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発明の名称 圧延型クラッド鋼板およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−29076
公開日 平成10年(1998)2月3日
出願番号 特願平8−183408
出願日 平成8年(1996)7月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
発明者 深井 英明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 母鋼板と、その側面および上面または上下面に圧延により接合された合せ材とを有することを特徴とする圧延型クラッド鋼板。
【請求項2】 クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材スラブと組合せてクロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項3】 クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材スラブと組合せ、さらにこのようにして形成された積層金属体の側面に炭素鋼からなるスペーサーを配置して、該積層金属体を包むようにカバー材としての炭素鋼部材と組合せた後、クロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項4】 クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、外面側に犠牲材を備えた合せ材スラブと組合せてクロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項5】 クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材スラブと組合せて金属積層体を形成し、2つの金属積層体の間に剥離剤を介在させてこれら金属積層体を組合わせ、クロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項6】 前記側面の部材同士、前記側面の部材と合せ材スラブ、および前記側面の部材と母材スラブを電子ビーム溶接により接合することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項7】 前記スペーサー同士、前記スペーサーとカバー材、前記側面の部材とカバー材を電子ビーム溶接により接合することを特徴とする請求項3に記載の圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項8】 母材が炭素鋼であり、合せ材および側面合せ材が純チタンまたはチタン合金である場合に、クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する純チタンまたはチタン合金からなる部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材と母材の界面および前記部材と母材の界面に、炭素含有量が0.001〜0.05重量%の低炭素鋼からなる中間材を介在させ、これらを合せ材スラブと組合せてクロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項9】 スラブ加熱温度を合せ材および前記部材を構成するチタン材のβ変態点以下とすることを特徴とする請求項8に記載の圧延型クラッド鋼板の製造方法。
【請求項10】 クロス圧延での各方向の圧下比を5以上とすることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の圧延型クラッド鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端面の耐食性に優れたクラッド鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厳しい腐食環境下での構造物用材料として、あるいは腐食に起因する欠陥のメンテナンスを長期にわたり不要にするため、構造物へクラッド鋼板を適用することが現在頻繁に行われている。
【0003】ところで、このようなクラッド鋼板の適用に際しては、クラッド鋼板端面において母材がむき出しになっているために、その端面で腐食しやすいという問題がある。そこで端面部分の耐食性改善のため、例えばチタンクラッド鋼板においては、特開昭54−124858号公報や、特開昭54−124859号公報に記載されているように、端面部分にあて板をしたり、あるいは母材を削除後突き出た合せ材を折り曲げて端面を被覆する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上面あるいは上下面がクラッド化された鋼板においては、従来技術で指摘したように、合せ材の表面では極めて優れた耐食性を有するものの、合せ材が存在しない端面では耐食性が劣るので、クラッド鋼板表面において被覆やあて板をするなどのクラッド鋼板の使用時に複雑な処置が必要となる。さらに、チタンクラッド鋼板のように合せ材のチタンと母材の炭素鋼とが直接溶接することが不可能である場合には、従来技術での提案に従って、あて板を使用する方法や母材を削除後突き出た合せ材を折り曲げ端面を被覆する方法を採用した際には、あて板あるいは折り曲げた合せ材と母材である炭素鋼とを接合しなければならず、その際にはチタンと炭素鋼との直接の接合となるため、不都合が生じる。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、上記不都合を生じることなく、端面での耐食性に優れた圧延型クラッド鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、クラッド鋼板を実際に使用するにあたり、端面の耐食性を改善する方法について鋭意検討した結果、クラッド鋼板製造のための圧延時にクラッド鋼板上面あるいは上下面のみではなく、側面もクラッド化することによって端面の耐食性が充分に向上することを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、母鋼板と、その側面および上面または上下面に圧延により接合された合せ材とを有することを特徴とする圧延型クラッド鋼板を提供するものである。
【0008】また、本発明は、クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材スラブと組合せてクロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法を提供するものである。
【0009】さらに、本発明は、クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材スラブと組合せ、さらにこのようにして形成された積層金属体の側面に炭素鋼からなるスペーサーを配置して、該積層金属体を包むようにカバー材としての炭素鋼部材と組合せた後、クロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法を提供するものである。
【0010】さらにまた、本発明は、クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、外面側に犠牲材を備えた合せ材スラブと組合せてクロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法を提供するものである。
【0011】さらにまた、本発明は、クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する合せ材の部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材スラブと組合せて金属積層体を形成し、2つの金属積層体の間に剥離剤を介在させてこれら金属積層体を組合わせ、クロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法を提供するものである。
【0012】さらにまた、本発明は、母材が炭素鋼であり、合せ材および側面合せ材が純チタンまたはチタン合金である場合に、クラッドスラブの組立に際し、板面方向に対しての鋭角側の角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する純チタンまたはチタン合金からなる部材を前記母材スラブの側面に配置し、合せ材と母材の界面および前記部材と母材の界面に、炭素含有量が0.001〜0.05重量%の低炭素鋼からなる中間材を介在させ、これらを合せ材スラブと組合せてクロス圧延することを特徴とする圧延型クラッド鋼板の製造方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、母鋼板と、その側面および上面または上下面に圧延により接合された合せ材とにより圧延型クラッド鋼板を構成する。このような熱間圧延による上面あるいは上下面、および側面(好ましくは4周側面)に合せ材が接合されたクラッド鋼板の製造に際しては、クラッドスラブ組立時に鋭角部での板面方向に対しての角度が45゜以下である傾斜を母材スラブの側面に付与し、該母材スラブの側面の傾きに対向する傾斜を有する側面合せ材を、母材スラブの側面、好ましくは4周側面に配置してクロス圧延することが望ましい。
【0014】鋭角部における板面方向に対する角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面に付与することは、圧延時に母材スラブとその側面に位置する側面合せ材との間に剪断応力を作用させる効果がある。この剪断応力の作用によって側面合せ材の接合を達成することが可能となる。
【0015】また、圧延時にクロス圧延することは、母材スラブと側面合せ材とを圧着するための圧下をクラッドスラブの各側面に加える効果がある。このような効果によって、側面、好ましくは4周側面を含めてクラッド化することが可能となり、かつ高い接合強度を得ることができる。
【0016】さらに、合せ材と母材とを直接溶接することが不可能なクラッド鋼板の場合、あるいは合せ材がクラッド圧延時に極度に酸化されることなどを防ぐ場合には、クラッドスラブの組み立てにおいて、鋭角部での板面方向に対しての角度が45°以下である傾斜を母材スラブの側面、好ましくは4周側面に付与し、母材スラブ側面の傾きに対応する傾斜を有する側面合せ材を、母材スラブの側面、好ましくは4周側面に配置し、合せ材スラブと組合せ、さらにこのようにして形成された積層金属体の側面に炭素鋼からなるスペーサーを配置して、該積層金属体を包むようにカバー材としての炭素鋼部材と組合せた後、クロス圧延することが望ましい。
【0017】また、合せ材が極度に酸化することを防止することに関しては、犠牲材を合せ材表面に設置することも望ましい。そして、クラッド鋼板2枚分のクラッドスラブを間に中間材を設けて圧延するにより製造性を向上させることができる。
【0018】クラッドスラブ組立において、スペーサーとカバー材、側面合せ材同士、側面合せ材とカバー材、側面合せ材と合せ材、スペーサー同士、あるいは側面合せ材と母材との接合等には、電子ビーム溶接を用いることが望ましい。電子ビーム溶接を用いる場合には、クラッドスラブ全体をチャンバー内に装入して真空引きを行うため、スラブ間の空隙を短時間に真空化することが可能であり、また溶接部の溶け込み深さも大きいので、溶接部において高い接合強度を容易に得ることができ、クラッド圧延時にスラブの溶接部が破損することを防止することができる。
【0019】本発明の圧延型クラッド鋼板において、母材として炭素鋼を用い、合せ材および側面合せ材としてチタン(純チタンまたはチタン合金)を用いた場合には、合せ材と母材の界面および側面合せ材と母材の界面に、炭素含有量が0.001〜0.05重量%の低炭素鋼を中間材として介在させることが好ましい。このようにすることにより、母材である炭素鋼から合せ材や側面合せ材のチタンへ炭素が拡散して接合界面にて脆化層が形成されることを抑制することができ、したがって、脆化層が形成されることによる接合強度低下を回避することができる。この際に、炭素含有量が0.001重量%未満ではTi−Fe系の金属間化合物が形成され界面での接合強度が低下し、また炭素含有量が0.05重量%を超えるとTiCが形成されやはり界面での接合強度が低下する。したがって、このような中間材において、炭素量は0.001〜0.05重量%であることが望ましい。
【0020】また、この場合において、スラブ加熱温度を合せ材および側面合せ材を構成するチタン材のβ変態点以下とすることが好ましい。このようにすることにより、スラブ加熱時に合せ材および側面合せ材が炭素の拡散の速いbcc相に変態することを抑制することができる。つまり、炭素の拡散の速いbcc相に変態すると、接合界面に厚い脆化層が形成されて接合強度が低下するが、スラブ加熱温度を合せ材および側面合せ材を構成するチタン材のβ変態点以下とすることによりこのようなことを回避することができる。
【0021】さらに、この場合において、クロス圧延での各方向の圧下比を5以上とすることが好ましい。これにより側面合せ材と母材の炭素鋼とを十分に圧着することができる。この圧下比が5未満の場合には、母材の炭素鋼と側面合せ材との接合性が悪くなるおそれがある。
【0022】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)合せ材と母材とが直接可能な実施例として、合せ材にステンレス鋼(SUS304L)、母材に炭素鋼を採用した場合について説明する。図1は本実施例に係るクラッド鋼板を分解して示す斜視図、図2はその母材スラブと側面合せ材との接合部を拡大して示す図、図3はその側面図である。これらの図において、参照符号1はステンレス鋼(SUS304L)製の合せ材、2は同じくステンレス鋼(SUS304L)製の側面合せ材、3は炭素鋼からなる母材、4は溶接部である。板面に対しての鋭角側での角度θが45°の傾斜を母材3の4周側面に付与し、この母材3の側面の傾斜に対応する傾斜を有する側面合せ材2を母材3の4周側面に配置し、母材3の下に合せ材1を配置した。その後、側面合せ材2同士、側面合せ材2と合せ材1、および側面合せ材2と母材3を電子ビーム溶接にて接合して、クラッドスラブを組み立てた。この際に、1150℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が3のクロス圧延を行い、10+2mm厚のステンレス鋼(SUS304L)クラッド鋼板を作製した。
【0023】このようにして製造したクラッド鋼板および側面が何ら処理されていない従来のクラッド鋼板をそれぞれ図4の(a),(b)に示すようなボックス柱の構造体を作製して暴露試験による耐候性の評価、図5のように採取した曲げ試験片5での合せ材および4周側面合せ材の接合性評価試験を行った。なお、図4の(a)は本発明のクラッド鋼板の場合、(b)は従来のクラッド鋼板の場合を示すものであり、(a)においては図1と同様の参照符号を付し、(b)においては合せ材を1´、母材を3´で示した。
【0024】暴露試験においては、図4(a)に示す本発明のクラッド鋼板では表面および側面ともに何の変化も生じなかったが、従来のクラッド鋼板においては側面の母材部分で発錆した。また、曲げ半径比(曲げ試験でのポンチ先端の半径/試験片の板厚)が2の曲げ試験において、本発明のクラッド鋼板では合せ材および4周側面の側面合せ材の剥離は生じなかった。
【0025】(実施例2)クラッドスラブの組み立てにおいて電子ビーム溶接の代わりにアーク溶接を用いたこと、および母材スラブ角部の角度を変化させたこと以外は実施例1と同様にしてクラッドスラブの組立を行った。すなわち、母材角部における板面に対しての鋭角側での角度θを30°、45°および60°として、L方向およびC方向の圧下比が3のクロス圧延を行い、4周側面にステンレス鋼(SUS304L)製の側面合せ材がクラッドされた10+2mm厚のクラッド鋼板を作製した。これらのクラッド鋼板に対して、実施例1と同様の曲げ試験を行った。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】表1に示すように、母材角部における板面に対しての鋭角側での角度θが45°より大きい60°の場合には、母材3の4周を覆う側面合せ材2と母材3との間で剥離が生じた。これに対して、角度θが45°以下の場合には、曲げ試験において合せ材1および側面合せ材2の剥離は生じなかった。
【0028】(実施例3)この実施例では、合せ材が極度に酸化されることなどを抑制するためにカバー材を用いたクラッドスラブ組立方法について説明する。図6はその際のクラッドスラブ組立方法を示す図である。板面に対しての鋭角側での角度θが45°の傾斜を炭素鋼からなる母材3の4周側面に付与し、合せ材1と同様にステンレス鋼(SUS304L)からなる側面合せ材2を母材3の4周側面に配置し、母材3の下に合せ材1を配置した。さらに、その上下を剥離剤7を介して炭素鋼からなるカバー材6で被覆し、カバー材6と側面合せ材2と合せ材1、合せ材1と側面合せ材2、および側面合せ材2同士の各スラブを電子ビーム溶接にて接合して、クラッドスラブを組み立てた。この際に、1150℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が3のクロス圧延を行い、10+2mm厚のステンレス鋼(SUS304L)クラッド鋼板を作製した。
【0029】このようにして製造したクラッド鋼板に対して実施例1と同様に暴露試験による耐候性の評価を行ったが、その表面および側面ともに何の変化も生じなかった。また、図5のように採取した曲げ試験片5での接合性の評価においても、本実施例のクラッド鋼板では、合せ材および4周側面の側面合せ材の剥離は生じなかった。
【0030】(実施例4)合せ材と母材とが直接溶接することが不可能な実施例として、合せ材に純チタン、母材に炭素鋼を採用した場合について説明する。図7はその際のクラッドスラブ組立方法を示す図である。板面に対しての鋭角側での角度θが45°の傾斜を炭素鋼からなる母材3の4周側面に付与し、純チタンからなる側面合せ材12を母材3の4周側面に配置し、母材3の下に純チタンからなる合せ材11を配置した。さらに、その上下を剥離剤7を介して炭素鋼からなるカバー材6で被覆し、その4周側面を炭素鋼からなるスペーサー8で被覆した。その後、カバー材6とスペーサー8を電子ビーム溶接にて接合して、クラッドスラブを組み立てた。この際に、850℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が5のクロス圧延を行い、6+1mm厚の純チタンクラッド鋼板を作製した。
【0031】このようにして製造したクラッド鋼板および側面が何ら処理されていない従来のクラッド鋼板について暴露試験による耐候性の評価を行った。その結果、本実施例のクラッド鋼板では表面および側面とも何の変化も生じなかったが、従来のクラッド鋼板においては側面の母材部分で発錆した。
【0032】(実施例5)1回の圧延において2枚のクラッド鋼板を製造可能なサンドイッチ型のスラブ組立方式を採用して組立を行った場合について説明する。図8は合せ材と母材とを直接溶接することが可能な場合のクラッドスラブ組立方法を示す図、図9は合せ材と母材とを直接溶接することが不可能な場合のクラッドスラブ組立方法を示す図である。図8ではステンレス鋼(SUS304L)からなる合せ材1および側面合せ材2を用い、図9では純チタンからなる合せ材11および側面合せ材12を用いている。また、母材についてはいずれも炭素鋼からなる母材3を用いている。
【0033】図8の組立方法においては、剥離剤7を介して2つのクラッド鋼板を同じ方向で重ねた。また、図9の組立方法においては、剥離剤7を介して2つのクラッドスラブを母材3を内側にして重ね、その上下に剥離剤7を介して炭素鋼からなるカバー剤6を被覆し、その4周面を炭素鋼からなるスペーサー8で被覆した。クラッドスラブ組立においては、いずれも実施例1と同様に板面に対しての鋭角側での角度θが45°の傾斜を炭素鋼からなる母材3の4周側面に付与した。
【0034】図8のクラッド鋼板の組立においては、1150℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が3のクロス圧延を行い、10+2mm厚のステンレス鋼(SUS304L)クラッド鋼板を2枚同時に作製した。また、図9のクラッド鋼板の組立においては、850℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が5のクロス圧延を行い、6+1mm厚の純チタンクラッド鋼板を2枚同時に作製した。
【0035】サンドイッチ型スラブにて製造されたこれらクラッド鋼板および側面が何ら処理されていない従来のクラッド鋼板について暴露試験による耐候性の評価を行った。その結果、本実施例のクラッド鋼板ではいずれも表面および側面とも何の変化も生じなかったが、従来のクラッド鋼板においてはいずれも側面の母材部分で発錆した。
【0036】(実施例6)ここでは、合せ材および側面合せ材としてチタン材を用い、母材として炭素鋼を用い、合せ材と母材との間および側面合せ材と母材との間に極低炭素鋼からなる中間材を用いて、1回の圧延において2枚のクラッド鋼板を製造可能なサンドイッチ型のスラブ組立方式を採用して組立を行った場合について説明する。図10はその際のクラッドスラブ組立方法を示す図である。板面に対しての鋭角側での角度θが45°の傾斜を炭素鋼からなる母材3の4周側面に付与し、純チタンからなる側面合せ材12を母材3の4周側面に配置し、母材3の下に純チタンからなる合せ材11を配置し、そして母材3と合せ材11との間および母材3と側面合せ材12との間に、極低炭素鋼からなる中間材9を配置した。このようにして組み立てた2つのクラッドスラブを、剥離剤7を介して母材3を内側にして重ねた。なお、中間材9を構成する極低炭素鋼としては炭素濃度が0.042重量%のものを用いた。この組立に際しては、880℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が5のクロス圧延を行い、6+1mm厚のチタンクラッド鋼板を作製した。
【0037】このようにして製造したクラッド鋼板および側面が何ら処理されていない従来のクラッド鋼板について暴露試験による耐候性の評価を行い、さらに図11に示すように採取した曲げ試験片について、端面のTIG溶接による突き合せ部での接合性評価試験を行った。なお、図11の(a)は本実施例のクラッド鋼板の突き合せ部から採取した試験片を示し、(b)は従来のクラッド鋼板の突き合せ部から採取した試験片を示し、参照符号10、10´はTIG溶接部、1´は従来のクラッド鋼板における合せ材、3´は従来のクラッド鋼板における母材である。
【0038】暴露試験においては、本実施例のクラッド鋼板では表面および側面とも何の変化も生じなかったが、従来のクラッド鋼板においては側面の母材部分で発錆した。また、曲げ半径比(曲げ試験でのポンチ先端の半径/試験片の板厚)が2の曲げ試験において、本実施例のチタンクラッド鋼の突き合せ溶接部近傍では合せ材および側面合せ材の剥離は生じなかったが、従来のチタンクラッド鋼の突き合せ溶接部近傍では合せ材の剥離が生じた。
【0039】(実施例7)中間材9として表2に示す炭素含有量が0.0004重量%以上、0.0537重量%以下の種々の炭素量の低炭素鋼を用い、他は実施例6と同様にしてクラッドスラブを組立て、実施例6と同様880℃で加熱して、L方向およびC方向の圧下比が5のクロス圧延を行い、6+1mm厚のチタンクラッド鋼板を作製した。これらのチタンクラッド鋼板の突き合せ溶接部について曲げ試験を行った。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】表2に示すように、中間材の炭素含有量が0.001重量%以上かつ0.05重量%以下の場合に、曲げ試験において合せ材および側面合せ材の剥離は生じなかったが、この範囲を外れる炭素量の中間材の場合には合せ材と母材との界面、または母材と側面合せ材との界面において割れが生じた。
【0042】(実施例8)この実施例ではクロス圧延の圧下比の影響を把握するために、L方向およびC方向の圧下比を3および5に設定してクロス圧延を行い、他の条件は実施例6と同様にして6+1mm厚のクラッド鋼板を作製した。
【0043】これらのチタンクラッド鋼板の突き合せ溶接部について曲げ試験を行った。その結果、圧下比が3と低い場合には、曲げ試験において、合せ材と母材との間、または母材と側面合せ材との間において剥離が生じた。これに対して、圧下比が5と高い場合には、溶接部において何の剥離も生じなかった。
【0044】(実施例9)この実施例ではスラブ加熱温度の影響を把握するために、スラブ加熱温度を880℃、および合せ材や側面合せ材を構成するチタン材の変態点より高温の950℃とし、他の条件は実施例6と同様にして6+1mm厚のクラッド鋼板を作製した。
【0045】これらのチタンクラッド鋼板の突き合せ溶接部について曲げ試験を行った。その結果、スラブ加熱温度が950℃の場合には、曲げ試験において、合せ材と母材との間、または母材と側面合せ材との間において剥離が生じた。これに対して、スラブ加熱温度が880℃の場合には、溶接部において何の剥離も生じなかった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、端面での耐食性が優れた圧延型クラッド鋼板およびその製造方法が提供される。




 

 


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