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発明の名称 鋳物用部分エステル化フェノール樹脂粘結剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−80744
公開日 平成10年(1998)3月31日
出願番号 特願平8−237580
出願日 平成8年(1996)9月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田中 政浩
発明者 永谷 滋章 / 小林 正隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 フェノール性水酸基の一部がエステル基により置換された構造を有する鋳物用部分エステル化フェノール系樹脂粘結剤【請求項2】 鋳物珪砂の表面に請求項1記載の粘結剤が被覆されている鋳物用粘結剤被覆砂
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳鉄に較べ融点の低いアルミニウムをはじめとする軽合金等の鋳造に適し、特に鋳造後の鋳型崩壊性が良好なシェルモールド用粘結剤被覆砂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車軽量化の要請を受けて、従来の鋳鉄関連部品からアルミニウム(合金)鋳造部品への代替が著しく、今後もその需要は拡大するものとみられている。
【0003】これら部品の鋳造法としては、珪砂に主としてフェノール系樹脂粘結剤を被覆した被覆砂を用いるシェルモールド法が一般的である。しかしながら、鋳鉄に比し融点の低いアルミニウムをはじめとする軽合金等の鋳造では、注湯温度が鋳鉄の場合より低いため、フェノール系樹脂粘結剤の熱分解が不十分となり、注湯後における鋳型および中子の崩壊性が悪く、砂落しが困難となる。したがって、鋳込み後400〜500℃で数時間熱処理してからコアノッキングによる物理的な衝撃を与えることで中子を崩壊させて砂粒として排砂しており、そのために多大な費用と労力を費やしている。
【0004】他方、上記崩壊性を改善すべく方法として、低温で熱分解を起こし易い結合を有する粘結剤(不飽和ポリエステル樹脂等)の使用、低温でフェノール系樹脂粘結剤の分解を促す崩壊性促進剤(含ハロゲン有機化合物、無機ハロゲン化合物、燐酸エステル類)の添加、さらには前記した低温分解性粘結剤と崩壊促進剤との併用法などが提案されている。
【0005】例えば、特開昭57−187142号公報開示の方法は低温で熱分解反応を起こし易い不飽和ポリエステル樹脂を粘結剤として、特公平3−37817号公報開示の方法はポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等で変性したフェノール系樹脂を粘結剤としてそれぞれ使用するものである。これらの方法は従来のフェノール系樹脂粘結剤に比較して崩壊性は改善されるものの、鋳型強度が低いため複雑な形状の中子には不適である。
【0006】他方、特公昭58−12094号公報には崩壊性促進剤として含ハロゲン有機化合物を用いる方法が開示されている。この方法は、鋳型強度を低下させることなく崩壊性を向上させる効果を有するが、ハロゲン化水素ガスの発生による金型腐食の問題を伴う。特開昭58−84636号公報、特開昭60−64744号公報開示の無機ハロゲン化合物を添加する場合には、崩壊性向上効果は高いものの、鋳型および中子造型用等の金型(鋳造工程で用いる主型も含む)の腐食及び鋳型強度劣化という問題が伴う。また、特公昭61−2454号公報開示の燐酸エステル類を使用する場合、強度低下や金型腐食の問題は払拭される反面、崩壊性向上効果作用が不十分であるという欠点を有する。さらに、これら前述した従来技術を改良した方法が、特開昭63−248540号公報、特公平1−44423号公報、特開平8−10897号公報等が提案されてはいる。しかし、これらは崩壊性や金型の腐食問題の点で実用上必ずしも満足いくものではないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記問題点を克服し、鋳型強度の低下や金型の腐食等の問題を伴う崩壊促進剤等を使用せずとも、鋳型の崩壊性に優れた軽合金鋳物砂用樹脂粘結剤とその被覆砂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フェノール系樹脂の熱分解による鋳型の崩壊性改良法に関して鋭意研究を重ねてきた結果、本発明をなすに至った。本発明は、フェノール系樹脂のフェノール性水酸基がエステル基で置換された粘結剤を鋳物砂の粘結剤に使用することを特徴とするものであり、この粘結剤被覆砂を用いて造型された鋳型は、従来の粘結剤被覆砂と遜色ない鋳型強度を有すること、また金型腐食を伴う崩壊促進剤を使用せずとも注湯後の鋳型の崩壊性が良好なことを見出した。本発明は、鋳型強度と崩壊性に優れたシェルモールド用粘着剤被覆砂を提供しうるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の部分エステル化フェノール系樹脂は例えば、フェノール類とアルデヒド類を酸性触媒を用いて反応させ、はじめに縮合生成物を形成しておき、次にカルボン酸無水物などのエステル化剤と反応させることにより、あるいはカルボン酸フェニルエステル類とアルデヒド類とを縮合反応させることによって得ることができる。
【0010】原料として使用されるフェノール類として、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びフェノール類製造時に副生するレゾルシノール残渣、カテコール残渣、クレゾール残渣、キシレノール残渣の如きフェノール系残渣など、およびそれらフェノール類のカルボン酸フェニルエステル類がある。好ましいものは、材料(粘結材)に要求される特性の諸条件に応じて適宜選択される。反応性、反応工程における煩雑さの点を鑑みると、(カルボン酸フェニルエステル類より)フェノール類の方が望ましい。2種以上のフェノール類を組み合わせることもできる。
【0011】アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリアセタール、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド、グリオキザール、フルフラール、ベンズアルデヒドなどを使用できる。好ましいアルデヒドは、粘結材に要求される諸条件に応じて適宜選択されうるもので、一般的にはホルムアルデヒド(ホルマリン)、パラホルムアルデヒド等が用いられる。2種以上のアルデヒド類を組み合わせることもできる。
【0012】フェノール類とアルデヒド類の比率はフェノール類/モルに対しアルデヒド類0.6〜1モル程度、好ましくは0.7〜0.9モル程度、が適当である。
【0013】酸性触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸、蓚酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、カルボン酸、ナフテン酸および硼酸等のMn塩、Zn塩、Pb塩等の二価金属塩およびルイス酸等がある。
【0014】まず、これらを反応させて脱水縮合させる。反応は公知の方法に従って行えばよく、例えば80℃〜還流温度程度で1〜5時間反応させた後減圧等により脱水濃縮すればよい。
【0015】エステル化剤としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、コハク酸、マレイン酸等の炭素数2〜5程度の脂肪族カルボン酸無水物およびカルボン酸クロライド等あるいはそれらの組合せによる使用が可能であり、エステル化反応後に副生するカルボン酸を除去する観点にたてば、副生カルボン酸の沸点が酢酸、プロピオン酸のごとく低い方が望ましい。また、塩化水素の如き腐食性ガスを発生する点で酸クロライド等より無水物の方が望ましい。
【0016】カルボン酸無水物の使用量は、フェノール性水酸基1モルに対しカルボン酸無水物0.1〜0.9モル、好ましくは0.2〜0.7モルの範囲内で選択される。0.1モルより少ないと崩壊性の改善効果が小さく、また0.9モルより多いと樹脂硬化速度が極端に損なわれ、さらに生成縮合物の軟化点の低下も著しいことから好ましくない。カルボン酸クロライドの場合も前記と同様である。
【0017】フェノール性水酸基と脂肪族カルボン酸無水物との反応は通常100〜200℃、好ましくは130〜180℃で1〜5時間で行なわれる。カルボン酸クロライドの場合も前記と同様である。
【0018】その後、減圧等によって反応副生物や未反応物を除去して部分エステル化フェノール系樹脂を得る。
【0019】こうして得られた部分エステル化フェノール系樹脂は、数平均分子量が500〜1000程度、粘結材に要求される特性の諸条件で異なるが通常600〜900程度であり、フェノール性水酸基のエステル化率が通常0.1〜0.6程度のものである。
【0020】粘結剤はこの部分エステル化フェノール系樹脂を単独で使用してもよく、あるいはこの樹脂とノボラック型、レゾール型フェノール樹脂やビスフェノールA、尿素、アニリン、フラン、メラミン等で変性した各種変性フェノール系樹脂等との混合物であってもよい。混合物の場合、部分エステル化フェノール系樹脂を少なくとも40重量%以上、好ましくは60重量%以上とする。
【0021】粘結剤を被覆する鋳物砂は公知のものでよく、珪砂、オリビンサンド、クロマイトサンド、ジルコンサンド、アルミナサンド、川砂、海砂等を利用できる。粒径は使用目的によって適宜選択されるが平均粒度指数(AFS指数)で通常40〜80範囲のものが使用される。
【0022】平均粒度指数(AFS)は次のようにして求める。すなわち、試料50gをTyler標準組み合わせの28〜280メッシュの篩にて、ロータップ型篩振機にセットし、15分間篩わけた後、各篩面上に残った砂量を測定し、全重量に対する百分率を計算する。その結果から平均粒度指数は、篩別の砂粒重量の百分率に粒度係数を乗じたものの合計を100で除して得る。尚、粒度係数は次の通りである。
【0023】
【表1】

【0024】当該粘結剤の鋳物砂に対する配合量は限定はされないが、通常鋳物砂100重量部に対して0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲内で選択される。
【0025】被覆方法は従来の粘結剤を鋳物砂に被覆させる方法と同様でよく、粘結剤と鋳物砂を粘結剤の溶融状態で十分混練すればよい。
【0026】本発明の粘結剤被覆砂中には、本発明の本質的な効果を阻害しない範囲内で従来慣用される配合剤、例えばエチレンビスステアリン酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド等の滑剤、アミノシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類等のシランカップリング剤、安息香酸、サリチル酸、アジピン酸等の硬化促進剤等の配合が可能である。使用材料の特性や粘結材に要求される特性等の諸条件に応じて適宜選択されうるもので、一般には鋳物砂に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲内である。
【0027】また、本発明において粘結剤被覆砂を製造するに当たり、前記した各種配合剤を配合する要領としては、あらかじめ粘結剤中に配合して使用しても、砂粒に粘結剤を被覆する時点で使用しても良い。
【0028】
【実施例】以下の各実施例、比較例に記載されている「部」および「%」は全て「重量部」および「重量%」を示す。
【0029】実施例1還流冷却器、攪拌器を備えた反応容器に、フェノール940部、37%ホルマリン567部、サリチル酸5部および5%蓚酸水溶液90部を仕込み、還流下2.5時間反応させた。次いで、減圧下で脱水濃縮を行い、フェノール−ホルマリン縮合物を得た。さらに、この縮合物に無水酢酸300部を加え、130〜135℃で1時間反応させ、続いて減圧下で酢酸、無水酢酸の溜去し、部分エステル化フェノール樹脂粘結剤970部を得た。
【0030】得られた部分エステル化フェノール樹脂は数平均分子量が810、フェノール性水酸基のエステル化率0.22であった。
【0031】温度150〜160℃に加熱した6号珪砂8000部を速練機に仕込み、続いて上記部分エステル化フェノール系樹脂粘結剤168部を添加し60秒間混練した。次いで、ヘキサメチレンテトラミン25部を水126部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、塊状物がほぐれた後、ステアリン酸カルシウム8部を添加し60秒後に排出、エアーレションおよび篩分けを行い粘結剤被覆砂を得た。
【0032】実施例2還流冷却器、攪拌器を備えた反応容器に、フェノール940部、37%ホルマリン567部、サリチル酸5部および5%蓚酸水溶液90部を仕込み、還流下2.5時間反応させた。次いで、減圧下で脱水濃縮を行い、フェノール−ホルマリン結合物を得た。さらに、この縮合物に無水酢酸450部を加え、130〜135℃で1時間反応させ、続いて減圧下で酢酸、無水酢酸の溜去し、部分エステル化フェノール系樹脂粘結剤1014部を得た。
【0033】得られた部分エステル化フェノール樹脂は数平均分子量が840、フェノール性水酸基のエステル化率0.34であった。
【0034】上記樹脂粘結剤を用いた以外は実施例1と同様にして、粘結剤被覆砂を得た。
【0035】実施例3還流冷却器、攪拌器を備えた反応容器に、フェノール940部、37%ホルマリン567部、サリチル酸5部および5%蓚酸水溶液90部を仕込み、還流下2.5時間反応させた。次いで、減圧下で脱水濃縮を行い、フェノール−ホルマリン縮合物を得た。さらに、この縮合物に無水プロピオン酸334部を加え、160〜165℃で1時間反応をさせ、続いて減圧下でプロピオン酸、無水プロピオン酸の溜去し、部分エステル化フェノール系樹脂粘結剤986部を得た。
【0036】得られた部分エステル化フェノール樹脂は数平均分子量が870、フェノール性水酸基のエステル化率0.20であった。
【0037】上記樹脂粘結剤を用いた以外は実施例1と同様にして、粘結剤被覆砂を得た。
【0038】比較例1還流冷却器、攪拌器を備えた反応容器に、フェノール940部、37%ホルマリン567部、サリチル酸5部および5%蓚酸水溶液90部を仕込み、還流下2.5時間反応した後、次いで減圧下で脱水濃縮を行い、フェノール−ホルマリン縮合物871部を得た。
【0039】上記縮合物を用いた以外は実施例1と同様にして、粘結剤被覆砂を得た。
【0040】比較例2温度150〜160℃に加熱した6号珪砂8000部を速練機に仕込み、続いて比較例1と同様の縮合物168部を添加して60秒間混練した。次いで、水126部にヘキサメチレンテトラミン25部および塩化亜鉛3.4部を加えたヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、塊状物がほぐれた後、ステアリン酸カルシウム8部を添加し60秒後に排出、エアーレーションおよび篩分けを行ない粘結剤被覆砂を得た。
【0041】実施例1、2、3および比較例1、2にて得られた各々の粘結剤被覆砂を用いて、常温強度および熱処理後強度を測定した。
【0042】なお、試験方法は以下に記した通りである。
常温温度:JACT試験法SM−1による熱処理後強度:常温曲げ強さと同様な試験片をアルミ箔で包み、温度500℃に設定した循環式熱風乾燥炉に入れて10および20分後に取り出し、常温になるまで放冷した後、常温強度と同様にして熱処理後強度を測定した。
【0043】上記試験結果を表2に示す。また、表中の強度劣化率は次式により算出した。
【0044】強度劣化率(%)=(常温強度−熱処理後強度)/常温強度×100【0045】
【表2】

【0046】
【発明の効果】実施例および比較例の結果からも明らかな様に、本発明によれば強度低下を実用上問題となる程度まで損なうことなく、塩化亜鉛といったハロゲン含有化合物等の崩壊促進剤を添加せずとも崩壊性が改善されることが認められた。このことは、ハロゲン化合物に起因する鋳型および中子造型用金型の腐食の問題をも払拭可能なことを示すものである。




 

 


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