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発明の名称 抗菌性吸着材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−165809
公開日 平成10年(1998)6月23日
出願番号 特願平8−326459
出願日 平成8年(1996)12月6日
代理人
発明者 千種 健理 / 河内 昭典 / 中井 浩一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 比表面積が 500m2/g以上の活性炭繊維と熱可塑性繊維とを主成分とする吸着材であって,前記活性炭繊維と熱可塑性繊維の両方とも銀及び/又は無機の銀化合物を含有することを特徴とする抗菌性吸着材。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,空気調和機,空気清浄機,脱臭機等で使用される気相用の脱臭フィルターや, 24時間風呂, 浄水器等で使用される液相用の吸着材として好適な抗菌性吸着材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,建物の気密性に起因したアレルギー性喘息等に見られるように空気の微生物汚染の問題が社会的に顕在化してきている。空気調和機や空気清浄機の脱臭フィルターは,一般的に活性炭を成形したものが使用されている。空気調和機や空気清浄機には集塵部があり,空気中の粉塵や粉塵に付着した菌を捕集しているが,これらの菌を 100%は捕集できず,一部の粉塵や粉塵に付着した菌などは,集塵部の下流側にある脱臭フィルターに付着する場合が多い。脱臭フィルター上に細菌が付着すると,粉塵や活性炭に吸着した水分等を栄養源として繁殖し,新たな問題を引き起こす。例えば,カビ(真菌)の胞子が付着し,それが繁殖すると多数の胞子を形成するため,その胞子が飛散して新たな空気の汚染源となったり,腐敗臭が発生する。
【0003】このような問題を解決するために,特開平7−163640号公報には,銀及び/又は無機の銀化合物を添着した活性炭繊維を主成分とする抗菌・脱臭フィルターが提案されており,このフィルターを構成する活性炭繊維には銀成分が添着されているので,フィルター上に細菌類が付着しても,銀成分の殺菌作用でその繁殖をある程度は防止することができる。しかしながら,活性炭繊維のみでは脱臭フィルターに成形することが困難であるため,上記フィルターは,例えば実施例2で70重量%の活性炭繊維と30重量%のバインダー用熱可塑性繊維とを混合して形成したように,多量の熱可塑性繊維を含有しており,熱可塑性繊維が抗菌性を有しないため,熱可塑性繊維の部分に細菌が付着すると,殺菌されることなく繁殖するという問題がある。
【0004】また,銀成分を添着した活性炭繊維を主成分とする吸着材を24時間風呂や浄水器等の液相用の吸着材と使用する場合にも,気相用として使用する場合と同様にバインダー用熱可塑性繊維の部分に細菌が付着すると,殺菌されることなく繁殖するという問題があり,さらに抗菌性の向上した吸着材が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の問題を解決し,吸着材を構成する活性炭繊維部分及び熱可塑性繊維部分のいずれに付着した細菌でも,その繁殖を防止することができる抗菌性吸着材を提供することを技術的な課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課題を解決するために鋭意研究した結果,本発明に到達した。すなわち,本発明は,比表面積が 500m2/g以上の活性炭繊維と熱可塑性繊維とを主成分とする吸着材であって,前記活性炭繊維と熱可塑性繊維の両方とも銀及び/又は無機の銀化合物を含有することを特徴とする抗菌性吸着材を要旨とするものである。
【0007】以下,本発明について詳細に説明する。本発明の抗菌性脱臭材は,活性炭繊維と熱可塑性繊維とを主成分として成形されたものであり,活性炭繊維と熱可塑性繊維の両方とも銀又は無機の銀化合物,あるいは銀と無機の銀化合物の両方を含有するものである。
【0008】活性炭繊維と熱可塑性繊維の両繊維に含有させる銀としては,金属銀,コロイダル銀,銀イオン等が挙げられ,また,無機の銀化合物としては,塩化銀,臭化銀,ヨウ化銀等のハロゲン化銀,硝酸銀,硫酸銀,リン酸銀,硫化銀,塩素酸銀,ケイ酸銀,酸化銀等が挙げられるが,中でも塩化銀,硝酸銀,酸化銀が好ましい。
【0009】銀や無機の銀化合物(以下,単に銀成分という。)を両繊維に含有させる方法としては,繊維状にした後で添着する方法や,繊維状にする前の原料ポリマーに添加する方法等を採用することができる。
【0010】両繊維に添着するには,銀成分を水又は有機溶媒に溶解又は懸濁し,これに繊維を含浸した後,乾燥し,必要によりさらに焼成する方法や,上記銀成分の液を繊維に散布し,必要により乾燥や焼成処理を施す方法がある。また,例えば硝酸銀と塩化ナトリウムをそれぞれ別個の水溶液とし, まずこの一方に繊維を含浸させ, 次いで他方に含浸させ,活性炭繊維の場合には繊維の細孔内表面に塩化銀を生成させる等,2種の水溶性化合物を別々に添着し,繊維の表面で水に難溶性の銀化合物を生成させることもできる。
【0011】活性炭繊維に銀成分を添着する場合,前駆体繊維の段階でもよく,また,両繊維を混繊し,フェルト状やフィルター状に成形した後でもよい。また,熱可塑性繊維の原料ポリマーに銀成分を添加する場合には,例えば特開平6−272173号公報に記載されたように,熱可塑性繊維の原料ポリマーに対し,銀イオンを担持させた抗菌性ゼオライト粒子を繊維中濃度が1.5重量%になるように添加,分散させて溶融紡糸する方法を採用することができる。
【0012】各繊維に対する銀成分の添着量は,銀に換算して0.1〜10重量%,特に1〜5重量%が好ましい。銀成分の量が少なくなると,吸着材上の細菌の繁殖抑制効果が低下し,また,銀成分の量が多くなると,添着の場合には銀成分が表面に付着しているだけで剥離しやすくなり,原料ポリマーに添加する場合には紡糸が困難となる。
【0013】次に,銀成分を含有させる活性炭繊維は,ピッチ系,ポリアクリロニトリル系,セルロース系,フェノール樹脂系等の繊維を原料として,通常の方法で不融,賦活処理することにより微細孔を形成したもので,比表面積が 500m2/g以上,特に 900m2/g以上のものが好ましい。比表面積が 500m2/g未満のものは,添着法により銀成分を必要量含有させると比表面積と細孔容積が減少し,ミクロポアによる吸着効果が低下するので好ましくない。なお,比表面積の測定は, 窒素ガスの吸着よりBETの理論式により求めるものである。
【0014】特に,気相用の脱臭用フィルターにおいて,活性炭繊維は,温度25℃,相対湿度60%における平衡水分率が10%以上のものが好ましい。一般に活性炭繊維は疎水性であるため吸湿性は低いが,温度25℃,相対湿度60%における平衡水分率が10%以上のものは大気中や液中の水分を適宜吸収し,この水分中に,含有されている銀成分が徐々に活性な銀イオンとして溶出して,微生物や細菌類に対し,強い発育阻害効果や抗菌効果を示すものとなる。また,温度25℃,相対湿度60%における平衡水分率が10%以上の活性炭繊維は,例えば通常の活性炭繊維を,スチーム中で酸化処理して得ることができる。
【0015】なお,活性炭には粒状のものと繊維状のものとがあるが,本発明においては,繊維状の活性炭繊維を使用する。活性炭繊維を使用した吸着材は,粒状活性炭を使用した吸着材に比べて被吸着物質に対する吸着速度が著しく速くなり,少量でも十分な吸着効果を発揮することができ,フィルター等の成形品を小型化,軽量化することができる。また,活性炭繊維は外表面積が粒状吸着材に比べ約 100倍と非常に大きく,含有している銀成分と細菌類が直接接触して抗菌効果を示すことも考えられる。さらに,活性炭繊維は種々の形状に成形することができるため,たとえばハニカム形状やコルゲート形状等,低圧力損失のフィルターを製造することができるという非常に大きな利点を有する。また,活性炭繊維は,通常の活性炭に比べて比表面積の大きなものを作ることができるため銀成分の含有量を多くすることが可能であり,銀成分による抗菌効果と細孔による吸着効果が増大したフィルター等の成形品を得ることができる。
【0016】活性炭繊維とともに本発明の抗菌性吸着材を構成する熱可塑性繊維としては,例えば,ポリエステル,ナイロン,ポリエチレン,ポリプロピレン,共重合ポリエステル等からなる単成分繊維,あるいは芯部にポリエステル,鞘部にポリエチレン,ポリプロピレン,共重合ポリエステル等を用いた芯鞘複合繊維がある。
【0017】活性炭繊維と熱可塑性繊維との混合割合は,重量比で98:2〜40:60,特に95:5〜50:50の範囲とすることが好ましい。活性炭繊維の割合が多すぎると,フェルト状物の成形性が悪くなり,逆に少なすぎると,被吸着物質の吸着性が低下する。
【0018】活性炭繊維と熱可塑性繊維の混合方法は,例えば活性炭繊維と熱可塑性繊維とを所定の割合でローラカード機に投入し,カードをかけながら混繊した後,ニードルパンチにより一体化し,フェルト状物とする方法を採用することができる。また,活性炭繊維と熱可塑性繊維を混繊しながら抄紙法により湿式でフェルト状物を得る方法でもよい。さらに,これらに麻,綿等の天然繊維を混合することもできる。
【0019】本発明の抗菌性吸着材としては,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維とを乾式又は湿式で混合してフェルト状物に成形したもの,あるいはこのフェルト状物を加熱処理して,熱可塑性合成繊維の一部又は全部を熱溶融させて得られる,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維あるいは熱可塑性合成繊維同士が融着で一体化したフェルト状物,さらに,これらのフェルト状物の少なくとも一面に,ニードルパンチや熱融着により合成繊維や天然繊維等の不織布,織物,編物等を積層したものが用いられる。また,融着前の上記フェルト状物を円柱状や円筒状に巻き込んで融着させ,円柱状体や円筒状体としてもよく,さらには,ハニカム形状やコルゲート形状などに成形して用いてもよい。
【0020】本発明の吸着材を構成する活性炭繊維は,銀成分を含有するものであるが,抗菌性の負荷が小さく,吸着物質の負荷が大きい場所で使用する吸着材としては,銀成分を含有する活性炭繊維と含有していない活性炭繊維あるいは特定の物質を除去するための薬剤を含有する活性炭繊維を混合して成形することが性能とコストの面から好ましい。
【0021】また,抗菌性や脱臭性の他に除塵性能が要求される場合には,本発明の吸着材と除塵フィルターを組み合わせて使用するのが好ましい。本発明の吸着材と除塵フィルターを組み合わせて使用する場合の配置は,抗菌性や吸着性を持続させるためには上流側に除塵フィルターを,下流側に本発明の吸着材を設置するのが好ましい。
【0022】本発明の抗菌性吸着材は,使用により性能は低下してくるが,再生して使用することが可能である。再生方法は銀成分の脱落を生じない方法であれば特に限定されるものではないが,再生効率やコストの点から熱風による再生が好ましい。
【0023】本発明の抗菌性吸着材は,空気調和機,空気清浄機,脱臭機等の気相用の脱臭フィルターや, 24時間風呂, 浄水器等で使用される液相用の吸着材として使用されるが,吸着材を構成する活性炭繊維及び熱可塑性繊維の両方とも銀成分を含有しているため,たとえ吸着材上に細菌類が付着しても,銀成分の殺菌作用でその繁殖を防止することが可能である。
【0024】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
【0025】実施例1〜5,比較例1〜3石炭ピッチを原料として溶融紡糸及び不融化したピッチ繊維を, 賦活温度 850℃で30分間水蒸気賦活して活性炭繊維を得た。この活性炭繊維を, スチーム中で,温度 950℃, 内圧0.002kg/cm2,酸素濃度0.5体積%の条件で処理時間20分で酸化処理を施し,比表面積1010m2/g, 細孔容積0.45ml/g, 平均細孔直径17Å, 繊維径15μm,温度25℃, 相対湿度60%における平衡水分率が10%である活性炭繊維を作成した。次いで,これを濃度の異なる硝酸銀水溶液に含浸し,金属銀として0〜5重量%を添着した後,水洗,乾燥して銀添着活性炭繊維(a) 〜(f) を得た。
【0026】次に,溶融ポリマーに対し, 銀イオンを担持した抗菌性ゼオライト粒子を繊維中濃度が1.0重量%になるように添加,分散させた, イソフタル酸を40モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを鞘部に, ポリエチレンテレフタレートを芯部に用いて複合溶融紡糸し, 延伸, 捲縮付与後, 切断して15d×51mmの芯鞘型の抗菌ポリエステル綿を作成した。また,銀イオンを担持した抗菌性ゼオライト粒子を添加しない以外は上記と同様にして15d×51mmの芯鞘型のポリエステル綿を作成した。
【0027】得られた銀添着活性炭繊維と2種のポリエステル綿とを表1で示したように種々組み合わせ,重量比が70:30となる割合でローラカード機に投入してカードをかけながら混繊し,次いでニードルパンチにより一体化した後,それぞれポリエステル繊維と銀添着活性炭繊維を温度90℃で熱融着させてフェルト状物を得た。
【0028】
【表1】

【0029】このフェルト状物を20mm×20mmの大きさに切りとり,試験管に入れて,温度 121℃,圧力15気圧の条件で15分間の加熱滅菌処理を施して吸着材とした。
【0030】次に,あらかじめS.aureus(黄色ブドウ球菌)又はE.coli(大腸菌)を1/20トリプトソイ培地で希釈して初菌数が 8.5×109 個/ml と 5.2×108 個/ml に調整した菌液 100μl を吸着材に接種し, 37℃で24時間培養した。培養後,試験管に0.2 %-Tween80(和光純薬工業社製界面活性剤)を含んだリン酸緩衝溶液を加え,試験管ミキサーで1分間振動して吸着材に付着している菌を振り落とし, 普通寒天プレートに接種して寒天培地上に生成したコロニー数を計測し, 残菌数を求めた。得られた結果を表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】表2から明らかなように,実施例1〜5の吸着材には,いずれも抗菌性が認められたが,その中では,銀を0.1重量%以上添着した活性炭繊維を用いたものの殺菌効果が特に良好であった。一方,活性炭繊維とポリエステル繊維の両方とも銀を添着しなかったものを用いた比較例1の吸着材には抗菌性が認められず,むしろ残菌数は増加していた。また,活性炭繊維にのみ銀を添着しものを用いた比較例2の吸着材には抗菌性が認められたが,その効果は,活性炭繊維とポリエステル繊維の両方とも銀を添着したものを用いた実施例1〜5のものより劣るものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明の抗菌性吸着材は,吸着材を構成する活性炭繊維及び熱可塑性繊維の両方とも銀成分を含有しているため,たとえ吸着材上に細菌類が付着しても,銀成分の殺菌作用でその繁殖を防止することができ,吸着材上に細菌が繁殖しないため,腐敗臭を出すこともなく,長時間使用することが可能となる。




 

 


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