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発明の名称 耐震性に優れた鋼管及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−52713
公開日 平成10年(1998)2月24日
出願番号 特願平8−212407
出願日 平成8年(1996)8月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
発明者 遠藤 茂 / 土井 正充
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 重量%でC:0.03〜0.15% と、Mn:1.0 〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25% と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.080%の群から選択された1種以上と、残部がFeおよび不可避的不純物とからなる鋼組成を有し、管軸方向の降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数が0.10以上の耐震性に優れた鋼管。ただし、PCM=C% +Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/60+Cr%/20+Mo%/15+V%/10 +5xB%【請求項2】 重量%でC:0.03〜0.15% と、Mn:1.0 〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25% と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.080%の群から選択された1種以上と、残部がFeおよび不可避的不純物とからなる鋼を熱間圧延した後、600 ℃以下の温度まで5 ℃/sec以上の冷却速度で加速冷却し、得られた鋼板を冷間成形して鋼管とする管軸方向の降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数が0.10以上の耐震性に優れた鋼管の製造方法。ただし、PCM=C% +Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/60+Cr%/20+Mo%/15+V%/10 +5xB%
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にガスパイプライン、水道配管、建築・土木用の柱などに使用される鋼管及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】UOE鋼管やスパイラル鋼管、継目無鋼管、電縫鋼管、プレスベンド鋼管などの炭素鋼鋼管あるいは低合金鋼鋼管は、大量にかつ安定して製造できるため、その優れた経済性や溶接施工性とあいまって、ガスパイプラインや水道配管など流体の輸送用配管あるいは建築・土木用の柱として広く用いられている。
【0003】一方、従来の耐震性能を備えた建築用の鋼管として、例えば特開平3-173719号公報、特開平5-65535 号公報、特開平5-117746号公報、特開平5-117747号公報、特開平5-156357号公報、特開平6-49540 号公報、特開平6-49541 号公報、特開平6-128641号公報、特開平6-264143号公報、特開平6-264144号公報などに開示されている様なものがある。
【0004】上記公報に記載されている鋼管の製造方法は、耐震性能として降伏応力と引張強さの比である降伏比を小さくするようにしたものであり、いずれも柱の曲げ応力に対する優れた塑性変形吸収能を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来の耐震性能を備えた建築用の鋼管は、圧縮の軸力に対する局部座屈と局部座屈発生後の引張による脆性き裂の発生を防ぐための検討は行われておらず、大地震が発生した場合、これら鋼管の長手方向には引張および圧縮の大きな力が繰り返し加わり、外径/管厚比がある程度大きな鋼管では局部座屈を起こし、場合によっては円周方向のき裂の発生や破断に至ることがある。
【0006】また、ガスなどの流体輸送用のラインパイプでは、延性破壊や脆性破壊など円周方向に力が作用する内圧に対する抵抗力は検討されてきたが、軸方向の外力に対しては敷設時の曲げ変形以外はほとんど考慮されていない。本発明の目的は、大地震の際に軸方向に作用する圧縮応力に対して、局部座屈を起こしにくく、特にガスパイプライン、水道配管、建築・土木用の柱などに好適な耐震性に優れた鋼管及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
(1)本発明の耐震性に優れた鋼管は、重量%でC:0.03〜0.15% と、Mn:1.0〜2.0%と、PCM:0.10〜0.25% と、さらに、Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Nb:0.005 〜0.10% 、V:0.005 〜0.10% 、及びTi:0.005 〜0.080%の群から選択された1種以上と、残部がFeおよび不可避的不純物とからなる鋼組成を有し、管軸方向の降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数が0.10以上の耐震性に優れたものである。
【0008】ただし、PCM=C% +Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/60+Cr%/20+Mo%/15+V%/10 +5xB%(2)本発明の製造方法は、上記(1)に記載した鋼を熱間圧延した後、600 ℃以下の温度まで5 ℃/sec以上の冷却速度で加速冷却し、得られた鋼板を冷間成形して鋼管とする管軸方向の降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数が0.10以上の耐震性に優れた鋼管の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鋼管の製造方法や材質的な特性と局部座屈発生挙動との相関を調査した。その結果、例えば座屈歪みが1.0 %以上というような良好な耐座屈性能を得るためには、鋼管用の鋼板の化学成分と製造方法を制御する必要があり、さらに、引張試験における降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数の大きなもの程、この座屈に対する抵抗の大きいことを見い出し、本発明を完成した。
【0010】以下に本発明の成分添加理由、成分範囲限定理由、及び製造条件の限定理由について説明する。
(1) 成分組成範囲C:0.03〜0.15% この範囲外の炭素量の鋼を溶接すると溶接割れの可能性が増大するので、C量を0.03〜0.15重量%に規定する。
Mn:1.0 〜2.0%構造用鋼としての充分な強度と靭性を得るために、1.0%以上の添加が必要であり、2.0%以上添加すると母材と溶接部の靭性の劣化と溶接性の劣化をまねく。したがって、Mn 量を1.0 〜2.0 重量%に規定する。
PCM:0.10〜0.25% この下限は構造物として充分な強度を得るためと、良好な耐座屈性を得るために必要最小限の値で、上限は耐座屈性と溶接性を劣化させない上限の値である。
PCM=C% +Si%/30+Mn%/20+Cu%/20+Ni%/60+Cr%/20+Mo%/15+V%/10 +5xB%本発明鋼では、さらに鋼管の強度や靭性の目標に応じて選択元素として以下に述べるCu 、Ni 、Cr 、Mo 、Nb 、V、Ti の内1種以上を含有させる。Cu:0.05〜0.50% 、Ni:0.05〜0.50% 、Cr:0.05〜0.50% 、Mo:0.05〜0.50% 、Cu 、Ni 、Cr 、Mo は強度の上昇に有効な元素で、下限未満では強度の上昇に寄与せず、上限を超えると鋼管の母材部と溶接部の靭性や溶接性を劣化させる。
Nb:0.005 〜0.10%Nb は鋼板の靭性と強度の向上に有効な元素で、下限未満ではその効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶接部の靭性を劣化させる。
V:0.005 〜0.10%Vは鋼板の強度の上昇に有効な元素で、下限未満ではその効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶接部の靭性を劣化させる。
Ti:0.005 〜0.080%Ti は鋼板の靭性の向上と鋳造時のスラブの傷防止に有効な元素で、下限未満ではその効果を発揮せず、上限を超えると溶接性や溶接部の靭性を劣化させる。
【0011】さらに本発明鋼管は管軸方向の降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数が0.10以上である。加工硬化指数を0.10以上にすることにより良好な耐座屈性能を得ることが可能であるが、ここで、加工硬化指数が0.10を下回ると鋼管の軸方向に作用する圧縮応力に対する局部座屈を生じる可能性があり、良好な耐座屈性能が得られない。このことは本発明の実験により明らかとなった。
【0012】図1に限界座屈歪みと降伏強さから公称歪みで5 %までの加工硬化指数(n値)との関係について調べた結果を示す。同図より明らかなように加工硬化指数が0.10以上の領域で1.0 %以上の限界座屈歪みが得られている。
【0013】このような特性の鋼管は、以下の製造方法で製造することができる。
(2) 鋼板製造工程上記の好適成分に調整した鋼スラブを加熱して、熱間圧延を施す。この加熱、および熱間圧延の条件は、例えば、1050〜1250℃の温度範囲に加熱した後、熱間圧延するものである。
【0014】熱間圧延終了後600 ℃以下の任意の温度まで5 ℃/sec以上の冷却速度で冷却する。ここで、600 ℃より高い温度で冷却を停止し、あるいは5 ℃/sec未満の冷却速度で冷却すると、いずれの場合も0.10以上の加工硬化指数とならず、良好な耐座屈性能が得られない。
(3) 製管工程上記の工程(2) で得られた鋼板をUOE、ベンディングロール、プレスベンドなどにより、冷間成形して鋼管に仕上げる。
【0015】しかして、本発明は、C,Mn,PCM(溶接低温割れ感受性組成)を上記範囲に限定することにより、構造用鋼として必要な強度、靭性及び溶接性を保持しつつ耐座屈性に優れた鋼管を得ることができる。
【0016】
【実施例】種々の成分組成になる鋼スラブを熱間圧延した後、種々の冷却条件下で得られた鋼板を冷間成形して鋼管を製作し、その加工硬化指数(n値)、耐座屈性及び溶接性/強度について調査した。
【0017】図2は、実管圧縮試験の試験機と試験体の模式図である。実管圧縮試験は、圧縮試験機のロードセル1の上に試験体である試験パイプ2を載せて、試験パイプ2の上部から圧縮荷重を負荷するものである。尚、試験パイプ2には座屈歪みを測定するための変位計3が取り付けられている。また、試験体の形状は、図2の試験パイプ2の拡大断面図である試験パイプ4に示すとおりであり、管肉厚10〜30mm、管外径600mm 、標点間距離を500mm とした。
【0018】鋼管の軸方向に働く圧縮力に対する耐座屈性については、図2に示す試験機と試験体を用いた実管圧縮試験を行い、試験体に生じる座屈歪みを測定し、座屈歪みが1.0 %以上の場合、耐座屈性は良好であると判断した。
【0019】溶接性は、鋼管成形後の縦シーム溶接部の溶接割れの有無を調べ確認した。○は溶接割れ無し、×は溶接割れ有りを示す。強度はJIS Z 2241 の引張試験に準じて行い、引張強さが50kgf/mm2 以上の場合、良好と判断した。
【0020】表1に本発明鋼管及び比較鋼管の化学成分とその加工硬化指数、耐座屈性及び溶接性/強度を示す。表2に表1の化学組成の鋼板に適用した種々の冷却条件とその加工硬化指数、耐座屈性及び溶接性/強度を示す。
【0021】表1に示す本発明の化学組成ならびに0.10以上の加工硬化指数を有する鋼管は充分な耐座屈性能と溶接性と強度を有している。一方、本発明の鋼組成を有する鋼管であっても加工硬化指数が0.10を下回る鋼管A2,B2 では充分な耐座屈性が得られていない。PCM値が本発明の範囲でない鋼管、L,O,Pでは加工硬化指数が0.10以上であっても良好な耐座屈性が得られていない。また、本発明の化学成分を有していないものは耐座屈性が良好でも溶接性等の問題がある(M,Q)。本発明の化学成分を有さず、加工硬化指数の低い鋼管Nは耐座屈性も溶接性も不良であり強度も不足している。
【0022】表2に示す本発明の化学組成の鋼に本発明の加速冷却条件を適用すると加工硬化指数が高くなり、良好な耐座屈性能が得られた。一方、本発明の化学組成を有する鋼管であっても加速冷却条件が適当でない、A-1,A-2 は、加工硬化指数が0.10より小さくなり良好な耐座屈性能が得られていない。
【0023】また、本発明の化学成分を有しない鋼管では、本発明の加速冷却条件の適用のいかんにかかわらず耐座屈性が不良である(L-1,L-2,P-1)。また、耐座屈性が良好なものでも溶接性が不良である(M-1)。本発明の化学成分を有していない鋼管に本発明の加速冷却条件を適用しない場合は、耐座屈性も溶接性も不良である(Q-1) 。本発明鋼管を用いることにより、鋼管の軸方向に作用する応力による局部座屈の発生と、それに起因する脆性的なき裂や破断の発生を防止できる。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
【発明の効果】本発明によれば、鋼組成及び製造条件を特定し、かつ管軸方向の加工硬化指数を0.10以上にすることにより、大地震が発生した際に、ガスパイプラインや水道配管の破損と内部流体の流出、あるいは高速道路の橋脚柱の破断による倒壊などの災害を防ぐことが可能である良好な耐座屈性能を有する耐震性に優れた鋼管が得られ、さらに従来の低降伏比鋼管の製造工程で必要とされていた鋼の熱間圧延後の熱処理(焼き入れ、焼戻し)、及び管成形後の熱処理(焼鈍、焼きならし、焼戻し)を行うことなく鋼管を製造することが可能な製造方法を提供できる。




 

 


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