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発明の名称 ポリオレフィン被覆鋼材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−28928
公開日 平成10年(1998)2月3日
出願番号 特願平8−185046
出願日 平成8年(1996)7月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】細江 利昭
発明者 原田 泰宏 / 菅原 啓司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 鋼材表面からクロメート処理層、プライマー層、変性ポリオレフィン接着層、ポリオレフィン樹脂層を順次鋼材表面に被覆した被覆鋼材であって、そのプライマー層を形成するに際し、以下の(1)と(2)を含有する熱硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とするポリオレフィン被覆鋼材。
(1)エポキシ当量156〜エポキシ当量280のビスフェノールA系エポキシ樹脂あるいはビスフェノールF系エポキシ樹脂のいずれか一方または両者の混合物からなるエポキシ樹脂。
(2)キシリレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの反応生成物である変性ポリアミンと、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物。
【請求項2】 前記不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルを、アクリル酸またはアクリル酸アルキルエステル、あるいは、メタクリル酸またはメタクリル酸アルキルエステルとすることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン被覆鋼材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹脂層−鋼材間の密着力が高く、防食性能に優れたポリオレフィン被覆鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂を表面に被覆した鋼材(以下、ポリオレフィン被覆鋼材という)は、長期間の防食性能が優れているため、従来より鋼管、鋼管杭、鋼矢板等の用途に加えて、近年、海底、極寒冷地、熱帯などで使用される建材用鋼材や原油・重質油、天然ガスを輸送するパイプライン用鋼材としても使用されるようになってきた。
【0003】このように幅広い温度環境下や高温接水環境下で使用されるようになってきたため、従来にも増して防食性能の向上、即ち、耐温水性、耐ヒートショック性の向上が要求されている。加えて、電気防食が併用される環境下では、過防食電流による陰極剥離が問題となるため、耐陰極剥離性の向上も課題となっている。
【0004】ポリオレフィン被覆鋼材に関する従来技術として、特開昭54−120681号公報、特開平1−280545号公報(先行文献1という)には、鋼材と変性ポリオレフィン樹脂接着剤層の間にクロメート処理層を施す方法が、特開昭56−143223号公報、特開昭59−222275号公報(先行文献2という)にはエポキシプライマー層を介在させる方法が、開示されている。
【0005】また、特開昭60−245544号公報(先行文献3という)にはクロメート処理層上に、プライマー層を介在させて、より防食性能を向上させる方法が開示されている。この方法では、防食層としてポリプロピレンが用いられている。プライマー層に関しては具体的な記載はなく、ただ漠然と芳香族アミン系硬化剤とだけ記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行文献1に開示されたクロメート処理を施す方法や、先行文献2に開示されたエポキシプライマー処理を施す方法は、60℃以下の接水環境下に対しては満足した性能が得られるが、60℃を越える接水環境下では、耐温水性、耐陰極剥離性において満足した性能が得られない。
【0007】先行文献3に開示されたクロメート処理とプライマー処理を併用する方法は、80℃以下の接水環境下に対しては満足した性能が得られるが、80℃を越える接水環境下では、耐温水性、耐陰極剥離性において満足した性能が得られない。特にポリオレフィン樹脂層−鋼材間の密着力は著しく低下して、長期間の防食性能を維持することは困難である。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、ポリオレフィン樹脂層−鋼材間の密着力の向上が得られ、80℃を越える高温接水環境下での耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性が良好な、防食性能に優れたポリオレフィン被覆鋼材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる発明は、鋼材表面からクロメート処理層、プライマー層、変性ポリオレフィン接着層、ポリオレフィン樹脂層を順次鋼材表面に被覆した被覆鋼材であって、そのプライマー層を形成するに際し、以下の(1)と(2)を含有する熱硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とするポリオレフィン被覆鋼材である。
【0010】(1)エポキシ当量156〜エポキシ当量280のビスフェノールA系エポキシ樹脂あるいはビスフェノールF系エポキシ樹脂のいずれか一方または両者の混合物からなるエポキシ樹脂。
【0011】(2)キシリレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの反応生成物である変性ポリアミンと、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物。
【0012】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、本発明による被覆層は、鋼材表面から、クロメート処理層、上記(1)、(2)を配合してなる熱硬化性樹脂組成物から形成されるプライマー層、変性ポリオレフィン樹脂から成る接着層(これを変性ポリオレフィン接着層という)、ポリオレフィン樹脂層の順序で積層させた構成とする。
【0013】このような構成かつ順序で積層させた被覆層としたのは、以下の理由による。先ず、ポリオレフィン樹脂は無極性であるため、直接、鋼材表面と接着しない。そこで、本発明では、極性基を持ち、接着性を有する変性ポリオレフィン接着層を、鋼材とポリオレフィン樹脂層との間に介在させることにより、両者の密着力向上をはかっている。
【0014】次に、変性ポリオレフィン接着剤層と鋼材との間に、クロメート処理層とプライマー層を設けることにより更に両者の密着力は向上する。つまり、クロメート処理層を設けることにより、耐陰極剥離性は向上し、またプライマー層を形成する事により高温接水環境下での長期防食性能がある程度確保できる。ここで、陰極剥離とは、電気防食が施される環境下での過防食電流によって、被覆欠陥を起点として容易に被覆樹脂が剥離することである。
【0015】本発明に係わるプライマー層は、主剤として(1)に示したエポキシ樹脂と、硬化剤として(2)に示したアミン類とを配合、硬化させて形成される層である。
【0016】ここで、上記(1)のエポキシ樹脂は、エポキシ当量156〜エポキシ当量280のビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂の一方または両者の混合物から成るエポキシ樹脂である。また、それらは化学式1、化学式2の分子構造をもつ材料である。
【0017】
【化1】

【0018】
【化2】

【0019】上記材料から成る(1)のエポキシ樹脂は、対称性の高い、しかも剛直なビスフェノール骨格を持つため、安定した高温特性(耐温水性)を有する。また骨格中にエーテル結合を有するため適度の可撓性を有する。さらに、エポキシ基が反応した結果、水酸基が生成することから接着力が上がる。
【0020】同様に、本発明者らは、硬化剤に関しても、耐温水性及び可撓性を有する材料を得るべく検討した。その結果、硬化剤をキシリレンジアミンとするだけでは、高温特性(耐温水性)を有するものの、可撓性を欠くことがわかった。
【0021】そこで更に鋭意検討した結果、キシリレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルとを反応して得られる変性ポリアミンと、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物を硬化剤として用いることにより、高い可撓性を示す硬化物(プライマー層)が得られることがわかった。また、このプライマー層を有する被覆鋼材は長期間に亘る耐温水性、ヒートショック性に優れたものであることを見いだした。ここで、上記の変性ポリアミンとエチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンは、それぞれ化学式3、化学式4の分子構造を有する材料である。
【0022】
【化3】

【0023】
【化4】

【0024】請求項2に係わる発明は、前記不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルを、アクリル酸またはアクリル酸アルキルエステル、あるいは、メタクリル酸またはメタクリル酸アルキルエステルとすることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン被覆鋼材である。
【0025】不飽和カルボン酸及びそのエステルは種々あるが、上記のアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルを用いた場合は、キシリレンジアミンと容易に反応し、副反応も少なく、生成する不純物も少ない。そして、得られる変性ポリアミンは硬化剤として使用した場合、十分な可撓化効果を与える。
【0026】このような変性ポリアミンを硬化剤とし、前述の特性を有するエポキシ樹脂を主剤とすることにより、80℃を越える耐温水性、及び耐ヒートショック性が良好なプライマー層が形成される。
【0027】このように本発明では、鋼材表面を上述した構成で被覆し、プライマー層として上述した組成物を用いることで、ポリオレフィン樹脂層−鋼材間の密着力が向上し、80℃を越える高温接水環境下における耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性が良好な防食性能に優れたポリオレフィン被覆鋼材が得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に係わる鋼材は、炭素鋼、低合金鋼等を形鋼、鋼板、棒鋼、鋼管杭、鋼矢板、原油・重質油輸送用、天然ガス輸送用の鋼管などに加工したものを対象とし、屋外、地中、海水中等で用いられるものを対象とする。
【0029】材料(1)のエポキシ樹脂に、酸化チタン、シリカ、タルク、白雲母、酸化クロム、リン酸亜鉛等の無機顔料を添加しても良い。また無機顔料にエポキシ樹脂との接着性を良くするために、シランカップリング処理等の化学処理を施しても良い。さらに、性能を変えない範囲で他のエポキシ樹脂を添加しても良い。
【0030】ビスフェノールA系エポキシ樹脂としてはエポキシ当量170〜エポキシ当量280のものが使用できるが、取り扱い作業性を考慮すると好ましくは、エポキシ当量が184〜194の範囲のもの(例えば、油化シェルエポキシ(株)製の商品名エピコート828)が望ましい。
【0031】ビスフェノールF系エポキシ樹脂としてはエポキシ当量156〜エポキシ当量280のものが使用できるが取り扱い作業性を考慮すると好ましくは、エポキシ当量が160〜175の範囲のもの(例えば、油化シェルエポキシ(株)製の商品名エピコート807)が望ましい。
【0032】材料(2)の硬化剤を構成する変性ポリアミンは、主として化学式3の分子構造を有するキシリレンジアミンの変性物であるが、この変性物を合成するときに生成する不純物及び未反応のキシリレンジアミンが残留していても良い。またキシリレンジアミンは、O−(オルト−)、m−(メタ−)、p−(パラ−)の異性体の内、どれでも良いが、好ましくは取扱いの容易さ(作業性)、反応性の良好な点からメタキシリレンジアミンが望ましい。
【0033】また、変性ポリアミンは、化学式3の分子構造を有しておればよく、これを合成するためには、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルの他に、不飽和カルボン酸の酸無水物、酸ハロゲン化物を用いても良い。
【0034】ここで、不飽和カルボン酸アルキルエステルを原料として変性ポリアミンを合成する際には、原料のエステルがアミンとの反応で分解し、アルコールを生成する。このアルコールが系外に出ることにより反応は円滑に進む。従って、生成するアルコールは沸点が低いものがよく、原料である不飽和カルボン酸アルキルエステルは、メチルエステル、エチルエステルがよい。また上記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、上記の範囲よりも小さくなると満足した性能が得られず、また大きくなると取扱い作業性が悪くなる。
【0035】エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンは活性水素当量が70〜85のものであればよい。
【0036】配合に関しては、(1)のエポキシ樹脂(主剤)中のエポキシ基のモル数(a)と(2)の混合物(硬化剤)中の全活性水素のモル数(b)の比(b/a)が0.7〜1.2の範囲になるように配合する。また、(2)の混合物(硬化剤)を構成している変性ポリアミン(重量c)とエチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタン(重量d)との混合比(c/d)が100/0〈c/d〈60/40で好ましくは、90/10〈c/d〈70/30の範囲になるように混合することにより、80℃を越える耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性に優れたプライマー層が得られる。
【0037】ここで、モル数の比(b/a)が0.7未満、または1.2を越える場合、混合比(c/d)が100/0〈c/d〈60/40の範囲から外れる場合、または、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンの活性水素当量が70〜85の範囲から外れる場合には、硬化物のガラス転移温度が低下してしまい、耐温水性が低下するので好ましくない。
【0038】クロメート処理剤としては、高分子有機質の還元剤で全クロムに対する6価クロムの重量比を、0.35〜0.65の範囲になるよう部分還元したクロム酸水溶液にシリカ微粉末を添加したシリカ系クロメート処理剤を用いることが出来る。
【0039】本発明に係わるポリオレフィン樹脂層の材料となるポリオレフィン樹脂とは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の従来より公知のポリオレフィン等である。
【0040】また、変性ポリオレフィン接着層の材料となる変性ポリオレフィン樹脂とは、上記のポリオレフィン樹脂をマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性したもの、あるいはその変性物をポリオレフィン樹脂で適宜希釈したもの等であり、従来より公知の変性ポリオレフィンである。
【0041】次に、本発明のポリオレフィン被覆鋼材の一実施形態として、ポリエチレン被覆鋼管の製造方法を説明する。図1は、被覆鋼管の製造装置の構成を示す図である。ここで、1は鋼管、2はクロメート処理剤塗布装置、3は加熱装置、4はクロメート処理層、5はプライマー塗布装置、6は後加熱装置、7はプライマー層、8は丸形ダイ、9はポリエチレン樹脂、10は変性ポリエチレン樹脂、11は冷却装置、12はクロメート処理剤供給容器、13はプライマー供給容器、14はエポキシ樹脂供給容器、15は変性ポリアミンとポリオキシプロピレントリアミンとの混合物供給容器(以下、硬化剤供給容器という)、16は混合容器、17はポリエチレン樹脂供給容器、18は変性ポリエチレン樹脂供給容器、19はしごき治具である。
【0042】先ず、錆を除去した鋼管1の表面に、クロメート処理剤塗布装置2によってクロメート処理剤を塗布し、加熱装置3によって加熱しクロメート処理剤を焼き付けて、クロメート処理層4を形成させる。クロメート処理剤塗布装置2の出口には、しごき治具19を設けて、クロメート処理層の表面は均一にされる。
【0043】次に、エポキシ樹脂供給容器14からは(1)の材料であるエポキシ樹脂が、硬化剤供給容器15からは、(2)の材料である硬化剤が、それぞれ所定の割合(重量比)で切り出され、混合容器16に供給され、混合されてプライマーが生成する。生成したプライマーは、プライマー供給容器13を経由してプライマー塗布装置5に供給される。
【0044】上述のようにして生成したプライマーは、クロメート処理層4が形成された鋼管1aの表面上に、プライマー塗布装置5によって塗布され、後加熱装置6によって加熱硬化して、プライマー層7が形成される。
【0045】プライマー塗布装置5の出口には、しごき治具19を設けて、プライマー層7の表面は均一にされる。次に、プライマー層7が形成された鋼管1bの表面上に、丸型ダイ8(又はT型ダイでも良い)によって変性ポリエチレン樹脂10とポリエチレン樹脂9を二層同時に押出し被覆する。この後、冷却装置11によって冷却し、ポリエチレン被覆鋼管1cを得る。この際に、変性ポリエチレン樹脂10とポリエチレン樹脂9とをそれぞれ単層毎押し出し被覆しても良い。
【0046】上記製造法の場合、鋼管1の表面にクロメート処理剤を塗布し、焼き付けてから後、鋼管1aが丸形ダイ8に達するまでの間に鋼管1aの表面にプライマー層7が形成され、十分硬化していればよい。上記エポキシプライマーの塗布方法は、スプレー塗装機によるスプレー塗布、ロール塗布、しごき塗り等の従来公知の方法の中から適宜選択して用いることができる。また、後加熱装置6による鋼管1bの加熱方法は、高周波誘導加熱、遠赤外線加熱、ガス加熱等の従来公知の方法の中から適宜選択することができる。
【0047】
【実施例】本発明の効果を確認するため、上述の被覆鋼管製造法によりポリエチレン被覆鋼管を製造し、これより試験片を採取して、防食性能を確性した。
【0048】ポリエチレン被覆鋼管の製造は、先ず鋼管(SGP 80A)を、予めショットブラストしてクロメート処理剤を塗布し焼付けた。このクロメート処理層上に、後述する表1に示す主剤および硬化剤から成るプライマーを40〜50ミクロン厚に塗布し、130℃に加熱硬化させて、プライマー層を形成させた。
【0049】その後、プライマー層上に、無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層の順に丸型ダイを使用して二層同時に溶融押出し、被覆層を形成させた。この際の変性ポリエチレン接着層、ポリエチレン樹脂層の厚みはそれぞれ0.5mm、3.0mmであった。
【0050】表1は、前述のエポキシプライマーの生成に用いたエポキシ樹脂(主剤)、硬化剤およびこれらの配合割合を示す。
【0051】
【表1】

【0052】実施例では、エポキシ樹脂(主剤)として前述のエピコート828、エピコート807の2種類を使用し、変性ポリアミンとして、キシリレンジアミンとアクリル酸とを反応生成させた変性ポリアミンA(活性水素当量65)、キシリレンジアミンとメタクリル酸とを反応生成させた変性ポリアミンB(活性水素当量68)の2種類、そして、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタン(活性水素当量80)を使用した。
【0053】さらに、変性ポリアミン(重量c)と、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタン(重量d)との混合比(c/d)を95/5、80/20、60/40の3水準とした。
【0054】比較例では、エポキシ樹脂(主剤)としてエピコート828の1種類、硬化剤をB002、またはP002を使用した。ここで、B002は、特開昭56−143223に開示されているように、化学式5の分子構造を有する複素環状アミン2モルに対してブチルグリシジルエーテル1モルを反応させた変性複素環状アミンである。P002は、化学式5の分子構造を有する複素環状アミン2モルに対してフェニルグリシジルエーテル1モルを反応させた変性複素環状アミンである。
【0055】
【化5】

【0056】また配合割合=主剤/硬化剤とは、(1)のエポキシ樹脂(主剤)100重量部に対して、(2)の混合物(硬化剤)の重量を比で表したものである。また、b/aは(1)のエポキシ樹脂(主剤)中のエポキシ基のモル数(a)と(2)の混合物(硬化剤)の活性水素のモル数(b)の比を示したものである。
【0057】製造されたポリエチレン被覆鋼管から、所定の大きさの試験片を採取して、温水浸漬試験、陰極剥離試験、熱サイクル試験を行った。表2に試験結果を示す。なお各試験法の詳細は後述する。
【0058】
【表2】

【0059】実施例1〜36では、温水浸漬試験によるピール強度は10kg/cmを越え、高温陰極剥離試験による塗膜剥離面積は8cm2 以下が得られ、熱サイクル試験による端部剥離は認められなかった。従って、80℃を越える耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性の何れも良好で、防食性能に優れたポリエチレン被覆鋼管であると評価できた。
【0060】比較例1は、ピール強度が1kg/cmであり、塗膜剥離面積値は8cm2 を越え又、熱サイクル試験での端部剥離もみられた。従って、80℃を越える耐温水性、耐陰極剥離性、そして耐ヒートショック性は良好と判定できず、防食性能に優れたポリエチレン被覆鋼管は得られない。
【0061】比較例2では、ピール強度は3kg/cmで80℃を越える耐温水性は良好であるが、塗膜剥離面積は8cm2 を越え、熱サイクル試験による端部剥離も認められ、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性は良好と判定できず、防食性能に優れたポリエチレン被覆鋼管は得られない。
【0062】(試験方法の詳細)
1.温水浸漬試験耐温水性を評価するための試験である。
【0063】製造したポリエチレン被覆鋼管から幅10mm、長さ200mm、厚さ20mmの試験片を切出してサンプルとした。
【0064】この試験片を、試験温度:85℃の水槽内に、浸漬時間:10000Hr浸漬した後、被覆樹脂層を少し剥がし、これを掴みしろとして引張試験機で引張り、剥離させた場合の引張強度(これをピール強度という)を測定する。引張試験の測定条件は、温度:室温、剥離角:90度、剥離速度:10mm/minとし、単位はkg/cm。
【0065】ピール強度が2kg/cmを越えると、80℃を越える耐温水性が良好であると判定する。
【0066】2.高温陰極剥離試験耐陰極剥離性を評価するための試験である。
【0067】試験温度:85℃、電解液:3%食塩水、印加電圧:−1.5V、(標準電極:Cu/CuSO4 とする)、初期ホリデー径:直径11mm、試験時間:50日間、試験終了後の塗膜剥離面積を測定する。
【0068】被覆樹脂剥離面積が8cm2 以下であると、耐陰極剥離性が良好であると判定する。
【0069】3.熱サイクル試験耐ヒートショック性を評価するための試験である。
【0070】試験条件:−70℃(8Hr)→23℃水中(8Hr)→+45℃(8Hr)を1サイクルとし、25サイクル繰り返した後の試験片の端部剥離の有無を目視観察する。端部剥離が無いと、耐ヒートショック性が良好であると判定する。
【0071】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン被覆鋼材は、上述した構成でかつ順序で積層させた被覆層を鋼材表面に被覆形成させるので、ポリオレフィン樹脂層−鋼材間の密着力が向上し、80℃を越える耐温水性、耐陰極剥離性、耐ヒートショック性が良好な、防食性能に優れたポリオレフィン被覆鋼材が得られる。




 

 


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