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発明の名称 アモルファスカーボン基板への孔開け方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−118852
公開日 平成10年(1998)5月12日
出願番号 特願平8−272073
出願日 平成8年(1996)10月15日
代理人
発明者 江南 俊夫 / 伊吹 洋 / 篠原 研一 / 和田 雅人 / 阪本 泉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 アモルファスカーボン基板に貫通孔を開ける方法であって、貫通孔の最終寸法より所定の仕上げ分だけ小さな寸法の導電性棒を抵抗を介して複数固定した電極を用いて放電加工を行うことにより、アモルファスカーボン基板に直径2.0mm以下の多数個の貫通孔を同時に開けることを特徴とするアモルファスカーボン基板への孔開け方法。
【請求項2】 直径1.0mm以下の多数個の貫通孔を同時にあけることを特徴とする請求項1記載のアモルファスカーボン基板への孔開け方法。
【請求項3】 導電性棒が鉄系の導電性棒であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアモルファスカーボン基板への孔開け方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アモルファスカーボン基板への孔開け方法に関するものであり、さらに詳しくは、アモルファスカーボン基板に多数個の細孔を同時に開ける方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アモルファスカーボン基板への孔開け方法としては、ドリル加工法等が用いられている。ドリル加工法ではアモルファスカーボン基板に孔を開ける場合、ダイヤモンド製の刃をもつドリルを高速回転させて、孔加工を行っているが、直径1.0mm程度以下の細孔加工になると、加工反力等による加工位置誤差、工具欠損や工具摩耗が著しく起こるため、アスペクト比(L/D、L:孔深さ、D:孔直径)が10を越えるような深孔加工は困難であった。また、ドリル加工では刃の出入口でのチッピング、加工反力による孔加工位置のずれに伴う誤差が生じる。前記のチッピング、加工誤差は仕上げ結果を悪化させるので、プラズマエッチャー用電極板においてはプラズマの通過時の整流効果特性を低下させるとともに、電極板の寿命を短くしてしまうという欠点を有する。
【0003】また、プラズマエッチャー電極用のアモルファスカーボン基板の場合、細い貫通孔を多数個必要とするため、1つずつ孔加工を行っていたが、この方法では手間がかかり、量産に適していなかった。これらの問題を回避する方法として、アモルファスカーボン基板製造工程において、フェノール樹脂やフラン樹脂等の熱硬化性樹脂を成形、硬化させた段階で、所定の孔数をドリルによる孔開け加工で開け、次に、これを焼成、炭化させてアモルファスカーボン基板を得る方法が行われている。しかし、この方法では、焼成時に多量の水蒸気や分解ガスを放出して体積収縮を起こし、この収縮ムラが原因で孔の位置精度が低下するとともに、ドリル加工時のチッピング等の欠陥により孔周辺部から亀裂が生じるという欠点を有していた。また、ドリル加工、放電加工で直径1.0mm以下の貫通孔をアモルファスカーボン基板に、同時に多数個開けたという加工例はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アモルファスカーボン基板は高硬度、脆性材料であるため、上述のようにドリル加工では工具摩耗が著しい。そのため、工具交換が頻繁に必要となり連続孔加工が難しく、多数個の孔を開けるには非常に手間がかかり、量産に適していなかった。
【0005】本発明は、アモルファスカーボン基板に多数個の細孔を同時に開けることができる孔開け方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、アモルファスカーボン基板に貫通孔を開ける際、最終寸法より所定の仕上げ分だけ小さな寸法の導電性棒を抵抗を介して複数固定した電極を用いて、放電加工を行うことにより、アモルファスカーボン基板に多数個の直径2.0mm以下の細孔を同時に開けることができることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アモルファスカーボン基板に貫通孔を開ける方法であって、貫通孔の最終寸法より所定の仕上げ分だけ小さな寸法の導電性棒を抵抗を介して複数固定した電極を用いて放電加工を行うことにより、アモルファスカーボン基板に直径2.0mm以下の多数個の貫通孔を同時に開けることを特徴とするアモルファスカーボン基板への孔開け方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明のアモルファスカーボン基板としては、例えば、プラズマエッチャー電極用アモルファスカーボン基板等が挙げられる。
【0008】本発明では、貫通孔の最終寸法より所定の仕上げ分だけ小さな寸法の導電性棒を用いて放電加工により孔を開けるが、ここで仕上げ分とは、最終的に孔側壁をドリル状の治具を回転、振動させて研削加工を行ったり、ダイヤモンド等の微細砥粒を用いて超音波加工等を行って、孔内面を平滑にしたり、放電加工に伴う放電ギャップ長や放電加工のパルス状の放電の繰り返しにより溶解除去後に発生する孔の内面に残る白層とよばれる残留歪み層を除去するために削除される部分の寸法であり、孔内面を平滑に仕上げるために要する部分の厚さ、放電ギャップ長、残留歪み層厚さを考慮した値である。
【0009】放電ギャップ長、残留歪み層厚さは、放電加工の条件、開ける孔の大きさ等によっても異なるが、例えば、導電性棒として直径0.3mmの純鉄の棒を用い、抵抗50オーム、加工電流2A、無負荷極間電圧80V、加工速度約0.1mm/minの条件で放電加工を行った場合、放電ギャップ長は15μmであり、残留歪み層厚さは10μmである。この場合、仕上げ分は、放電ギャップ長と残留歪み層厚さの合計の倍の値である50μm以上となる。
【0010】本発明に用いる電極は、導電性棒と抵抗からなり、導電性棒は絶縁性保持具等に取り付けてもよい。
【0011】本発明では、孔の寸法や形状精度、孔の位置決め精度を高めるために放電加工を利用するが、使用する電極の導電性棒が細いために起こりうる極度の電極消耗や電極に導電性棒が多数本あるために起こりうる放電の局所的な集中を防止して、多数個の微細な孔開け加工を同時に可能とするために、並列に抵抗を介した複数の導電性棒からなる電極を用いる。
【0012】抵抗の抵抗値は使用する導電性棒の抵抗値によっても異なるが、数キロオームでは放電が起こらないことから、数100オームのオーダーであることが好ましい。また、300オーム未満では放電の短絡の頻度が増し、安定した放電が行われず、孔加工が進行しにくくなったり、孔の寸法や形状精度が低下することがあるので、極度の電極消耗や放電の局所的な集中を防止するためには、300オーム以上、さらに好ましくは500オーム前後とするのがよい。
【0013】本発明では、電極の極性を正極性として放電加工を行えばよいが、放電加工の最終段階で電極の極性を逆転させてもよい。放電加工の際、電極の極性が正極性であれば、加工速度を上げることができ、電極の極性が負極性であれば、加工速度を減速することができる。例えば、電極の極性を正極性として放電加工を行い、放電加工の最終段階で電極の極性を負極性とすることにより、初期段階で一度に深部まで加工し、最終段階で残部を丁寧に加工して孔を開けることができるので、仕上げをきれいにすることができる。
【0014】電極に用いる導電性棒は通常、電極を正極性とする加工条件では主に銅、グラファイト等を用いることができる。このような導電性棒としては、例えば、直径0.1〜1.0mm程度のS45C、S50C、SKD11、SKD61等の炭素鋼やCu、W、Cu−W、Bs、Fe等が挙げられる。また、本発明では、アモルファスカーボン基板に直径2.0mm以下の細孔を貫通孔加工するので、炭素との結合性の極めて高い鉄を主成分とするもの、例えば、純鉄、炭素鋼等を用いると、基板を構成する純炭素を効率的に溶融除去でき、アスペクト比で10を越えるような貫通孔加工を達成することができるので好ましい。
【0015】放電加工の際、電極全体に超音波振動を与えたり、また、電極として中空パイプ電極を用いて、高圧加工液を噴出させながら加工してもよい。この場合、加工中に生じる加工粉を加工部分から除去しながら加工を進めることができるので、放電の局所的な集中を防止でき、また、加工速度を上げることができる。
【0016】超音波振動の条件は、特に制限されるものではないが、例えば、振幅10〜40μm、周波数15〜30KHzが好ましい。
【0017】高圧加工液としては、特に制限されるものではないが、例えば、灯油系、グリコール系等の液体が好ましい。
【0018】本発明では、放電加工を加工液中で行えばよい。この場合、アモルファスカーボン基板、電極は加工液を満たした加工液槽中に浸漬して放電加工を行えばよい。加工液としては、特に制限されるものではないが、例えば、灯油系、グリコール系等の液体が好ましい。
【0019】放電加工により、開けられた孔は、孔側壁をドリル状の治具を回転、振動させて研削加工を行ったり、ダイヤモンド等の微細砥粒を用いて超音波加工等を行うことにより、仕上げ分を除去することができる。
【0020】また、本発明では、仕上げ分を残しておくことで、後加工の研削により孔内面の平滑化処理が可能となり、プラズマの整流性の良いプラズマエッチャー用電極板の供給が可能となる。
【0021】次に、本発明の孔開け方法を図面により説明する。図1は、本発明の孔開け方法の例を示す概略図である。図1において、電極は導電性棒1、抵抗2、絶縁性保持具3から構成されている。導電性棒1は、絶縁性保持具3に取り付けられており、抵抗2を介して加工ヘッド6先端のチャック12に固定されている。各抵抗は、電極と被加工物4の間にパルス電圧を加える電源である加工用電源5に対して並列につながれており、その抵抗値は全て同一である。被加工物4であるアモルファスカーボン基板を、X軸方向(図面に対して左右方向)、Y軸方向(図面に対して前後方向)の駆動モーター7、8を有する加工テーブル10に、電極の導電性棒1と対向する位置にクランプ用治具11で固定する。加工テーブル10は加工液槽14を有し、加工液槽14は加工液が満たされており、加工液中にクランプ用治具11で固定された被加工物4が浸漬している。加工用電源5から電極にパルス状の電圧を供給し、次にZ軸方向(図面に対して上下方向)への駆動モーター9を有する加工ヘッド6をZ軸方向に沿って加工テーブル10の方へサーボをかけながら移動させることにより、放電加工を行うことができ、被加工物4に同時に多数の細孔を開けることができる。駆動モーター7、8、9は、いずれもNC制御装置13によって制御されている。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1〜3500オームの抵抗を介した直径0.3mmの純鉄の棒を保持具に300本直立させて電極を作製し、所定孔加工位置に設置し、加工電流2A、無負荷極間電圧80V、加工速度約0.1mm/minの条件で、最終径が直径0.4mmの設定において、厚みが5.5mm(実施例1)、5.8mm(実施例2)、6.0mm(実施例3)のアモルファスカーボン基板に放電加工を行った。放電加工により、すべての厚みのアモルファスカーボン基板に直径0.33mmの貫通孔を同時に300個開けることができた。次に、各厚みのアモルファスカーボン基板を、ダイヤモンド砥粒(粒径約0.5μm)を用いて超音波加工することにより仕上げ分を取り除いた。その結果、いずれの厚さのものであっても、直径0.4mmの孔を有するアモルファスカーボン基板を得ることができた。また、得られたアモルファスカーボン基板の孔の位置、形状は、いずれも精度の高いものであった。
【0023】実施例4〜6実施例1〜3において、放電加工中、電極全体に超音波振動を与えて、アモルファスカーボン基板に放電加工を行い、次に、実施例1〜3と同様の方法で仕上げ分を処理した。(アモルファスカーボン基板の厚みが5.5mm、5.8mm、6.0mmのものをそれぞれ実施例4、実施例5、実施例6とした。)
その結果、いずれの厚さのものであっても、実施例1〜3と同様に直径0.4mmの孔を300個有するアモルファスカーボン基板を得ることができた。また、得られたアモルファスカーボン基板の孔の位置、形状は、いずれも精度の高いものであった。この方法では、加工粉の排出効果が高まり、放電の局所的な集中が防止できるとともに、加工速度を上げることができた。
【0024】実施例7〜9実施例1〜3において、電極としてCu−W製の中空パイプ電極を用い、高圧加工液(EDF−K、三菱ダイヤモンド社製)を噴出させながら放電加工を行い、次に、実施例1〜3と同様の方法で仕上げ分を処理した。(アモルファスカーボン基板の厚みが5.5mm、5.8mm、6.0mmのものをそれぞれ実施例7、実施例8、実施例9とした。)
その結果、いずれの厚さのものであっても、実施例1〜3と同様に直径0.4mmの孔を300個有するアモルファスカーボン基板を得ることができた。また、得られたアモルファスカーボン基板の孔の位置、形状は、いずれも精度の高いものであった。この方法では、加工粉の排出効果が高まり、放電の局所的な集中が防止できるとともに、加工速度を上げることができた。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、アモルファスカーボン基板に細孔を多数個、同時に開けることができるので、孔加工に要する時間が大幅に短縮される。また、多数個の貫通孔を所定の位置に精度よく開けることができる。さらに、放電加工の際、電極全体に超音波振動を与えたり、電極として中空パイプ電極を用いて、高圧加工液を噴出させながら加工すると、加工中に生じる加工粉を加工部分から除去しながら加工を進めることができるので、放電の局所的な集中を防止でき、また、加工速度を上げることができる。




 

 


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