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発明の名称 活性炭繊維系吸着材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−33982
公開日 平成10年(1998)2月10日
出願番号 特願平8−200026
出願日 平成8年(1996)7月30日
代理人
発明者 佐藤 学 / 小山 勇 / 安村 亜紀 / 槇山 真由美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 活性炭繊維を主成分とする円筒状体の内周面と外周面とを通水性の繊維層で被覆するとともに,前記円筒状体の両端部をエチレンビニルアセテート樹脂で固着したことを特徴とする活性炭繊維系吸着材。
【請求項2】 活性炭繊維を主成分とする円柱状体の外周面を通水性の繊維層で被覆するとともに,前記円柱状体の両端部をエチレンビニルアセテート樹脂で固着したことを特徴とする活性炭繊維系吸着材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,水道水等を浄化するために用いられる家庭用浄水器用のフイルターエレメントとして好適な活性炭繊維系吸着材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭で飲料用に供される水道水には,殺菌のために通常1ppm の塩素が含まれている。このように塩素を含む水道水は,その塩素臭によって飲む人に不快感を与える。また,水道水源の渇水期には,浄水場の通常の浄水処理では除去できないかび臭が水道水に残るようになり,塩素臭以上の不快感を飲む人に与える。
【0003】このような塩素臭やかび臭のような悪臭あるいは浮遊物を水道水から除去するために, 活性炭からなるフイルターエレメント単独, あるいは活性炭からなるフイルターエレメントと中空繊維からなるフイルターエレメントとを組み合わせて組み込んだ家庭用浄水器で水道水をろ過することが広く行なわれている。
【0004】上記の家庭用浄水器に組み込まれる活性炭からなるフイルターエレメントで使用される活性炭としては,粒状や粉状のものに代わって繊維状のものが使用されるようになっている。その理由は,活性炭繊維は繊維状であるため,外表面積が大きくて水との接触効率が良好で,かつ吸着速度が速く,また,不織布や紙状物等に加工することが容易で,この不織布等を円筒状や円柱状に巻くことにより,浄水器に広く用いられている円筒状や円柱状の成形体に成形することができるからである。
【0005】家庭用浄水器に組み込まれる活性炭繊維からなるフイルターエレメントの具体的な形状は,活性炭繊維を主成分とする円筒状体の内周面と外周面,あるいは円柱状体の外周面を通水性の繊維層で被覆したものであり,繊維層で活性炭繊維を主成分とする円筒状体や円柱状体を保護するとともに,この成形体の側面からの活性炭繊維の脱落を防止し,これによってろ過された水の中に活性炭繊維が混入するのを防止するようになっている。ところが,このような形態のフイルターエレメントは,長尺の円筒状体あるいは円柱状体を所定の長さに切断する方法で製造されるため,このフイルターエレメントの両端部から活性炭繊維の粉末が脱落するという問題があった。
【0006】この問題を解決するために,実開平6-72619号公報では,切断した円筒状体の両端部を固形パラフインで固着したフイルターが提案されている。たしかに,切断した円筒状体の両端部を固形パラフインで固着することで,両端部から活性炭繊維の粉末が脱落するのを減少させることはできるが,このフイルターには,次のような問題がある。まず,固形パラフインは無極性であるが,活性炭は無極性のものをよく吸着するので,固形パラフインは活性炭繊維の表面だけではなく微細な孔の内部まで浸透し,円筒状体の両端部の吸着能力が消滅する。また,固形パラフインは硬くて脆いので欠けやすく,欠けた固形パラフインや,固形パラフインが欠けた部分の活性炭繊維がろ過された水の中に混入する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上述した従来の問題を解決し,吸着材の樹脂で固着した両端部の吸着能力低下が少なく,また,固着に使用した樹脂が欠けたり,欠けた部分の活性炭繊維が炭塵となってろ過水に混入することのない活性炭繊維系吸着材を提供することを技術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課題を解決するために鋭意検討した結果,本発明に到達した。すなわち,本発明は,次の構成を有するものである。
(1) 活性炭繊維を主成分とする円筒状体の内周面と外周面とを通水性の繊維層で被覆するとともに,前記円筒状体の両端部をエチレンビニルアセテート樹脂で固着したことを特徴とする活性炭繊維系吸着材。
(2) 活性炭繊維を主成分とする円柱状体の外周面を通水性の繊維層で被覆するとともに,前記円柱状体の両端部をエチレンビニルアセテート樹脂で固着したことを特徴とする活性炭繊維系吸着材。
【0009】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明する。本発明の活性炭繊維系吸着材の形状としては,図1,2で示したように,活性炭繊維を主成分とする円筒状体1の内周面と外周面の両方を通水性の繊維層2,3で被覆したものや,図3で示したように,円柱状体4の外周面を通水性の繊維層3で被覆したものがあり,円筒状体1と円柱状体4の両端部は,それぞれエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂を使用した固着部5で固着されている。
【0010】本発明で使用される活性炭繊維は,ピッチ系,ポリアクリロニトリル系,セルロース系,又はフェノール系等の繊維を原料として通常の方法で得られる多孔性で高い吸着機能を持ったものであり,その比表面積が,好ましくは500 m2/g以上,特に 700〜2500m2/gのものである。
【0011】また,活性炭繊維を主成分とする円筒状体1や円柱状体4は,後述するように活性炭繊維を含有するシート状物を巻回して得られるが,円筒状体1や円柱状体4を構成する素材としては,活性炭繊維だけでもよいが,天然繊維や熱可塑性合成繊維を混合したものでもよい。この場合,熱可塑性合成繊維を混合すれば,円筒状体や円柱状体と,通水性の繊維層となるシート状物を熱処理により一体化することができる。また,活性炭繊維からなるシート状物の片側あるいは両側に熱可塑性合成繊維からなる不織布を重ね合わせ,このシート状物から活性炭繊維を主成分とする円筒状体や円柱状体を形成してもよい。さらに, 活性炭繊維を主成分とする円筒状体や円柱状体を形成するためのシート状物の目付は, 30〜 150g/m2のものが好ましい。
【0012】活性炭繊維を主成分とする円筒状体1や円柱状体4の内周面や外周面を被覆する繊維層2,3となるシート状物は,目付が10〜 100g/m2のものを使用するのが好ましい。この目付が10g/m2未満では円筒状体1や円柱状体4の保護効果が低下し,また,100g/m2を超えると, 保護効果は十分となるが,圧損が高くなり,吸着材の容積も大きくなって, 組み込む装置が大きくなるので好ましくない。
【0013】通水性の繊維層を構成する素材としては,例えばポリエステル,ポリアミド,ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン,綿,レーヨンあるいは芯部にポリエステル,鞘部に共重合ポリエステルあるいはポリオレフィンを用いた芯鞘複合繊維等が用いられるが,なかでもポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステルとポリオレフィンとの芯鞘複合繊維が好ましく用いられる。繊維層となるシート状物は,長繊維又は短繊維の不織布, あるいは糸条を製編織した布状のもので形成することができる。
【0014】前述のように,本発明の活性炭繊維系吸着材は,活性炭繊維を主成分とする円筒状体や円柱状体の内周面や外周面を通水性の繊維層で被覆したものであるが,円筒状体や円柱状体と繊維層とを一体化する方法としては,両者を網状物等でカバーする方法がある。
【0015】また,別の方法として,円筒状体や円柱状体として活性炭繊維と熱可塑性合成繊維の混合物を用い,円筒状体や円柱状体の側面に繊維層となるシートを配して加熱処理し,熱可塑性合成繊維の一部又は全部を熱溶融させて活性炭繊維と熱可塑性合成繊維あるいは熱可塑性合成繊維同士を融着させ,一体化する方法があり,円筒状体や円柱状体と繊維層とが一体化するこの方法が好ましい。
【0016】活性炭繊維と混合する熱可塑性合成繊維としては,例えば,ポリエチレン,ポリプロピレン,共重合ポリエステルあるいは芯部がポリエステル,鞘部がポリエチレン,ポリプロピレンあるいは共重合ポリエステルである芯鞘複合繊維等が用いられる。活性炭繊維と熱可塑性合成繊維の混合比は98:2〜40:60,好ましくは95:5〜60:40である。活性炭繊維の混合比が上記範囲より大きくなると,吸着材の成形性が悪くなり,円筒状体や円柱状体と繊維層との接着性も悪くなる。また,混合比が上記範囲より小さくなると,塩素臭やかび臭等の吸着除去性能が低下する。
【0017】活性炭繊維と熱可塑性合成繊維の混合方法としては, 例えば活性炭繊維と熱可塑性合成繊維を所定の割合でカード機に投入し, カードをかけながら混綿し,シート状物とする方法がある。また,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維を混綿しながら抄紙法により湿式でシート状物とする方法でもよい。さらに,これらに麻,綿などの天然繊維を混合してもよい。天然繊維を混合する場合は,その混合量を30重量%以下とすることが好ましい。
【0018】上記した,活性炭繊維を主成分とする円筒状体や円柱状体の内周面や外周面は繊維層で被覆されているが,円筒状体や円柱状体の両端部は露出しており,そのままでは活性炭繊維の粉末が炭塵としてろ過水に混入するおそれがある。そこで,本発明では,円筒状体や円柱状体の両端部をEVA樹脂を使用した固着部で固着する必要がある。EVA樹脂は,官能基としてエステル基を有するため固形パラフインより親水性があり,このため,溶融したEVA樹脂を円筒状体や円柱状体の両端部に含浸させても,表面には付着するが,微細孔の内部までは浸透せず,両端部においても吸着能力を残存させることができる。また,EVA樹脂は柔軟であり,衝撃を受けても欠け難く,欠けた部分から活性炭繊維が炭塵としてろ過水に混入することがない。
【0019】本発明で使用するEVA樹脂としては,軟化点が90〜110 ℃で,食品添加物等の規格基準に合格するものが好ましい。円筒状体や円柱状体の両端部をEVA樹脂を使用した固着部で固着するには,板上にEVA樹脂を溶融してフイルム状に流延させ,これに円筒状体や円柱状体の端部を押圧し,溶融したEVA樹脂を浸透させる方法等を採用することができる。
【0020】次に,本発明の活性炭繊維系吸着材の製法例について説明する。ポリテトラフロロエチレンをコーティングした棒状の成型用治具に,繊維層となるシート状物を巻付けた後,活性炭繊維のシート状物あるいは活性炭繊維と熱可塑性合成繊維の混合物からなるシート状物をその上から巻付ける。さらに,内層側に巻付けたものと同一又は異なる目付のシート状物を巻付けた後,加熱処理することにより熱可塑性合成繊維の一部あるいは全部を溶融させ,活性炭繊維と熱可塑性合成繊維及び活性炭繊維と内層及び外層のシート状物を融着させ一体化する。ここで,加熱処理の温度は熱可塑性合成繊維の融点より5〜40℃高い温度とすることが好ましい。次いで, 冷却した後,成型用治具を抜き取って円筒状をした活性炭繊維系吸着材の長尺物を得る。さらに,上記で得られた長尺物を所定の長さに切断し,この切断物の端部を,板上にEVA樹脂を溶融してフイルム状に流延させたものに押圧して溶融したEVA樹脂を端部に浸透させ,次いで他端にも同様にしてEVA樹脂を浸透させ,冷却して円筒状をした本発明の活性炭繊維系吸着材を得る。また,円柱状をした本発明の活性炭繊維系吸着材は,棒状の成型用治具として円筒状体を成形する場合より径の小さなものを用い,内周面側の繊維層となるシート状物を使用しない以外は上記と同様にして円筒状体を形成した後,棒状の成型用治具を抜き,次いで円筒状体を圧搾して中空部を潰し,円柱状として得ることができる。
【0021】本発明の活性炭繊維系吸着材のうち,円筒状をしたものは,外周面側から内周面側,あるいは内周面側から外周面側に通水して,繊維層と活性炭繊維を主成分とする円筒状体で浮遊物等をろ過するとともに,円筒状体で,塩素臭やかび臭の原因物質を吸着するものである。また,円柱状をしたものは,直径方向又は軸方向に通水してろ過,吸着するものである。
【0022】本発明の活性炭繊維系吸着材は,活性炭繊維を主成分とする円筒状体の内周面と外周面,あるいは円柱状体の外周面を通水性の繊維層で被覆したので,繊維層で活性炭繊維を主成分とする円筒状体,あるいは円柱状体を保護するとともに,この成形体の側面からの活性炭繊維の脱落を防止し,これによってろ過された水の中に,円周方向から活性炭繊維が混入するのを防止することができる。
【0023】また,円筒状体や円柱状体の両端部を固着したので,繊維層で被覆されていない両端部から,活性炭繊維の粉末が炭塵としてろ過水に混入するのも防止することができる。しかも,固着材として,親水性を有するEVA樹脂を使用したので,溶融したEVA樹脂を円筒状体や円柱状体の両端部に含浸させても,表面には付着するが,微細孔の内部までは浸透せず,両端部においても吸着能力を残存させることができる。また,EVA樹脂は柔軟性があるので,衝撃を受けても欠け難く,欠けた部分から活性炭繊維が炭塵としてろ過水に混入することがない。
【0024】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1ユニチカ社製の活性炭繊維A−15(比表面積1540m2/g)と,芯部がポリエチレンテレフタレート,鞘部が融点 120℃の共重合ポリエステルである芯鞘型複合繊維 (メルティー:ユニチカ社製)を重量比で60:40に配合し,カード機で均一に混合して目付が80g/m2のシートを製造した。
【0025】次いで,芯部がポリエチレンテレフタレート, 鞘部がポリエチレンである芯鞘複合繊維からなる不織布をポリテトラフロロエチレンコーティングした成型用治具に巻付け, 目付30g/m2の繊維層を形成した。その上に,前記活性炭繊維を主成分とするシートを巻付けた後,さらにその上に前記の不織布を巻き付けて目付30g/m2の外層繊維層を形成し, 外径66mm,内径30mm,長さ 120cmの円筒状体とした。この円筒状体を 145℃で3時間熱処理して一体化し, 冷却後, 成型用治具を抜き取り,30cmの長さに切断した。
【0026】次いで, 加熱板上でEVA樹脂 (松村石油研究所製「モレスコメルトPK−100」, 軟化点95℃)を溶融してフイルム状に流延させ,これに30cmに切断した円筒状体の端部を押圧し,溶融したEVA樹脂を浸透させた後,他端にも同様にしてEVA樹脂を浸透させ,冷却して本発明の活性炭繊維系吸着材を得た。
【0027】上記で得た活性炭繊維系吸着材を, 内径 100mm, 高さ330mm の樹脂筒体に装着し,蒸留水に遊離塩素2mg/リットル,2−メチルイソボルネオール(かび臭成分)50ng/リットルを添加した調整水を活性炭繊維系吸着材の外周側から内周側に6リットル/分の速度で通水し,上部からろ過水を取り出した。調整水には塩素臭やかび臭が感じられたが,50m3通水後のろ過水をチエツクしたところ,塩素臭やかび臭は全く感じられず,浄水試験法で試験しても,遊離塩素や2−メチルイソボルネオールは検出できなかった。さらに,吸着材の両端部が欠けることはなく,活性炭繊維が炭塵としてろ過水に混入することもなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の活性炭繊維系吸着材は,繊維層で活性炭繊維を主成分とする円筒状体,あるいは円柱状体を保護するとともに,この成形体の側面からの活性炭繊維の脱落を防止し,これによってろ過された水の中に,円周方向から活性炭繊維が混入するのを防止することができる。また,両端部を固着したので,繊維層で被覆されていない両端部から,活性炭繊維の粉末が炭塵としてろ過水に混入するのも防止することができる。さらに,両端部においても吸着能力が残存し,かつ,両端部が衝撃を受けても欠け難く,欠けた部分から活性炭繊維が炭塵としてろ過水に混入するのを防止することが可能となる。本発明の活性炭繊維系吸着材は,水道水等を浄化するために用いられる家庭用浄水器用のフイルターエレメントとして好適なものである。




 

 


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