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発明の名称 形鋼の冷却制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−85822
公開日 平成10年(1998)4月7日
出願番号 特願平8−240186
出願日 平成8年(1996)9月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
発明者 藤林 晃夫 / 中世古 誠
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被圧延材のリバース圧延、仕上圧延、フランジ冷却を経て形鋼を製造する方法において、被圧延材のリバース圧延時における咬み込み速度、圧延速度、咬み放し速度から、あらかじめ被圧延材のサイズ、パス回数に対する、被圧延材の先端部および後端部の温度降下量を求めておき、被圧延材がフランジ冷却装置を通過する時、前記温度降下量に基づいて該被圧延材の先端部および後端部の冷却液量を該被圧延材の定常部の冷却液量よりも減少するよう制御することを特徴とする形鋼の冷却制御方法。
【請求項2】 前記フランジ冷却装置が被圧延材の通過方向に設けられた複数の冷却ブロックを有し、前記フランジ冷却装置の入側において該被圧延材の先端部および後端部の通過を検出し、その先端部が前記冷却ブロックを通過し終わる時からその冷却ブロックへの冷却液供給量を増加し、その後端部が前記冷却ブロックに到達する時からその冷却ブロックへの冷却液供給量を減少するよう制御することを特徴とする請求項1記載の形鋼の冷却制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形鋼、特にH形鋼の冷却制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】H形鋼はウェブがフランジよりも厚みが薄いため、フランジよりもウェブが冷えやすく、このため圧延後にウェブ波などの形状不良が発生しやすい。そこで通常はフランジ外面を冷却して、フランジとウェブの温度差を解消することがはかられている(例えば、日本鉄鋼協会講演論文集vol.4(1991) No.5,p.1426 )。
【0003】フランジ冷却の際のフランジおよびウェブの温度履歴を図2に模式的に示す。図中、A線は圧延後H形鋼を自然放冷したときのフランジ温度の履歴を示し、B線は同じく自然放冷のときのウェブ温度の履歴を示す。また、C1線、C2線はフランジをある時間強制冷却(水冷)したときのフランジ温度の履歴を示す。図2から分かるように、特にフランジを強制冷却しない場合には、圧延後のフランジとウェブの温度差は、その熱容量の差からウェブが早く冷えるため、A線とB線の開きから、冷却床では最大200℃程度になる。この場合、ウェブが冷却途中で座屈して伸びの変形を生じるため、後からフランジ温度が下がりフランジが縮んでくると、ウェブに波状の永久変形が発生する。このウェブ変形を以下「冷却後のウェブ波」と呼ぶ。そこで、一般には図2のDで示す時点からフランジを水冷して、フランジとウェブの温度差を少なくするようにフランジ冷却を行うのが一般的である。しかしながらこのとき、フランジ温度をウェブ温度より低くしすぎると、C1線で示すように冷却中にフランジが縮み過ぎて、ウェブが座屈し、ウェブ波が発生する。以下このウェブ変形を「冷却中のウェブ波」と呼ぶ。
【0004】フランジ冷却は、設備上最長でも100m、通過時間にして10〜30秒であるので、この限られた時間内のフランジ冷却によって、冷却中および冷却後のウェブ波の発生を防止するためには、図2のC2線で示すように水冷中のみならず、冷却後の放冷中でもフランジとウェブの温度差が大きくならないような最適なフランジ冷却を施す必要がある。
【0005】一般にH形鋼1は、図3に示すようにユニバーサル圧延機2でリバース圧延することによって圧延され、仕上圧延機3による仕上圧延後にフランジ冷却装置4を通過してフランジ水冷が施され、さらに切断機5で鋸断後、冷却床6へ送られて放冷される。この中で、ユニバーサル圧延機2でリバース圧延する際には、圧延中のH形鋼1のフランジ温度を制御するために圧延機前後に冷却ゾーン7a、7bが設けられているのが一般的である。H形鋼1はこのユニバーサル圧延機2で圧延されながらその長さが最長で80m程度に伸びる。しかし、設備上圧延機前後の冷却ゾーン7a、7bはその長さが限られているので、H形鋼1の全長にわたって一斉に冷却することは不可能である。そこで一般には圧延機前後の約10mが冷却ゾーンとなっており、H形鋼を通過させながら冷却を行う。圧延は、通常、咬み込み速度および咬み放し速度が定常部(H形鋼の中央部)の圧延速度よりも遅いため、H形鋼1の先端部および後端部の冷却ゾーン通過時間が定常部の冷却ゾーン通過時間よりも長くなるため、先端部および後端部の温度は定常部の温度よりも低下する。また、リバース圧延時にも同じ理由から先端部および後端部の温度は定常部よりも温度が低下する。従って、H形鋼のフランジの長手方向の温度分布は、図4に模式的に示すように、定常部に比べて先端部および後端部の温度が低い分布となっている。
【0006】このような温度分布を持つH形鋼をフランジ冷却装置4に送ってフランジ冷却を施すと、H形鋼1の先端部と後端部は温度が低下しているため、冷却中のウェブ波が発生しやすい。そこで先端部および後端部の冷却を弱めると、逆に定常部にとってはフランジが冷却不足となり、冷却後のウェブ波が発生する。以上のように圧延機で生じたH形鋼の長手方向の不均一な温度分布からウェブ波が発生しやすかった。
【0007】これまでフランジの冷却装置、冷却方法および温度制御方法に関しては多くの提案がなされている。例えば、圧延機に案内するサイドガイドに冷却水ノズルを設けてフランジ冷却を行うもの(特公昭41−20336号)、ウェブ波評価指数を関数式で表示して温度調整を行う方法(特公昭60−37856号)があり、特にH形鋼の温度偏差に応じて冷却を制御する方法としては、鋼材のトラッキング情報により、冷却制御ゾーンを順次作動させ、冷却液を噴射させるフランジ冷却制御方法(特開平4−52021号)、フランジの幅方向にノズルを多段配置して、送り方向には多連配置して、各ゾーン、各配置段ごとの冷却水供給をON−OFF制御し、フランジ幅方向の温度分布を一様ならしめる曲り制御方法(特開平5−337535号)、被圧延材の表面温度の測定値に応じて、水冷ゾーンと冷却水量を補正する温度制御を行う冷却方法(特開平6−218422号)がある。
【0008】これらの従来技術はいずれも圧延中のH形鋼の鋼材表面温度の測定値に準じて温度制御を行う方法であるが、測定した表面温度は真の温度、つまり鋼材内部の平均温度を反映していないため、復熱後の温度予測精度が悪い。また、特開平6−190416号公報には、被圧延材の表面温度の測定値から復熱後の温度を計算によって求め、その値に応じて水冷ゾーンの冷却水量を補正して温度制御を行う冷却方法が開示されているが、板厚や板内初期温度分布の違いから予測した復熱温度が実際と大きく異なっており、温度精度が十分ではない。従って、従来の温度制御方法ではH形鋼の先端部と後端部に存在する低温部を解消するようなオンライン温度制御方法、具体的には先後端部の冷却水量をその温度に応じて定常部に比べて少なくするというような温度制御は難しく、たとえ実施したとしても精度が十分ではなかった。その結果、H形鋼の先端部と後端部のウェブ波の発生は避けられなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、形鋼の長手方向に発生する温度偏差を解消して、ウェブ波の発生を防止し、歩留りのよい形鋼の冷却制御方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明に係る形鋼の冷却制御方法は、被圧延材のリバース圧延、仕上圧延、フランジ冷却を経て形鋼を製造する方法において、被圧延材のリバース圧延時における咬み込み速度、圧延速度、咬み放し速度から、あらかじめ被圧延材のサイズ、パス回数に対する、被圧延材の先端部および後端部の温度降下量を求めておき、被圧延材がフランジ冷却装置を通過する時、前記温度降下量に基づいて該被圧延材の先端部および後端部の冷却液量を該被圧延材の定常部の冷却液量よりも減少するよう制御することとしたものである。
【0011】また、本発明は、前記フランジ冷却装置が被圧延材の通過方向に設けられた複数の冷却ブロックを有し、前記フランジ冷却装置の入側において該被圧延材の先端部および後端部の通過を検出し、その先端部が前記冷却ブロックを通過し終わる時からその冷却ブロックへの冷却液供給量を増加し、その後端部が前記冷却ブロックに到達する時からその冷却ブロックへの冷却液供給量を減少するよう制御することを特徴とする。
【0012】以上の手段により、形鋼の先端部と後端部のフランジ温度を定常部のフランジ温度と同じにすることが可能となるので、局部的なウェブ波の発生を防止でき、歩留りの高い形鋼の製造が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の冷却制御方法に使用するフランジ冷却装置の一部分を示す概要図で、図3で示したフランジ冷却装置4の一部を構成するものである。このフランジ冷却装置4は、複数の冷却ブロック8に分かれており、その1つが図1に示されている。図示のように、冷却ブロック8は被圧延材1のフランジ側にそれぞれ2本の独立に流量制御可能な冷却液供給管9a、9bを有する。なお、他方のフランジ側にも同じ冷却液供給管が配置されているが、図示は省略する。これらの冷却液供給管9a、9bにはフランジに向けて冷却液を噴射するノズル10が交互に設けられている。このようにして1つの冷却ブロック8が構成されている。H形鋼以外の形鋼、例えばT形鋼に対しては、一方側の冷却液供給管への冷却液供給を停止すればよい。
【0014】
【実施例】H形鋼について実施した本発明の実施例を説明する。H形鋼は、図3に示すような設備で、高さ400mm、幅200mm、フランジ厚み22mm、ウェブ厚み12mm、長さ80mのものを製造した。まず、H形鋼1をユニバーサル圧延機2でリバース圧延し、その途中で圧延機前後の10mの冷却ゾーン7a、7bでフランジを水冷した。圧延パスは9パス(4往復+1パス)としたが、そのうち最後の4パスはこの冷却ゾーン7a、7bで水を噴射し、フランジの冷却を行った。このとき咬み込み速度は3.1m/s、定常部の圧延速度は7.9m/s、咬み放し速度は4.7m/sであった。従って、冷却ゾーン7a、7bでの冷却時間は、先端部、定常部、後端部が圧延機前後の10mの冷却ゾーン(合計20mの冷却ゾーン)を通過するのにそれぞれ6.5秒、2.5秒、4.3秒かかった。これに応じて同じ冷却条件でフランジの冷却が行なわれたとしてもその冷却量は1回の往復(2パスあたり)で先端部と後端部が定常部に比べて約2倍冷却が多く施された計算になる。実際、このときH形鋼の先端部、中央部、後端部の温度はそれぞれ780℃、850℃、775℃であった。
【0015】このH形鋼1を仕上圧延後、図1の構成からなるフランジ冷却装置4へ送り、通過させながら水冷によりフランジの冷却を施した。このフランジ冷却装置4は全長75mで、5mずつの冷却ブロックに分割されている。各冷却ブロックのフランジ冷却用のノズル10は、フランジの片側において独立に流量を制御可能な2系統の冷却液供給管9a、9bから300mmピッチで交互に設置されている。そして、時定数を小さくして冷却の制御性を上げるために、図示しない流量制御弁を各冷却ブロックの2系統の冷却液供給管9a、9bにそれぞれ配置している。また、フランジ冷却装置4の入側には図3に示すようにH形鋼の通過を検出するセンサー11を設け、H形鋼1の先端と後端の通過を検知する。
【0016】そして、このフランジ冷却装置4にH形鋼1を搬送速度7m/sで通過させてフランジの冷却を施した。冷却水量はあらかじめH形鋼の先端部が適正に冷却されるように各冷却ブロックの水量を1系統の冷却液供給管9aに対しては100%、もう1系統の冷却液供給管9bに対しては50%に絞って通過前に流量を設定しておく。フランジ冷却装置4の前に設けたセンサー11によってH形鋼1の先端の通過を検知し、搬送速度から各冷却ブロックをH形鋼先端から20mの部分が通過し終わる時刻を計算して、先端部の20m区間がその冷却ブロックを通過し終わったら、その冷却ブロックの冷却水量を先端部の冷却水量よりも25%多くなるように、各冷却ブロックの2系統9a、9bあるうちの1系統9bの冷却液供給管の流量を50%から100%に開放した。同じ様にH形鋼1の後端の通過をセンサー8が検知した場合、搬送速度から各冷却ブロックにH形鋼後端から20mの部分が通過し終わる時刻を計算して、その後端部が各冷却ブックに差しかかったらその冷却ブロックの冷却水量を定常部の冷却水量よりも25%少なくするように、各冷却ブロックの2系統9a、9bあるうちの1系統9bの冷却液供給管の流量を100%から50%に絞った。
【0017】このような冷却水量の増減制御によって、H形鋼の先端部、定常部および後端部をほぼ目標の冷却停止温度500℃へ±15℃以内で制御することができた。その結果、フランジの冷却不足、過冷却から発生する冷却後のウェブ波と冷却中のウェブ波は見られなかった。
【0018】また、H形鋼の先端部、定常部および後端部に対する冷却水量(注水量)については次のように検討した。H形鋼のフランジ厚み、リバース圧延中の冷却ゾーン通過速度、フランジを冷却するパス数毎に、あらかじめH形鋼の先端部および後端部の冷却ゾーンでの温度降下量を求めておく。この表から圧延速度、咬み込み速度、咬み放し速度に応じたH形鋼の先端部および後端部の温度降下量を求める。H形鋼の先端部および後端部の温度降下量を示す線図は、図4に示した温度曲線と類似したものとなる。また本実施例のように、H形鋼が2パスにわたってフランジの水冷が施される場合についてはH形鋼の先端および後端がそれぞれ咬み込み、咬み放しを経るので、このときの通過速度は(咬み込み速度+咬み放し速度)/2とした。このような近似でも特に大きな温度誤差は生じなかった。一方、フランジ冷却装置4に関しても注水量、入側温度、フランジ厚み、通過速度と温度降下量との関係をあらかじめ求めておく。次に、最終目標の冷却終了温度とするためのH形鋼の先端部、定常部および後端部のフランジ冷却装置4における所要温度降下量、生産性を確保するための通過速度、およびフランジ厚みから、H形鋼の先端部、定常部および後端部の注水量を決定する。なお、本実施例で求めた各条件下での温度降下量は、実績値をもとに決定したが、伝熱の計算で求めてもよい。
【0019】本実施例では、ノズルを2系統に分けてその流量を調整することで冷却制御を行ったが、同じ冷却制御はノズルを間引くことによっても可能であることはいうまでもない。また、H形鋼の先端部と後端部の低温である部分の長さは咬み込み速度から定常部の圧延速度へ変更した位置および定常部の圧延速度から咬み放し速度へ速度を落とした位置の通過に応じてフランジ冷却装置の注水量の制御を行うことが望ましい。
【0020】(比較例)比較例として、上記実施例と同じH形鋼1を同じフランジ冷却装置4を通過させてフランジの冷却を行った。このとき、H形鋼の先端部、後端部の冷却制御は行わず全ての部分に各冷却ブロックに設けられた2系統の冷却液供給管9a、9bから100%の水量を供給して冷却した。搬送速度は実施例と同じである。その結果、フランジ冷却装置4を通過後のH形鋼1の先端部、中央部、後端部の温度はそれぞれ440℃、550℃、455℃であり、先端部と後端部に冷却中に発生したと見られるウェブ波(冷却中のウェブ波)が見られた。また、同じ装置で、同じH形鋼を先端部、後端部の冷却性を行わず全ての部分に各冷却ブロックに設けられた1系統の冷却液供給管9aから100%、残りの1系統の冷却液供給管9bから50%の水量を供給して冷却した。搬送速度は実施例と同じである。その結果、フランジ冷却装置4を通過後のH形鋼の先端部、中央部、後端部の温度はそれぞれ550℃、620℃、545℃であり、中央部に冷却後のウェブ波の発生が見られた。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(1)形鋼の全体にわたってフランジの温度を一様とすることができるので、局部的なウェブ波の発生がない。
(2)ウェブ波の発生がないため、製品の製造歩留りを落とすことなく形鋼の製造が可能となる。




 

 


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