹凸の程度は(ロ)の含有量、ドメインサイズ、ドメイン形状や延伸条件によって変動する。
【0011】本発明においては、フィルムの延伸開始点(予熱ゾーンと延伸ゾーンの境界点)における温度を高く調節することにより(イ)の可塑化が進む結果、延伸フィルム表面の(ロ)の粒子に起因する突起が大きくなり、延伸後のフィルムの曇度は高くなり、巾方向の曇度が均一化される。
【0012】フィルムの延伸開始点における温度の調節量は、(イ)及び(ロ)の種類や混合比率により変化するが、一般的には延伸フィルムにおける巾方向の曇度の最高値Hmax (通常、フィルムの中央部に対応する)、巾方向の他の位置の曇度をH(通常、フィルムの端部の曇度が最も低くなる)とした場合、曇度Hの位置に対応するフィルムの延伸開始点における温度を下記式(1)で求められる温度(T)だけ高くなるように調節して同時二軸延伸することにより最も効率的に本発明の目的が達成される。
T(℃)=0.7×(Hmax −H)±0.2 (1)
【0013】また、延伸開始点の温度を調節するフィルムの幅方向の間隔はできるだけ狭い方が好ましいが、通常工業的に使用されるフィルム幅の場合、曇度が最も低い延伸フィルム端部に対応する延伸開始点の温度を調節することにより、延伸後のフィルムの幅方向の曇度を効果的に均一化することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料及び測定法は次のとおりである。
【0015】
1.原料 PET:ユニチカ社製 極限粘度 0.78 臨界表面張力 41ダイン/cm Tg 70℃ 非晶性ポリアミド:EMS社製 グリボリー XE3038 溶融粘度 2600ポイズ Tg 150℃ ジアミン成分;ヘキサメチレンジアミン 4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシ クロヘキシレンメタン ジカルボン酸成分;テレフタル酸、イソフタル酸2.測定法曇度:東京電色社製ヘーズメーターを用いて、ASTMD1003−61に準じて測定した。
【0016】比較例1PET92重量%と非晶性ポリアミド(XE3038)8重量%の混合物を、90mmφ押出機を用いてTダイより押し出し、厚さ120μm、幅1.5mの未延伸フィルムを得た。次に、この未延伸フィルムを同時二軸延伸機を用いて、温度90℃で延伸倍率を縦3.0倍、横3.3倍として二軸延伸した。この時、延伸開始点のフィルム温度は全巾に渡って90℃であった。得られた二軸延伸フィルムの曇度を巾方向に測定した結果、巾方向の曇度の最高値(フィルム中央部)は50%、最低値(フィルム端部)は46%であった。
【0017】実施例1比較例1において、延伸開始点のフィルム両端部の温度を赤外ヒーターを使用して2.8℃高くなるように調節した後、上記の条件と同様にして二軸延伸した。得られた二軸延伸フィルムの曇度を巾方向に測定した結果、巾方向の曇度は全幅に渡って50%であり、優れた均一性を有するものであった。
【0018】実施例2延伸開始点のフィルム両端部の温度を1.5℃高くなるように調節した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの曇度を巾方向に測定した結果、延伸フィルム中央部は50%、両端部は49%となった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、フィルムの巾方向の曇度が均一な粗面化二軸延伸ポリエステルフィルムを製造することが可能になり、包装用、磁気テープ用リーダーテープ、アルミ蒸着用、合成紙、写真印刷用などの用途向けの基材ポリエステルフィルムの生産性を向上させることができる。




 

 


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