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発明の名称 連続鋳造用鋳型
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−80752
公開日 平成10年(1998)3月31日
出願番号 特願平8−237712
出願日 平成8年(1996)9月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
発明者 多田 光宏 / 森 健太郎 / 鈴木 真
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 実質的に横断面が矩形のキャビティを有する連続鋳造用鋳型であって、鋳型長辺の上部の少なくとも中央部分は上方に向かって広がるようにそれぞれ傾斜し、かつ、鋳型短辺は鋳型全長にわたって実質的に互いに平行に設けられていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
【請求項2】 キャビティの上部は溶鋼の注入に用いるノズル外径よりも大きく、かつ、鋳型長辺の上部の少なくとも中央部分の垂直軸に対する最大傾斜角度αが5°以上であることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用鋳型。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間圧延や冷間圧延で生じる表面欠陥を低減できる極低炭素鋼スラブの製造に用いられる連続鋳造用鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】製品炭素濃度が50ppmより少ない極低炭素鋼は帯鋼にする際に、圧延工程で表面欠陥を生じやすく、スラブ表面を溶削等する手入れ処理が必要になる。圧延時に発生する表面欠陥を調べてみると、非金属介在物が欠陥の主原因になっていることが判明している。一方、極低炭素鋼より炭素含有率の高い低炭素鋼の場合は、圧延工程で表面欠陥が生じにくいので、溶削等の手入れ処理は省略されている。
【0003】ところで、表面欠陥の発生の有無につき極低炭素鋼と低炭素鋼との間でこのような相違が生じるのは、極低炭素鋼の場合は連続鋳造工程で非金属介在物が凝固シェルに捕捉されやすいと考えられるからである。凝固シェルの成長に影響を及ぼす因子としてあげられるものは、溶鋼の流動状態や、溶鋼と鋳型内壁との接触状態、あるいはモールドパウダーの状態などである。
【0004】ところで、従来の連続鋳造用鋳型に対する一般的な考え方は、凝固シェルが所定形状に形成できればよいとする単純なものであった。これに対して、抜熱速度を小さくして鋳片表面割れなどを低減し、高品質鋳片を製造する方法が着目されている。例えば、特開昭55−156642号公報および特公昭63−2701号公報には、銅製鋳型の表面にサーメットを溶射した熱抵抗層を設けることにより冷却速度を抑制する方法が提案されている。
【0005】また、特開平7−144258号公報には、450℃におけるビッカース硬さが10Hv以上で、同温度での鉄原子の被覆層中の拡散係数が毎秒1.2×10-52 以下である内面被覆層をもつ連続鋳造用鋳型が提案されている。
【0006】これらの従来技術は、いずれも中炭素鋼の連続鋳造に発生しやすい表面の縦割れが抜熱速度と強い相関があり、抜熱速度の限界値が存在するという知見にもとずいている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、極低炭素鋼の欠陥は溶鋼中の非金属介在物に起因するため、これら従来タイプの鋳型を用いたとしても表面欠陥の発生を十分に抑制することはできない。
【0008】一方、ドイツ国特許84112850.7号公報では薄板の連続鋳造に用いる鋳型として漏斗形状のものが提案されている。この漏斗形状の鋳型は、スラブを介することなく直接的に粗圧延後の粗バーに相当する鋳片を製造することを目的としており、鋳片厚みが鋳造用の注入ノズルよりも小さく、漏斗形状とした目的も注入ノズルの領域を形成することにある。そのため、注入ノズルからの溶鋼吐出流が、短辺へ流れる途中に鋳型長辺に衝突し溶鋼メニスカス部の湯面変動を生じる原因となっている。このため、吐出口形状を小さくしたり、電磁力を用いた溶鋼の流動制御を行ったりしているが、通常のスラブ厚みを有する鋳片のような高品質鋳片を製造することは困難となっている。
【0009】本発明の目的は、熱間圧延もしくは冷間圧延に供する極低炭素鋼のスラブを製造するに際し、熱間圧延時もしくは冷間圧延時に発生する表面欠陥を低減することができる連続鋳造用鋳型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、極低炭素鋼と低炭素鋼との間で表面欠陥発生率の相違の原因につき綿密に調査したところ図6に示す結果を得た。図6は縦軸にスラブ表面から深さ3〜6mmの範囲に存在する非金属介在物の個数N2 に対するスラブ表面から深さ3mm未満の範囲に存在する非金属介在物の個数N1 の比率(N1 /N2 )をとって、極低炭素鋼を低炭素鋼と比較したグラフ図である。図から明らかなように、極低炭素鋼は低炭素鋼に比べて比率(N1 /N2 )が大きく、スラブ表層領域に非金属介在物が捕捉されやすいことがわかる。
【0011】さらに、本発明者らは極低炭素鋼で非金属介在物が捕捉されやすい原因を調査したところ、図7に示すような特異な凝固組織が極低炭素鋼スラブの表層部に高い頻度で生成されることが判明した。
【0012】このような特異な凝固組織の生成メカニズムは次のようであると考えられる。すなわち、スラブを間欠引抜きするときに鋳型が振動し、この振動によって凹状のオシレーションマーク(OSM)が鋳型内壁に沿って形成される。図4に示すように、メニスカスの変曲部15の曲率半径が大きいため、OSMのところで凝固シェルの近傍に爪部17が発生しやすい。爪部17は鋳型内壁13のほうから鋳型中央へ向かって上向きに突出するものである。また、OSM部では凝固遅れが生じやすく、このような爪部17や凝固遅れ領域には多くの非金属介在物が捕捉されやすい。
【0013】本発明に係る連続鋳造用鋳型は、実質的に横断面が矩形のキャビティを有する連続鋳造用鋳型であって、鋳型長辺の上部の少なくとも中央部分は上方に向かって広がるようにそれぞれ傾斜し、かつ、鋳型短辺は鋳型全長にわたって実質的に互いに平行に設けられていることを特徴とする。
【0014】この場合に、キャビティの上部は溶鋼の注入に用いるノズル外径よりも大きく、かつ、鋳型長辺の上部の少なくとも中央部分の垂直軸に対する最大傾斜角度αが5°以上であることが望ましく、5°〜10°であることが最も好ましい。
【0015】本発明の鋳型を用いて極低炭素鋼を連続鋳造すると、鋳型長辺の上部内壁13Aを傾斜させているので、図5に示すように、メニスカスの変曲部15Aの曲率半径が小さくなり、また、オシレーションマーク(OSM)の爪部17Aの凝固組織が鋳型中央ではなく鋳型内壁のほうに向くため、結果としてオシレーションマーク(OSM)の爪部17Aの凝固組織の傾きが浅くなり、さらに爪部17Aの長さが短くなる。また、鋳型長辺の上部内壁13Aを漏斗状の形状としているため、鋳片と鋳型との接触面積が増大し、結果として鋳型の抜熱速度が均一になり、凝固遅れが抑制されるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は本発明に係る連続鋳造用鋳型を示す正面模式図、図2は本発明に係る連続鋳造用鋳型を示す断面模式図、図3は本発明に係る連続鋳造用鋳型を上方から見て示す平面模式図である。
【0017】溶鋼11はタンディッシュ(図示せず)からノズル1を介して鋳型内のキャビティ5に連続注入されるようになっている。鋳型のキャビティ5は1対の鋳型短辺2,3と1対の鋳型長辺4,9とによって実質的に横断面が矩形になるように形成されている。溶鋼11の湯面は溶融状態のモールドパウダー12で覆われている。鋳型内部には水冷通路7,8が形成され、内壁に接触する溶鋼11が強制冷却され、凝固シェルが内壁に沿って成長するようになっている。
【0018】図1及び図3に示すように、鋳型長辺の少なくとも上部中央のABCD部においては上方のA部からB部までのほうが下方のC部からD部までよりも広くなっている。すなわち図2に示すように、鋳型長辺4,9の上部内壁13Aは垂直軸に対して緩やかな角度αで三次元の曲面をもつように傾斜している。この傾斜角度αは、A−B間の中央で最大値5°±1°を示し、下方のC部D部と両端部のA部B部とに向かって徐々に減少してゼロになる。
【0019】これは鋳片に捕捉される非金属介在物がオシレーションマーク(OSM)の爪部17Aの傾斜角が大きくなると多くなる傾向があり、傾斜角度αの大きさを種々変更して調査したところ少なくとも中央部の最大傾斜角度が5°よりも大きくならないと、表面欠陥が低減しないことが見いだされたからである。
【0020】上述の鋳型を用いて極低炭素鋼を連続鋳造し、得られたスラブの表層領域の非金属介在物個数分布および該鋳片を冷間圧延して得られた鋼帯の圧延成績を表1に示す。表1から明らかなように、非金属介在物の個数比率(N1 /N2 )は従来の1.8から本発明の鋳型では1.1にまで改善された。このため、表面欠陥指数が大幅に低減し、冷間圧延時の不良率を従来の1.2%から0.1%にまで低減することができた。
【0021】
【表1】

【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、連続鋳造により鋳造された鋳片の表層下凝固組織を改善できるので、オシレーションマーク部の爪状組織の長さ及びその角度の抑制ができ、凝固遅れが抑制され、表層下に捕捉される介在物量が低減されるため、熱間圧延時もしくは冷間圧延時に発生する表面欠陥を抑制することが可能となる。このため、スラブの表面手入れ処理を省略することができ、極低炭素鋼の製造コストを大幅に低減することができる。




 

 


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