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鋼の連続鋳造用タンディッシュ - 日本鋼管株式会社
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発明の名称 鋼の連続鋳造用タンディッシュ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−43842
公開日 平成10年(1998)2月17日
出願番号 特願平9−123913
出願日 平成9年(1997)5月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高野 茂
発明者 清水 宏 / 井澤 智生 / 中田 正之 / 久保 典子 / 石井 俊夫 / 久保田 淳 / 鈴木 真
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 敷を取鍋からの溶鋼の注入点位置が鋳型への流出孔位置より高い形状とし、溶鋼の注入点周囲の敷に耐火物製の堰を設けた鋼の連続鋳造用タンディッシュにおいて、前記堰の高さが(1)式を満足することを特徴とする鋼の連続鋳造用タンディッシュ。
Ho≧ H≧ 0.6×{[1.312×(Q/R) 2 +1]1/2 −1 }……(1)
但し、(1)式において各記号は以下を表すものである。
H ;堰高さ(cm)
Ho;堰設置位置でのタンディッシュ内面高さ(cm)
Q ;タンディッシュへの最大溶鋼注入量(リットル/分)
R ;堰幅(cm)
【請求項2】 前記堰が切り欠けを有し、その切り欠け幅が(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造用タンディッシュ。
(20000×M)/(V×t 1 ×H)≦w≦ R×[1−(60 ×M)/(q×t 2 )]…(2)
但し、(2)式において各記号は以下を表すものである。
w ;切り欠け幅(cm)
H ;堰高さ(cm)
q ;タンディッシュへの平均溶鋼注入量(リットル/分)
R ;堰幅(cm)
V ;堰の切り欠けからの溶鋼の平均排出速度(cm/秒)
M ;堰内溶鋼が堰高さとなった時の堰内溶鋼量(リットル)
1 ;タンディッシュ内残溶鋼の湯面が堰下端位置の時点から排出完了するまでの所要時間(秒)
2 ;タンディッシュへの注入開始を起点とした設定時間(秒)
【請求項3】 前記堰が、切り欠けと貫通孔又は貫通孔を有しており、この貫通孔の少なくとも1つはタンディッシュの敷と接し、且つ、切り欠けと貫通孔又は貫通孔の総断面積が、(1)式に規定される堰高さと(2)式に規定される切り欠け幅との積として定まる総断面積と等しいことを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造用タンディッシュ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼の連続鋳造用タンディッシュに関し、詳しくは、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入開始直後に発生する溶鋼の飛沫を防止するためにタンディッシュ内に設ける堰の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの敷(敷とは内表面の底部をいう)は、鋳造終了時のタンディッシュ内残鋼量を少なくするために、一般に取鍋からの溶鋼注入点位置を、鋳型への流出孔位置より高い位置としている。そのため、タンディッシュへの注入開始直後には、注入点周囲は敷に衝突する注入流に常時曝されるので、溶鋼の飛沫(以下、「スプラッシュ」と記す)が発生し、そして、タンディッシュ内の溶鋼面が上昇して注入流の有するエネルギーを緩和しうる溶鋼深さになるまで継続する。
【0003】発生したスプラッシュは、溶鋼中に落下して再溶解し、或いはタンディッシュ側壁耐火物へ付着して溶鋼面の上昇に伴い再溶解する。更には、タンディッシュの上蓋裏面に付着堆積する。このスプラッシュは、比表面積が大きく、容易に雰囲気中の酸素と反応して酸素濃度が高くなり、これがタンディッシュ内溶鋼に再溶解するため、鋳造初期の鋳片品質を悪化させる一因となっている。
【0004】又、最近は耐火物コスト低減のため、使用済みタンディッシュを使用毎に冷間補修せず、例えば特開平8−1288号公報に開示されるように、タンディッシュの内面を補修することなく熱間状態で連続的に再使用する、所謂、熱間回転使用が実施されている。冷間補修では、タンディッシュ側壁及び上蓋裏面の付着地金は掻き落とす等して除去できるので、品質上および操業上の問題を生じることはない。これに対し、熱間回転使用の場合には、これらの部位の付着地金を効率よく除去する方法がなく、通常、ガスバーナーにより付着地金を溶融して排出する方法が用いられている。しかし、この方法では地金は溶融過程で酸化し、酸化物を多量に含む地金がタンディッシュ敷に付着・残留し、これが取鍋から受鋼した時点で再溶解するので、鋳造開始直後の鋳片品質は著しく悪化する。又、付着地金を放置すると、付着量が次第に増加して風袋でのタンディッシュ重量が増加し、所定量の溶鋼がタンディッシュ内に確保できず、最終的には操業不可能となる等、品質上および操業上の問題が生じる。そのため、これらの問題を解決する様々な方法が多数提案されている。
【0005】例えば、実開昭58−57356号公報(以下、「先行技術1」と記す)には、タンディッシュ内をAr等の不活性ガスで置換する技術が開示されている。先行技術1によれば、スプラッシュの酸化を防止でき、併せて、取鍋からの注入流及びタンディッシュ内溶鋼の酸化を防止できるので、清浄性の高い鋳片が得られるとしている。
【0006】又、特開昭64−34551号公報(以下、「先行技術2」と記す)には、ロングノズル直下のタンディッシュ敷に、ロングノズルの下端位置より高さが高い鉄板製の堰を設け、ロングノズルの下端を堰で溜めた溶鋼中に浸漬させて注入する方法が開示されている。先行技術2によれば、ロングノズルの先端が早期に浸漬されるので、スプラッシュの発生を抑え且つ空気酸化も防止され、又、鉄板製の堰は溶鋼の熱により溶けて消失するので、定常鋳造中は堰による上昇流がなく、湯面を浮遊するスラグの上昇流による巻き込みもないので、品質の良好な鋳片が得られるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1では、スプラッシュの酸化を防止することは可能だが、スプラッシュの発生を防止することはできない。又、先行技術2では、溶鋼が鉄板製堰により冷却され、溶鋼温度が低下して流出孔及び浸漬ノズルでのノズル詰まりの虞があり、又、堰高さの下限値が不明のため堰高さを過剰に高くする虞があると共に、長尺のロングノズルも必要のため、堰や耐火物コストのアップにつながる。更に、熱間回転使用のタンディッシュでは、高温のタンディッシュ内に堰を人手で設置することは困難で、堰を設置するための専用設備が必要となり、製造コストの上昇を招く。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは安価で且つ安定操業が可能となり、更に、熱間回転使用でも適用することができるスプラッシュの発生を防止するに好適な堰を有する連続鋳造用タンディッシュを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明による鋼の連続鋳造用タンディッシュは、敷を取鍋からの溶鋼の注入点位置が鋳型への流出孔位置より高い形状とし、溶鋼の注入点周囲の敷に耐火物製の堰を設けた鋼の連続鋳造用タンディッシュにおいて、前記堰の高さが(1)式を満足することを特徴とするものである。
Ho≧ H≧ 0.6×{[1.312×(Q/R) 2 +1]1/2 −1 }……(1)
【0010】但し、(1)式において各記号は以下を表すものである。
H ;堰高さ(cm)
Ho;堰設置位置でのタンディッシュ内面高さ(cm)
Q ;タンディッシュへの最大溶鋼注入量(リットル/分)
R ;堰幅(cm)
【0011】タンディッシュ敷の注入点近傍に背丈の高い堰を設ければ、堰より注入点側のタンディッシュ内(以下、堰より注入点側のタンディッシュ内を「堰内」と記す)に溶鋼が滞留して、スプラッシュの発生を防止することができるが、堰高さを過剰に高くすると堰を構成する耐火物費用が増加して合理的でなく、定常鋳造中に不要な溶鋼の上昇流を発生し品質を劣化させ、更に、堰内に滞留する溶鋼量が増えるので鋳造初期に堰にかかる溶鋼荷重が増加して、使用中に堰が倒れる可能性が高く、従って、堰はスプラッシュの発生を防止する最小の高さであることが必要である。
【0012】本発明者等は取鍋からタンディッシュに注入された溶鋼が注入点近傍に設けた堰を乗り越えず、堰内に滞留する最小の堰高さを求めるために、水モデル実験にて調査した。その結果、以下の3点が明らかとなった。
■:注入された水は、注入点で激しく雰囲気ガスを巻き込み、水の飛沫が発生する。
■:注入点位置だけが飛沫の発生位置でない。
■:注入された水がタンディッシュの敷を流れる時に、図2に模式的に示すような、流速が遅くなる部位で雰囲気ガスを巻き込み、所謂、跳水現象(Hydraulicjump)と呼ばれる水嵩が高くなる現象が発生する。
【0013】以上の調査結果から、跳水高さ以上の堰を設置すれば、注入された水が堰を乗り越えず、堰内に溜まり、水滴飛沫の発生を防止できると推定した。この跳水高さhは、図2に示すようにタンディッシュ敷を速度u、液膜厚dで水が流れる時、重力加速度をgとすると、フルード数の関数として(3)式で表されることは、例えばJ.R.D.Fancis等の「Civil Engineering Hydraulics,(1984年)289頁」にも記載されているように公知である。尚、(3)式において、Fr は堰上流側において(4)式で規定されるフルード数である。
h = (d/2)× [(8×Fr2 +1)1/2 −1] ……(3)
Fr=u/(g×d)1/2 ……(4)
【0014】(3)式よる跳水高さは、以下の手順で算出することができる。取鍋からのタンディッシュへの最大溶鋼注入量をQ(リットル/分)、堰幅をR(cm)、液膜厚をd(cm)、タンディッシュ敷の溶鋼流速をu(cm/秒)、重力加速度をg(cm/秒2 )とすると、タンディッシュ敷での溶鋼流速uは(5)式から求めることができる。
u = (1000×Q)/(60×R ×d) ……(5)
【0015】ここで、液膜厚dは本発明者等の溶融アルミニウムの実験結果から推定し、鋼の実機タンディッシュの場合では液膜厚dを1.2cmの一定値とした。重力加速度を980cm/秒2 として、求めた溶鋼流速uから(4)式によりフルード数Fr を算出し、更に(3)式にフルード数Fr を代入して、種々の注入量及び堰幅について跳水高さを算出することができる。尚、タンディッシュへの最大溶鋼注入量とは、鋳造開始時にタンディッシュに溶鋼を注ぎ上げる際の最大流量のことであり、最大溶鋼注入量から跳水高さを求める理由は、注入量が最大となるときに跳水高さが最大となるからである。
【0016】次に、(3)式の妥当性を、1/3規模の水モデル装置にて調査した。相似則の一致はフルード数相似である。フルード数相似とは、〔速度/(重力加速度×距離)1/2 =フルード数〕の値が、モデルと実機とで同一になる条件で実験を行うもので、従って、1/3モデル実験においては、相似則により、流速は実機の1/ 3、長さは1/3、面積は1/9、体積は1/27となる。ちなみに1/3モデルでの液膜厚は0.4cmとなる。
【0017】実機での堰幅Rは108cm、堰設置位置のタンディッシュ内面高さは90cm、鋳造開始時の取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入量は最大17トン/分である。この溶鋼注入量を溶鋼比重7.0g /cm3 で換算すると、最大溶鋼注入量Qは2429リットル/分となり、1/3モデルでは相似則より、タンディッシュへの最大注入量は155リットル/分と算出され、モデル実験での水の流量は155リットル/分の一定量とした。
【0018】1/3モデルでのタンディッシュの概略を図3に示す。図3に示すように、堰は注入点から流出孔側に20cm離れた位置にタンディッシュの全幅に渡って設置し、又、注入点は流出孔側と反対側のタンディッシュ壁面から15.5cm離れた位置である。実機に相当する堰幅は36cmとなるが、堰を設置する位置のタンディッシュ幅を30cm、35cm及び40cm、即ち堰幅を30cm、35cm及び40cmの3水準に変更し試験した。実機のロングノズルに対応する注入管の径は3cmΦである。このように設定したモデルで、堰高さHを8.5cmまで変更して、飛散する水滴の調査を行った。
【0019】飛散した水滴を集めて計量し、計量値を比較した。堰が無いときの飛沫発生量を1.0として、堰高さを変更した時の飛沫発生量を指数化して比較した結果を図4に示す。図4に示すように水モデル実験においては、堰高さを高くすると共に水の飛沫発生量が減少することが分かる。飛沫発生量指数が0.2以下を目標とすると、目標を達成する堰高さは、堰幅が30cmでは6.0cm以上、堰幅が35cmでは5.0cm以上、堰幅が40cmでは4.0cm以上となる。
【0020】又、最大溶鋼注入量Qを155リットル/分とし、堰幅が30cm、35cm、及び40cmの3ケースについて、(5)式からタンディッシュ敷での流速を求め、更に(4)式からフルード数を求め、求めたフルード数を(3)式に代入して、モデル実験における跳水高さhを算出した。算出結果は、堰幅が30cmの時にh=5.95cm、35cmの時にh=5.07cm、40cmの時にh=4.42cmとなり、この算出した値を図4に併せて記した。すると、図4に示すように水モデル実験による飛沫発生量0.2以下となる堰高さは、(3)式の算出値と良く一致することが分かる。即ち、堰高さを(3)式で求めた跳水高さより高くすると飛沫の発生を防止できること、しかも堰高さが跳水高さを超える範囲では飛沫防止効果はそれ以上は改善しないことが確認できた。
【0021】以上の水モデルの結果が、実機の溶鋼の場合にも同様に適用できるものとして、液膜厚dを1.2cmの一定とし、(5)式の速度、及び(4)式のフルード数を(3)式に代入すると、実機における溶鋼での跳水高さhを推定する式が(6)式として得られる。
h= 0.6×{[1.312×(Q/R) 2 +1]1/2 −1 } ……(6)
【0022】設置する堰高さHが、(6)式から求めた跳水高さh以上であれば跳水による堰からの流出を防止し、堰内に溶鋼を滞留させることができるので、こうして堰高さの下限値を決める(1)式の右辺不等式が導かれる。
【0023】注入流の有するエネルギーを緩和するだけの滞留量を確保できれば、堰の目的は達成される。水モデルの結果でも堰高さを(3)式で算出される跳水高さ以上としても飛沫発生の防止効果はそれ以上は改善しないので、堰高さHは、(6)式で算出される跳水高さより大幅に高くする必要はなく、最大でも堰を設置した位置のタンディッシュ内面高さ(Ho)の1/2以下で十分である。更に、望ましくは(6)式の値より10cm以内に抑えることが、耐火物コスト的にも不要な溶鋼の上昇流を抑えるためにも、又、堰の倒壊を防止するためにも望ましい。
【0024】第2の発明による鋼の連続鋳造用タンディッシュは、第1の発明による鋼の連続鋳造用タンディッシュにおいて、堰が切り欠けを有し、その切り欠け幅が(2)式を満足することを特徴とするものである。
(20000×M)/(V×t 1 ×H)≦w≦ R×[1−(60 ×M)/(q×t 2 )]…(2)
【0025】但し、(2)式において各記号は以下を表すものである。
w ;切り欠け幅(cm)
H ;堰高さ(cm)
q ;タンディッシュへの平均溶鋼注入量(リットル/分)
R ;堰幅(cm)
V ;堰の切り欠けからの溶鋼の平均排出速度(cm/秒)
M ;堰内溶鋼が堰高さとなった時の堰内溶鋼量(リットル)
1 ;タンディッシュ内残溶鋼の湯面が堰下端位置の時点から排出完了するまでの所要時間(秒)
2 ;タンディッシュへの注入開始を起点とした設定時間(秒)
【0026】堰に切り欠けが無いと、鋳造終了時に堰内に溶鋼が残留して、鋼歩留りが低下する。しかし切り欠け幅が大きすぎると、鋳造開始時に堰内に溶鋼が溜まらず、スプラッシュの発生が防止できない。本発明者等は、堰に最適幅の切り欠けを設ければ、この問題は解決されると推定し、検討して水モデルで確認した。
【0027】〔切り欠け幅の最小値の検討〕切り欠け幅の最小値は、鋳造終了時に堰内に溶鋼が残らないようにすることから求めることができる。そこで、鋳造終了時に堰内に溶鋼が残らない条件を、以下のように考えた。
【0028】溶鋼が堰の切り欠けから排出する状態を図5に示すように仮定した。切り欠けからの排出速度は堰内の溶鋼高さZにより生ずる静圧差による速度とする。すると排出速度は、堰内の溶鋼高さZが最大のHの時に最大となり、堰内に溶鋼が無くなると最小の零となる。堰からの溶鋼排出速度はこれらの平均値で代表されると仮定し、略平均値となる堰内溶鋼高さZが〔堰高さH×1/2〕となる時の排出速度を平均排出速度Vとした。又、排出する断面積は、堰内の溶鋼高さZの1/10の高さと、切り欠け幅wとで形成する断面積とした。すると排出中の堰内の溶鋼高さZの平均値は〔堰高さH×1/2〕となるので、排出断面積の平均値は〔(堰高さH×1/20)×切り欠け幅w〕となる。
【0029】そして、堰内溶鋼は、図3に示すタンディッシュ内残溶鋼の湯面が堰下端位置の時点から鋳型に排出完了するまでの所要時間以内に、堰から排出しなければならないと仮定した。すると、堰の切り欠けからの溶鋼の平均排出速度をV(cm/秒)、切り欠け幅をw(cm)、タンディッシュ内残溶鋼の湯面が堰下端位置の時点から排出完了するまでの所要時間(以下、「所要時間」と記す)をt1 (秒)、堰内溶鋼が堰高さとなった時の堰内溶鋼量をM(リットル)とすると、t1 時間内に堰内溶鋼量Mは、断面積〔(堰高さH×1/20)×切り欠け幅w〕を平均排出速度Vにて、堰外に流出してしまわなければならない。これを式で示すと(7)式が得られる。
1000×M ≦( V×w ×H ×t 1 )/20 ……(7)
【0030】(7)式を変形すれば、(2)式の左辺不等式が得られ、切り欠けの最小値を求めることができる。尚、切り欠けが複数ある場合は切り欠け幅wは、それら複数の幅を合計した値となる。
【0031】〔切り欠け幅の最大値の検討〕鋳造開始時に堰内に溶鋼を速やかに溜めるには、切り欠け幅を余り大きくしては良くない。そこで、切り欠けがあった状態でも堰内に溶鋼が滞留する状況を以下のように仮定した。
【0032】堰の有無に関わらず、タンディッシュ敷を通過する単位幅当たりの溶鋼速度は一定であるとする。即ち、切り欠け幅を差し引いた堰幅に比例して溶鋼は堰内に滞留するものとする。この前提のもとで、堰内溶鋼が堰高さとなった時の堰内溶鋼量をM(リットル)、ロングノズルからのタンディッシュへの平均溶鋼注入量をq(リットル/分)、堰幅をR(cm)、切り欠け幅をw(cm)、タンディッシュへの注入開始を起点とした設定時間(以下、「設定時間」と記す)をt2 (秒)とすると、t2 時間内に堰内に溶鋼をM以上溜めなければならない。これを式で示すと(8)式が得られる。
M≦ (q/60) ×[(R −w)/R]×t 2 ……(8)
【0033】(8)式を変形すると(2)式の右辺不等式が得られ、切り欠けの最大幅を求めることができる。鋳造開始時期のタンディッシュへの溶鋼注入量として平均値を用いる理由は、堰内に所定量の溶鋼を溜めるためには、最大値でも最小値でも、正確さに欠けるからである。
【0034】〔水モデルの結果〕(2)式の妥当性を1/3規模の水モデル装置にて調査した。相似則の一致はフルード数相似にて行った。1/3のタンディッシュは図3に示すもので、堰高さを検討したものと同一であり、堰幅も30cm、35cm、及び40cmの3水準で実施した。但し、堰高さは各水準とも5cmの一定とした。
【0035】実機でのタンディッシュへの平均溶鋼注入量qは1429リットル/分(10トン/分)であり、1/3モデルでは92リットル/分になる。実機での所要時間t1 は、タンディッシュ内残溶鋼が40トンで、鋳造終了時4トンを残し鋳造終了し、鋳造速度が7トン/分であるので、309秒となる。1/3モデルでは、相似則により所要時間は実機の所要時間t1 の1/ 3、即ち、178秒となるので、所要時間が178秒となるように流出孔からの排水量を制御した。
【0036】設定時間t2 は実機でのスプラッシュ発生状況から決定した。図6は堰を設置していないタンディッシュへの鋳造開始から5秒毎にスプラッシュ発生状況を調査した結果である。図6より時間が経過すると共に、単位時間当たりに発生するスプラッシュ量は減少し、スプラッシュ発生は注入開始後20秒前後までが多いことが分かる。従ってスプラッシュの発生を防止するためには、注入開始後20秒よりかなり速い時期に、堰内に溶鋼を所定量滞留させる必要があり、従って、本発明では設定時間を10秒とした。スプラッシュ発生の時間は、溶鋼の注入量、タンディッシュ形状により異なるので、設定時間は各連続鋳造機にて、スプラッシュ発生状況を調査して決めることが望ましいが、10秒とすればすべての連続鋳造機に適用できる。尚、1/3モデルの場合での設定時間は、相似則により実機の設定時間の1/ 3、即ち、5.8秒となる。
【0037】上記の条件で1/3の水モデルにおいて、注入点周囲に切り欠け幅の異なる堰を設置して、水の飛沫発生量、及び鋳造末期の堰内残水量の調査を行った。調査結果を図7及び図8に示す。図7は鋳造終了時の堰内残水量を調査した結果で、図8は鋳造初期の飛沫の発生量を調査した結果である。図7より切り欠け幅の最小値は、堰幅が小さい程小さくなるが、最小幅を2cm以上とすれば堰幅40cmまでの水モデル実験では、残水量を零とすることができる。又、図8より飛沫の発生量指数が0.2となる切り欠け幅の範囲は、堰幅30cmで12cm以下、堰幅35cmで10cm以下、堰幅40cmで8cm以下となり、それ以上では飛沫発生量が増加することが分かる。
【0038】又、1/3モデルでの堰内容積と平均排出速度とを算出し、これらの算出値と上記の条件とから、(2)式により1/3モデル実験における切り欠けの最小幅と最大幅とを算出すると、最小幅は堰幅が30cmで1.7cm、堰幅が35cmで2.0cm、堰幅が40cmで2.3cmとなり、又、最大幅は堰幅が30cmで12.0cm、堰幅が35cmで10.5cm、堰幅が40cmで7.9cmとなった。
【0039】図7及び図8には、これらの算出値も記入されており、これらの算出値より、水モデルでの実験結果の方が、目的を満たす範囲はやや広いものの、(2)式による範囲は水モデルの結果の範囲内であり、少なくとも(2)式の範囲内であれば、鋳造開始時のスプラッシュを防止し、且つ鋳造終了時に堰内に残鋼の発生を防止できることが分かる。
【0040】第3の発明による鋼の連続鋳造用タンディッシュは、第1の発明による鋼の連続鋳造用タンディッシュにおいて、前記堰が、切り欠けと貫通孔又は貫通孔を有しており、この貫通孔の少なくとも1つはタンディッシュの敷と接し、且つ、切り欠けと貫通孔又は貫通孔の総断面積が、(1)式に規定される堰高さと(2)式に規定される切り欠け幅との積として定まる総断面積と等しいことを特徴とするものである。
【0041】発明者らは、切り欠けの他に貫通孔を有する堰についても、1/3の水モデルを用いて、水の飛沫発生量及び鋳造末期の堰内残水量の調査をおこなった。堰幅は35cm、堰高さは(1)式の下限値である5cmとした。水モデルにおける条件は上記の切り欠け幅の最小値、最大値を検討した条件と同一である。
【0042】図9に示すタイプBとタイプCの2種類の切り欠けと貫通孔を堰に設けた。タイプBは、流路として同一の幅を有した切り欠けを2つと、1つの切り欠けの断面積と等しい断面積を有する貫通孔を中央部に設け、タイプCは、同一の幅を有した切り欠けを2つと、1つの切り欠けの断面積の1/2と等しい断面積を有する貫通孔を中央部に2つ設けており、これらの貫通孔はタンディッシュ敷に接している。そして、試験は貫通孔の断面積が常に総断面積の1/3となるようにして行なった。図9に示すタイプAは、比較のために用いた堰で、流路として切り欠けのみ3つ設置した場合で、3つの切り欠けの幅を等しくしている。
【0043】水モデルによる調査結果を図10及び図11に示す。図10は鋳造終了時の堰内残水量を調査した結果で、図11は鋳造初期の飛沫の発生量を調査した結果である。図10より、タイプB及びタイプCはタイプAより堰内残水の排出効率がよいことが分かる。これは、タイプB及びタイプCでは敷と接する貫通孔からの排出効率がよいためである。そして、(2)式による切り欠けの最小幅は前述のように2.0cmであるので、堰高さと切り欠けの最小幅との積として定まる計算最小断面積は10cm2 となり図10に併せて示しているが、図10に示すように、堰に設ける切り欠けと貫通孔との総断面積を計算最小断面積以上にしておけば、鋳造終了時に堰内に残鋼の発生を防止できることが分かる。
【0044】又、図11に示すように、タイプB及びタイプCでは、タイプAと比べて、流路の総断面積が大きくなるに従い水の飛沫発生量が大きくなったが、堰高さ(5cm)と(2)式による切り欠けの最大幅(10.5cm)との積として定まる計算最大断面積(52.5cm2 )以下では、水の飛沫発生量に大差ないことが分かる。これは、流路の総断面積が大きくなると、貫通孔の幅(w3 ′、w3 ″、w4′)を高さ(H′)に比較して大きくする必要があるために貫通孔からの流出量が多くなるが、計算最大断面積付近では切り欠けと同一な寸法の貫通孔を設けることができるからである。このように、堰に設ける切り欠けと貫通孔との総断面積を計算最大断面積以下にしておけば、鋳造開始時のスプラッシュを防止できることが分かる。
【0045】即ち、切り欠けと貫通孔又は貫通孔の総断面積が、(1)式に規定される堰高さと(2)式に規定される切り欠け幅との積として定まる切り欠けの総断面積と等しくすれば、鋳造終了時での堰内残鋼の発生を防止でき、且つ、鋳造開始時のスプラッシュを防止できる。貫通孔と敷とを接する目的は、鋳造終了時に堰内に残溶鋼を残さないためである。
【0046】
【発明の実施の形態】図1にて本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は本発明にかかるタンディッシュの正面図、図1(b)及び図1(c)は、図1(a)のX−X断面図であり、図1(b)は堰に切り欠けのみ設置した場合、図1(c)は堰に切り欠けと貫通孔とを設置した場合である。図において、1はタンディッシュ、2は耐火物製の堰、3は取鍋からの注入点、4は流出孔、5は堰の切り欠け、6はロングノズル、7は浸漬ノズル、8はタンディッシュの上蓋、9は取鍋、10は鋳型、11は溶鋼、12は敷、13は貫通孔である。タンディッシュ1の敷12は注入点3の位置が流出孔4の位置よりも高く、タンディッシュ1全体でみれば、注入点3側から流出孔4側に傾斜している。w1 、w2 、w3 は切り欠け5の幅、w3 ′は貫通孔13の幅である。
【0047】取鍋9からの溶鋼11の注入流はロングノズル6を介して注入点3に落下し、堰2内に滞留し、滞留した溶鋼11は堰2をオーバーフローし、流出孔4より浸漬ノズル7を介して鋳型10に鋳造される。鋳造開始時には、堰2内に溶鋼11を滞留させ、注入流の落下するエネルギーを緩和してスプラッシュの発生を防止し、鋳造末期には、堰2の切り欠け5及び貫通孔13から堰2内の溶鋼11は排出される。このようなタンディッシュ1の構造において、本発明の諸元は以下の手順で決定される。
【0048】〔手順1〕;堰2の設置位置を決める。堰2は注入点3から任意の位置に設置することが可能であるが、堰2内に迅速に溶鋼11を滞留させるためには、注入点3からの距離(図1に示すJの距離)を、30cmから100cmの範囲とすることが望ましい。30cm未満の場合、注入流のエネルギーを緩和するには堰2内の溶鋼滞留量が不足し、又、100cmを超える場合は滞留する溶鋼11の上昇速度が遅くなり、スプラッシュの発生防止が遅れて都合が悪い。堰2の設置位置が決まると、堰幅R、及び、鋳造末期のタンディッシュ1内溶鋼レベルが堰2の下端位置となる時のタンディッシュ1内の残溶鋼量が定まる。この残溶鋼量と、鋳型への鋳造量とから、所要時間t1 が決定する。又、設定時間t2 は、使用するタンディッシュ1によりスプラッシュ発生期間が異なるので、堰2を使用しない鋳造でのスプラッシュ発生状況を調査して決めることが望ましいが、設定時間を10秒とすれば、殆どのタンディッシュ1に問題なく適用できる。
【0049】〔手順2〕;鋳造開始時のタンディッシュ1への溶鋼注入量はタンディッシュ1の容量により異なるので、使用するタンディッシュ1での溶鋼注入量を把握する。この時、タンディッシュ1への最大溶鋼注入量Qと、平均溶鋼注入量qとを区別して把握する。注入量が安定して一定の場合には、最大値と平均値とを同一とすることができる。
【0050】〔手順3〕;上記の条件から先ず、堰高さHの下限を(1)式右辺より算出する。そして、設置する堰2の高さを、(1)式右辺を満足し、且つ堰2の設置位置のタンディッシュ1の内面高さの1/2以下となる任意の高さに決める。
【0051】〔手順4〕;堰高さHを決めると、図1に示す距離k及び距離jから堰内溶鋼量Mが求まる。又、堰高さHが決まることで、堰2からの平均排出速度Vを堰2の1/2高さでの値として算出する。
【0052】〔手順5〕;以上の条件を(2)式に代入して、切り欠け幅の最小値と最大値を算出し、切り欠け幅wを最小値と最大値の間の任意の値として決める。そして、切り欠け5のみ設置する場合には、決めた切り欠け幅wから、切り欠け5の数、及び切り欠け5の設置位置を任意に決め、堰2に設置する。図1(b)では切り欠け5の数を3とし、堰2の中央と両サイドとに設置した場合である。又、切り欠け5と貫通孔13とを設置する場合には、設定した堰高さHと、設定した切り欠け幅wとの積を算出し、堰に設ける切り欠け5と貫通孔13の総断面積が、堰高さHと切り欠け幅wとの積と等しくなるように、切り欠け5と貫通孔13の個数及び各断面積を任意に決め、堰2に設置する。その際に、貫通孔13の少なくとも1つは、タンディッシュ1の敷12に接して設ける。
【0053】〔手順6〕;このようにして、定めた堰高さH、及び、切り欠け5又は切り欠け5と貫通孔13とを有する堰2をタンディッシュ1に設置して、鋳造を開始する。
【0054】上記では、貫通孔13のみ設置した場合の説明を省略したが、その場合には〔手順5〕の切り欠け5と貫通孔13とを設置した場合に準じて行なえばよい。尚、図1は単ストランドのタンディッシュ1であるが、2以上の多ストランドで、注入点3を挟み両方に鋳型10への流出孔4を備えたタンディッシュ1の場合には、注入点3を挟み両方に堰2を設置することで本発明の適用が可能である。
【0055】
【実施例】図1に示す構成のタンディッシュにおいて、堰に切り欠けのみ3つ設置したタイプAの堰形状(実施例1)と、切り欠け及び貫通孔を設けたタイプBの堰形状(実施例2)にて本発明を実施した。鋳造した溶鋼は、1ヒート250トンの炭素が0.04wt%以下の低炭素アルミキルド鋼で、2ヒート以上連続して鋳造した。タンディッシュ容量は80トン、取鍋からの注入点は、流出孔と反対側のタンディッシュ側壁から46cmの距離(図1の距離k)、堰は注入点より60cm流出孔側に離れた距離(図1の距離j)として、堰の幅Rは108cm、タンディッシュ内溶鋼レベルが堰下端位置となる時のタンディッシュ内残溶鋼量は40トンとなる。堰設置位置でのタンディッシュ内面高さは90cmである。鋳造開始時のタンディッシュへの溶鋼注入量の最大値Qは2426リットル/分、平均値qは1429リットル/分である。又、鋳造末期はタンディッシュ内残鋼4トンで鋳造を終了し、残溶鋼の鋳型への鋳造量は平均7トン/分であるので、所要時間t1 は309秒である。スプラッシュ発生を極力抑えるために、設定時間t2 は10秒と決めた。
【0056】これらの条件から堰の高さHを(1)式から求めると、堰高さは14.9cmが得られる。この計算値から、タンディッシュ堰高さを15cmと決めた。そして、タンディッシュ堰高さから、堰内溶鋼が堰高さとなった時の堰内溶鋼量Mは169リットルと求まり、又、堰の高さから、堰からの平均排出速度Vは121cm/秒と算出できる。
【0057】以上の条件で(2)式から切り欠け幅の最小値、最大値を求めると、切り欠けの最小値は6.0cm、最大値は31.4cmが得られ、本実施例では切り欠け幅wを30cmと設定した。実施例1では、堰の中央と両サイド側にそれぞれ10cmずつ切り欠けを設けた。実施例2では、両サイド側にそれぞれ10cmずつの切り欠けと、中央部に幅15cm、高さ10cmの貫通孔を敷に接して設置した。堰の材質はハイアルミナ煉瓦である。又、比較のために、堰を設置しない鋳造(従来例)を、堰以外の条件を実施例と同一として実施した。尚、タンディッシュ内は不活性ガスによる置換を行っておらず、2ヒートの連続連続鋳造では、鋳型内溶鋼通過量が約170トン経過した時点から取鍋交換が行なわれる。鋳造中及び鋳造後の調査から得られた結果を以下に示す。
【0058】図12には鋳造状況を撮影し、画像解析処理して得られたスプラッシュ発生頻度の結果を、従来例を1とした指数の比較として示す。従来例を1とした場合、実施例1では0.22、実施例2では0.20となり、従来例に比較して、本実施例では明らかにスプラッシュ発生頻度が減少した。
【0059】図13にタンディッシュ内への溶鋼注入開始からの溶鋼成分のsol.〔Al〕、全酸素量(T〔O〕ともいう)、及び全窒素量(T〔N〕ともいう)の推移を鋳型内から分析試料を採取して調査した結果を示す。図より本実施例では、従来例と比較して、注入開始時期でのsol.〔Al〕の減少も少なく、又、全酸素量、全窒素量のピックアップも減少していた。これは、本実施例の場合は湯溜まりが早期にできて、タンディッシュ内での酸化が減少したためである。又、鋳造開始後鋳型内溶鋼通過量が40トンから170トンまでの期間、所謂定常鋳造部における全酸素量も明らかに本実施例の方が少ない。これは堰を設置したことによりタンディッシュ内での非金属介在物の浮上が促進されたためである。更に、取鍋交換時(鋳型内溶鋼通過量が170トン以降)の全酸素量も、本実施例の方が少ない。これは取鍋交換時のタンディッシュ内溶鋼量低下に伴い発生するタンディッシュ内溶鋼の短絡流が堰により抑制されたためである。
【0060】図14には鋳片から検鏡試料を採取して、鋳型内溶鋼通過量による鋳片の非金属介在物発生量指数の推移を調査した結果を示す。実施例では注入開始直後(鋳型内溶鋼通過量0〜40トン)、定常部(鋳型内溶鋼通過量40〜170トン)、取鍋交換部(170〜250トン)での介在物発生指数が、何れも従来例の1/2以下で、従来例より良好であった。
【0061】図15には付着地金を除去せず放置した熱間回転使用タンディッシュにおける、鋳造ヒート数によるタンディッシュ風袋重量の推移を従来例と実施例について比較したものを示す。実施例では400ヒート使用後の風袋重量変化は10トンであるに対し、従来例では150ヒートで12トンとなり、従来例と比較して実施例ではタンディッシュの風袋重量の変化が小さい、即ちスプラッシュ起因の地金付着が抑制されたことが分かる。
【0062】図16は、実施例と従来例とで得られた鋳片を薄鋼板に圧延し、薄鋼板における非金属介在物による製品欠陥発生率を、鋳造開始初期における鋳片(鋳造開始部鋳片)、定常部鋳片、及び取鍋交換部鋳片に分類して、比較した図である。実施例では従来例の1/2の製品欠陥発生率で、本発明により製品欠陥率が低下し歩留りが向上することを示している。
【0063】又、本発明によれば、熱間回転使用タンディッシュの使用回数は400回を超えて連続して使用可能であるが、従来法では風袋重量が増加するので、連続使用は高々200回であった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、取鍋からタンディッシュへの注入開始直後に発生するスプラッシュを軽減できるので、鋳造開始直後の溶鋼酸化を抑制し、品質の優れた鋳片を製造することができる。又、スプラッシュによるタンディッシュ内面、上蓋裏面への地金付着が低減し、熱間回転使用のタンディッシュにおいてはタンディッシュの連続使用回数が向上して耐火物の延命が図れる。更に、堰によりタンディッシュ内での非金属介在物の浮上・分離が促進され、定常部及び取鍋交換部鋳片においても清浄性を高めることができる。




 

 


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