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発明の名称 加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−29001
公開日 平成10年(1998)2月3日
出願番号 特願平8−187457
出願日 平成8年(1996)7月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】細江 利昭
発明者 有泉 孝 / 勝村 龍郎 / 板倉 孝 / 庄田 順一 / 中込 理欧 / 穴井 秀徳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】以下に示す工程を備えることを特徴とする加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
■Cr含有鋼の丸鋳片を連続鋳造により製造する工程■凝固完了後の高温の前記丸鋳片を、長さ方向に一定の間隔で切断して、高温の丸ビレットにする工程■前記丸ビレットに、直径方向に圧下を加える第1回目の圧下を行い、高温の偏平化した丸ビレットにする工程■前記偏平化した丸ビレットに、最大径の方向に圧下を加える第2回目の圧下を行い、縮径した高温の丸ビレットにする工程。
【請求項2】工程■の第1回目の圧下を、フラットロール、フラットオーバル孔型を有するロール、又はオーバル孔型を有するロールの内の少なくとも1つを用いて行い、工程■の第2回目の圧下をラウンド孔型を有するロールを用いて行う請求項1に記載の加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
【請求項3】フラットな面、フラットオーバル孔型、又はオーバル孔型の内の少なくとも1つと、ラウンド孔型とを備えたロールにより、請求項1における工程■の第1回目の圧下を、フラットな面、フラットオーバル孔型、又はオーバル孔型の内の少なくとも1つで行い、工程■の第2回目の圧下をラウンド孔型により行う請求項1に記載のCr含有鋼の加工性の良い継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無鋼管製造用として用いる、Cr含有鋼の連続鋳造丸ビレットの製造方法に関し、特に、センターポロシティ(以後、単にポロシティと記す。)および、凝固組織を消滅させて内部品質を向上させることにより、マンネスマン穿孔時に疵が発生しない、加工性の良好な丸ビレットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管の製造は、連続鋳造したスラブやブルームを、分塊圧延して製造した丸ビレットを用いるか、あるいは連続鋳造により直接(ビレットにする過程で再加熱を行わない。)製造した丸ビレットを用いて、マンネスマン穿孔、プレス穿孔または押し出し穿孔等を行い、中空の継目無鋼管(素管)とし、その後に、エロンゲーター、プラグミル、マンドレルミル等の圧延機により延伸し、最終的には、サイザーやストレッチレデューサーにより定径化して製品とする。
【0003】この場合に、炭素鋼の様に連続鋳造が比較的容易であり、かつ、その鋳片の熱間加工性が良好な鋼種は、鋳造ままの丸ビレットを用いて穿孔を行っても、良好な内面性状の継目無鋼管が得られる。
【0004】一方、連続鋳造ままの状態では、軸芯部にポロシティや偏析が生じやすく、熱間加工性の劣るCr含有鋼等の継目無鋼管の製造においては、一般的には、連続鋳造後に分塊圧延により大きな加工を与え、軸芯部のポロシティや偏析を除去した丸ビレットを用いる。
【0005】Crの含有量の多い鋼の丸ビレットの熱間加工性が劣る主な原因は、耐食性を向上させるために合金化させたCrの含有量の増加に伴って、連続鋳造時に鋳片の軸芯部に偏析やポロシティが発生しやすくなることによる。そして、熱間加工性に特に大きな影響を与えるポロシティの発生の原因は、溶鋼の粘度が高いために、連続鋳造の最終凝固段階において生じる空隙に、炭素鋼の場合と異なり、溶鋼が供給され難いためとされている。
【0006】図7は、溶鋼中のCrの含有量と溶鋼の粘度との関係を示す図である、溶鋼中のCr量が増加すると共に粘度は増し、13%(重量%、以下も同様)前後でピーク値を示している。なお、ポロシティの発生はCr量が0.5%以上になると問題になり始めることが知られている。
【0007】この様な欠陥を内部に含む鋳造ままの丸ビレットを用いて、継目無鋼管を製造する場合は、大量生産プロセスの第一段階のマンネスマン穿孔時に、圧縮力、剪断力、引張り力が複雑に作用する過酷な加工を受けるため、軸芯部のポロシティや偏析が起点となり、管の内面に疵が発生する。その結果、不良品の発生による歩留りの低下、疵の手入れによる能率の低下等により製造コストが上昇する。
【0008】連続鋳造ままの丸ビレットの内部品質を改善する技術としては、まず、連続鋳造機の鋳型外に電磁攪拌装置を設置し、鋳型中の溶鋼を攪拌する方法が広く実施されている。これは、鋳型内の溶鋼を電磁力で攪拌して凝固核を生成させ、最終凝固部の鋳片の中心部分を、等軸晶で満たしてポロシティを減少させる技術である。しかし、この技術のみではポロシティの発生を、完全に防止することはできない。
【0009】特公昭59−16862号公報には、連続鋳造時にビレットに軽度の圧下を加え、内部品質を向上させる技術が示されている。これは、凝固末期のビレットに凝固収縮分だけ、ロールで圧下を与えて、濃化溶鋼の流動を抑えて中心偏析を防止する技術である。
【0010】「材料とプロセス誌、第7巻、第1号、195頁、1994年発行」には、SUS410鋼に対して、この技術を適用した1例が示されており、内部が未凝固の状態で二段階の圧下を行い、圧下後のビレットの軸芯部の密度を7.7g/cm3 に上げている。しかし、ポロシティの無い場合の密度である、7.8g/cm3 に比較すると99%以下であり、依然としてそれを十分に圧着できていない。(掲載のミクロ写真にも軸芯部に若干のポロシティが認められる。)
【0011】この軽圧下プロセスを採用した場合の問題点は、2つのロールによる圧下で引き起こされるビレット形状の悪化と、圧下量が増加した場合に発生する凝固界面近傍の割れの発生である。
【0012】丸ビレットに1対の平ロールにより圧下を行うと、当然圧下部の断面形状は偏平化し、偏平断面は製品の偏肉化につながる。ポロシティの圧着効果を高めるために圧下量を増やすと、形状はさらに真円から遠ざかり、丸ビレットを転がせて搬送することも難しくなる。また、穿孔時のミルへの噛み込みが不安定になり、疵の発生率も高くなる。
【0013】これらの問題を解決するため、たとえば特開平7−108358号公報には、楕円形の断面のモールドを用い、楕円形の断面のビレットを製造し、楕円の長軸方向に圧下する技術が提案されている。この方法によると、真円に近い断面形状のビレットを得られる。
【0014】しかしながら、楕円形の鋳型を用いると、真円の場合に比較して鋳造時の湯流れが不均一に成りやすく、それに起因する湯面の変動やパウダーの巻き込みにより、新たな欠陥が発生する。
【0015】連続鋳造鋳片に対して大圧下を行い、鋳片の内部品質の向上を目的としたプロセスが「材料とプロセス誌、第7巻、第1号、179頁、1994」や、特開平63−183765号公報に開示されている。このプロセスは連続鋳造時に一対の金型により大圧下を加える方法(インラインリダクション法)であり、連続鋳造中に圧下を加えるため再加熱が不要であり、またポロシティの圧下消滅の効果も大きいが、設備費が高い。
【0016】なお、「鉄と鋼誌、第60巻、第7号、875頁、1974」にも、インラインリダクション法として、同様の技術が示されているが、この方法は矩形断面のブルームやビレットを対象とした技術であり、本発明が目指すところの、Cr含有鋼の丸ビレットに適用するには問題が多い。
【0017】この様な事情にあるため、連続鋳造まま(再加熱を行わない。)の丸ビレットを用いて、マンネスマン穿孔行うと疵の発生が懸念されるCr含有鋼の継目無鋼管の製造においては、内部品質を向上させるために再加熱し、圧延した丸ビレットを用いることが不可欠とされてきた。そして、この方向で製管時の疵の発生の問題を回避する方法が引続き模索されてきた。
【0018】たとえば、特開平7−136702号公報には、高Cr鋼の継目無鋼管用の丸ビレットの製造方法として、連続鋳造により比較的大断面の角形状のブルームを製造した後に、加熱・分塊圧延によって大きな圧下を加える方法が示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた様に、Cr含有鋼のマンネスマン穿孔に用いる連続鋳造丸ビレットの内部品質を向上させるための方法は、連続鋳造時に塑性変形を与える様な、大きな圧下を行う方法か、従来からの方法である加熱−分塊圧延の方法かの二者に絞られるが、インラインリダクション法に代表される前者は設備費が著しく過大であり、後者は再加熱を必要とするため、運転費が高い。
【0020】この様な事情にあり、Cr含有鋼において、マンネスマン穿孔法により継目無鋼管を製造した場合も、内面傷の発生の少ない連続鋳造丸ビレットの、簡便かつ経済的な製造方法が求められていた。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問題点を解決するため、Cr含有鋼の連続鋳造直後の高温の丸ビレットに、簡便でしかも効果的な圧下を加える方法を種々検討し、本発明を完成させたものである。本発明の完成により、連続鋳造鋳片中のポロシティや凝固組織を消滅させてその内部品質を向上させ、マンネスマン穿孔時に内面疵の発生が少ない加工性の良好な丸ビレットを得ることが可能となった。
【0022】第1発明は、以下に示す工程を備えている、加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0023】■Cr含有鋼の丸鋳片を連続鋳造により製造する工程■凝固完了後の高温の前記丸鋳片を、長さ方向に一定の間隔で切断して、高温の丸ビレットにする工程■前記丸ビレットに、直径方向に圧下を加える第1回目の圧下を行い、高温の偏平化した丸ビレットにする工程■前記偏平化した丸ビレットに、最大径の方向に圧下を加える第2回目の圧下を行い、縮径した高温の丸ビレットにする工程また、第2発明は、第1発明において、工程■の第1回目の圧下をフラットロール、フラットオーバル孔型を有するロール、又はオーバル孔型を有するロールの内の少なくとも1つを用いて行い、工程■の第2回目の圧下をラウンド孔型を有するロールを用いて行う加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0024】また、第3発明は、第1発明において、フラットな面、フラットオーバル孔型、又はオーバル孔型の内の少なくとも1つと、ラウンド孔型とを備えたロールにより、工程■の第1回目の圧下を、フラットな面、フラットオーバル孔型又はオーバル孔型、の内の少なくとも1つで行い、工程■の第2回目の圧下をラウンド孔型により行う加工性の良いCr含有継目無鋼管製造用丸ビレットの製造方法である。
【0025】本発明は、Crを含有する鋼を対象としている。Crを含まない鋼は、その溶鋼の粘度が低くポロシティが発生しにくい。また、偏析も小さいため本発明の方法を用いた場合の効果は少ない。なお、上記のCrの悪影響が現れ始める量は0.5%であり、図7に示した様に、13%近傍でもっとも大きくなる。
【0026】また、本発明の効果は丸ビレットの外径が170〜340mmφの場合に、もっとも大きく認められる。丸ビレットの外径が170mmφ未満の場合は、ポロシティの発生が少なく、また、偏析も小さい。一方、340mmφを越える場合も、溶鋼が補給されやすくなり、かえってポロシティの発生は少なくなるためである。
【0027】本発明の丸ビレットの製造方法は、従来より行われてきた再加熱−加工の工程をとらず丸ビレットとし、それを用いてマンネスマン穿孔法により、継目無鋼管を製造していたすべての、Cr含有鋼に適用できる。また、従来は再加熱−圧延工程を経て丸ビレットとし、マンネスマン穿孔を行っていたCr含有鋼にも適用できる。
【0028】本発明では、比較的簡単な設備により、第1回目および、第2回目の2回の圧下を丸ビレットに加える。圧下を加える工程は、丸鋳片を切断して丸ビレットにした後である。第1回目の圧下と第2回目の圧下では、圧下の方向は互いに直角であり、第1回目の圧下で丸ビレットを偏平化し、第2回目の圧下で縮径した真円とする。
【0029】第1回目の圧下に用いるロールは、1)フラットロール、2)フラットオーバル孔型ロール、または、3)オーバル孔型ロールとする。これらのロールによりビレットを圧下し、真円断面のビレットを偏平化する。図2、図3、図4に、上記のロールおよび、それらにより圧下されたビレット断面の概略図を示す。
【0030】第2回目の圧下ではラウンド孔型ロールを用いて、第1回目の圧下で偏平化した丸ビレットに対して、最大径の方向に圧下を加え、縮径して再度、真円断面の丸ビレットとする。図5にラウンド孔型ロールより圧下されたビレット断面の概略図を示す。
【0031】第1回目の圧下にフラットオーバルやオーバルの孔型を有するロールを用いる場合は、圧下が丸ビレットの中心に向ってかかるため、丸ビレットの軸芯部において圧縮応力場が形成されやすくなり、内部品質が向上する。この効果は、ラウンド孔型ロールによる第2回目の圧下により拡大される。
【0032】また、第1回目の圧下にフラットロールを用いる場合も、次いでラウンド孔型ロールによる第2回目の圧下を行うため、フラットロールにより圧下時に発生した、微細な欠陥は修復され、同様に優れた内質を持つ丸ビレットが得られる。
【0033】第1回目の圧下の標準的な減面率は5〜25%、第2回目の圧下のそれは5〜20%の範囲であり、丸ビレットを縮径された丸ビレットにする過程で、2回の圧下により合計で、10〜40%程度の減面率の圧下を加える。この合計の減面率(Ar)は以下に示す(1)式より求められる。
【0034】
減面率(Ar)={(第1回目の圧下の前の丸ビレット径)2 −(第2回目の 圧下の後の丸ビレット径)2 }/(第1回目の圧下の前の 丸ビレット径)2 ・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0035】なお、第1回目の圧下および第2回目の圧下の減面率は、おのおのの圧下の前後における丸ビレットの移動速度より求めるが、必ずしも厳密な値を求める必要はない。
【0036】本発明においては、マンネスマン穿孔時に疵の発生が実質的に無視できる程度となる、減面率(Ar)として、減少必要減面率(Ar* )を定義する。この必要減面率(Ar* )以上の圧下を行うことにより、マンネスマン穿孔後の継目無鋼管内面の疵の発生を、事実上防止することができる。
【0037】また、マンネスマン穿孔時において疵の発生率を10%以下にすることができる減面率を、有効減面率と定義する。10%以下の場合は軽度の疵の手入れにより、製品とすることができる。これ以下の減面率(Ar)の圧下を行った場合も、それに応じた効果が得られることはもちろんである。
【0038】なお、必要減面率(Ar* )、および有効減面率(Are)は、Cr量、および第1回目の圧下の前の丸ビレット径の関数であり、以下の(2)、(3)式で表すことができる。
【0039】
必要減面率(Ar* )=f1 (Cr%、第1回目の圧下の前の丸ビレット径)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
有効減面率(Are)=f2 (Cr%、第1回目の圧下の前の丸ビレット径)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
したがって、減面率(Ar)≧必要減面率(Ar* )の場合は、実質的に疵は発生せず、減面率(Ar)≧有効減面率(Are)の場合は、疵の発生は10%以下となる。
【0040】なお、この必要圧下率(Ar* )および有効減面率(Are)は、先に述べた様に、鋼中のCr量と、第1回目の圧下の前の丸ビレット径の関数であるが、Cr量が0.5〜15%、丸ビレット径が170〜340mmφの範囲においては、大きくは変化はせず、必要圧下率(Ar* )は20〜30%程度であり、有効減面率(Are)は、10%程度である。
【0041】本発明の圧延方法は、そのロールの形状からも明らかな様に、従来の軽圧下方法に比較して、圧延時に丸ビレットに加わる歪みが均一である。また。丸ビレットの内部にマンネスマン穿孔の際に、割れの発生の原因となる内部欠陥や変形を生じさせにくい長所も有している。
【0042】
【発明の実施の形態】図1を用いて本発明の実施の形態を説明する。鋳型1に注入された溶鋼は丸鋳片2になる。なお、本発明を実施するに際しては、原則として溶鋼に対して鋳型1の中で電磁攪拌処理(必須ではない)を行う。この電磁攪拌処理は従来の装置を用い、従来と同様の方法で行う。丸鋳片2は図示した様に、凝固しつつある状態で、垂直方向から水平方向に曲げられる。丸鋳片2の引抜き速度はピンチロール3により一定速度に制御される。
【0043】再加熱を行わない従来のプロセスの場合は、連続鋳造後にそのままカッター4により切断し、丸ビレット5にしてそのまま冷却するか、先に述べた様にピンチロール3により、その効果があまり期待できない圧下を加えた後に、切断して丸ビレット5にするか(これらの場合はマンネスマン穿孔時に疵が相当量発生する。)、または、大きな設備投資を必要とする連続鍛圧機により、圧下した後に切断して丸ビレットにしていたが、先に述べたような理由により、それらはいずれも有効な解決策ではない。
【0044】本発明においては、図示したように、丸鋳片2をカッター4で切断して丸ビレット5とし、高温状態のまま、内質が健全な丸ビレット5にするための圧下を、ユニバーサル形式に配置した、第1圧延スタンド61および第2圧延スタンド62よりなる連続圧延機6で行う。
【0045】なお、通常は、連続鋳造の速度に対して、圧延の速度は十分に速いため、複数の鋳型1により複数の丸鋳片2(互いに平行な状態で移動する。)を同時に製造し、切断し、丸ビレット5にする装置に対して、鋳型1の数以下の連続圧延機6を設置して、本発明を実施することが可能である。
【0046】また、丸鋳片2は必ずしも曲げられ、水平方向に移行する必要がないことももちろんである。垂直方向のまま凝固させ、切断し、さらには圧下を加えてもよい。
【0047】上記の発明の実施の形態では、2つの圧延スタンドにより圧下を加えたが、本発明は、例えば、(a)フラットな面、フラットオーバル孔型、または、オーバル孔型の内の少なくとも1つと、(b)ラウンド孔型とを胴長方向に備えた一対のロールを持つ1つの圧延スタンドで実施することも可能である。もちろん、この場合は、第1回目の圧下の後に、丸ビレットを円周方向に1/4回転(チルト)させ、また、搬送方向を逆に(リバース圧延)する必要がある。
【0048】上記した二通りの実施の形態には、それぞれ長短がある。生産能率(生産量)、設置場所の広さ、費用等を勘案して有利な形態を選択する。たとえば、圧延スタンドが1つの場合は、設備費は安くなるが生産能率は低くなる。
【0049】
【実施例】図6に13%のCrを含有する鋼のマンネスマン穿孔用の170mmφビレットを製造する場合の減面率(Ar)と、マンネスマン穿孔後の管内面の疵の発生率との関係を示す。
【0050】疵の発生率が10%以下になる有効減面率は10%である。マンネスマン穿孔後に実質的に疵の手入れが不要(許容される程度の僅かな疵は残る。)となる必要減面率(Ar* )は30%であることがわかる。減面率(Ar)が5%の場合は疵の発生率は50%、圧下を行わない場合(比較例)のそれは100%である。いずれの値もCr量が0.5〜15%の鋼で、ビレット径が170〜340mmφの場合においてはほぼ同程度であった。
【0051】
【発明の効果】本発明の完成により、Cr含有鋼の連続鋳造ままの丸ビレット用いて、鋳造−製管一貫プロセス(ビレットの直鋳化)による継目無鋼管の製造が可能となった。従来の装置を大きく改造することなく、廉価な装置の追加により、付加価値の高い高合金鋼管の、内面疵の少ない低コストかつ高能率の製造が可能となったことの意義は大きい。




 

 


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