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発明の名称 延伸多層ポリアミドフィルムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−24489
公開日 平成10年(1998)1月27日
出願番号 特願平8−180406
出願日 平成8年(1996)7月10日
代理人
発明者 小柳 健治 / 川北 俊一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記組成物Aからなる樹脂層(X)と、組成物Bからなる樹脂層(Y)の中間に、組成物Cからなる樹脂層(Z)を有する、少なくとも3層の延伸多層フィルムを製造する方法において、押出機より押し出した未延伸多層シートを冷却ロールに密着させて成形した後、該シートを40〜70℃に温調された湯浴中に通過させ、水分率を3〜7%に調整した後、140 〜 210℃に予熱し、次いで 160〜 220℃で縦横それぞれ3〜4倍の延伸倍率で同時二軸延伸することを特徴とする延伸多層ポリアミドフィルムの製造方法。
組成物A:キシリレンジアミン成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分とから形成されたポリアミド(a)に、下記の変性ポリエチレンを 0.5〜3重量%、タルクを 0.01 〜 0.5重量%含有させた組成物。
組成物B:脂肪族ポリアミド(b)に、下記の変性ポリエチレンを1〜5重量%含有させた組成物。
組成物C:ポリアミド(a)及び/又は脂肪族ポリアミド(b)50〜20重量%と、非晶性ポリアミド(c)50〜80重量%とを含有する組成物。
変性ポリエチレン:エチレン95〜50重量%、不飽和ジカルボン酸及び/又はその誘導体 0.1〜10重量%、不飽和モノカルボン酸及び/又はその低級アルキルエステル誘導体 4.9〜40重量%とからなる共重合体。
【請求項2】 引張強度及び熱水収縮率の、縦方向と横方向の差がそれぞれ10%以下及び70%以下である請求項1記載の延伸多層ポリアミドフィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた透明性、引張強度、層間剥離強力、耐ピンホール性、ガスバリヤー性、寸法安定性を有する耐レトルト性(熱水処理耐性)に優れた包装用途に好適な延伸多層ポリアミドフィルムの製造方法に関するものである。 【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、雑貨等の包装には各種のプラスチックフィルム製の包装袋が大量に使用されており、通常、二軸延伸プラスチックフィルムをベースフィルムとし、ヒートシール可能なシーラントフィルム(たとえば無配向フィルム)をラミネートした積層フィルムが用いられている。ベースフィルムとしては、透明性、耐ピンホール性、ガスバリヤー性、寸法安定性、引張強度などの性質が優れていることが求められ、また、シーラントフィルムとの間の層間剥離強力が優れていることが必要である。しかし、最近の包装内容物の長期保存の要求から、包装材料の品質向上が求められ、高度なガスバリヤー性を付与するために、二軸延伸ポリアミドフィルムの表面に塩化ビニリデン系重合体ラテックスをコートしたフィルムが幅広く用いられているが、熱水処理により白濁するという欠点がある。
【0003】また、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから合成されるポリメタキシリレンアジパミド(以下、MXD6という)を原料として用いたフィルムはガスバリヤー性に優れているが、耐ピンホール性が劣るため、他のポリアミド樹脂と混合したり、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンなどの樹脂層と共押出したり、あるいは、ラミネートした多層フィルムとすることが提案されている。
【0004】たとえば、MXD6と脂肪族ポリアミドとの混合物から形成された二軸延伸フィルム(特開昭48-54176号公報)、MXD6と脂肪族ポリアミドをチューブラ法により積層した二軸延伸フィルム(特開昭57-51427号公報)、あるいは、MXD6と脂肪族ポリアミドとの混合物よりなる表面層と、主としてMXD6よりなる中間層を有する3層フィルム(特開昭56-155762 号公報)などが提案されている。
【0005】しかしながら、MXD6と脂肪族ポリアミドとの混合物から形成された二軸延伸フィルムにより、ガスバリヤー性と耐ピンホール性を兼備させることは困難であり、また、脂肪族ポリアミドとMXD6を積層した場合には、層間剥離し易い欠点があった。また、上記の特開昭56-155762 号公報に記載された構成にした場合でも、耐ピンホール性が不十分であり、層間剥離の問題があった。
【0006】また、特に包装用途においては、フィルムの縦及び横方向の物性は、できるだけ均等であることが好ましく、たとえば、縦横の引張強度が不均一の場合には、包装袋に圧力や衝撃が加えられた場合に破袋したり、熱水収縮率が不均一の場合には、内容物を充填した包装袋を熱水処理した場合に袋が変形したり、破袋するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のような欠点が解消され、優れた透明性、引張強度、層間剥離強力、ガスバリヤー性、寸法安定性を有し、かつ、引張強度や熱収縮率の縦及び横方向の物性の均一性に優れた、耐レトルト性を有する包装用途に好適な延伸多層ポリアミドフィルムの製造方法を提供しようとするものである。具体的には、脂肪族系ポリアミド樹脂層とMXD6樹脂層の間で層間剥離が生じることがなく、脂肪族系ポリアミド樹脂層の優れた機械的性質、耐ピンホール性、透明性に加え、MXD6樹脂層の耐熱性、ガスバリヤー性を兼ね備えた包装用材料として好適な延伸多層ポリアミドフィルムの製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の成分からなる組成物を積層した未延伸多層ポリアミドシートを、特定の条件で延伸することによりこれらの課題を解決することができることを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。下記組成物Aからなる樹脂層(X)と、組成物Bからなる樹脂層(Y)の中間に、組成物Cからなる樹脂層(Z)を有する、少なくとも3層の延伸多層フィルムを製造する方法において、押出機より押し出した未延伸シートを冷却ロールに密着させて成形した後、該シートを40〜70℃に温調された湯浴中に通過させ、水分率を3〜7%に調整した後、140 〜 210℃に予熱し、次いで 160〜 220℃で縦横それぞれ3〜4倍の延伸倍率で同時二軸延伸することを特徴とする多層延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
組成物A:キシリレンジアミン成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分とから形成されたポリアミド(a)に、下記の変性ポリエチレンを 0.5〜3重量%、タルクを 0.01 〜 0.5重量%含有させた組成物。
組成物B:脂肪族ポリアミド(b)に、下記の変性ポリエチレンを1〜5重量%含有させた組成物。
組成物C:ポリアミド(a)及び/又は脂肪族ポリアミド(b)50〜20重量%と、非晶性ポリアミド(c)50〜80重量%とを含有する組成物。
変性ポリエチレン:エチレン95〜50重量%、不飽和ジカルボン酸及び/又はその誘導体 0.1〜10重量%、不飽和モノカルボン酸及び/又はその低級アルキルエステル誘導体 4.9〜40重量%とからなる共重合体。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明におけるポリアミド(a)は、メタ及び/又はパラキシリレンジアミンと炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸とから重縮合反応によって得られたポリアミドであり、特に、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから合成されるMXD6が好適である。
【0011】本発明における、脂肪族ポリアミド(b)としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン 610、ナイロン 612、ナイロン12、ナイロン11、及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミド樹脂を挙げることができ、特に、ナイロン6が好ましい。
【0012】非晶性ポリアミド(c)とは、結晶性がないものか、結晶性の乏しいものを総称しており特に制限はないが、一般には、結晶化を阻害するような構造、すなわち側鎖や環構造を有するモノマー成分を含有する重合体である。このような重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸と、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、イソフォロンジアミンなどのジアミンとの反応により得られるポリアミド、あるいは、上記成分にさらにラクタム成分や4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合したポリアミドなどが挙げられる。
【0013】ポリアミド(a)と(b)は、一般に接着性が良くなく、非晶性ポリアミドを配合した樹脂層(Z)を中間層として積層することにより、(a)と(b)からなる樹脂層の層間剥離強力が向上する。
【0014】ポリアミド樹脂層(Z)においては、ポリアミド(a)及び/又は脂肪族ポリアミド(b)50〜20重量%に対して、非晶性ポリアミド(c)を50〜80重量%配合することによって、層間剥離強力が向上する。非晶性ポリアミド(c)が50重量%未満の場合、層間剥離強力が充分でなく、80重量%を超えると熱水処理した際に白濁しやすくなり好ましくない。
【0015】本発明における変性ポリエチレンは、エチレン95〜50重量%、3〜8個の炭素原子を有する不飽和ジカルボン酸及び/又はその誘導体 0.1〜10重量%、不飽和モノカルボン酸及び/又はその低級アルキルエステル誘導体 4.9〜40重量%とからなるエチレン系三元共重合体であり、メルトインデックスが 0.1〜60g/10分、好ましくは1〜50g/10分のものが好適である。
【0016】不飽和ジカルボン酸及びその誘導体としては、たとえば、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸及びそれらの金属塩や酸無水物などの誘導体が挙げられる。これらの中で、コストパフォーマンスなどの点から無水マレイン酸が最も好適である。
【0017】また、不飽和モノカルボン酸及びその低級アルキルエステル誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸などや、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n −プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n −ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t −ブチルアクリレートなどが挙げられるが、特に、n −ブチルアクリレートが好適である。
【0018】樹脂層(X)及び樹脂層(Y)中の変性ポリエチレンの配合量は、樹脂層(Y)においては、1〜5重量%、さらに好ましくは 1.5〜3重量%であり、1重量%未満の場合には、耐ピンホール性の改良効果が不十分であり、5重量%を超えて添加しても耐ピンホール性の改良効果が飽和するばかりか、フィルムのヘーズが損なわれたりして好ましくない。また、樹脂層(X)における変性ポリエチレンの配合量は、 0.5〜3重量%、好ましくは1〜2重量%であり、 0.5重量%未満では耐ピンホール性の改良効果が不十分であり、3重量%を超える場合には、酸素透過率が大きくなる傾向になる。
【0019】また、樹脂層(X)にタルクを 0.01 〜 0.5重量%、好ましくは0.05〜 0.3重量%添加することにより、得られる延伸多層ポリアミドフィルムの強度を向上させることができる。配合するタルクの量が 0.01 重量%未満では強度の改良効果が発現せず、 0.5重量%を超えて添加しても強度の改良効果が飽和するばかりか、フィルムのヘーズが損なわれたりして好ましくない。
【0020】本発明における延伸多層ポリアミドフィルムの構成は、X/Z/Yからなる少なくとも3層構成を有することが必要であるが、用途や目的に応じて層の構成は適宜変更すればよい。
【0021】代表的な層構成としては、得られる多層フィルムの透明性、引張強度、ガスバリヤー性などの点から、たとえば、Y/Z/X/Z/Yなどの5層構成の製品は物性バランス上、特に好適である。
【0022】本発明の方法によって得られる多層延伸ポリアミドフィルムは、引張強度 23〜35kg/mm2、ピンホール発生個数3以下、熱水収縮率 0.5〜3.5 %、ヘーズ6%以下、酸素透過率6cc/atm/m2/日以下、層間剥離強力270g/15mm 以上の各物性を有している。引張強度及び熱水収縮率は、共にフィルムの縦方向と横方向の平均値である。
【0023】引張強度が23kg/mm2より小さいと包装袋としたときの強度が不足し、35kg/mm2を超えても過剰品質となるばかりか、かえってフィルム製造時の操業性を悪化させ、経済的に好ましくない。ピンホール発生個数が3個を超えると包装袋としたときの強度が不足し、好ましくない。熱水収縮率が 3.5%を超えると包装袋を製造する工程でのカールなどの問題が発生し、 0.5%未満としても過剰品質となるばかりか、かえってフィルム製造時の操業性を悪化させ、経済的に好ましくない。
【0024】ヘーズが6%を超えると包装袋としたときの商品価値が低下し好ましくなく、酸素透過率が6cc/atm/m2/日より大きいと包装袋としての内容物の保護が不十分となる。また、層間剥離強力が270g/15mm より小さいと包装袋としたときの層間剥離強度が不十分である。なお、引張伸度は、通常 80 〜 130%(縦方向MDと横方向TDの平均値)の範囲にあればよい。
【0025】本発明における未延伸多層ポリアミドシートの製造方法としては、各層を構成する各々の樹脂を別々の押出機を用いて溶融し、フィードブロック法により重ね合わせた後ダイスより押し出す方法、溶融した数種の樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせた後押し出す方法、各樹脂層をラミネートにより貼り合わせる方法、及びこれらを組み合わせた方法などをとることができる。
【0026】本発明における多層フィルムの延伸方法としては、フラット式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法、チューブラ法などの方法を用いることができるが、多層フィルムの厚みの均一性や、フィルムの縦及び横方向の物性の均一性を得るためにはフラット式同時二軸延伸法が最も好ましい。
【0027】ただし、未延伸多層ポリアミドシートを製造するに際し、ダイスより押し出した樹脂を急冷する方法としては、静電印加キャスト法は好ましくなく、エアーナイフキャスト法、すなわち、エアーナイフ装置から空気を吹きつけることにより、溶融した樹脂を回転冷却ロールに押しつけて冷却する方法が好ましい。この理由は、本発明における多層ポリアミドシートにおいては、樹脂層(X)と樹脂層(Y)の静電特性が異なるため、静電印加キャスト法を用いた場合には、製膜斑が発生して操業性が低下し、製膜が困難になることがあるからである。
【0028】次に、本発明におけるフラット式同時二軸延伸法による延伸多層フィルムの製造方法の具体例について説明する。まず、3種5層共押出Tダイを用いて、押出機(イ)よりナイロン6と変性ポリエチレンからなる組成物を、押出機(ロ)よりMXD6と変性ポリエチレンとタルクからなる組成物を、押出機(ハ)よりナイロン6と非晶性ポリアミドからなる組成物をそれぞれ230 〜280 ℃の温度範囲で、未延伸多層シートを押し出し、室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて急冷する。
【0029】次に、得られたシートを40〜70℃に温調された湯浴中に通過させ、水分率を3〜7%に調整した後、140 〜 210℃に予熱し、次いで 160〜 220℃で縦横それぞれ3〜4倍の延伸倍率で同時二軸延伸した後、横方向に1〜5%弛緩処理した後、150 〜220 ℃で数秒間熱処理を施し、所望の厚みの延伸多層フィルムを得ることができる。
【0030】湯浴の温度が40℃より低いと、未延伸多層シートを一定の水分率とするために要する含浸時間が長くなり経済的でなく、70℃より高いと、含浸中にシートが変形する。また、水分率が3%よりも低くても、7%よりも高くても延伸性が低下する。また、予熱温度及び延伸温度が上記の範囲を外れると、延伸斑が発生したり、延伸時にフィルムが破断したりするので好ましくない。
【0031】延伸倍率は大きい方がフィルムの強度は高くなるが、延伸安定性の面から縦横それぞれ3〜4倍程度が好ましい。縦横の延伸倍率比は、引張強度などの縦及び横方向のバランス上、等倍率が好ましいが、熱処理工程での弛緩処理によるフィルムの横方向への収縮を考慮し、横方向の延伸倍率を縦方向の 1.0〜1.2 倍程度とするのが好ましい。 【0032】上記の範囲において製造条件を設定することにより、引張強度及び熱水収縮率の、縦方向と横方向の差がそれぞれ10%以下及び70%以下の延伸多層フィルムを得ることができる。上記の引張強度及び熱水収縮率の縦方向と横方向の差とは、縦方向と横方向の物性値の差の絶対値を、縦方向と横方向の物性値の平均値で除した値をいう。引張強度及び熱水収縮率の、縦方向と横方向の差がそれぞれ10%及び70%を超えると、包装袋に圧力や衝撃が加えられた場合に袋が変形したり、破袋するという問題が発生する。
【0033】本発明の方法で得られる延伸多層フィルムを包装袋用として使用する場合には、通常、ヒートシール性が付与され、また、用途によりガスバリアー性や機械的強度をさらに高めるために、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルなどのプラスチックフィルム、紙、アルミニウムなどの金属箔と積層して用いられる。
【0034】本発明における延伸多層フィルムの厚みは特に制限はないが、フレキシブルな包材として使用する場合、300 μm 以下、通常、5〜50μm とするのが適当である。
【0035】フィルムの生産性を向上させるため、通常、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウムなどの無機滑剤やエチレンビスステアリルアミドなどの有機滑剤を添加してフィルム表面のスリップ性を向上させることができる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料及び測定法は、次のとおりである。
【0037】1.原料(1) ナイロン6(N6);ユニチカ社製 A1030BRF(2) MXD6;三菱瓦斯化学社製 MXナイロン 6007 (相対粘度 2.64 )
(3) 非晶性ポリアミド;EMS社製 グリボリーXE3038テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、4,4 ’−ジアミノ−3,3 ’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタンの4元共重合体(4) 変性ポリエチレン;日本ポリオレフィン社製 レクスパール ET 183 Bエチレン、n−ブチルアクリレート、無水マレイン酸の3元共重合体(5) タルク;林化成社製 UPNHS-T0.5【0038】2.測定法(1) 水分率湯浴に含浸した未延伸多層シートから約 20gを秤量瓶に採取精秤する。次に 120±2℃の定温乾燥機中で2時間乾燥した後、塩化カルシウムデシケータ中で室温まで徐冷した後の重量を精秤し、減量率(%)を求めた。
(2) 引張強度、伸度幅10mm、長さ10cmの試料を用いてASTM-D882 に準じて測定した。
(3) 熱水収縮率幅10mm、長さ10cmの試料を沸騰水に30分間浸漬し、処理前後の寸法変化を測定し、元の長さに対する百分率を求めた。
(4) ヘーズ東京電色社製全自動ヘーズメータ(TC−H3DPK )を用いて、JIS K-6714に準拠し測定した。
ヘーズ(%)=〔Td(拡散透過率%)/Tt(全光線透過率%)〕×100(5) 耐ピンホール性MIL-B ・131Fに示されるFed.Test Method Std. 101C の Method 2017に従い、12インチ×8インチのサンプルを直径3.5 インチの円筒状とし、両端を把持し、初期把持間隔7インチ、最大屈曲時の把持間隔を1インチとし、40回/分の速さで、いわゆるゲルボテスター(理学工業社製)により、5℃で 1,000回屈曲を加えた後に生じたピンホール個数を数えた。
(6) 酸素透過率Modern Control社製の OX-TRAN10-50Aを使用し、20℃、65%RHの条件で測定した。(単位:cc/mm2/atm/ 日)(7) 層間剥離強力幅15mmの延伸多層フィルム端部を界面で剥離した後、20℃,65%RH雰囲気中で、島津製作所社製オートグラフを用い、Tピール法にて剥離速度300mm/分の条件で剥離強力を測定した。
(8) 熱水処理耐性延伸多層フィルムに、ドライラミネート法により厚み60μm の未延伸ポリプロピレンフィルム(東レ社製トレファンZK- 93K )をラミネートした後、3方ヒートシールを行い縦14cm×横12cmの長方形の充填袋を製作した。次に、この袋に水50mlを充填し、残る一方をヒートシールした後、120 ℃×30分の熱水処理を施した後の袋の外観を目視により観察した。
【0039】実施例13種5層共押出Tダイを用いて、押出機(イ)よりN6に変性ポリエチレン2.0 重量%を混合したものを温度250 ℃で(Y層)、押出機(ロ)よりMXD6に変性ポリエチレン1.3 重量%及びタルク 0.2重量%を混合したものを温度 265℃で(X層)、押出機(ハ)よりN6に非晶性ポリアミド70重量%を混合したものを温度 280℃で(Z層)それぞれ溶融押し出しし、Y/Z/X/Z/Yの順に積層したシートをダイスより押し出し、表面温度18℃に温調した冷却ドラム上に密着させて急冷し、各層の厚みがY/Z/X/Z/Y=45/5/50/5/45(μm )で、合計の厚み 150μm の未延伸多層シートを得た。得られたシートを60℃に温調した温水槽に送り、1.5 分間の浸水処理を施し、水分率 4.7%に調整した。このシートの端部をテンター式同時二軸延伸機のクリップで把持し、175 ℃で予熱した後、延伸温度190 ℃で、延伸倍率が縦 3.0倍、横 3.3倍で同時二軸延伸した後、横方向の弛緩率を5%として、210 ℃で4秒間の熱処理を施した後、フィルムを冷却して巻取り、各層の厚みがそれぞれ、Y/Z/X/Z/Y=4.5/0.5/5.0/0.5/4.5 (μm )の厚み15μm の延伸多層フィルムを得た。次いで、得られた原反ロールをスリットし、各種のフィルム性能を評価した結果を表1に示した。表1に示したように、包装用フィルムとして良好な適性を有していた。
【0040】実施例2〜5温水槽の温度、未延伸シートの水分率、予熱温度、延伸温度をそれぞれ表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして延伸多層フィルムを得た。得られた延伸多層フィルムを実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0041】比較例1予熱温度を 215℃、延伸温度を 222℃とした以外は、実施例1と同様にして延伸多層フィルムを得た。実施例1と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0042】比較例2温水槽の温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にして、浸水処理を行ったところ、移送中に未延伸シートが変形し延伸することができなかった。
【0043】比較例3未延伸多層シートを60℃に温調した温水槽に送り、0.5 分間浸水処理を施し、水分率を 2.4%に調整した以外は、実施例1と同様にして延伸多層フィルムを得たが、延伸斑が発生し平滑で厚み均一なフィルムを得ることはできなかった。
【0044】比較例4未延伸多層シートを60℃に温調した温水槽に送り、4分間の浸水処理を施し、水分率を 7.5%に調整した以外は、実施例1と同様に延伸を試みたが、フィルムが破断し、安定して延伸することができなかった。
【0045】比較例5予熱温度を 135℃、延伸温度を 155℃とした以外は実施例1と同様にして未延伸多層フィルムの延伸を試みたが、フィルムが破断し、安定して延伸することができなかった。
【0046】比較例6未延伸多層フィルムに浸水処理を施さない他は、実施例1と同様にして未延伸多層フィルムの延伸を試みたが、延伸斑が発生し、平滑で厚み均一なフィルムを得ることはできなかった。なお、未延伸シートの水分率は 0.1%であった。
【0047】
【表1】

【0048】
【発明の効果】本発明の方法によって得られる延伸多層ポリアミドフィルムは、優れた透明性、引張強度、層間剥離強力、ガスバリヤー性、寸法安定性を有し、レトルト用として用いた場合、加工性、経済性にも優れており、産業上の利用価値は極めて高い。




 

 


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