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発明の名称 切断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−58387
公開日 平成10年(1998)3月3日
出願番号 特願平9−84118
出願日 平成9年(1997)4月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
発明者 町田 忠雄 / 近藤 慶二 / 菅沼 英次 / 田崎 重吉 / 秦野 浩
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被切断物の載置手段(30)と、この載置手段(30)に臨ましめて移動可能に配置した切断手段(10)とから成り、前記載置手段(30)は、有厚板状の被切断物を載置可能にすると共に、回転回避可能に構成した被切断物載置台(31)で成ることを特徴とする切断装置。
【請求項2】 被切断物の載置手段(30)と、この載置手段(30)に臨ましめて移動可能に配置した切断手段(10)とから成り、前記載置手段(30)は、前記被切断物載置台(31)の下方に設けられ横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台(34)で成ることを特徴とする切断装置。
【請求項3】 被切断物の載置手段(30)と、この載置手段(30)に臨ましめて移動可能に配置した切断手段(10)とからなり、前記有厚板状物の載置手段(31)上に、前記切断手段(10)の切断方向と直交する方向に、柱状の被切断物を固定可能なクランプ手段(80)を、着脱可能に配置したことを特徴とする切断装置。
【請求項4】 被切断物の載置手段(30)と、この載置手段(30)に臨ましめて移動可能に配置した切断手段(10)とから成り、前記載置手段(30)は、有厚板状の被切断物を載置可能にすると共に、回転回避可能に構成した被切断物載置台(31)と、この有厚板状物の被切断物載置台(31)の下方に設けられ横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台(34)とから構成したことを特徴とする切断装置。
【請求項5】 被切断物の載置手段(30)と、この載置手段(30)に臨ましめて移動可能に配置した切断手段(10)とから成り、前記載置手段(30)は、有厚板状の被切断物を載置可能にすると共に、回転回避可能に構成した有厚板状の被切断物載置台(31)と、この有厚板状物の被切断物載置台(31)の下方に設けられ横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台(34)と、前記有厚板状物の被切断物載置台(31)上に、前記切断手段(10)の切断方向と直交する方向に、柱状の被切断物を固定可能なクランプ手段(80)を、着脱可能に配置したことを特徴とする切断装置。
【請求項6】 前記切断手段(10)は、移動可能に配置した移動台(11)と、この移動台(11)に起伏旋回可能に軸支したアーム(35)と、このアーム(35)に取付けられたカッター(17)と、このカッター(17)を駆動するモータ(18)とからなる請求項1,2,3,4又は5記載の切断装置。
【請求項7】 前記切断手段(10)の移動台(11)の上方には、ガイドアーム(12)が設けられており、このガイドアーム(12)上に移動可能に可動台(13)を設け、この可動台(13)上に前記アーム(35)を起伏旋回可能に設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の切断装置。
【請求項8】 前記切断手段(10)には、カッター(17)と被切断物との接触部に向って冷却液を吹付ける液吹付け手段(90)を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の切断装置。
【請求項9】 前記切断手段(10)には、非常停止手段(100)が設けられており、この非常停止手段(100)は、前記切断手段(10)に方向変更可能に配置された操作盤(57)の、方向変更用の把手(49)に設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8に記載の切断装置。
【請求項10】 非常停止手段(100)は、前記把手(49)に取り付けられたブラケット(101)と、このブラケット(101)に基部を軸着したレバー(102)と、このレバー(102)を把手(49)側に把り寄せることよりレバー(102)側に移動するようにレバーに取り付けられたプルワイヤ(103)と、このプルワイヤ(103)の自由端側に取り付けられたカム板(104)と、このカム板(104)を常時反レバー側に向って引張力を付与するスプリング(105)から構成され、前記レバー(102)を把手(49)と共に把ることにより、カム板(104)を把手(49)側に移動させ切断手段(10)を非常停止するようにしたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9記載の切断装置。
【請求項11】 前記カッター(17)は円盤状に形成されており、このカッター(17)の全周に形成された刃を、複数の刃数で形成される刃群に分割し、この各分割された刃群を構成する各刃のアサリ角度が全体としてあたかも回転方向に向かって矢じり状を呈していることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載の切断装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は切断装置に関し、特に、廃ベルトあるいは廃棄ゴム等のゴム状弾性体ゴム製品、あるいは新聞用紙、印刷用紙、グラビア用紙、アート紙等の紙製品、あるいは製材品や合板等の木材、あるいは合成樹脂等の樹脂製品、コンパネ、スレート、その他の建築材料、合成樹脂等の樹脂製品などの各種製品で、形状が有厚板状や横断面形状が円形や多角形などの回動可能な形状、ロール状等の各種形状をなす材料を切断する切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、上記の各種材料のうちのゴム製品を例として述べると、製鉄工場で使用されるコンベヤベルトは肉厚が180mm、幅2mに及ぶもので、このコンベヤベルトは消耗品であり、廃材となったコンベヤベルトのゴム状弾性体は埋めるにしても焼却あるいはリサイクルするとしても細かく切断または粉砕する必要がある。ゴム状弾性体は他の材料とは異なって極めて切断しにくいので、上述したように肉厚が厚く、又、大きい形状のゴム状弾性体を容易に切断できないのが現状である。
【0003】従来、特に有厚で大型のゴム状弾性体に対して、既知の切断装置、例えばグラインダ、チェーンソー、幾百トンものプレスで剪断するシャーリング等の切断装置を使用して切断することが試みられてきたが、効率よく切断できる切断装置を見出せないでいた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、肉厚が厚いゴム板を従来のチェーンソーで切断したところ、チェーンソーの刃による摩擦熱のためにゴムが溶けてチェーンソーの刃間に溶着し刃に目詰まりが生じるため、チェーンソーの切れ味が悪くなって効率よく切断できないという問題点があった。
【0005】さらに、グラインダを使用した場合においても、やはり効率よく切断できないという問題点があった。
【0006】又、幾百トンものプレスシャーリングでゴム板を切断する場合、切断可能な肉厚はプレスの荷重の大きさにより異なるのであるが、実際、幾百トンもの荷重をかけても切断能力には限界があり、80mmほどの肉厚のゴム板でも切断することが困難であり、肉厚が厚くなるほど切断できないという問題点があった。
【0007】また、上記のような大型のプレスシャーリングは高価であるという問題点があった。
【0008】なお、上記のゴム製品に対する問題点は、他の材料に対しても同様の問題点であり、例えば合成樹脂等の樹脂製品にあっても、やはりチェーンソー、グラインダ等の切断刃による摩擦熱のために樹脂、特に熱可塑性樹脂に対しては溶けるという問題点があった。また、紙製品に対しても切れ味が悪いために前記摩擦熱により焦げるため製品の価値が低下あるいは不良品になるという問題点があった。
【0009】さらに、従来の切断装置においては、有厚で大型形状のゴム状弾性体は取扱いが容易ではなく、又、平板や波板などの形状いわゆる有厚板状と、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状のように異種形状の被切断物に首尾よく対応することが難しいという問題点があった。例えば、シャーリングでは、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を切断することはできず、又、有厚板状の被切断物を帯状に切断した後、この帯状の被切断物を90度旋回してから長手方向にシャーリングへ送り込んで細かく切断する必要があり、この作業は容易ではない。
【0010】本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は、特に有厚形状の被切断物を容易に且つ効率よく切断し、さらに有厚板状や有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状等のように異種形状の被切断物に対しても首尾よく容易に且つ効率よく切断できる切断装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明は、被切断物の載置手段と、この載置手段に臨ましめて移動可能に配置した切断手段とから成り、前記載置手段は、有厚板状の被切断物を載置可能にすると共に、回転回避可能に構成した被切断物載置台で成ることを特徴としている。
【0012】また、本発明の他の切断装置としては、被切断物の載置手段と、この載置手段に臨ましめて移動可能に配置した切断手段とから成り、前記載置手段は、前記被切断物載置台の下方に設けられ横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台で成ることを特徴としている。
【0013】また、本発明の切断装置としては、被切断物の載置手段と、この載置手段に臨ましめて移動可能に配置した切断手段とからなり、前記有厚板状物の載置手段上に、前記切断手段の切断方向と直交する方向に、柱状の被切断物を固定可能なクランプ手段を、着脱可能に配置したことを特徴としている。
【0014】また、本発明の他の切断装置としては、被切断物の載置手段と、この載置手段に臨ましめて移動可能に配置した切断手段とから成り、前記載置手段は、有厚板状の被切断物を載置可能にすると共に、回転回避可能に構成した被切断物載置台と、この有厚板状物の被切断物載置台の下方に設けられ横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台とから構成したことを特徴としている。
【0015】また、本発明の切断装置としては、被切断物の載置手段と、この載置手段に臨ましめて移動可能に配置した切断手段とから成り、前記載置手段は、有厚板状の被切断物を載置可能にすると共に、回転回避可能に構成した有厚板状の被切断物載置台と、この有厚板状物の被切断物載置台の下方に設けられ横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台と、前記有厚板状物の被切断物載置台上に、前記切断手段の切断方向と直交する方向に、柱状の被切断物を固定可能なクランプ手段を、着脱可能に配置したことを特徴としている。
【0016】切断手段としては、移動可能に配置した移動台と、この移動台に起伏旋回可能に軸支したアームと、このアームに取付けられたカッターと、このカッターを駆動するモータとからなるものを用いることができ、さらには切断手段の移動台の上方には、ガイドアームを設け、このガイドアーム上に移動可能に可動台を設け、この可動台上に前記アームを起伏旋回可能に設けることができる。
【0017】また、前記切断手段には、カッターと被切断物との接触部に向って冷却液を吹付ける液吹付け手段を設けたことを特徴としている。
【0018】また、前記切断手段には、非常停止手段が設けられており、この非常停止手段は、前記切断手段に方向変更可能に配置された操作盤の、方向変更用の把手に設けたことを特徴としている。
【0019】また、前記非常停止手段は、前記把手に取り付けられたブラケットと、このブラケットに基部を軸着したレバーと、このレバーを把手側に把り寄せることよりレバー側に移動するようにレバーに取り付けられたプルワイヤと、このプルワイヤの自由端側に取り付けられたカム板と、このカム板を常時反レバー側に向って引張力を付与するスプリングから構成され、前記レバーを把手と共に把ることにより、カム板を把手側に移動させ切断手段を非常停止するようにしたことを特徴としている。
【0020】また、カッターとしては、円盤状に形成されており、このカッターの全周に形成された刃を、複数の刃数で形成される刃群に分割し、この各分割された刃群を構成する各刃のアサリ角度が全体としてあたかも回転方向に向かって矢じり状を呈しているものは、ゴム状弾性体や樹脂製品、紙製品、木材等を切断するのに有効であり特に望ましい。
【0021】本発明によれば、有厚板状の被切断物を被切断物載置台に載置し、この有厚板状の被切断物を切断手段で細かく切断できる。なお、前記有厚板状物の被切断物載置台を使用せずに、他の形状の被切断物を切断する場合は、前記有厚板状物の被切断物載置台を回転することによりこの被切断物載置台の下方の基板上が容易に開放され、その後、この開放された基板上に搬送手段により他の形状の被切断物を載置して切断できる。
【0022】また、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を切断するに際しては、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を被切断物載置台上に載置し、被切断物載置台により被切断物を回動して切断手段で細かく切断できる。
【0023】また、柱状の被切断物を切断するに際しては、柱状の被切断物を固定可能なクランプ手段を設けたので、柱状の被切断物を載置手段上に確実に保持でき、切断作業を容易化することができる。
【0024】また、切断手段は、モータで回転したカッターを起伏旋回させることにより、有厚板状の被切断物を矩形状に容易に効率よく細かく切断でき、また異なる大きさの有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物をその軸線方向に細かく容易に効率よく輪切りに切断できる。
【0025】さらに、切断手段の移動台の上方には、ガイドアームが設けられており、このガイドアーム上に移動可能に可動台を設け、この可動台上に前記アームを起伏旋回可能に設けたので、移動台を所望の位置で固定し、可動台をガイドアームに沿って移動させることにより、有厚板状の被切断物をカッターで容易に切断でき、また異なる大きさの有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物に対してその外周面付近に容易にカッターを近づけることができ、カッターを起伏することにより有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物載置台上で回動する被切断物を外周面から内方へ向けて容易に切断できる。
【0026】また、切断手段には、カッターと被切断物との接触部に向って冷却液を吹付ける液吹付け手段を設けたから、切断作業時に発生するおそれのある火花を確実に抑制することができる一方、カッターを冷却することができる。
【0027】また、切断手段には、非常停止手段を、切断手段に方向変更可能に配置された操作盤の、方向変更用の把手に設け、この把手に軸着したレバーを把手と共に把ることにより切断手段を停止できるようにしたから、切断作業中非常事態が発生しても、即時に切断手段を停止することができ、安全性を向上することができる。
【0028】また、カッターは特にゴム状弾性体の被切断物に対して各刃群を構成する各刃による切断位置が異なるため既に切断された切断壁面を後続する刃で削ぎ落とすように切断し、結果的には効率よく容易に切断できるという効果がある。したがって、ゴム状弾性体の被切断物に対して効果的なカッターであり、しかも樹脂製品、紙製品、木材等の他の材質の被切断物に対しても有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の切断装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】図1は、本発明の切断装置の実施の形態の一例の構成を示す全体的な斜視図であり、平板や波板などの形状いわゆる有厚板状の被切断物を搬送する搬送手段としてローラコンベア41を2列、設けており、また、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を搬送する搬送手段として、支柱に片持ちに支持されて略水平方向に旋回するアームに沿って走行するクレーン42を設けている。さらに、前記ローラコンベア41の一側に、有厚板状の被切断物を載置する載置台31(有厚板状物の被切断物載置台)と、この載置台31の下方に有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動する回転装置34(有厚円筒状物の被切断物載置台)とから構成される載置手段30を配置している。また、前記被切断物の切断手段10としての円盤状のカッター17を備えた切断装置10を前記載置手段30の載置台31及び回転装置34に臨ませて移動可能に配置している。つまり、切断手段を構成する切断装置10は、載置台31を挟んでローラコンベア41の一側に対向する位置に配置され、載置台31での被切断物の搬送方向に対して略直交する方向に切断装置10全体として略水平方向に移動し、カッター17が切断装置上で被切断物の搬送方向と同方向に移動可能に、又、起伏旋回可能に設けられている。
【0031】尚、この実施の形態においては、有厚板状の被切断物の載置台31での被切断物の搬送方向を、便宜上、Y方向とし、このY方向に対して平面で直交する切断装置10全体の略水平移動方向を、便宜上、X方向とする。
【0032】図1において、41はローラコンベアで、有厚板状の被切断物の搬送手段として設けられ、被切断物を後述する載置台31のテーブル面32上へ搬送するもので、載置台31のテーブル面32とほぼ同じ高さに設定している。なお、ローラコンベア41はモータ等の駆動手段で各ローラを連動して回転するように設け、被切断物を自動的に搬送することもでき、あるいはローラコンベア41の搬送方向後方側を高くして傾斜させ、被切断物がローラコンベア41上をより円滑に載置台31へ搬送するように設けることもできる。あるいはコンベアベルトで搬送してもよい。
【0033】また、42はクレーンで、支柱に片持ちのアームを水平方向に回動自在に設け、このアームに沿って走行するものである。アームの先端は後述するローラ27a,27b上まで延びており、このクレーン42で有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を吊り上げて搬送しローラ27a,27b上に載置するものである。なお、クレーンは例えば工場棟の天井に走行するように設けた走行クレーンなど、他の種類のクレーンであってもよい。
【0034】載置台31は、有厚平板状のゴム板等の被切断物を載置する平面矩形状のテーブル面32を備えたもので、このテーブル面32をカッター17の下方に位置して略水平方向に設置される。載置台31は、図1では4個のテーブルを所定の間隔Kを介してY方向に直列に並べた状態で構成されており、回転するカッター17の下端部が前記間隔K内をY方向に走行してテーブル面32上に載置した被切断物を切断する。尚、前記間隔Kと同じ目的で各テーブル面32にカッターの逃げ溝を設けることもできる。本実施の形態では、図2に示すように説明の便宜上、前述した各テーブルの間の3つの間隔KをX方向の右側から順に「逃げ溝A」,「逃げ溝B」,「逃げ溝C」と称する。
【0035】さらに、各テーブルは切断装置10の設置側と反対側の側端縁が各2本のコ字状の支柱36にヒンジを介して軸着されており、切断装置10の設置側とは反対方向つまり、搬送手段としてのローラコンベア41側に180度の角度で回転回避可能に設けている。尚、テーブル面32はカッター17の最下死点より上方に位置している。また、4個のテーブル面32には移動台11の移動方向に略平行を成す逃げ溝33を一直線上に設けている。したがって、回転するカッター17の下端部が逃げ溝33内をX方向に移動してテーブル面32上に載置した有厚板状の被切断物を切断する。
【0036】27a及び27bは有厚円筒状物等の横断面形状が回動可能な形状の載置台34を構成するローラで、載置台31の下方に設けられており、2つのローラ27a,27bの軸線方向がX方向に所定間隔を介して互いに略平行を成すよう基板21上に軸承したもので、一方のローラ27aはモータ28(ローラ回転駆動手段)でVベルト等の回転伝達手段を介して回転駆動される。これら2本のローラ27a,27b上に、外周が横断面円形、横断面多角形状を成す被切断物を載置し、該被切断物を前記モータ28によるローラ27aの回転力で回転させるものである。
【0037】80は柱状の被切断物を保持するクランプ手段で、図12に示すように、前記有厚板状物の載置台31の上面に、着脱可能に取り付けられている。さらに説明すると、この実施例において、クランプ手段80は、前記載置台31の一側に、前記切断手段10の切断方向と直交する方向に着脱可能に取り付けられたストッパ部材81と、このストッパ部材81に対向して前記載置台31に着脱可能に取り付けられた挟持装置82とから構成されている。この挟持装置82は、ハンドル83を時計方向に廻動することにより押圧片84を前進させ、この押圧片84と前記ストッパ部材81との間に載置した柱状の被切断物Mを挟持して保持できるように構成されている。また図12において、85は柱状の被切断物Mを搬送するローラコンベアで、基板21の一側に図示したように取り付けられ、長尺な柱状の被切断物Mを切断する際に用いられる。
【0038】図1の切断装置10(切断手段)は一例として手動型を示し、作業者は切断装置10の操作ハンドル19の手前側、すなわち図1紙面上で操作ハンドル19の右斜め下方向側の位置で操作ハンドル19を操作して切断装置10を運転するものである。なお、切断装置はコンピュータ等で運転を自動的に制御可能な自動型の切断装置を使用することができ、特に限定されない。
【0039】11は移動台で、平面で矩形状を成す基板21に設けた平行な2本のレール22上を走行する。移動台11は作業者から見て左右方向に走行する。なお、レール面は移動台11の円滑な走行性を考慮して同一水平面上に設けることが望ましい。
【0040】移動台11の基部には移動台11を左右方向の所望の位置で基板21に固定及び解除する移動台固定手段23を設けている。この移動台固定手段23はペダルを一度踏むと移動台11を基板21に固定し、さらにもう一度踏むことにより基板21への固定を解除し、移動台11が自在に走行するように設けている。
【0041】13は可動台で、前記移動台11の上部にY方向に長いガイドアーム12を固定し、このガイドアーム12の長手方向に摺動自在に設けたものである。さらに、可動台13は可動台固定手段24によりY方向の所望の位置でガイドアーム12に固定及び解除するように設けられている。図1では可動台13の側壁に設けたブラケットに螺合した前後ロックノブを回すことにより該ノブのネジ先端がガイドアーム12の側壁面に当接して可動台13がガイドアーム12に固定される。又、前記ノブを逆回転することにより可動台13の固定を解除し、可動台13はガイドアーム12に沿ってY方向に摺動自在になる。
【0042】16はカッター支持台で、前記可動台13に水平方向に旋回自在に且つ垂直方向に回動自在に設けられている。図1では可動台13の上面に旋回手段14を介してカッター支持台16を回動軸15で垂直方向に回動自在に軸承している。さらに、前記旋回手段14にはカッター支持台16を90度の旋回角度で可動台13に固定及び解除する旋回固定手段25を設けており、旋回ロックレバーを回すことにより旋回手段14の旋回を停止し、前記旋回ロックレバーを逆回転することにより旋回手段14を旋回自在に開放する。
【0043】さらに、前記カッター支持台16を垂直方向の回動を所望の位置で可動台13に固定及び解除する起伏固定手段26を設けている。図1では可動台13の上面に立設したブラケットにガイド穴を設け、該ガイド穴に傾斜ロック用ノブの先端を挿通し、この先端をカッター支持台16の後方端縁に突設したストッパ部材に螺合している。傾斜ロック用ノブを回転してストッパ部材を前記ブラケットの所望の位置で固定し、傾斜ロック用ノブを逆回転してストッパ部材の固定を解除する。
【0044】35はアームで、先端部が前記カッター支持台16の垂直方向の回動軸15の位置より前方に位置するようにして後端部をカッター支持台16の上面に固定したものである。
【0045】17はカッターで、アーム35の先端部の側面にカッター17を垂直方向に且つY方向に回転するように設けている。このカッター17は、カッター支持台16の上面に固定したモータ18(カッター回転駆動手段)の回転力がVベルト等の回転伝達手段により伝達されて一方向に回転する。尚、前述した旋回固定手段25の旋回ロックレバーを操作してカッター支持台16を可動台13に対して旋回自在に開放し、作業者が操作ハンドル19を持ってカッター支持台16を90度の旋回角度で旋回することによりカッター17を垂直方向に回転し且つX方向に向くよう変更できる。
【0046】90は冷却液の液吹付け手段で、図1,図3,図4,図5,図11及び図12に示すように、切断手段10にカッター17と被切断物との接触部に向って水等の冷却液を吹付け得るように配置されており、切断作業時に発生するおそれのある火花を抑制する一方、カッター17を冷却できるようにしてある。
【0047】100は非常停止手段で、図12及び図13に示すように、前記切断手段10に方向変更可能に配置された操作盤57の、方向変更用の把手49に設けられている。さらに説明すると、前記非常停止手段100は、前記把手(49)に取り付けられたブラケット(101)と、このブラケット(101)に基部を軸着したレバー(102)と、このレバー(102)を把手(49)側に把り寄せることよりレバー(102)側に移動するようにレバーに取り付けられたプルワイヤ(103)と、このプルワイヤ(103)の自由端側に取り付けられたカム板(104)と、このカム板(104)を常時反レバー側に向って引張力を付与するスプリング(105)から構成され、前記レバー(102)を把手(49)と共に把ることにより、カム板(104)を把手(49)側に移動させ切断手段(10)を非常停止することができるように構成されている。
【0048】尚、カッター17には後述する本発明のカッターを使用することが、ゴム状弾性体や樹脂製品、紙製品、木材等の材料でなる被切断物に対して切断効率が優れているという点で、特に望ましいが、被切断物の材料に応じて例えば砥石などの他のカッターを使用することができる。
【0049】尚、29は切断屑の飛散防止ガードで、図1では断面L字状に折曲げ成形し、その一片を立設したものである。
【0050】以上の切断装置10における作用を以下に説明する。
【0051】〔平板状の被切断物を切断する場合〕被切断物Wとしては板厚が100mmで、平面の大きさが2m×2mのゴム板を例として説明する。載置台31を図3紙面上時計廻り方向へ回動してテーブル面32はローラコンベア41の高さとほぼ同じ高さに位置せしめる。図2において、被切断物Wをローラコンベア41で搬送しテーブル面32へ載置する。
【0052】図2において、テーブル面32上のゴム板のY方向を、カッター17で「逃げ溝A」,「逃げ溝B」,「逃げ溝C」に沿って順に切断し、次いでゴム板のX方向を「逃げ溝33」に沿って切断する一例について以下に説明する。
【0053】「逃げ溝A」に沿って切断するために、作業者は操作ハンドル19をつかんでカッター17をY方向に向くように旋回し旋回固定手段25で固定する。移動台11をX方向の右方へ走行させ、カッター17を載置台31の「逃げ溝A」の位置に設置し、移動台固定手段23のペダルを踏んで移動台11を固定する。
【0054】図3に示すように、ハンドル19を操作してカッター17の下端部が「逃げ溝A」内に入るように起伏させて起伏固定手段26でカッターの起伏が固定する。次いで、モータ18を駆動してカッター17を図3紙面上反時計廻り方向に回転させ、操作ハンドル19を押してカッター17をY方向の前方へ移動させて被切断物Wを切断し、図3の「逃げ溝33」より前方まで、つまり二点鎖線の位置まで切断する。
【0055】「逃げ溝B」に沿って切断するために、まず起伏固定手段26を解除してカッター17を被切断物Wより上方へ上昇させ再び起伏固定手段26で固定する。移動台固定手段23のペダルを踏んで移動台11のロックを解除し、移動台11をX方向の左方へ走行させ、カッター17を「逃げ溝B」の位置に設置し、移動台固定手段23で移動台11を固定する。次いで起伏固定手段26のロックを解除し、前述した操作と同様にしてカッター17の下端部が「逃げ溝B」内に入るよう降下させて被切断物Wを切断し、カッターの上下位置を固定する。操作ハンドル19を引いてカッター17を図3の二点鎖線の位置より実線の位置までY方向の後方へ移動させて被切断物Wを切断する。
【0056】「逃げ溝C」の位置での被切断物Wの切断は、移動台11をX方向の左方へ走行させ、前述した「逃げ溝A」の位置における操作と同様にして行われる。
【0057】「逃げ溝33」に沿って切断するために、「逃げ溝C」の位置での被切断物Wの切断完了後、図3において移動台11をさらにX方向の左方の二点鎖線の位置へ走行させる。そして、操作ハンドル19を把持してカッター17を図3紙面で時計廻り方向へ旋回しカッター17の向きをX方向に向けて旋回固定手段25で固定する。可動台13をY方向へ移動してカッター17を逃げ溝33に位置決めし、可動台固定手段24により固定する。移動台固定手段23のペダルを踏んで移動台11を解除し、移動台11をX方向の右方へ移動させながら被切断物Wの左端から右端まで切断する。
【0058】以上の操作により有厚板状のゴム状弾性体は平面で500mm×500mmの大きさに切断される。この切断片をテーブル面32から搬出し、ローラコンベア41上の被切断物Wをテーブル面32上へ搬送し、前述した切断操作を繰り返すことにより平面で2m×2mのゴム板の被切断物が全て500mm×500mmの大きさに切断される。尚、前記逃げ溝を多く設けることにより被切断物Wをより細かく切断できる。
【0059】〔筒状の被切断物を切断する場合〕被切断物Wとしては材料がゴムで、図5において、一例として、直径が大きいものが直径600mm、長さ1450mm、肉厚75mmの円筒状を成し、直径が小さいものが直径390mm、長さ1450mm、肉厚45mmの円筒状を成すものを例として説明する。
【0060】以下、直径が大きい円筒状を成す被切断物を切断する場合について説明する。載置台31を図5紙面上反時計廻り方向へ180度回動して有厚円筒状物の載置台34を構成するローラ27a,27bの上方を開放する。図4において、前記被切断物Wをクレーン42で吊り上げて搬送しローラ27a,27b上へ載置する。
【0061】切断装置10の操作は、基本的には前述した〔平板状の被切断物を切断する場合〕とほぼ同様である。作業者は操作ハンドル19を把持してカッター17を図4紙面で時計廻り方向へ旋回しカッター17の向きをY方向に向けて旋回固定手段25で固定する。モータ18を駆動してカッター17を図3紙面上で反時計廻り方向に回転させ、切込んで、起伏固定手段26を固定し、一方、モータ28を駆動してローラ27aを回転させ、被切断物Wを図3紙面上で反時計廻り方向へ回転させる。移動台11をX方向へ走行させ、例えばカッター17を被切断物Wの左端面から右へ300mmの位置に設置し、移動台固定手段23のペダルを踏んで移動台11を固定する。図5に示すように、操作ハンドル19を押してカッター17をY方向の前方へ移動させ、カッター17を被切断物Wの外周面の付近に位置させる。次いで、操作ハンドル19を操作してカッター17を降下させ被切断物Wをその外周面から肉厚の内方へ次第に切断していく。この間、被切断物Wは回動し全周が切断される。
【0062】被切断物の切断完了後、操作ハンドル19を操作してカッター17を被切断物Wの外周面から上方へ離反させる。移動台11をさらにX方向の右方へ走行させ、所定の位置に移動台11を固定し、上記の操作を繰り返して被切断物Wを外周面から内方へ切断し被切断物の全周を切断する。以上の操作を繰り返して被切断物Wが全長にわたって所望の位置で容易に細かく切断される。
【0063】直径が小さい円筒状を成す被切断物を切断する場合は、上述した直径が大きい円筒状を成す被切断物を切断する操作と同様である。大きい円筒状を成す被切断物はカッター17が被切断物の頂点より図5の右方の位置で切断するが、小さい円筒状を成す被切断物はカッター17の下端部が被切断物Wのほぼ頂点の位置で切断することになる。
【0064】〔カッター〕本発明のカッターについて図面を参照して以下に説明する。図6において、60はゴム状弾性体や樹脂製品、紙製品、木材等の材料でなる被切断物用のカッター(以下、説明の便宜上、単に「カッター」という)で、板厚約1.25mm、直径255mmの円盤状を成すもので、その中心に切断装置のカッター回転軸に装着する軸穴71を備え、全周に合計36枚の刃を等角度の間隔で設けている。図6においてはカッター60を切断装置に装着したときのカッター60の回転方向は反時計廻り方向であり、各刃はカッター60の回転方向(以下、単に「回転方向」という)の前方端にチップ72(刃先)がろう付けで固定されている。36枚の全刃数のうち、9枚の所定の刃数を1つの刃群として、36枚の全刃数を4つの刃群に分割する。この1刃群の9枚の刃のうちの回転方向の先頭に位置する刃を基準(以下、この基準の刃を「基準刃」という)とし、この基準刃61は図7に示すようにカッター幅中心線Lの線上に位置するものである。
【0065】基準刃61から回転方向後方の2番目の刃62は、刃の基部からカッター幅中心線Lに対して右側に折り曲げられている。刃のチップ72の幅方向の両側端縁のうちカッター幅中心線Lから外側に位置する一側端縁62a(以下、「刃先外側端縁」という)が回転方向でカッター幅中心線Lの右側に位置する。本明細書では、前述したように刃の基部からカッター幅中心線Lに対して回転方向で左又は右側に折り曲げることを「アサリ曲げ」といい、アサリ曲げ角度を「アサリ角」といい、アサリ曲げされた刃を「アサリ刃」という。
【0066】したがって、62は「第1右アサリ刃」と称し、第1右アサリ刃62の刃先外側端縁62aはカッター幅中心線Lから右側に距離S1 に位置している。距離S1 は約2mm程度である。
【0067】3番目の刃63は、「第1左アサリ刃」で、刃の基部からカッター幅中心線Lに対して左側にアサリ曲げされており、その刃先外側端縁63aは回転方向でカッター幅中心線Lの右側に位置する。刃先外側端縁63aはカッター幅中心線Lから左側に距離S1 に位置している。つまり、カッター幅中心線Lから前記第1右アサリ刃62の刃先外側端縁62aの距離と同じ大きさである。
【0068】4番目の刃64は、「第2右アサリ刃」で、上記の第1右アサリ刃62より大きく右側にアサリ曲げされており、第2右アサリ刃64の刃先外側端縁64aは上記の第1右アサリ刃62の刃先外側端縁62aの位置より右方に位置し、カッター幅中心線Lから右側にS2 の距離にある。つまり距離S2 は距離S1 より大きい数値である。
【0069】5番目の刃65は、「逃げ刃」で、基準刃61と同様カッター幅中心線Lの線上に位置するものである。これは後述する逃げ刃65との間に位置し、所謂、刃の遊びを設けたものであり、この類の刃は必ずしも設ける必要はないが、回転方向前方の刃で切断した後に、被切断物であるゴム状弾性体が切断時の刃による圧縮力から開放されて前記被切断物の切断壁面が張り出そうとするとき、その切断壁面が逃げる余地を設けて張出した部分をこの逃げ刃で切断すると共に、後続するアサリ刃で切断しやすくする上で効果的であると考えられる。さらには、当該逃げ刃65は回転方向で上記の「第2右アサリ刃」と、後述する「第2左アサリ刃」との間に位置しており、これらの2つのアサリ刃は刃先外側端縁とカッター幅中心線Lとの距離がそれぞれ、左側と右側に略同一の大きさを有するもので、この2つのアサリ刃間の間隔が大きくて切断されない部分が生じる場合があり、この切断されない部分をこの逃げ刃65で切断する点で補助的な刃としての効果性を有する。
【0070】6番目の刃66は、「第2左アサリ刃」で、上記の第1左アサリ刃63より大きく左側にアサリ曲げされており、第2左アサリ刃66の刃先外側端縁66aは上記の第1左アサリ刃63の刃先外側端縁63aの位置より左方に位置し、カッター幅中心線Lから左側にS2 の距離にある。つまり距離S2 は距離S1 より大きい数値である。
【0071】7番目の刃67は、「第3右アサリ刃」で、上記の第2右アサリ刃64より右側に大きくアサリ曲げされており、第3右アサリ刃67の刃先外側端縁67aは上記の第2右アサリ刃64の刃先外側端縁64aの位置より右方に位置し、カッター幅中心線Lから右側にS3 の距離にある。つまり距離S3 は距離S2 より大きい数値である。
【0072】8番目の刃68は、「逃げ刃」で、基準刃61と同様、カッター幅中心線Lの線上に位置するものである。これは後述する第3左アサリ刃69との間に位置し、その作用は前述した逃げ刃65と同様である。
【0073】9番目の刃69は、「第3左アサリ刃」で、上記の第2左アサリ刃66より大きく左側にアサリ曲げされており、第3左アサリ刃69の刃先外側端縁69aは上記の第2左アサリ刃66の刃先外側端縁66aの位置より左方に位置し、カッター幅中心線Lから左側にS3 の距離にある。つまり距離S3 は距離S2 より大きい数値である。
【0074】1つの刃群は以上のような構成となっており、他の3つの刃群も同じ構成である。
【0075】尚、本発明のカッター60は本実施の形態の刃数より多くてもあるいは少なくともよく、限定されるものではない。又、カッター60の全刃数を刃群に分割する刃群数も4つに限定されない。又、各刃群を構成するアサリ刃や逃げ刃の刃数や配置等は必ずしも同じでなくともよく、一刃群における刃数も限定されない。
【0076】また、各刃群において基準刃61に対して回転方向後方に位置する各アサリ刃は、回転方向に向かってカッター幅中心線Lの左側と右側に交互にアサリ曲げしたアサリ刃であることが一つの特徴であり、各アサリ刃は基準刃61を先頭にして回転方向後方に位置するに連れて、各アサリ刃の刃先外側端縁とカッター幅中心線Lとの距離が徐々に拡がるように形成していることが特徴である。つまり、カッターの全周の刃群を平面状に展開すると、図9に示すように各刃群の各アサリ刃は全体としてあたかも回転方向に向かって矢じり状を呈している。この矢じり状の刃群は、第1刃群〜第4刃群までカッターの全周に繰り返し構成されている。
【0077】尚、各刃群において基準刃61から回転方向後方に位置する他の全ての刃を、前述したような「逃げ刃」を設けず、回転方向に向かってカッター幅中心線Lの左側と右側に交互にアサリ曲げした「左アサリ刃」と「右アサリ刃」で構成することができる。
【0078】また、前記複数のアサリ刃は、前述したように、2つのアサリ刃の刃先外側端縁とカッター幅中心線Lとの距離がそれぞれ、左側と右側に略同一の大きさを有する「左アサリ刃」と「右アサリ刃」を形成することは、カッター60の幅方向の両側端縁の切断効果を均等に図る上で望ましいことであり、本発明の一つの優れた特徴を成すものである。
【0079】また、前述した「逃げ刃」としては、2つのアサリ刃の刃先外側端縁とカッター幅中心線Lとの距離がそれぞれ、左側と右側に略同一の大きさを有する「左アサリ刃」と「右アサリ刃」との間に設けることが、前述したように2つのアサリ刃間の間隔が大きいために被切断物に切断されない部分を逃げ刃で切断するという点で効果的である。
【0080】図6のカッター60を切断装置に装着し、ゴム状弾性体を切断した結果、非常に良好に切削できた。平面で2m×2mの大きさのゴム板をカッター60を用いて図2及び図3の切断装置10で切断したところ約2分で切断作業が完了した。このとき、カッター60の両側端縁付近から糸状の切り粉が発生し優れた切断性を示した。ちなみに、上記のゴム状弾性体と同じ大きさの被切断物を従来のグラインダで切断したところ約2時間程で切断作業が完了した。
【0081】カッター60は以上のような優れた切断性がある。その作用を説明すると、図10に示すように、最初に基準刃61によりカッター幅中心線L上に切込み部Aが入り、ゴム状弾性体自体の弾性力により切込み部Aを塞いでしまうのであるが、次に第1右アサリ刃62により回転方向で前記切込み部Aの右側壁面を削ぎ落とすようにして切断する。第1右アサリ刃62の切削力がゴム状弾性体に加わったとき、切込み部Bが形成される。しかし、ゴム状弾性体はそれ自体の弾力性のために逃げてしまうので壁面から分離されない部分が生じる。
【0082】次いで、第1左アサリ刃63により回転方向で前記切込み部Aの左側壁面を削ぎ落とすようにして切断し、切込み部Cが形成される。しかし、上記の第1右アサリ刃62による切断と同様に壁面から分離されない部分が生じる。
【0083】次に第2右アサリ刃64により回転方向で前記切込み部Bの右側壁面を削ぎ落とすようにして切断し、切込み部Dが形成される。壁面から分離されない部分が生じる。
【0084】逃げ刃65は各壁面の切断には直接関係しないが、前述したように切断壁面からの張り出し部分やカッター幅中心線L上に位置する未切断部分等の補助的な切断を行うものである。
【0085】次に第2左アサリ刃66により回転方向で前記切込み部Bの左側壁面を削ぎ落とすようにして切断し、切込み部Eが形成される。壁面から分離されない部分が生じる。
【0086】以下、上記と同様にして第3右アサリ刃67により回転方向に向かって前記切込み部Dの右側壁面を削ぎ落とすようにして切込み部Fが形成され、第3左アサリ刃69により回転方向で前記切込み部Eの左側壁面を削ぎ落とすようにして切込み部Gが形成される。
【0087】以上の1つの刃群の刃での切断に後続して次の刃群の刃による切断が行われ、順次、後続する刃群の刃により同様の切断作用が繰り返される。
【0088】そして、上記の切込み部Bと切込み部Dと切込み部Fが連続し、一方、切込み部Cと切込み部Eと切込み部Gが連続し、削ぎ落とされた被切断物の肉片は繋がって糸状の切り粉が生じる。したがって、各刃は被切断物の壁面との接触面積が小さいので刃にかかる抵抗が小さいために、カッターと被切断物との摩擦抵抗が小さいので発生する摩擦熱が低くなる。その結果、従来のように被切断物が刃に溶着するという問題が解消されたものと考える。また、切断された被切断物は糸状の切り粉となるので、従来のように細かい切り粉が刃間に残留し摩擦熱のために溶解して刃に付着するという事態が避けられたのである。
【0089】なお、以上の実施の形態では、特にゴム状弾性体を被切断物Wとして説明したが、本発明の切断装置はゴム製品の他に、新聞用紙、印刷用紙、グラビア用紙、アート紙等の紙スリーブなどの紙製品、あるいは製材品や合板等の木材、あるいは合成樹脂等の樹脂製品、コンパネ、スレート、その他の建築材料、合成樹脂等の樹脂製品などの各種製品に対する切断に有効であるので、被切断物はゴム状弾性体に限定されない。
【0090】本発明の他の実施例について以下に図11を参照して説明し、前述した実施例と同一の構成要素については同一の符号を付して説明の簡素化を図る。
【0091】この実施例は、前述した実施例の切断装置に以下の装置を加えることにより構成されるものである。すなわち、移動台11の上面には、内部にシャフト(図示省略)を軸承したハンドル支持部材52が立設され、このシャフトの両端はハンドル支持部材52の両端から突出しており、このシャフトの上端には移動台送りハンドル51が設けられ、シャフトの下端にはピニオン54が設けられている。さらに、基板21上には、移動台11の移動方向と同方向に延長したラック53がレール22と平行に固定されており、このラック53に前記ピニオン54が噛合されている。
【0092】したがって、作業者が移動台送りハンドル51を平面上で時計回り方向に回転することによりピニオン54とラック53が噛合して移動台11は作業者から見てX方向の右方へ移動し、一方、移動台送りハンドル51を平面上で反時計回り方向に回転することにより移動台11は作業者から見てX方向の左方へ移動する。所望の位置で移動台固定手段23を操作して移動台11を基板21へ固定する。
【0093】また、ガイドアーム12上の作業者側の一端にはハンドル支持部材56が立設され、このハンドル支持部材56の上端部にはカッター支持台送りハンドル55が軸承される。一方、可動台13の下面にはブラケット(図示省略)が突設され、このブラケットに軸線方向が水平方向のネジ部(図示省略、雌ネジ)を設けている。このネジ部に螺合するスピンドル48がガイドアーム12の長手方向に沿ってガイドアーム12の上面に軸承されている。このガイドアーム12の一端は前記カッター支持台送りハンドル55の軸にスプロケットやチェーンあるいは歯車等の回転伝達手段によりカッター支持台送りハンドル55の回転が伝達するように設けられている。
【0094】したがって、作業者がカッター支持台送りハンドル55をカッター側に向かって時計回り方向に回転することによりカッター支持台送りハンドル55の回転が図示せざる回転伝達手段を介して伝達されてスピンドル48が回転し、このスピンドル48が図示せざるネジ部に噛合して可動台13は作業者から見てY方向の前方へ移動し、一方、カッター支持台送りハンドル55を反時計回り方向に回転することにより可動台13は作業者から見てY方向の後方へ移動する。
【0095】なお、57は操作盤で、より詳しくはカッターの回転・停止およびローラ回転駆動手段のローラ27aを回転・停止させる操作盤であり、カッター支持台16に立設した操作盤支持部材58を介してほぼ目の高さに固定されたもので、操作盤57の全体が操作盤支持部材58上を水平方向に回動自在に設けられており、作業者は把手49を把持して操作盤57を操作しやすい所望の位置まで回動し、操作盤固定手段59によって固定する。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、有厚板状の被切断物を切断するに際して、載置手段に切断手段を臨ましめて移動可能に配置した構成を採用し、前記載置手段としては、有厚板状の被切断物が載置可能であり、回転回避可能に構成した被切断物載置台を設けたので、有厚板状の被切断物を被切断物載置台に載置し、この有厚板状の被切断物を切断手段で細かく切断できる。なお、前記有厚板状物の被切断物載置台を使用せずに、他の形状の被切断物を切断する場合は、前記有厚板状物の被切断物載置台を回転することによりこの被切断物載置台の下方の基板上が容易に開放され、その後、この開放された基板上に搬送手段により他の形状の被切断物を載置して切断できる。
【0097】また、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を切断するに際しては、前記載置手段として、前記有厚板状物の被切断物載置台の下方に有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を載置回動可能に構成した被切断物載置台を設けたので、搬送手段により有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を被切断物載置台上に載置し、被切断物載置台により被切断物を回動して切断手段で細かく切断できる。
【0098】また、本発明においては、有厚板状物の載置手段上に、前記切断手段の切断方向と直交する方向に、柱状の被切断物を固定可能なクランプ手段を設けたので、柱状の被切断物を載置手段上に確実に保持でき、切断作業を容易化することができる。
【0099】また、本発明の他の切断装置によれば、有厚板状の被切断物と有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を切断するに際して、有厚板状物の被切断物を切断するときは、搬送手段により有厚板状の被切断物を被切断物載置台に載置し、この有厚板状の被切断物を切断手段で細かく切断できる。一方、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物に対しては、前記有厚平板状物の被切断物載置台を回転することにより有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物載置台上は容易に開放され、その後、有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物を被切断物載置台上に載置し、この被切断物載置台により被切断物を回動して切断手段で細かく切断することができる。したがって、有厚平板状の被切断物と横断面形状が回動可能な形状有厚円筒状の被切断物等の異種形状の被切断物を首尾よく容易に効率よく切断することができる。
【0100】また、切断手段としては、移動台を移動可能に配置し、この移動台にアームを起伏旋回可能に軸支し、このアームにカッターを取付け、このカッターをモータで駆動するよう構成したので、モータで回転したカッターを起伏旋回させることにより、有厚板状の被切断物を矩形状に容易に効率よく細かく切断でき、また異なる大きさの有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物をその軸線方向に細かく容易に効率よく輪切りに切断できる。
【0101】さらに、切断手段の移動台の上方には、ガイドアームが設けられており、このガイドアーム上に移動可能に可動台を設け、この可動台上に前記アームを起伏旋回可能に設けたので、移動台を所望の位置で固定し、可動台をガイドアームに沿って移動させることにより、有厚板状の被切断物をカッターで容易に切断でき、また異なる大きさの有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物に対してその外周面付近に容易にカッターを近づけることができ、カッターを起伏することにより有厚円筒状等の横断面形状が回動可能な形状の被切断物載置台上で回動する被切断物を外周面から内方へ向けて容易に切断できる。
【0102】また、本発明においては、切断手段には、カッターと被切断物との接触部に向って冷却液を吹付ける液吹付け手段を設けたから、切断作業時に発生するおそれのある火花を確実に抑制することができる一方、カッターを冷却することができる。
【0103】また、本発明において、切断手段には、非常停止手段を、切断手段に方向変更可能に配置された操作盤の、方向変更用の把手に設け、この把手に軸着したレバーを把手と共に把ることにより切断手段を停止できるようにしたから、切断作業中非常事態が発生しても、即時に切断手段を停止することができ、安全性を向上することができる。
【0104】また、カッターは円盤状に形成されており、このカッターの全周に形成された刃を、複数の刃数で形成される刃群に分割し、この各分割された刃群を構成する各刃のアサリ角度が全体としてあたかも回転方向に向かって矢じり状を呈しているので、特にゴム状弾性体の被切断物に対して各刃群を構成する各刃による切断位置が異なるため既に切断された切断壁面を後続する刃で削ぎ落とすように切断し、結果的には効率よく容易に切断できるという効果がある。したがって、ゴム状弾性体の被切断物に対して効果的なカッターであり、しかも樹脂製品、紙製品、木材等の他の材質の被切断物に対しても有効なカッターである。




 

 


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