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発明の名称 溶鋼鍋のスラグ流出予測方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−80762
公開日 平成10年(1998)3月31日
出願番号 特願平8−236854
出願日 平成8年(1996)9月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高野 茂
発明者 明智 吉弘 / 神長 巌 / 上見 秀司 / 谷口 哲男 / 板倉 孝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】表面にスラグが浮遊する溶鋼鍋内の溶鋼を溶鋼鍋底面に設けた導出口から排出する際に、スラグの流出開始時期を予測する方法であって、以下の(a)〜(c)の工程からなることを特徴とする溶鋼鍋のスラグ流出予測方法。
(a)前記導出口の直上の溶鋼の表面位置をマイクロ波を用いて連続的に測定する工程、(b)前記測定結果から前記表面位置が短周期の変動を開始した時点を検出する工程、(c)前記時点に所定の時間を加えスラグ流出時期を演算する工程。
【請求項2】以下の(a)〜(c)の構成要件を有することを特徴とする溶鋼鍋のスラグ流出予測装置。
(a)溶鋼鍋の導出口の上方に設置され、導出口の直上の溶鋼表面位置を測定するマイクロ波レベル計と、(b)前記マイクロ波レベル計に設けられた防熱板と、(c)前記マイクロ波レベル計からの信号を経時的に処理し、信号の変化が単調な変化から短周期の変動に変わった変化時点を検出し、この変化時点に所定の時間を加えてスラグ流出時期を算出する演算装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】溶鋼を次工程の容器に注ぐ際に、スラグを除いて溶鋼のみを排出させるためのスラグの流出時期を予測する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に精錬中の溶鋼の表面には、鋼の酸化防止のためスラグが浮遊している。溶鋼は、底部に設けた導出口を通して溶鋼鍋から次工程の受皿に溶鋼を排出されるが、この際、比重の大きな溶鋼が先に流出する。しかし、溶鋼の量が少なくなってくると、比重の小さいスラグも巻き込まれて共に流出(以下、共流出と称す)を始める。共流出したスラグは、鋼の品質及び歩留りを低下させるため、このスラグの共流出を迅速に検出し溶鋼の排出を停止させることが、重要な技術となる。
【0003】従来、スラグの共流出を検知するために、導出口を通過して導出管内にあるスラグを検出する技術の開発が進められてきた。
【0004】例えば、特開昭61−30271号公報に記載されるスラグ検出装置では、導波管を介して導出にマイクロ波を発信して反射波を測定し、溶鋼とスラグの反射率の相違に基づいて、スラグが共流出し始めたときに生じる反射率の変化を捉える(以下、反射率法と称す)。この装置の概要を図5に示す。溶鋼鍋1内の溶鋼2は導出管4から流出するが、この流れにマイクロ波を発信する。発振器20によって発振されたマイクロ波は、サーキュレータ21及びインピーダンスを合わせるためのスタブチューナ22を経て導波管23によって導出まで導かれて発信される。反射波は、導波管23及びスタブチューナ22を経てサーキュレータ21で分離され、測定回路へ導かれる。溶鋼流にスラグがある程度混入してくるとその反射係数が変化するので、反射波を測定することによってこの変化を検知することができる。
【0005】又、特公平7−41402号公報には、導出管を囲んで送信コイルと受信コイルを配置し、スラグが混入したときの導電率の変化からスラグを検出する技術が記載されている(以下、導電率法と称す)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の反射率法及び導電率法では、いずれもスラグの流出が始まった後に、導出管に達したスラグを検出するものである。さらに導出口の閉口は閉鎖蓋をスライドさせることによって行われるため、検出後閉口迄には数秒の時間を要する。このため、スラグの流出を未然に防止することができないのみならず、迅速に防止することができないという問題があった。
【0007】この発明は上記の問題を解決するために行われたもので、スラグが導出口に達する以前にスラグ流出の時期を予測し、その流出を未然に防ぐことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するための第一の手段は、表面にスラグが浮遊する溶鋼鍋内の溶鋼を溶鋼鍋底面に設けた導出口から排出する際に、スラグの流出開始時期を予測する方法であって、以下の(a)〜(c)の工程からなる溶鋼鍋のスラグ流出予測方法である。
(a)前記導出口の直上の溶鋼の表面位置をマイクロ波を用いて連続的に測定する工程、(b)前記表面位置が短周期の変動を開始した時点を検出する工程、(c)前記時点に所定の時間を加えスラグ流出時期を演算する工程。
【0009】前記第一の手段によれば、溶鋼の表面位置を測定するために、測定波を発信し溶鋼表面で反射させて発信位置から溶鋼表面までの距離を測定するが、この測定波としてその波長からマイクロ波が最も適している。溶鋼鍋内には粉塵が舞っており、例えば光のように波長が短い測定波では溶鋼表面に達する前に散乱される率が高く、又、浮遊するスラグを殆ど透過しない。反対に波長が長い測定波では回折する傾向が大きく指向性に劣り減衰が甚だしく、更に導出口の直上の溶鋼レベルだけでなく溶鋼全面の平均レベルを測定してしまい、測定感度が低下する。
【0010】マイクロ波は、波長がcmオーダであり、粉塵による散乱も少なく且つ誘電体であるスラグ層も透過するので、測定波にはマイクロ波を用いる。
【0011】導出口から溶鋼を排出するとき、当初は溶鋼鍋内の溶鋼の表面位置(以下、溶鋼レベルと称す)は全面が一様に低下する。しかし、レベルがある程度低下すると、溶鋼に導出口を中心とする渦巻き状の流れが起こる。この渦巻き状の流れが起こると、それまで緩やかに低下してきた溶鋼レベルは急に短周期で変動を始め、測定値の推移にそれまでとは異なった変化が現れる。この時点では、スラグの共流出は未だ始まらないが、間もなくスラグの共流出が始まる。
【0012】この溶鋼レベルの測定値を時間の経過とともに測定すると短周期の変動が始まった時点が検出される。
【0013】検出された時点に所定の時間を加えるとスラグの流出時期が算定されるが、この所定の時間は溶鋼鍋の形状寸法及び溶鋼の種類等を考慮して決められる。
【0014】前述の課題を解決する第二の手段は、以下の(a)〜(c)の構成要件からなる溶鋼鍋のスラグ流出予測方法及び装置である。
(a)溶鋼鍋の導出口の上方に設置されたマイクロ波レベル計と、(b)前記マイクロ波レベル計に設けられた防熱板と、(c)前記マイクロ波レベル計からの信号を経時的に処理し、信号の変化が単調な変化から短周期の変動に変わった変化時点を検出し、この変化時点に所定の時間を加えてスラグ流出時期を算出する演算装置。
【0015】前記第二の手段によれば、マイクロ波レベル計を溶鋼鍋の上方に設置し、溶鋼に向けてマイクロ波を発信し、反射波を測定するとスラグ表面での反射波と溶鋼表面での反射波とが受信される。そして、これらの表面までの距離が発信から受信までにかかった時間によって求められる。
【0016】設置されたマイクロ波レベル計は直接溶鋼からの輻射熱を受けるので、これを防ぐために防熱板を設ける。マイクロ波は誘電体を透過するので、防熱板には耐熱性にも優れるレンガやセラミックスを使用することができる。
【0017】マイクロ波レベル計は刻々と測定したレベルを出力するが、出力した信号は演算装置に入力され、その経時的変化が調べられる。この調査により、演算装置では、信号が単調な変化から短周期の変動に変わった変化時点を検出する。
【0018】検出された変化時点は演算器に入力される。演算器では予め記憶する溶鋼鍋の形状寸法等及び溶鋼から所定の時間を演算し、この所定の時間を入力された変化時点に加えてスラグ流出時期を算出する。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明を図を用いて説明する。マイクロ波を用いて湯面レベルを測定すると、図2に示す反射波が得られる。マイクロ波は指向性アンテナから発信されるが、導出口の直上に絞って溶鋼レベルを測定するためには、レベル計を湯面に近づけた方がよく、防熱板を必要とする。図で、縦軸は受信波高、横軸はレベル計を基準とした位置を示すが、R,S,Tの位置で反射波が受信されている。これらは、各々Rが防熱板、Sがスラグ、Tが溶鋼の表面位置である。このように、マイクロ波を用いるとスラグレベルとともに溶鋼レベルも測定される。
【0020】このマイクロ波を用いて、溶鋼排出中の湯面レベルを測定した場合の経時的変化を図3に示す。スラグレベルも溶鋼レベルもともにA時点まではほぼ一定の速さで単調に低下して行く。そして、A時点でスラグレベルはややその速さを増すが、その変化時点は瞬時には捉えにくい。
【0021】一方、溶鋼レベルはA時点に達すると低下する速さがやや増す傾向はスラグレベルと同様であるが、これに加えて急に短周期で変動し始める。この現象は極めて顕著であり、即座にA時点を検出することができる。
【0022】溶鋼レベルが低下する速さが増したのは、溶鋼鍋内の溶鋼量が少なくなり導出口の直上の表面レベルが下がり始めたためである。又、溶鋼レベルに短周期の変動が起きたのは渦巻き状に導出口に吸い込まれる流れによるレベルの乱れである。この乱れは流動性に富む溶鋼では顕著に現れるが、流動性が劣るスラグでは顕著に現れない。
【0023】
【実施例】溶鋼鍋から連続鋳造機のタンディッシュに溶鋼を注入する際に、この発明の装置を用いてスラグの流出時期を予測した。
【0024】用いた装置を図1に示す。溶鋼鍋1内には、溶鋼2の上にスラグ3が浮いており、導出口4から溶鋼2を流出させる。導出口4の上方に、マイクロ波レベル計10を設置し、防熱板11によって湯面からの輻射熱を防ぎ、且つ冷風を送って約40℃以下に保持した。そして、測定信号を演算装置12に送り、演算装置12で信号を処理し、更に、処理結果に基づいてスラグ3の流出開始時期を予測させた。尚、4′は導出管である。
【0025】マイクロ波レベル計は送受信一体型で、アンテナにはホーン型を用いた。発信周波数は5.8GHz である。防熱板には、アルミナ(AI2O3:92wt% ) 製で厚さ約9mmの板を用いた。発信周波数10GHz についても試験を行ったが、この場合は約5mmの防熱板を用いた。
【0026】演算装置12には、スラグレベルと溶鋼レベルの他に、予測に必要なスラグ層の厚さや溶鋼の流出速度を1秒間隔で演算させ、これらの情報と鋼種や溶湯温度等の別に与えた情報とを総合し、予測を行わせた。予測結果を、プロセスコンピュータ(図示せず)に送り、溶鋼流出停止時期が来たとき導出口4を閉鎖板5により閉じ溶鋼の注入を停止させた。
【0027】予測結果は、発信周波数が5.8GHz の場合と10GHz の場合とで同様であり、5.8GHz の場合の結果を図4に示す。図には、同時に測定した従来の反射率法によるスラグ流出量も示した。図の左縦軸はこの発明の方法による湯面レベルで右縦軸はスラグ流出量、横軸は時間軸である。
【0028】この発明では、溶鋼レベルに短周期の変動が現れたA時点から40秒後のP時点がスラグ流出開始時期と予測された。
【0029】一方、反射率測定法ではQ時点でスラグの共流出が検知され、その後スラグ流出量が急速に増加することが測定された。この測定されたスラグ流出曲線Sを外挿して点線で示すと、予測されたP時点とよく一致していた。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば溶鋼の排出に際し、溶鋼鍋導出口の直上で溶鋼レベルを測定し、溶鋼流出終期でスラグが流出する前にレベルの低下曲線が短周期で変動する時点を検出し、これに基づきスラグの流出開始時期を未然に予測する。このため、スラグの流出を完全に防止することが可能となり、鋼の品質と歩留りが大幅に向上する。




 

 


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