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発明の名称 連続鋳造における鋳片内部割れ防止方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−43848
公開日 平成10年(1998)2月17日
出願番号 特願平8−201985
出願日 平成8年(1996)7月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
発明者 伊藤 陽一 / 鍋島 誠司 / 戸澤 宏一 / 反町 健一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 鋼の連続鋳造において、溶鋼をモールド内に注湯する際、浸漬ノズルからCaまたはCa含有合金をモールド内の溶鋼中に添加することにより、鋳片厚み中心近傍のCa濃度を高位に安定させ、Caにより溶存Sを硫化物として固定し低減することを特徴とする連続鋳造における鋳片内部割れ防止方法。
【請求項2】 CaまたはCa含有合金を、モールド内溶鋼サンプル分析値が下式:0.008 ≧[%S]−[%Ca]/1.25を満足するように添加する、請求項1に記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造における鋳片内部割れ防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造は、図1に示すように、取鍋1内の溶鋼2をロングノズル3からタンディッシュ4内に一旦注入し、次いで溶鋼2を浸漬ノズル5からモールド6内に連続的に注入して行う。そして、モールド6内に注入された溶鋼2は、ここで急冷されることにより、凝固シェル7がモールド6内壁に形成され、凝固シェル7はガイドロール8に支持されながら、ここで供給される二次冷却水により冷却されて完全に凝固を完了し、鋳片9としてピンチロール10により連続的に引き抜かれる。なお、符号11は、モールドパウダーである。
【0003】ところで、近年、生産性の向上を目的に、高温鋳片の製造と直送圧延プロセスの安定化を達成するため、連続鋳造の高速化が進められている。この高速鋳造技術を確立するに当たり、品質上の問題の1つに鋳片内部における割れ(以下、「内部割れ」と略記)がある。この内部割れの発生は、凝固界面における歪み増大に伴い発生するものである。そして凝固界面に作用する歪みには、バルジング歪み、曲げ歪み、矯正歪み、ロールミスアライメント歪み、熱応力による歪みなどが挙げられるが、中でもバルジング歪みが主であるとされている。従って、凝固界面に作用する歪みを低減するには、冷却強化によるバルジングの低減が有効であり、例えば特開昭57−187150号公報では、内部割れ発生の防止を目的に、二次冷却水による冷却の強化を図ることが、提案されている。
【0004】しかしながら、二次冷却を強化すると、鋳片温度が低下するため、表面割れの発生を引き起こす上、連続鋳造−圧延工程の直送化に要求される、鋳片の高温保持が困難になることから、二次冷却を強化する場合は、鋳造速度を2.0 m/min以下程度に制限する必要がある。
【0005】一方、内部割れの感受性は、S濃度に大きく影響されることが知られており、内部割れ防止のために、Sの低減が有効であることが、数多く報告されている。また、このS低減に関連して、特開昭56−144051号および特公昭56−51859 号公報には、溶鋼中にCa合金および REM合金を添加することにより、内部割れの発生が抑制できることが報告されているが、特に高速鋳造における有効性に乏しいところに問題が残る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、連続鋳造において、鋳片温度を過度に冷却することなしに内部割れを防止し得る手法を与えることによって、特に2.0 m/min 以上の高速鋳造時の内部割れの抑制ならびに高温度に保持された鋳片が要求される連続鋳造−圧延直送化プロセスを実現しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼の連続鋳造において、溶鋼をモールド内に注湯する際、浸漬ノズルからCaまたはCa含有合金をモールド内の溶鋼中に添加することにより、鋳片厚み中心近傍のCa濃度を高位に安定させ、Caにより溶存Sを硫化物として固定し低減することを特徴とする連続鋳造における鋳片内部割れ防止方法である。
【0008】ここで、CaまたはCa含有合金を、モールド内溶鋼サンプル分析値が下式0.008 ≧[%S]−[%Ca]/1.25を満足するように添加することが好ましい。また、Ca含有合金としては、Ca−Si合金、Ca−Al合金、Ca−Si−REM 合金などが適合する。
【0009】
【発明の実施の形態】前述したように、連続鋳造における内部割れの発生は、二次冷却水の強化ならびに成分中のS値を低減することにより防止できる。しかしながら、冷却水量を増強するには設備上の限界があり、しかも連続鋳造−圧延工程の直送化を推進するには、高温度の鋳片が要求されるため、二次冷却水の増大に対する制約を避けることは難しい。さらに、Sを低減するには、一般に脱硫プロセスが必要となるため、製鋼コストの増大につながるばかりでなく、製造プロセスに要する時間が延長されるため、生産性の観点からも、その実現が困難である。
【0010】なお、Sは界面張力が小さいため、内部割れ発生起点に濃化しやすいだけでなく、高温延性が零の領域である脆化域を増大させることも報告されており、S値を鋳造速度、二次冷却水量に応じた内部割れ発生限界以内に収めることも必要である。
【0011】また、現状の主流の方式となっている、垂直曲げ型の連続鋳造機における内部割れの発生は、バルジング歪みならびに脆化域幅が大きくなる凝固末期に顕著となる。従って、鋳片厚みの1/4〜1/2深さ(片側での深さ、両側では1/4〜3/4深さに相当)位置における内部割れの防止が特に重要となる。
【0012】以上の技術的背景に対して、従来のCa合金やREM合金添加による内部割れ低減の手法では、CaやREMの濃度が鋳片厚み方向にほぼ均一となるため、高速鋳造時の内部割れ防止に要求される低水準のS量となるまで、SをCaにより固定することは困難であったのである。
【0013】しかるに、本発明では、モールド内の溶鋼中に浸漬ノズルから、Ca又はCa含有合金を、好ましくは微粒状で、吹き込むことにより、鋳片厚み方向の中心近傍のCa濃度を局所的に高濃度にすることが可能となり、内部割れの発生に必要なS量を高速鋳造においても達成可能とした。
【0014】すなわち、図2および図3に示すように、モールド6内に溶鋼2を注入する浸漬ノズル3に、その上部側壁に設けた導入孔3aから側壁内側で延びる供給路3bを介してノズル先端面に開口する供給口3cを一連に形成し、この供給口3cからCaまたはCa合金12をモールド6内の溶鋼2中に供給することによって、鋳片厚み中心近傍のCa濃度を局所的に高くすることができる。
【0015】ここで、CaまたはCa合金をモールド6内の溶鋼2中に添加する際の量は、モールド内溶鋼サンプル分析値が下式;
0.008 ≧[%S]−[%Ca]/1.25を満足するように供給することが好ましい。なぜなら、上述したCa量を溶鋼中に存在させることで、内部割れ発生防止に必要となる溶存S量Sr が鋳片1/4〜1/2深さ位置で達成可能となるからである。
【0016】また、浸漬ノズルの浸漬深さは、250mm以上とするのが好ましい。さらに、CaまたはCa合金の添加条件としては、例えば、高歩留りを達成するために、1mm以下の粒状で70%Ca−30%SiからなるCa−Si合金を、搬送ガスとして5.0リットル/min のArを用い、速度0.8kg/min で供給する条件が挙げられる。
【0017】
【実施例】220mm厚の鋳片を製造する実機連続鋳造設備において、C:0.16wt%,P:0.02wt%およびS:0.010wt%の組成の溶鋼による連続鋳造を、鋳造速度:2.0m/min および比水量:2.0リットル/kgで行うに当たり、70%Ca−30%SiからなるCa−Si合金(粒径1mm以下の粒状)を、搬送Arガス量5.0リットル/min により、0.8kg/min の速度で、浸漬ノズルを介して図2に示した要領で添加した。また、比較のために、Ca合金を添加しない場合(比較例A)およびCa合金をレードルからCa:25ppm 相当添加する場合(比較例B)についても、同様に連続鋳造を行った。
【0018】以上の方法で連続鋳造した鋳片について、厚み方向のSを分析し溶存S量を求めるとともに、内部割れ発生の程度を調査した。まず、図4に、鋳片厚み方向における溶存S量の分布を示す。なお、溶存S量Sr は、以下の式にて定義した。

但し、MS:S含有量MCa:Ca原子量【0019】図4より、本発明法では、鋳片厚1/4 〜1/2 (中心)位置のCa濃度が高い値となり、Sr 値が低位になることがわかる。図中には、参考として、歪み解析から推定した内部割れ発生限界のSr 値を二点鎖線で示しているが、本発明法を採用することにより、ほぼ近い分布を達成できていることがわかる。
【0020】また、表1に、内部割れ発生量の比較を示す。ここで、内部割れ発生量は、鋳片断面Sプリントを用いて評価し、評価方法は図5に示す方法に従った。すなわち、鋳片幅中央位置において鋳造方向に採取したサンプルにおいて、内部割れ長さをai (mm)としたときの、内部割れ指数ICRは、次式のとおりである。
ICR={Σai 2 /(L×T)}×10000但し、L:サンプル長(mm)
T:サンプル厚(mm)
【0021】
【表1】

【0022】表1に示すように、本発明法の採用により、内部割れ発生はほぼ皆無となり、無欠陥鋳片の製造が可能となった。なお、本発明法による鋳片は表面割れの発生も皆無であり、また本発明法では浸漬ノズルを介してCa合金を添加しているため、添加時のモールド湯面の乱れに起因するパウダー巻き込み性の欠陥ならびにブローホール欠陥の発生も皆無であった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、2次冷却能力を増強することなしに、高速鋳造における内部割れの発生を抑制することが可能となる。従って、従来は鋳造が困難であった2.0m/min 以上の高速鋳造が安定して可能となるため、生産性が飛躍的に向上することになる。また、高温度に保持された鋳片を得ることが可能となり、連続鋳造−圧延直送化プロセスの実現に大きく寄与する。




 

 


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