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発明の名称 熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−80713
公開日 平成10年(1998)3月31日
出願番号 特願平8−255358
出願日 平成8年(1996)9月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹
発明者 簑手 徹 / 三宅 勝 / 村田 早登史 / 日野 善道 / 升田 貞和
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 コイラーにより巻き取って熱延コイルを形成するために、熱間圧延された熱延鋼帯をランアウトテーブルの上を冷却しながらコイラーに向けて搬送する装置において、ランアウトテーブルの上方に熱延鋼帯の進行方向に平行に延長した一本または複数本のガイド延長部材が配置されていることを特徴とする熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置。
【請求項2】 ガイド延長部材の位置を調整する位置調整機構を備えていることとする請求項1に記載の熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置。
【請求項3】 ガイド延長部材は、緩衝材が取り付けられていることとする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置。
【請求項4】 緩衝材が、耐熱樹脂からなることとする請求項3に記載の熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置。
【請求項5】 ガイド延長部材は、少なくとも熱延鋼帯がランアウトテーブルに搬入される側の端部が上向きに傾斜した傾斜搬入部を形成されていることとする請求項1ないし請求項3のうち一つに記載の熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延鋼帯を製造する熱間圧延設備のランアウトテーブルの上における熱延鋼帯の走行を安定化する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、仕上圧延機によって所定の板厚に仕上圧延された熱延鋼帯は、100m前後の長さにわたって設置されたランアウトテーブルを搬送される途中、冷却水を噴射されて所定の温度まで強制冷却され、その後、搬送方向を切り替えるピンチロールを介して、コイラーに送られて巻き取られて熱延コイルとなる。
【0003】ところが、最終板圧が2.0mm以下の薄い熱延鋼帯をランアウト搬送する場合には、熱延鋼帯の折れ込み(図4参照)や波打ち現象(図5参照)が起こり、問題となっている。
【0004】こうした現象は、大きく分けて次の二つの原因により発生する。
【0005】まず、仕上圧延機の出口側やランアウトテーブルのテーブルロールの上において、熱延鋼帯の進行方向先端が跳ね上がり(図6参照)、この跳ね上がりが次第に大きく浮き上がって、端部の折れ込み現象へと進展する。
【0006】次に、テーブルロールと熱延鋼帯との間の滑りなどが原因で、テーブルロールによる熱延鋼帯の搬送速度が仕上圧延機から送り出される熱延鋼帯の速度よりも小さくなって、熱延鋼帯の途中にループを生じ(図7参照)、熱延鋼帯の波打ち現象へと進展する。
【0007】これらの現象は、熱延鋼帯の板厚が薄いほど、また搬送速度が大きいほど顕著に発生する。ひとたび発生すると、ランアウトテーブルの上における走行性を悪化させ、コイラーでの巻き取り不良を誘発し、ライン停止原因の一つになっていた。
【0008】また、波打ち現象が発生すると、熱延鋼帯の冷却むらが生じて、製品の品質がばらつき、歩留りが低下してしまうことになる。
【0009】従来、このような現象に対処するため、熱延鋼帯の先端がコイラーに到達して、熱延鋼帯がコイラーのマンドレルに巻き付くまでの間、熱延鋼帯をなるべく低速でランアウト搬送し、熱延鋼帯の先端が巻き付いてから搬送速度を上げている。しかしながら、このようにして低速搬送としても、ランアウト走行の不安定化を十分改善するには至っていない。しかも、低速搬送するので、生産性が低下してしまうことになる。
【0010】そこで、近年に至り、コイラーへの巻き付き完了までの間、熱延鋼帯のランアウト走行を安定化する技術が提案されている。一例として、特開平7−204723号公報には、熱延鋼帯の先端と同じ速度でランアウトテーブルの上を走行する台車に取り付けたガイド板により、熱延鋼帯先端の浮き上がりを防止することが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特開平7−204723号公報記載の技術は、走行する台車に取り付けたガイド板を用いて、熱延鋼帯の先端のみを押さえるので、上述した先端の跳ね上がりにより発生する熱延鋼帯のランアウト走行不安定化には対応できるが、熱延鋼帯の途中でループが発生する現象には全く対応することができない。また、熱延鋼帯と同じ速度で台車を走行させるという複雑な制御が必要であることも問題である。
【0012】本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、複雑な制御機構を要さず、熱延鋼帯の先端の跳ね上がりおよび途中のループ発生のいずれにも対応できる、熱延鋼帯のランアウト走行を安定化する装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は、コイラーにより巻き取って熱延コイルを形成するために、熱間圧延された熱延鋼帯をランアウトテーブルの上を冷却しながらコイラーに向けて搬送する装置において、ランアウトテーブルの上方に熱延鋼帯の進行方向に平行に延長した一本または複数本のガイド延長部材が配置されている。
【0014】したがって、仕上圧延後の熱延鋼帯の先端が跳ね上がったり、熱延鋼帯の途中にループが発生しても、ガイド延長体によって熱延鋼帯が押えつけられるために、それらの擾乱が熱延鋼帯の端部の折れ込みや波打ち現象に進展することがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】図1〜図3は、本発明の熱延鋼帯ランアウト走行安定化装置の一実施形態を備えた連続熱間圧延設備を示している。
【0017】この設備は、仕上圧延機1と、この仕上圧延機1の下流側に配置されテーブルロール2が並んで設けられたランアウトテーブル3と、このランアウトテーブル3に設けられた熱延鋼帯のランアウト走行安定化装置4と、ランアウトテーブル3に設けられ冷却水を熱延鋼帯5に向けて噴射する冷却スタンド6と、ランアウトテーブル3の下流側に配置されたピンチロール7と、このピンチロール7の下流側に配置されたコイラー8とを備えている。
【0018】ここで、ランアウト走行安定化装置4は、支持部9と、この支持部9によって支持されたガイド延長部材の一例であるガイド棒10とからなっている。ガイド棒10は、本実施形態では二本としたが、これに限らず、一本または複数本設ければよい。ガイド延長部材は、本実施形態のガイド棒10では断面が真円形状に形成されているが、これに限らず、四角形、その他適宜の断面形状としてもよい。また、棒材に限らず、例えば板材としてもよい。
【0019】支持部9は、この例では、ランアウトテーブル3の左右外側にそれぞれ対をなし(図2参照)且つランアウトテーブル3に沿って複数対設けられた支柱11と、左右一対の支柱11の間ごとに水平に固定して架設された丸軸状のレール軸12と、このレール軸12に沿って水平移動可能であり且つ油圧ないし空圧などのシリンダを有する左右一対の水平移動子13と、この水平移動子13の下面に鉛直下方向伸縮可能に延び且つ下端にガイド棒10を固定したピストン14とを備えている。
【0020】この支持部9は、次のようにガイド棒10の位置調整機構を兼ねている。水平移動子13は、適宜の駆動手段(図示省略)によってレール軸12に沿ってテーブル幅方向に移動して、ガイド棒10の幅方向位置(二本のガイド棒10の間隔)を調整するようになっている。一方、ピストン14は、伸縮してガイド棒10の鉛直方向位置を調整するようになっている。
【0021】すなわち、ガイド棒10の位置調整機構は、この例では、熱延鋼帯5の幅方向の位置と、熱延鋼帯5に対する鉛直方向距離の位置とを調整するように構成されている。位置調整は、熱延鋼帯5の幅および板厚に応じてガイド棒10の位置を最適な位置に変更して設定する(最適位置がどのようなものかについては後述する)。
【0022】ガイド棒10は、テーブルロール2の上下方向に適当な距離を開けて、熱延鋼帯5の進行方向と平行に延長して設置されている。この例では、ランアウトテーブル3の幅方向に二本設けられている。このように二本設けた理由は、最適位置である熱延鋼帯5の左右のエッジ5A近傍の上方にガイド棒10の位置を設定するためである。
【0023】ガイド棒10の位置は、熱延鋼帯5との関係で幅方向および鉛直方向それぞれについて、次のように設定することが望ましい。
【0024】■幅方向位置を設定する場合ガイド棒10を熱延鋼帯5の幅方向にどのような位置に設定するかについては、次の二点が重要である。
【0025】一点は、ガイド棒10がいずれも熱延鋼帯5の真上にあることである。これは、熱延鋼帯5の跳ね上がりやループを押さえつけるという機能上、当然要求される。
【0026】他の点は、ガイド棒10が、熱延鋼帯5の良好な冷却に必要な冷却水を遮らないことである。
【0027】熱延鋼帯5の左右のエッジ5A付近は、中央部5Bに比べて温度が低くなりやすい。そのため、中央部5Bは冷却水を遮ってはよくないが、熱延鋼帯5の幅方向の品質を均一にしようとするならば、エッジ5A付近にかかる冷却水についてはむしろ遮った方がよい。
【0028】上記二点のいずれも満たすことのできる位置は、熱延鋼帯5の左右のエッジ5A付近の真上である。最も望ましくは、ガイド棒10を熱延鋼帯5の左右のエッジ5Aから約10cm以内の位置に設定するとよい。
【0029】■鉛直方向位置を設定する場合ガイド棒10を熱延鋼帯5の上方どのような距離をあけて位置を設定すればよいかについては、次のようにする。
【0030】ガイド棒10と熱延鋼帯5との間の距離が近すぎると、熱延鋼帯5は、跳ね上がり部分やループ部分がガイド棒10に当たったとき、ガイド棒10から受ける摩擦力が大きくなりすぎ、熱延鋼帯5の走行が妨げられてしまうので、ミスロールが発生するおそれがある。逆に、遠すぎると、ガイド棒10による熱延鋼帯5を押えつける効果がなくなり、熱延鋼帯5がガイド棒10とランアウトテーブル3との間で端部折れ込みを生じたり、波打ったりする可能性がある。
【0031】このことから、ガイド棒10と熱延鋼帯5との間の距離の最適値として、約5〜10cmにするとよい。
【0032】結局、ガイド棒10の位置は、熱延鋼帯5の左右のエッジから約10cm以内の位置で、なおかつガイド棒10と熱延鋼帯5との間の鉛直方向距離が約5〜10cmの位置に設定することが最も望ましい。
【0033】ガイド棒10の位置設定は、熱延鋼帯5の幅や板厚の他に、搬送速度を考慮してもよい。また、熱延鋼帯5の幅、板厚などの圧延条件に基づいて、ガイド棒10の位置設定を自動制御することが望ましい。
【0034】また、ガイド棒10は、両端、つまり熱延鋼帯5がランアウトテーブル3に搬入される側の端部(搬入側端部)と熱延鋼帯5がランアウトテーブル3から搬出される側の端部(搬出側端部)とにそれぞれ、上向きに傾斜した傾斜搬入部15と傾斜搬出部16とが形成されている。傾斜搬入部15は、仕上圧延機1から出た熱延鋼帯5の先端を、ガイド棒10とランアウトテーブル3との間に円滑に送り込むために形成されている。角度を10°〜20°に設定すれば、円滑に送り込む機能を十分に発揮できるので、望ましい。傾斜搬出部16は、同様に、熱延鋼帯5の先端を円滑に送り出すために形成されている。
【0035】また、ガイド棒10は、図2に示すように、緩衝材17が取り付けられている。この例では、ガイド棒10の全体を包むように巻き付けられている。
【0036】緩衝材17は、熱延鋼帯5がガイド棒10に接触しても、熱延鋼帯5に疵がつくことを防止するために設けられている。緩衝材17の素材としては、ポリイミドなどの耐熱樹脂が好適である。その理由は、緩衝材17には、延鋼帯5に疵を生じさせない程度の柔らかさが必要であると共に、熱延鋼帯5からの放射熱を受けるので耐熱性が要求されるからである。
【0037】上述のように構成された熱延鋼帯5のランアウト走行安定化装置4によると、次のように熱延鋼帯5の先端折れ込みや波打ち現象を防止する。
【0038】予め、熱延鋼帯5の幅および板厚に応じて、位置調整機構により、ガイド棒10を最適位置に設定する。水平移動子13がレール軸12に沿ってテーブル幅方向に移動して、ガイド棒10の幅方向位置、つまり二本のガイド棒10の設置間隔を設定する。また、ピストン14の伸縮によりガイド棒10の鉛直方向位置を設定する。
【0039】ガイド棒10の位置が熱延鋼帯5の左右のエッジから約10cm以内の位置で、なおかつガイド棒10と熱延鋼帯5との間の鉛直方向距離が約5〜10cmの位置になるように設定する。
【0040】仕上圧延機1から出た熱延鋼帯5の先端が、傾斜搬入部15によってガイド棒10とランアウトテーブル3との間に円滑に送り込まれる。
【0041】その後、熱延鋼帯5は、テーブルロール2の上を走行して搬送されていく。熱延鋼帯5の先端部が跳ね上がったり(図6参照)、途中がループが生じた(図7参照)としても、ガイド棒10により押えつけられる(図8、図9参照)。したがって、先端部の折れ込み(図4参照)や波打ち現象(図5参照)を起こすことなく、熱延鋼帯5のランアウト走行が安定化される。同様に、熱延鋼帯5の後端部の走行も安定化する。熱延鋼帯5の波打ち現象が防止されるので、冷却水が満偏なく当たり、冷却むらが生じない。
【0042】熱延鋼帯5がガイド棒10に接触しても(図8、図9参照)、ガイド棒10が緩衝材17により包まれているので、熱延鋼帯5に疵がつくことがない。
【0043】走行する熱延鋼帯5には、上方から冷却水が噴射される。二本のガイド棒10が熱延鋼帯5の左右エッジ5A付近の上に設定されているので、熱延鋼帯5にかかる必要な冷却水が遮られるようなことがない。熱延鋼帯5の左右のエッジ5A付近は、ガイド棒10により冷却水が幾分遮られるが、熱延鋼帯5の左右のエッジ5A付近は中央部に比べて温度が低くなりやすいので、却って熱延鋼帯5の幅方向の品質が均一になる。
【0044】熱延鋼帯5は、ランアウトテーブル3から先端が出てピンチロール7により搬送方向を切り替えられた後、コイラー8に巻き取られて、熱延コイル18となる。熱延鋼帯5の先端折れ込みや波打ち現象の発生頻度が著しく減るので、巻取り不良が大幅に低減する。
【0045】
【実施例】次に本発明の一実施例を述べる。
【0046】本発明者は、ランアウト走行性が問題となる最終板厚2.0mm以下の熱延鋼帯5について、先端折れ込みの発生率を走行安定化装置4のない従来のもの(比較例)と本発明の実施例とで比較した。熱延鋼帯5のランアウト搬送速度は、比較例では650mpm、実施例では750mpmであった。折れ込み発生率の計算は、比較例については25,321例、実施例については2,754例から導いた。
【0047】結果は、次の表1のとおりとなった。
【0048】
【表1】
仕上板厚(mm) 比較例の折込発生率(%) 実施例の折込発生率(%) 〜1.29 43 51.30〜1.49 21 1 1.50〜1.69 7 01.70〜1.99 3 0この表1の結果から、本発明によると従来のものに比べて、熱延鋼帯5の先端折れ込みが著しく減少したことが確認された。また、熱延鋼帯5のランアウト搬送速度についても、従来のものと比べて約100mpmの差があり、生産性も向上していることが確認された。
【0049】
【発明の効果】以上説明した本発明の熱延鋼帯のランアウト走行装置は、ランアウトテーブルの上方に設けたガイド延長部材からなり、熱延鋼帯の先端部が跳ね上がったり、途中にループが生じたとしても、ガイド延長部材により押えつけられ、端部の折れ込みや波打ち現象を著しく低減できるので、複雑な制御を要さずして熱延鋼帯のランアウト走行の安定化が実現できる。
【0050】また、熱延鋼帯の先端部の擾乱だけでなく、熱延鋼帯の中間部、後端部の擾乱にも対処できる。
【0051】さらに、熱延鋼帯の端部の折れ込みや波打ち現象を著しく低減できることにより、巻取り不良によるスクラップ処理されるコイルを減少でき、また波打ち現象に起因する熱延鋼帯の冷却むらがなくなり、もって熱延鋼帯の製品歩留りを向上できる。
【0052】さらにまた、巻取り不良によるライン停止が減少し、ランアウト搬送速度を上げることができるので、生産性を向上できる。




 

 


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