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発明の名称 粗濾過用濾材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−118427
公開日 平成10年(1998)5月12日
出願番号 特願平8−273873
出願日 平成8年(1996)10月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
発明者 松下 知広 / 藤井 正博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 低融点繊維と高融点繊維とで、または低融点部分と高融点部分とを持つ複合繊維で、あるいは低融点部分と高融点部分とを持つ複合繊維と高融点繊維とで構成され、長さが60〜300mm であることを特徴とする粗濾過用濾材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗大浮遊物質を高濃度に含む汚水、例えば、降雨直後に下水処理場に流入する下水(降雨時初期流入下水)などを濾過するために使用される粗濾過用濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から汚水などを浄化するための濾材としては、砂、濾紙、濾布、セラミック、不織布、金網などからなるものが用いられてきたが、これらの濾材は濾過する液体中の浮遊物質が目詰まりして濾過流速が低下しやすいため、濾過流速を低くして濾槽の面積を大きくとる必要があった。
【0003】このような欠点を解消するための濾材として、例えば特公昭62-11637号公報に記載されているような繊維を絡み合わせた繊維塊を濾過用濾材として用い、これを濾槽内に積層し濾過時における浮遊物質の付着効果の向上を図るというものがある。
【0004】また、特開平7-155519号公報には、熱融着性繊維を絡み合わせた繊維塊を熱処理して繊維体中の短繊維同志を融着する方法が示されている。また、特開平5-329312号公報には、引き揃えた繊維間に多数の点接着点を形成した棒状繊維集束体を3〜50mmに切断して得られる水処理材が示されている。
【0005】これらの繊維体を充填した濾過装置により、濾過する水の浮遊物質濃度が 100mg/リットル程度以下の比較的希薄な汚水、例えば下水処理場で生物処理がなされ、沈殿槽を経た水などを濾過する場合は、繊維塊を構成する繊維が作る立体的な網目構造が濾過面積を大きくするため、浮遊物質の保持能力が高く、また砂などに比べて空隙率が高いため濾過速度も大きくとることが可能であった。
【0006】一方、雨水と汚水が同時に流れ込む形式のいわゆる合流式下水処理場においては、降雨初期に下水の量が急増し、晴天時に管渠内壁に蓄積されていた固形物が押し流されるため、浮遊物質を1000mg/リットル程度含み、かつ粒径が5mm以上の粗大な固形物を含む下水が処理場の許容量を超えて流れ込むことが問題となっており、この降雨時初期流入下水に対しても何らかの簡易的な処理を行なう必要があるとされている。この簡易処理法の1つとして、濾過によって浮遊物質濃度を 100mg/リットル以下程度まで低減して放流するという方法が考えられているが、従来の繊維濾材による濾過を適用した場合には、濾過開始後しばらくは清澄な濾過水が得られるものの、すぐに濾層が閉塞して圧力損失が急上昇し、頻繁に逆洗浄を行なわなければならず、そのため、濾過継続時間中に濾材に捕捉される浮遊物質量が少なくなるという欠点を有していた。また、濾材と下水に含まれる粗大な固形物の大きさが似通っているため、逆洗浄時に粗大固形物を濾材と分離するのが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、濾過用濾材として従来の繊維体が備えている濾過速度の大きさを維持しつつ、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、濾槽内に積層したときの空隙率が高く、降雨時初期流入下水のように浮遊物質の濃度が1000mg/リットル程度で5mm以上の大粒径の固形物を含む水を低濾過圧で大量に濾過することが可能であり、濾過継続時間中に濾材に捕捉される浮遊物質量が多く、かつ洗浄回復性に優れた粗濾過用濾材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、低融点繊維と高融点繊維とで、または低融点部分と高融点部分とを持つ複合繊維(以下、単に複合繊維という)で、あるいは低融点部分と高融点部分とを持つ複合繊維と高融点繊維とで構成され、長さが60〜300mm であることを特徴とする粗濾過用濾材を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の濾材は、低融点繊維と高融点繊維とで、または複合繊維、あるいは複合繊維と高融点繊維とで構成される。どの組み合わせによる場合においても、濾材を構成する繊維の低融点箇所の融点は 130℃以下、軟化点は 100℃以下であることが好ましく、融点が 100℃以下であることがより好ましい。また、高融点箇所の融点は低融点箇所の融点と30℃以上の差があることが好ましい。
【0010】低融点繊維あるいは複合繊維を高融点繊維と組み合わせて濾材を構成する場合は、低融点繊維あるいは複合繊維の比率を少なくとも30重量%以上、好ましくは50重量%以上用いることが好ましい。この比率から外れない限り、低融点繊維、高融点繊維、複合繊維はそれぞれ複数種のものを混合して用いることができる。また、各繊維の太さは1〜20デニールのものを用いるのが好ましい。
【0011】低融点繊維としては、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレート、6−ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどから適宜選ぶことができる。高融点繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ビニロンなどを用いることができる。また、低融点繊維との接着効果があれば天然繊維も使用可能である。複合繊維としては、低融点のイソフタル酸共重合ポリエステルまたはポリエチレンを鞘部、高融点のポリエチレンテレフタレートを芯部とする芯鞘型、あるいは低融点のイソフタル酸共重合ポリエステルを断面の片側に、もう一方の片側に高融点のポリエチレンテレフタレートを配したサイドバイサイド型などの複合繊維を用いることができる。
【0012】これらの繊維を20mm程度に切断し、紡績用カード機で開繊しスライバー状とするか、低融点繊維または複合繊維のみに懸縮をかけたトウ状とし、十分に開繊された状態の繊維束を得れば良い。この繊維束に濾材を構成する繊維の低融点箇所の軟化点以上、融点以下で、かつ融点との温度差が30℃以内である熱風を吹き掛け、または同温度の雰囲気中を通すことによって、低融点箇所を軟化させ、繊維間の接点を融着させれぱ良い。この後、口金に導いて繊維束の直径を一定とし、冷却後、所定の長さに切断すれば良い。
【0013】このとき、長さを60〜300mm とするが、これより小さい場合は濾槽内に積層したときに粗濾過に必要な空隙が確保できず、濾層の閉塞によって濾過継続時間が短くなり、またこれより大きい場合は濾層内に均一に積層することが困難となり、濾過性能が悪化することになる。また、長さを 100〜 150mm、断面の直径を10〜50mmとするのが良い。
【0014】本発明の濾材により降雨時初期流入下水などの濾過を行なう際、重力式あるいは圧力式の下向流による濾過装置では、濾槽の最下部に多孔板を設け、その上部に濾材を充填して濾過を行なえば良い。また、上向流式の濾過装置においては、原水流入部よりも上方で、多孔板により濾材を上下から挟み込む形に支持して濾過を行なう。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1芯部をポリエチレンテレフタレート(融点 280℃)、鞘部をテレフタル酸とイソフタル酸の共重合物(モル比70/30、融点 190℃)とした繊度15デニール、繊維長25mmの複合繊維を1m当たり10gのカードスライバーとし、 240℃に加熱した空気を直接吹き掛けた後、直径20mmの円形口金に導入し1m/分の速度で引取ったものを冷却して 100mmの長さに切断して濾材を得た。
【0016】この濾材を直径 500mmの円筒状濾過装置に2mの高さに充填し、K市下水処理場の降雨時初期流入下水に対して、濾過速度1000m/日で上方より下降流にて濾過を行ない、濾過開始から4時間経過後または圧力損失水頭が1m上昇した時点で濾過終了とした。
【0017】1時間毎に濾過原水と濾過水の浮遊物質濃度を測定し、各回毎に除去率を求めて表1に示した。
【0018】
【表1】

【0019】圧力損失水頭が1m上昇するまで4時間に満たない場合は濾過継続時間を、4時間に達した場合はそのときの圧力損失水頭を測定することとし、表2に示した。
【0020】
【表2】

【0021】濾過終了後、装置下部より空気を吹き込み濾材を流動させて逆洗浄を行ない、濾材に捕捉された浮遊物質を剥離させ、逆洗浄排水中の浮遊物質濃度と排水量から濾材1m3当たりの浮遊物質剥離量を算出し、表2に示した。
【0022】また、濾過終了後濾材の一部を解体して濾材に捕捉された浮遊物質を全て洗い出す方法で、濾材1m3当たりの浮遊物質の全捕捉量を算出し、表2に示した。また、これら2つの値を用いて、数1により逆洗浄による浮遊物質の剥離率を求め、表2に示した。
【0023】
【数1】

【0024】実施例2実施例1と全く同一条件で、断面の直径が10mmの繊維束を60mmに切断した濾材を作成し、実施例1と同一の試験を行なった。
比較例1実施例1と全く同じ条件で、直径8mmの繊維束を長さ20mmに切断した濾材を作成し、実施例1と同一の試験を行なった。
【0025】以上の実施例1、2と比較例1との結果より明らかなごとく、原水浮遊物質濃度は実験開始初期に 700mg/リットル程度まで上昇し、1時間後から4時間後にかけては徐々に減少したが、その間、実施例1で4時間以上、実施例2においても2時間以上の濾過継続時間が得られたのに対し、比較例1では1時間以内に圧力損失が急上昇して濾過の継続が不可能となった。また、実施例1および2では原水の浮遊物質濃度が高いほど高い除去率が得られており、高濃度の浮遊物質を含む原水に対して効果的な濾過が行なえたといえる。
【0026】濾材の浮遊物質全捕捉量は実施例1で30kg/m3−濾材以上、実施例2で20kg/m3−濾材以上と、比較例1の 7.4kg/m3−濾材に比べて大きな値となっており、また、逆洗浄による剥離率でも実施例1、2では70%以上の値が得られている。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明の粗濾過用濾材は、積層したときの空隙率が高くて一定であるため、浮遊物質の濃度が高く、かつ大粒径の固形物を含む汚水などを高速で濾過する場合に、従来の繊維体のように圧力損失がすぐに上昇することがないので濾過継続時間を長くとることができ、その間に濾材に捕捉される浮遊物質の量も多く、また捕捉した浮遊物質の分離性が良いため繰り返し使用に対する耐久性も向上する。




 

 


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