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発明の名称 加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−34201
公開日 平成10年(1998)2月10日
出願番号 特願平8−196272
出願日 平成8年(1996)7月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】細江 利昭
発明者 有泉 孝 / 勝村 龍郎 / 板倉 孝 / 庄田 順一 / 中込 理欧 / 穴井 秀徳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】以下に示す工程を備えることを特徴とする加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
(a)Cr含有鋼の丸鋳片を連続鋳造により製造する工程(b)凝固完了後の前記丸鋳片を、直ちに長さ方向に一定の間隔で切断して、丸ビレットにする工程(c)前記丸ビレットに、直径方向に圧下を加える偏平化の圧下を行い、偏平化した丸ビレットにする工程(d)前記偏平化した丸ビレットに、最大径の方向に圧下を加える再真円化の圧下を行い、縮径した丸ビレットにする工程(e)前記工程(c)および工程(d)を合わせて均質化の圧下とし、それを、さらに1回以上繰り返す工程。
【請求項2】工程(c)および工程(e)の偏平化の圧下を、フラットロール、フラットオーバル孔型を有するロール、または、オーバル孔型を有するロールの内の少なくとも1つを用いて行い、工程(d)および工程(e)の再真円化の圧下を、ラウンド孔型を有するロールを用いて行う請求項1に記載のCr含有鋼の加工性の良い継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
【請求項3】フラットな面、フラットオーバル孔型、または、オーバル孔型の内の少なくとも1つと、ラウンド孔型とを2組以上備えたロールにより、工程(c)および工程(e)の偏平化の圧下を、フラットな面、フラットオーバル孔型、または、オーバル孔型の内の少なくとも1つで行い、工程(d)および工程(e)の再真円化の圧下を、ラウンド孔型により行う請求項1に記載のCr含有鋼の加工性の良い継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Cr含有鋼のマンネスマン法(以後、マンネスマン法と記述した場合は、マンネスマン穿孔に続く、圧延、定型化のプロセスも含む継目無鋼管の製造のプロセス全体を指すものとする。)による継目無鋼管の製造に用いる、連続鋳造(以後、単に鋳造と記す。)丸ビレットの製造方法に関し、特に、センターポロシティ(以後、単にポロシティと記す。)および、偏析を消滅させて内部品質を向上させることにより、マンネスマン穿孔時に疵が発生しない、加工性の良好な丸ビレットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管は、鋳造により直接(丸ビレットにする過程で再加熱を行わない。)製造した丸ビレットや、鋳造スラブやブルームを分塊圧延して製造した丸ビレットを用い、マンネスマン穿孔、プレス穿孔または押し出し穿孔等により、中空の素管とし、その後に、エロンゲーター、プラグミル、マンドレルミル等の圧延機により延伸し、最終的には、サイザーやストレッチレデューサーによる定径化のプロセスを経て製造される。
【0003】炭素鋼の様に鋳造が技術的に容易であり、かつ、その鋳片の熱間加工性が良好な鋼種の場合は、鋳造ままの丸ビレットを用いてマンネスマン法により、良好な内面性状の継目無鋼管が得られる。
【0004】一方、鋳造時に軸芯部にポロシティや偏析の発生が著しく、そのままでは熱間加工性の劣るCr含有鋼の素管の製造においては、鋳造後に分塊圧延によって軸芯部のポロシティや偏析をなくした丸ビレットを製造し、マンネスマン穿孔を行なうことが一般的である。
【0005】Crの含有量の多い鋼の、鋳造ままの丸ビレットの熱間加工性が劣る主な原因は、Cr量の増加により鋳片の軸芯部にポロシティや偏析が発生しやすくなることによる。この、ポロシティの発生原因は、炭素鋼に比較して溶鋼の粘度が高いために、鋳造の最終凝固段階において生じる空隙に、溶鋼が供給され難いためとされている。
【0006】図8は、溶鋼中のCrの含有量と溶鋼の粘度との関係を示す図である、溶鋼中のCr量が増すと共に粘度は上昇し、13%(重量%、以下も同様)前後でピーク値を示している。なお、ポロシティの発生はCr量が0.5%以上になると問題になり始めることが知られている。
【0007】この様な内部に欠陥を含む鋳造ままの丸ビレットを用いて、マンネスマン法により継目無鋼管を製造する場合は、穿孔時に、圧縮力、剪断力、引張り力が複雑に作用する過酷な加工を受けるため、軸芯部のポロシティが起点となり、管の内面に疵が発生する。その結果、歩留りが低下し、また、疵の手入れによる生産能率の低下もあり、製造コストが上昇する。
【0008】鋳造ままの丸ビレットの内部品質の改善には、溶鋼を電磁攪拌して最終凝固部分である鋳片の中心部分を、等軸晶で満たしてポロシティを減少させる方法が知られている。しかし、この方法のみではポロシティの発生を、完全に防止することはできない。
【0009】特公昭59−16862号公報には、ロールにより凝固末期の鋳片に凝固収縮分に相当する量の軽度の圧下を加えて、ポロシティの発生を防止する技術が示されている。しかし、「材料とプロセス誌、第7巻、第1号、195頁、1994年発行」における、SUS410鋼のフラットロールによる軽圧下の例に見られる様に、この技術によって完全にポロシティをなくすことは困難である。(掲載のミクロ写真にも軸芯部に若干のポロシティが認められる。また、軸芯部の密度は健全部分の99%以下である。)
【0010】この例の様に、丸ビレットを平ロールで圧下すると、当然圧下部の断面形状は偏平化し、結果として、継目無鋼管には偏肉が発生する。ポロシティの圧着効果を高めるために圧下量を増すと、形状はさらに偏平化し、丸ビレットを転がせて搬送することも難しくなる。また、穿孔時のミルへの噛み込みが不安定になり、疵の発生率も高くなる。丸ビレットの中心部に割れが発生することも問題である。
【0011】これらの問題を解決するため、たとえば特開平7−108358号公報には、楕円形の孔型の鋳型を用いて、断面形状が楕円の鋳片を製造し、楕円の長軸方向に圧下する技術が提案されている。この方法によると、真円に近い断面形状の、圧下を受けた丸ビレットが得られる。
【0012】しかし、楕円形の鋳型を用いると、真円の場合に比較して鋳造時の湯流れが不均一に成りやすく、それに起因する湯面の変動やパウダーの巻き込みにより、鋳片には新たな欠陥が発生する。
【0013】鋳造中の鋳片に対して大きな圧下を加え、鋳片の内部品質を向上させる技術が「材料とプロセス誌、第7巻、第1号、179頁、1994」や、特開平63−183765号公報に開示されている。このインラインリダクション法は、鋳造中に行なうため、当然、再加熱が不要であり、またポロシティの圧下消滅の効果も大きい。しかし、設備費が著しく高く経済的でない。
【0014】なお、「鉄と鋼誌、第60巻、第7号、875頁、1974」にも、インラインリダクション法として、同様の技術が示されているが、この方法は矩形断面のブルームやビレットを対象とした技術であり、本発明が目指すところの、Cr含有鋼の丸鋳片に適用するには問題が多い。
【0015】この様な事情にあるため、鋳造まま(再加熱を行わない。)の丸ビレットを用いて、マンネスマン穿孔を行うと疵の発生が懸念される、Cr含有鋼の継目無鋼管の製造においては、内部品質を向上させるために再加熱し、圧延して製造した丸ビレットを用いることが不可欠とされてきた。
【0016】そして、この方向での製管時の疵の発生を回避する方法が引続き模索されている。たとえば、特開平7−136702号公報には、大断面のブルームを鋳造した後に、加熱し、大きな圧下を加えることにより、加工性の良好な高Cr鋼の継目無鋼管用の丸ビレットが得られるとされている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた様に、Cr含有鋼においてマンネスマン法による継目無鋼管の製造に用いる丸ビレットの内部品質を向上させる方法は、従来からの方法である加熱−分塊圧延の方法か、鋳造時に大きな圧下を行う方法(インラインリダクション法)か、特殊な形状の鋳型を用い、軽圧下する方法かに絞られるが、おのおの、運転費が高い、設備費が過大、能率が低い等の欠点を有している。
【0018】本発明は、このような事情に鑑み、Cr含有鋼において、鋳造ままの丸ビレットを用いてマンネスマン法により継目無鋼管を製造した場合も、内面傷の発生の少ない、簡便かつ経済的な製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問題点を解決するため、Cr含有鋼の鋳造直後の高温の丸ビレットに、簡便でしかも効果的な圧下を加える方法を種々検討し、本発明を完成させたものである。本発明の完成により、鋳片中に発生したポロシティや偏析を消滅させてその内部品質を向上させ、マンネスマン穿孔時に内面疵の発生が少ない加工性の良好な丸ビレットを得ることが可能となった。
【0020】第1発明は、以下に示す工程を備えている、加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0021】(a)Cr含有鋼の丸鋳片を連続鋳造により製造する工程(b)凝固完了後の前記丸鋳片を、直ちに長さ方向に一定の間隔で切断して、丸ビレットにする工程(c)前記丸ビレットに、直径方向に圧下を加える偏平化の圧下を行い、偏平化した丸ビレットにする工程(d)前記偏平化した丸ビレットに、最大径の方向に圧下を加える再真円化の圧下を行い、縮径した丸ビレットにする工程(e)前記工程(c)および工程(d)を合わせて均質化の圧下とし、それを、さらに1回以上繰り返す工程また、第2発明は、第1発明において、工程(c)および工程(e)の偏平化の圧下を、フラットロール、フラットオーバル孔型を有するロール、または、オーバル孔型を有するロールの内の少なくとも1つを用いて行い、工程(d)および工程(e)の再真円化の圧下を、ラウンド孔型を有するロールを用いて行うCr含有鋼の加工性の良い継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0022】また、第3発明は、第1発明において、フラットな面、フラットオーバル孔型、または、オーバル孔型の内の少なくとも1つと、ラウンド孔型とを2組以上備えたロールにより、工程(c)および工程(e)の偏平化の圧下を、フラットな面、フラットオーバル孔型、または、オーバル孔型の内の少なくとも1つで行い、工程(d)および工程(e)の再真円化の圧下を、ラウンド孔型により行うCr含有鋼の加工性の良い継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0023】本発明は、Crを含有する鋼を対象としている。Crを含まない場合は溶鋼の粘度が低くポロシティが発生しにくく、また、偏析も小さいため本発明の方法を用いた場合の効果は小さい。
【0024】本発明は、外径が170〜340mmφの丸ビレットに適用した場合に、その効果が特に大きく現れる。丸ビレットの外径が170mmφ未満の場合は、凝固時の収縮量が小さくポロシティが発生しにくい。また、偏析も小さく、本発明の方法を採用しても得られる効果は大きくない。一方、340mmφを越える場合は、軸芯部に溶鋼が補給されやすくなり、ポロシティの発生は少なくなり、やはり、本発明を採用する意味が小さくなる。
【0025】本発明では、偏平化の圧下および再真円化の圧下を1組(これを均質化の圧下とし、以後、単に圧下と略す。また、均質化の圧下を加えることを、単に圧下する、または、圧下時等と記す。なお、偏平化の圧下や再真円化の圧下、フラットロールによる圧下等における圧下は、もちろん、均質化の圧下ではない。)とし、比較的簡単な設備により、これを2回以上丸ビレットに加える。圧下する工程は、丸鋳片を切断して丸ビレットにした後である。1回の圧下中での偏平化の圧下と再真円化の圧下では、おのおのの圧下の方向は互いに直角である。
【0026】偏平化の圧下に用いるロールは、フラットロール、2)フラットオーバル孔型ロール、または、3)オーバル孔型ロールである。図2、図3、図4に、これらのロールにより偏平化の圧下を受けたビレット断面を示す。
【0027】再真円化の圧下に用いるロールは、ラウンド孔型ロールであり、偏平化した丸ビレットに対して、最大径の方向に圧下を加え、縮径して再度、真円断面の丸ビレットとする。図5に、ラウンド孔型ロールにより再真円化の圧下を受けたビレット断面を示す。
【0028】偏平化の圧下にフラットオーバルやオーバルの孔型を有するロールを用いる場合は、圧下が丸ビレットの中心に向ってかかるため、軸芯部に圧縮応力場が形成され内部品質が向上する。この効果は、ラウンド孔型ロールによる再真円化の圧下によりさらに大きくなる。
【0029】偏平化の圧下にフラットロールを用いる場合も、次いでラウンド孔型ロールによる再真円化の圧下を行うため、フラットロールによる圧下時に発生した微細な欠陥は修復され、同様に優れた内質を持つ丸ビレットが得られる。本発明の圧延方法は、以上に述べた様に従来の軽圧下法に比較して、圧延時に丸ビレットに加わる歪みが均一であり、また、マンネスマン穿孔時に、割れの発生の原因となる内部欠陥や変形を生じさせにくい。
【0030】この、偏平化−真円化の圧下工程を複数回繰り返すことにより、1)1回の圧下量を小さくでき、また、縮径工程が1回毎に入るため、丸ビレットの内部に割れが発生しにくく、また、発生した割れが成長しにくく、さらに、発生した割れも圧着されるため、効果的に内質を改善することができる。の効果が得られ、さらに、2)1回の圧下量を少なくすることができ、個々のミルの剛性や、圧下力や圧延動力を小さくすることが可能であり、設備費が低減できる。
3)圧下工程を繰り返すことにより、大きな径の丸鋳片より種々の径の丸ビレットを製造することができる。したがって、鋳造時の鋳型の交換の回数が少なくなる。等の効果も得られる。
【0031】また、第3 発明により 可逆式圧延をすることができるため 設備費用の低減を図ることができる【0032】圧下の減面率(Arn:第n番目の組)は以下に示す(1)式より求める。
第n番目の均質化の圧下の減面率(Arn)={(第n番目の圧下前の丸ビレ ット径)2 −(第n番目の圧下後の丸ビレット径)2 }/(第 n番目の圧下前の丸ビレット径)2 ・・・・・・・・(1)
なお、おのおののスタンドの偏平化の圧下、および再真円化の圧下の減面率は、これらの前後における丸ビレットの移動速度より求めるが、必ずしも厳密な値を求める必要はない。
【0033】本発明においては、継目無鋼管における疵の発生率を、10%以下にすることができる減面率(以後、減面率と記述した場合は、Ar1、・・・・Arnの内の1つを示すものとする。)を有効減面率(以後、有効減面率と記述した場合は、Are1、・・・・Arenの内の1つを示すものとする。)と定義するが、この有効減面率は、この限界値以上の圧下を複数回繰り返すことにより、疵の発生率をさらに大きく低下させることができる減面率でもある。すなわち、有効減面率以下の圧下の複数回の繰り返しは、有効減面率以上の圧下の繰り返しに比較して、疵の発生を抑える効果は小さい。
【0034】一般的に、マンネスマン法による継目無鋼管においては、内面の疵の発生率が、10%以下の場合は疵の手入れは必要であるが、問題なく製品とすることができる。この疵の発生率を10%以下にするための減面率が、上記の有効減面率とほぼ等しいことを実験的に確認した。これは、疵の発生率を10%以下とするためには、かなりの内質の改善が必要であり、この程度の改善が行われて、始めて圧下の累積効果が大きく出てくるためと考えられる。もちろん、有効減面率以下の圧下を行った場合も、それに応じた効果は得られる。
【0035】有効減面率は、鋼中のCrの含有量と圧下前の丸ビレット径の関数であり、以下の(2)式で表すことができる。
【0036】
第n番目の圧下の有効減面率(Aren)=f(Cr%、第n回目の圧下前の丸ビレット径) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) なお、この有効減面率は、鋼中のCr量と、圧下前の丸ビレット径の関数であるが、Cr量が0.5〜15%、丸ビレット径が170〜340mmφの範囲においては、大きくは変化はせず10%程度である。ただし、nが大きく(圧下が累積するにしたがって)なると、やや小さくなる。
【0037】本発明においては、2つ以上のミル(本発明においては、偏平化の圧下を行なうスタンドと、再真円化の圧下を行なうスタンドを合わせた設備をミルとする。また、圧延機全体、すなわち、複数のミルを合わせた設備を、連続圧延機とする。)により圧下を行うが、おのおののミルにおける減面率が、そのミルにおける有効減面率以上である圧延が少なくとも2 以上のミルで行なわれることが望ましい。すなわち、第1番目のミルの減面率(Ar1)≧第1番目のミルの有効減面率(Are1)
第2番目のミルの減面率(Ar2)≧第2番目のミルの有効減面率(Are2)
第3番目のミルの減面率(Ar3)≧第3番目のミルの有効減面率(Are3)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第n番目のミルの減面率(Arn)≧第n番目のミルの有効減面率(Aren)
の関係を満足する圧下が、2つ以上のミルで行われることが望ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は本発明の目的である、加工性の良い丸ビレット製造の実施の形態を示す概略図である。鋳型1に注入された溶鋼は丸鋳片2になる。なお、本発明の実施においては、凝固中に電磁攪拌処理(必須ではない)を行う。丸鋳片2は図示した様に、凝固しつつある状態で垂直方向から水平方向に曲げられる。丸鋳片2の引抜き速度はピンチロール3により一定速度に制御される。
【0039】鋳造ままで丸ビレットとする従来のプロセスの場合は、鋳造後にカッター4により切断し丸ビレット5にしてそのまま冷却する。または、先に述べた様にピンチロール3により、その効果があまり期待できない圧下を加えた後に、切断して丸ビレット5にする。(これらの場合はマンネスマン穿孔時に疵が相当量発生する。)
【0040】本発明においては、図示したように、丸鋳片2をカッター4で切断して丸ビレット5とし、高温状態のまま、内質が健全な丸ビレット5にするための圧下を、ユニバーサル形式に配置した、偏平化の圧下を行なうスタンド61aおよび、再真円化の圧下を行なうスタンド61bよりなる第1番目のミル61で行い、ついで、第2番目のミル62(偏平化の圧下を行なうスタンド62aおよび、再真円化の圧下を行なうスタンド62bからなる。)、・・第n番目のミル6n(偏平化の圧下を行なうスタンド6naおよび、再真円化の圧下を行なうスタンド6nbからなる。)により、丸ビレット5をさらに圧下する。なお、上記のミルを合わせて、連続圧延機7とする。
【0041】おのおののミルの、偏平化の圧下を行なうスタンド61a〜6naのロールは、フラットロール、フラットオーバル孔型ロール、あるいは、オーバル孔型ロールとする。また、再真円化の圧下を行なうスタンド61b〜6nbのロールは、ラウンド孔型ロールとする。
【0042】また、本発明は、例えばフラットな面、フラットオーバル孔型、または、オーバル孔型の内の少なくとも1つと、ラウンド孔型とを2組以上胴長方向に備えた一対のロールを持つ、1つの可逆式圧延スタンドの圧延機で実施することも可能である。
【0043】たとえば、第1回目の圧下を、フラットな面とラウンド孔型で行い。第2回目の圧下をフラットオーバル孔型とラウンド孔型で行なう。もちろん、この場合は、偏平化の圧下と、再真円化の圧下との間に、丸ビレットを円周方向に1/4回転させ、また、圧延方向を逆にする必要がある。
【0044】上記した2つの実施の形態には、それぞれ長短がある。製造能率、生産量、設置場所の広さ、設備費等を勘案して有利な形態を選択する。たとえば、後者の1つの圧延スタンドの圧延機を用いる場合は、設備費は安くなるが生産能率も低くなる。
【0045】偏平化の圧下の標準的な減面率は4〜25%程度、再真円化の圧下のそれは4〜20%程度であり、1回の圧下により、減面率が8〜45%程度の圧下を掛けることが可能である。
【0046】
【実施例】図6にCrを13%含有する鋼の170mmφビレットを製造する場合の圧下の減面率と、継目無鋼管の内面の疵の発生率との関係を示す。この図に示した例は圧下を2つのスタンド、1つのミルで行っており、本発明の比較例にあたる。
【0047】疵の発生率が10%以下になる減面率は10%である。したがって、この場合の有効減面率は10%としてよい。減面率が20%の場合の疵の発生率は約5%である。また、実質的に疵の手入れが不要となる減面率は30%であり、この状態は、ポロシティや鋳造組織の消滅と対応していると考えられる。ただし、減面率が30%の圧下を1つのミル(2つのスタンド)で加えるためには、ミルの剛性を高くする必要があり、また大きな動力を必要とする。
【0048】上記の内面疵の発生率は、疵の発生した継目無鋼管の本数割合であり、その発生率が3%以下の場合は、疵手入れのための生産能率の低下はほとんど問題とならない。
【0049】有効減面率は、ミルによる圧下が繰り返されるにしたがって、低下する。即ち、第1番目のミルにおいては、例えば、10%であった場合も、第2番目のミル以降においては8%程度に低下する。
【0050】図7は図6と同じ成分の丸ビレットに対して、種々の条件下の圧下を行い、ついで、継目無鋼管を製造した場合の疵の発生状態を示したものである。”0”は圧下を行っていない場合であり、”1”は減面率が10%の圧下を1回行った場合である。この”0”および”1”は比較例である。圧下を行わない場合の疵の発生率は100%である。
【0051】”2”は、第1番目のミルの減面率を10%、第2番目のミルの減面率を9.8%、とした場合の疵の発生率を示している。2つのミルによる圧下(合計の減面率は19%)により、疵の発生率は3%に低下しており、図6における1つのミルによる1回の20%の圧下に比較して、内部品質を改善する効果が大きいことがわかる。
【0052】”3”は、第1番目のミルの減面率を10%、第2番目のミルの減面率を9.8%、第3番目のミルの減面率を9.6%(合計の減面率は27%)とした場合であり、疵は発生していない。なお、この図7に示した結果は、Cr量が0.5〜15%の範囲の鋼の、丸ビレットの径が170〜340mmφの場合においても、ほぼ同様であった。
【0053】
【発明の効果】本発明の製造方法は、そのロールの形状からも明らかな様に、圧下時に丸ビレットに加える歪みが、他の方法に比較して均一である。また。丸ビレットの内部に、マンネスマン穿孔時に割れの発生の原因となる内部欠陥や変形を生じさせない。
【0054】本発明の完成により、Cr含有鋼の場合は必須であった再加熱・熱間圧延を行うことなく丸ビレットとし、それを用いたマンネスマン法による継目無鋼管の製造方法が確立された。特に、付加価値の高い高合金鋼管の、内面疵の少ない低コストかつ高能率の製造が、従来の装置を大きく改造することなく可能となった意義は大きい。
【0055】本発明の丸ビレットの製造方法は、従来より行われてきた再加熱−加工の工程をとらず丸ビレットとし、それを用いてマンネスマン法により、継目無鋼管を製造していたすべての、Cr含有鋼に適用できる。また、従来は、再加熱−圧延工程を経て丸ビレットとし、マンネスマン穿孔を行っていたCr含有鋼にも適用できる。




 

 


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