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発明の名称 プラスチックフィルムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−202719
公開日 平成10年(1998)8月4日
出願番号 特願平9−9834
出願日 平成9年(1997)1月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
発明者 坪内 健二 / 木村 清秀 / 藤井 忠晴 / 本山 義浩
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 原料樹脂ペレットをスクリュー押出機を用いて溶融混練し、この押出機内の溶融過程の樹脂に液体状態にした添加剤を注入するに際し、スクリュー押出機のバレル側面に設けられた注入ノズルを介して、前記注入ノズルを設けた位置におけるソリッドベッドの最大圧力に対し1〜10倍の圧力に昇圧した液体状態の添加剤を注入することを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法。
【請求項2】 スクリュー押出機の圧縮部のバレル側面に設けられた注入ノズルを介して添加剤を注入することを特徴とする請求項1記載のプラスチックフィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックフィルムの製造方法に関し、さらに詳しくは、スクリュー押出機を用いた溶融押出過程の熱可塑性樹脂に添加剤を直接注入するプラスチックフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチックフィルムの製造には、単軸スクリュー押出機が用いられている。単軸スクリュー押出機の内部では、プラスチックフィルムの主原料となる熱可塑性樹脂ペレットが溶融混練される。通常、熱可塑性樹脂ペレットの溶融混練時には、プラスチックフィルムの物性を改良し、機械的特性を向上させるために、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤等の各種の添加剤が添加される。これら添加剤の配合方法として、一般的には、原料樹脂ペレットに粉末あるいは液体状態の添加剤を機械的にブレンドする方法や、添加剤を高濃度に添加したマスターペレットを原料樹脂にブレンドする方法や、押出過程の原料樹脂に添加剤を直接注入添加する方法が実施されている。
【0003】しかしながら、原料樹脂ペレットに粉末あるいは液体状態の添加剤を機械的にブレンドする方法は、原料樹脂ペレットのブロッキングや押出工程での喰い込み不良などのトラブルを生じやすいという問題がある。また、高濃度に添加したマスターペレットを原料樹脂にブレンドする方法は、マスターペレットを製造する工程が追加されることで、設備が複雑化し費用が高くなる。さらに添加剤の熱履歴が重なって添加剤の劣化や失活が生じやすいといった問題もある。
【0004】押出過程の原料樹脂に添加剤を直接注入する方法は、添加剤の熱劣化を最小限に抑えることができ、押出機の吐出性能も阻害されず、単軸スクリュー押出機の内部で直接溶融混練することで工程が簡略化されるために経済性に優れた配合方法である。しかしながら、この方法では、押出機内の樹脂圧力が非常に高く、しかも圧力の変動が激しいために、添加剤を定量注入することが困難であるという問題があった。そのため、原料樹脂ペレットに対する添加剤の濃度変化が生じ、これがプラスチックフィルムの物性変動を招いて、均一で安定したプラスチックフィルムを得ることは難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点を解決し、押出過程の原料樹脂に添加剤を直接注入するに際し、添加剤の定量注入を可能にすることで、均一で安定したプラスチックフィルムが得られ、しかも押出機の吐出性能が損なわれない安定な製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの課題を解決するために様々な検討を行なった結果、押出機内では溶融過程の樹脂圧力の変動が著しく、該圧力変動により注入添加量が影響される問題についての解決策として、添加物質の供給ポンプから注入ノズルまでの配管途中に背圧弁を設け、添加物質の注入圧力を圧力変動の最大圧力より高い圧力に保持することで、注入量の定量供給が可能になって、添加物質の特性を均一に発現させたプラスチックフィルムを容易に得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、原料樹脂ペレットをスクリュー押出機を用いて溶融混練し、この押出機内の溶融過程の樹脂に液体状態にした添加剤を注入するに際し、スクリュー押出機のバレル側面に設けられた注入ノズルを介して、前記注入ノズルを設けた位置におけるソリッドベッドの最大圧力に対し1〜10倍の圧力に昇圧した液体状態の添加剤を注入することを特徴とするプラスチックフィルムの製造方法である。
【0008】このように本発明によれば、注入ノズルを設けた位置におけるソリッドベッドの最大圧力に対し1〜10倍の圧力に昇圧した液体状態の添加剤を直接注入することで、添加剤を定量に注入することが可能になり、原料樹脂ペレットに対する添加剤の濃度変化がなくなる。従って、得られたプラスチックフィルムの物性値が安定し、均一なプラスチックフィルムが得られることになる。
【0009】また、スクリュー押出機の圧縮部のバレル側面に設けられた注入ノズルを介して添加剤を注入することで、押出機の吐出性能が実質的に損なわれず、しかも添加剤をフィルム内に均一に分散させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明のプラスチックフィルムの製造工程の全体を説明する図である。原料樹脂ペレットとして熱可塑性樹脂ペレットがホッパー1より供給され、押出機2で可塑化されて、溶融混練され、昇圧した溶融樹脂となる。溶融樹脂は押出機2の先端に取り付けられたTダイ3よりシート状に押し出される。押し出された溶融樹脂はキャストロール4で冷却固化され、それによって形成されたプラスチックフィルムは延伸部5で縦横二軸方向に連続延伸され、プラスチックフィルム製品として巻取り部6に巻き取られる。
【0011】熱可塑性樹脂ペレットが押出機2で可塑化されて、溶融混練される際には、最終製品としてのプラスチックフィルムの物性を改良して、機械的特性を向上させるために、帯電防止剤や酸化防止剤や有機滑剤等の各種の添加剤を添加する。そのため、押出機2のバレル7に注入バルブ付きの注入ノズル8を設け、タンク9より液体状態にした添加剤を供給ポンプ10で圧送し、これを背圧弁11で昇圧して注入ノズル8を介して押出機2に直接注入する。添加剤の注入量は流量計12で計測する。
【0012】本発明では押出機2としては、一般的に優れた吐出性能を持つ単軸スクリュー押出機を用いるのが好適である。図2にその横断面図を示す。固体の樹脂ペレット13がホッパー1から添加される。押出機2のバレル7の外側にはヒータ14が設けられており、ヒータ14からの伝熱とスクリュー15による摩擦熱とにより、押出機2の内部の樹脂ペレット13は溶融混練される。
【0013】詳しくは、押出機2の固体移送部16では、樹脂ペレット13は半溶融状態のソリッドベッド17となっている。この半溶融状態のソリッドベッド17はスクリュー15の送り作用により移送されるにつれて圧縮され、スクリュー15による摩擦熱とヒータ14からの伝熱とにより主にバレル7に接する面から溶融し始める。したがって圧縮部18では、半溶融状態のソリッドベッド17と溶融した樹脂からなるメルトプール19とが混在して溶融過程が進行する。そして、メータリング部20では樹脂は完全に溶融してメルトプール19だけの状態となり、スクリュー15の送り作用により押出機2の先端にあるTダイ3の方向に送られる。
【0014】本発明では添加剤の添加を行う為に押出機2のバレル7に注入ノズル8を設けるが、以下、その設置位置の適否について説明する。まず、注入ノズル8を固体移送部16やホッパー1からの樹脂供給部などに設けて、添加物質の液体をバレル7から注入すると、バレル7側の摩擦・粘着性が低下するために、固体輸送が阻害されることになる。特に樹脂供給部では、バレル7側に樹脂ペレット13が粘着しなければ、スクリュー15に樹脂ペレット13がからみ付いたまま回転して、固体輸送が行われなくなる。逆に、添加物質の種類によってはソリッドベッド17の圧力上昇を招いて、圧縮部18でソリッドベッド17の溶融速度よりも輸送速度が大きくなる供給過多の現象が起こり、スクリュー15の溝内が固体の樹脂ペレットでブロックされてサージング現象を生じることとなる。喰い込み不良やサージング現象による圧力変動は、溶融樹脂の吐出変動を招き、プラスチックフィルムの製膜工程でフィルムの流れ方向の厚み変動を生じさせるため、フィルム製造工程では重大な問題となる。
【0015】注入ノズル8をメータリング部20に設けた場合は、スクリュー15の溝はメルトプール19で満たされており、そこに添加剤を注入すると溶融樹脂と液体状態で注入された添加剤との混合・混錬はスクリュー回転による剪断変形とサーキュレーションのみによってなされることになる。しかし、それでは両者の混合・混練が充分に行えず、分散が不均一になる。
【0016】したがって、注入ノズル8の設置位置は圧縮部18とするのが好ましい。しかしながら、図3に示すように、圧縮部18ではスクリュー15の溝変形による物理的圧縮を受けるため大きな内部圧力が発生し、ソリッドベッド17の圧力は数10kg/cm2 〜数100kg/cm2 に至る高圧力となる。ところが、メルトプール19はスクリュー昇圧作用の初期段階でまだ圧力は低く、数kg/cm2 〜数10kg/cm2 である。このため、注入ノズル8を設けた位置では、スクリュー15の1回転に対してフライトを起点にソリッドベッド17の圧力とメルトプール19の圧力とが交互に掛かり、しかも、ソリッドベッド17の圧力は不安定で自己変動を大幅に起こすために、著しい圧力変動を起こす。したがって、供給ポンプ10の側の圧力レベルの選択を誤ると注入量の変動を招き、製造されるフィルム物性の面分布のムラが生じることとなる。
【0017】そのため、注入ノズル8が上述の圧縮部18の圧力変動に影響されずに、添加剤の定量供給を可能にするためには、図1に示すように供給ポンプ10から注入ノズル8までの配管途中に背圧弁11を設けて、注入圧力をソリッドベッド17の最大圧力より1〜10倍高い圧力に保持することが重要なポイントとなる。このようにすることで、供給ポンプ10の吐出圧が一定となり、供給ポンプ10から送り出される注入量が一定となるのである。
【0018】なお、注入ノズル8は複数個設置して、同時に2種類以上の添加物質を注入することもできる。上記においては、単軸スクリュー押出機2として、シングルフルフライトスクリューについて述べたが、本発明はL/Dおよびディメンジョン配分の異なるスクリューにも適用でき、またベント付きスクリュー、各種ミキシングセクション付きスクリュー、圧縮部においてソリッドベッドとメルトプールのゾーンとに分離された各種バリアフライトタイプスクリューにおいても同様に適用できる。
【0019】原料樹脂としての熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などの一般的にプラスチックフィルムとして用いられる樹脂を適用することができる。
【0020】プラスチックフィルムの物性を改良する添加剤は、前述のように帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、着色剤などであり、常温で液体のものおよび加熱することにより溶融して液体となるものを含み、この場合融点は原料樹脂ペレットの融点以下のものが適している。なぜなら、融点が高い液体添加剤は、注入後固化してソリッドベッドの固体輸送を阻害し、圧力変動を誘発するからである。
【0021】添加剤が固体の場合には、加熱溶融して液化することが必要であるが、その加熱温度は添加剤の構成物質の融点以上で分解点以下の範囲で選ばれる。しかし融点に近すぎると外気の影響で送液途中で冷却固化し注入が行われなくなるトラブルが生じ易い。一方分解点に近すぎれば構成物質の分解により失活し本来の効果を失うばかりか、一部はガス化してポンプの正常な計量、加圧送液が行えず注入トラブルを生じる。したがって添加剤の加熱温度はそれぞれ構成物質に応じた適正な範囲を選ぶことが好ましい。またタンク9から注入ノズル8までの送液ラインも添加剤の構成物質の化学的物性に応じて適正に加熱・冷却・保温を行うことが好ましい。
【0022】上記のような添加剤を構成する物質としては、たとえば帯電防止剤ではポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられ、また安定剤ではN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられ、また有機滑剤では高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アルコールエーテル、高級脂肪酸アマイド(エチレンビスステアリルアミド)、シリコンオイル等が具体的な例として挙げられる。
【0023】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1φ65mm単軸押出機で、L/D25、圧縮比3.8のスクリューを用いて、ナイロン樹脂を260℃で溶融混練して押し出した。この押出機の圧縮部の2.0ピッチ目の位置に注入ノズルを設け、添加剤として有機滑剤であるエチレンビスステアリルアミドを160℃に加熱溶解した液体を樹脂99.94wt%に対し0.06wt%注入した。溶融したナイロン樹脂は630mm巾のTダイより吐出させ、キャストロール上で冷却固化して厚さ160μmの未延伸フィルムを成形し、延伸工程で縦方向に3.0倍、横方向に3.5倍に連続延伸して厚さ15μmのナイロン延伸フィルムを得た。
【0024】このナイロン樹脂の押出機における添加剤の注入位置のソリッドベッドの圧力は25〜65kg/cm2、メルトプールの圧力は5kg/cm2であり、添加剤を加圧するための背圧弁は100kg/cm2 に調節した。添加剤の注入量の変動は3%であった。押出機の吐出性能は実質的に問題はなかった。得られたナイロン延伸フィルムのスリップ性評価は、巾方向全巾と中央部のフィルムの流れ方向10mのオイラー摩擦係数を測定することにより行った。その結果、オイラー摩擦係数は0.27±0.01で優れた改質効果と均一性が確認された。
比較例1背圧弁を取り外した他は実施例1と同様にしてナイロン延伸フィルムを作製した。添加剤の注入量の変動は25%であった。オイラー摩擦係数のムラは、実施例1に比べ3〜4倍大きくなった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、スクリュー押出機のバレル側面に設けられた注入ノズルより液体状態の添加剤を押出機内の溶融過程の樹脂に直接注入するときの注入圧力を、注入位置におけるバレル内の圧力変動の最大圧力以上の圧力に保持することで、添加剤の定量供給が可能になる。その結果、添加剤の特性が均一に発現されたプラスチックフィルムを容易に得ることができる。
【0026】また、スクリュー押出機の圧縮部のバレル側面に設けられた注入ノズルを介して添加剤を注入することで、押出機の吐出性能が実質的に損なわれず、しかも添加剤をフィルム内に均一に分散させることができる。




 

 


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