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発明の名称 吸着フィルター
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−118429
公開日 平成10年(1998)5月12日
出願番号 特願平8−275820
出願日 平成8年(1996)10月18日
代理人
発明者 岩谷 浩樹 / 槇山 真由美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 活性炭繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜10重量%とからなる繊維束を熱処理して熱可塑性合成繊維を融着させた棒状繊維集束体を用いたフィルターであって,適宜な長さに整えた複数本の棒状繊維集束体を,線状の支持体に前記支持体の長さ方向で横並び状に配列する状態で支持させたことを特徴とする吸着フィルター。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性炭繊維を含有する棒状繊維集束体を用いた,気相用に好適な吸着フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】処理対象気体が吸着フィルターを通過する際の圧力損失を小さくする必要性や,処理対象気体の吸着体への接触効率を大きくすることで吸着体への吸着効率を向上できることはよく知られている。
【0003】しかしながら,脱臭器などとして従来より広く用いられている吸着フィルターは,一般に粒状にした活性炭などの吸着体をブロック状に固めた状態で容器などに充填させた構造となっており,このため圧力損失が大きく,接触効率も悪いのが実状である。このため必然的に形状が大型化し,また, 強制的な通気を行わせる場合には通気騒音が大きくなったり,あるいは強制的通気のための動力の容量が大きくなるなどの問題を有している。
【0004】この問題を解決するために,特開平8-24635号公報では, 活性炭繊維を適宜の長さに切り揃え,この活性炭繊維を針金などを用いた支持体に, 支持体の長さ方向で多数本が横並び状に配列する状態で支持させた吸着フィルターが提案されている。
【0005】ところがこのフィルターは, 活性炭繊維自身の強度や弾性率が小さいため繊維の折れからくる炭塵や繊維片の発生が非常に多いという問題があった。また, 個々の活性炭繊維が自重で垂れたり,曲がったりすることのない状態を保つために支持体に支持されている部分からの長さを最大でも15mm程度にする必要がある。このため,必要な吸着容量を持たせるためにはフィルターが長くなり,使用場所によっては使いにくい場合がある。また,フィルターを曲折させれば,見かけ上の長さを短くすることはできるが,曲折工程が必要になり,コスト高の原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を解決し,活性炭繊維含有部分を長くしても炭塵や繊維片が発生し難く,しかも低圧力損失化と共に処理対象気体の接触効率の向上を図ることができる吸着フィルターを提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課題を解決するため鋭意検討した結果,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維とで棒状に形成したものを吸着材として用い,それらを支持体の長さ方向で横並び状に配列する状態で支持させれば,高い効率で処理対象気体に接触させることが可能となり,圧力損失も大幅に低減し,しかも炭塵や繊維片が発生しないことを見出して本発明に到達した。
【0008】すなわち,本発明は,活性炭繊維10〜90重量%と熱可塑性合成繊維90〜10重量%とからなる繊維束を熱処理して熱可塑性合成繊維を融着させた棒状繊維集束体を用いたフィルターであって,適宜な長さに整えた複数本の棒状繊維集束体を,線状の支持体に前記支持体の長さ方向で横並び状に配列する状態で支持させたことを特徴とする吸着フィルターを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明する。本発明の吸着フィルターは,棒状繊維集束体と支持体で構成されているが,まず,棒状繊維集束体は,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維とで構成されている。そして,活性炭繊維としては,ポリアクリロニトリル系,セルローズ系,ビニロン系あるいはピッチ系などのものを使用することができる。本発明で使用する活性素繊維の性状は特に限定されるものではないが,比表面積 700〜2000m2/g,平均細孔径4〜20Åのものが好ましい。
【0010】次に,活性炭繊維とともに棒状繊維集束体を構成する熱可塑性合成繊維としては,ポリプロピレン繊維,ポリアミド繊維,ポリエステル繊維,ポリアクリロニトリル繊維,ポリエチレン繊維等を使用することができる。また,熱可塑性合成繊維の一種であるバインダー繊維,例えば芯部分がポリエチレンテレフタレート(PET),鞘部分が共重合PETである芯鞘構造のポリエステル系繊維でもよい。
【0011】棒状繊維集束体中の活性炭繊維と熱可塑性合成繊維の含有率は,吸着特性と形状安定性を同時に満足させるために,活性炭繊維10〜90重量%,好ましくは20〜80重量%と,熱可塑性合成繊維90〜10重量%,好ましくは80〜20重量%であることが必要である。活性炭繊維が10重量%未満で,熱可塑性合成繊維が90重量%を超えると,活性炭繊維の吸着特性が十分発揮されない。また,活性炭繊維が90重量%を超え,熱可塑性合成繊維が10重量%未満になると,繊維同士が絡まり合い塊状にはなるものの,使用中に形状が崩れやすくなる。
【0012】上記のように,本発明で使用する棒状繊維集束体は,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維とで構成されているが,本発明の効果を損なわない範囲で,綿等の天然繊維,再生繊維,ガラス繊維などを含有させてもよい。また,活性炭繊維と複数種の熱可塑性合成繊維とで棒状繊維集束体を形成してもよい。
【0013】棒状繊維集束体は,最大直径が2mm以上のものが取り扱いやすくて好ましく,また, その断面は円状や楕円状, ドーナツ状でもよいが,ドーナツ状,トリローバル状,十字形状,星形状などの異形断面とすれば,処理対象気体との接触効率を向上させることができる。また,棒状繊維集束体の長さは,吸着容量の大きさ,製造のしやすさ,取り扱いやすさの面から,10mm以上,特に20〜90mmが好ましい。なお,本発明における最大直径とは,円状,ドーナツ状の場合は直径,楕円状の場合は長軸の長さ,その他の形状の場合はその最大長さを意味する。
【0014】棒状繊維集束体は,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維とからなる繊維束を熱処理して熱可塑性合成繊維を融着させたものであるが,熱可塑性合成繊維の融着程度を調整して集束体内部の繊維を部分的に接合させることが好ましく,そのようにすれば,内部に均一な空隙が形成され,吸着容量を大きくすることができる。
【0015】上記の棒状繊維集束体は,例えば次のようにして製造することができる。まず,活性炭繊維と,なま糸状あるいは捲縮を有する熱可塑性合成繊維とを,好ましくは20〜 150mmに切断し,紡績用カード機で開繊,混合してスライバー状としたり,あるいは,活性炭繊維と捲縮を有する熱可塑性繊維とを開繊,混合してトウ状で引き取り,繊維束を得る。
【0016】次いで,この繊維束に熱処理して熱可塑性合成繊維を,好ましくは部分的に融着させて棒状繊維集束体とするが,熱処理方法としては,熱風を吹きつける方法や高温雰囲気中を通過させる方法などを採用することができる。具体的な熱処理方法としては,繊維束を円筒形や異形筒形の加熱体中に通して熱可塑性合成繊維を部分的に融着させればよく,次いで圧縮して冷却することにより,長尺の棒状繊維集束体を連続成形することができる。この長尺棒状繊維集束体を,必要に応じた長さに切断すれば,目的とする長さの棒状繊維集束体となる。
【0017】本発明の吸着材を得るために, 短繊維状の活性炭繊維と熱可塑性合成繊維を用いる場合,その繊維長は,開繊,混合する際の各繊維間の絡まりやすさの点から1mm以上,特に20〜 150mmであることが好ましい。繊維長が1mm未満であれば,繊維同士の絡まり合いが少なく,使用時に成型体としての形状が維持できなくなったり,微粉化し炭塵を発生させる原因となりやすい。
【0018】本発明の吸着フィルターは,図1で示したように,適宜な長さに整えた複数本の棒状繊維集束体1を,針金のような線状の支持体2に,支持体2の長さ方向で横並び状に配列する状態で支持させたものであり,図2は,本発明の吸着フィルターを収納した脱臭器の一例を示すものである。
【0019】棒状繊維集束体1を支持体2に支持する方法としては,例えば向かい合わせた支持体2の間で狭持する方法がある。このようにすると接着剤などを用いなくとも十分に強固な支持が可能であり,加工も容易となる。この場合でも,必要に応じて,一方あるいは両方の支持体に予め接着剤を塗布しておき,この接着剤で棒状繊維集束体を一方あるいは両方の支持体に付着させる方法を併用してもよい。
【0020】本発明の吸着フィルターでは,活性炭繊維を含有する棒状繊維集束体が実質的に空中に浮かんだ状態となる。このため,棒状繊維集束体中の活性炭繊維の吸着面に格段に高い効率で処理対象気体を接触させることができ,活性炭繊維は粒状活性炭に比べて比表面積が非常に大きいのでそれ自体の吸着能力が格段に高いという特性を効率的に活用することができる。また,各棒状繊維集束体が実質的に重なり合うことのない集合状態となるので,高い通気性が得られ,圧力損失を大幅に低減することができる。
【0021】また,本発明では,支持体に支持された棒状繊維集束体にランダムな向きを与え,棒状繊維集束体が支持体の周りで螺旋状態の円柱状態を形成するようにしてもよい。このようにすると,全方向に対し均等な接触効率を得ることができるという利点があり,また各棒状繊維集束体が並び方向についてそれぞれ異なる向きを取ることで互いに重なることのない状態が得られ,したがって,同じ通気抵抗つまり圧力損失について棒状繊維集束体の配列密度をより高めることができるという利点もある。
【0022】さらに,棒状繊維集束体を支持する支持体を捩れば,各棒状繊維集束体にランダムな向きを与えることができる。このようにすると,棒状繊維集束体のランダム配向を簡単に行うことができる。
【0023】上記のような本発明の吸着フィルターでは,個々の棒状繊維集束体が真っ直ぐな状態,つまり自重で垂れたり曲がったりすることのない状態が望ましい。したがって,支持体に支持されている部分から先端までの長さを例えば20mm以上に長くして吸着容量を増やしたい場合には, 棒状繊維集束体の直径を太くしたり,棒状繊維集束体の一部を構成する熱可塑性合成繊維の含有量を増やして,棒状繊維集束体の強度を上げればよい。
【0024】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1直径17μm,平均細孔半径8Å,比表面積1000m2/gのピッチ系活性炭繊維 (繊維長80mm) 50重量%と,単繊維繊度15デニールで,繊維長76mmの芯鞘型ポリエステル複合未延伸繊維(芯部:PET,鞘部:酸成分としてイソルタル酸を40モル%共重合させたPET)50重量%とを紡績用カード機で開繊, 混合し,1m当たり6gのカードスライバーとした。
【0025】このカードスライバーを 150℃のエアジェットが吹き込まれた円筒状ヒータ内を通過させて加熱し,芯鞘型ポリエステル複合未延伸繊維を溶融させて繊維間を部分的に接着させた後,常温の空気が吹き込まれた直径7mmの円筒状体に75cm/分で導入して圧縮しながら冷却し,直径7mmの長尺棒状繊維集束体を得た。次いで,長尺棒状繊維集束体を長さ60mmに切断し,目的の棒状繊維集束体を得た。
【0026】この棒状繊維集束体の支持体による支持は,まず支持体となる針金を二つ折りにしてその間に多数の棒状繊維集束体をほぼ一定の間隔で横並びにして簾状に挟持させ,次いで二つ折りの針金を捩り合わせてその捩り目で各棒状繊維集束体を挟持させることで行った。
【0027】このように形成した本発明の吸着フィルターを,図2のような多数の通気孔3,3,3,・・・・を全周に有するケース4に吊した状態で納めて脱臭器を得た。この脱臭器を,冷蔵庫の中や食器棚の隅に置いたり,あるいは自動車の車内に吊すなどして用いてみたが,吸着フィルターが持つ全方向に対し均等な接触効率を得られるなどの特性を有効に生かすことができ,効率の高い脱臭能力を発揮させることができた。
【0028】
【発明の効果】本発明の吸着フィルターは,棒状繊維集束体を線状の支持体に横並び状で配列させて支持させる構造となっているので,活性炭繊維を含有する棒状繊維集束体を実質的に空中に浮かべた状態で,かつ,互いに実質的に重なり合うことのない集合状態で配列させることができる。このため,処理対象気体の棒状繊維集束体への接触効率を格段に高めると共に大幅な低圧力損失化を実現することが可能となる。また,吸着材として活性炭繊維を熱可塑性合成繊維の融着で固定した棒状繊維集束体を用いるので,炭塵や繊維片の発生がなく,さらに,支持体に支持されている部分から先端までの長さも任意に調整できるため,吸着材の大型化を図ることができる。




 

 


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