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発明の名称 熱間タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−43807
公開日 平成10年(1998)2月17日
出願番号 特願平8−202110
出願日 平成8年(1996)7月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外4名)
発明者 大森 和郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱間タンデム圧延での被圧延材の尻抜け尾端部通過時の、あらかじめ所定のガイド隙に設定されている入側サイドガイドの制御方法であって、被圧延材の厚みおよび幅をもとに算出した限界座屈荷重:Pcrと、被圧延材のウェッジ比率変化をもとに算出した尾端スラスト荷重:Ps とが、Pcr>Ps の場合には、所定のガイド隙のままサイドガイドを保持し、Pcr<Ps の場合には、被圧延材のウェッジ比率変化から算出される尾端蛇行量以上にサイドガイド幅を拡げることを特徴とする熱間圧延タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法。
【請求項2】 サイドガイドの調整幅とその開閉速度および被圧延材の通過速度とから、サイドガイドの調整開始時点を定める請求項1に記載の熱間タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱間タンデム圧延において、被圧延材の尻抜け尾端部が当該圧延ロール入側で生じる蛇行により、サイドガイドと接触して発生する絞り込みを防止する熱間タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法を提案するものである。
【0002】この絞り込みは、特に薄物材において顕著に発生するものであり、近年、経済性の観点から冷延板の代替えとして熱延板が用いられるすう勢にあり、薄物熱延板の需要が増加する傾向にあることから、好適な絞り込み防止技術の開発が強く望まれている。
【0003】
【従来の技術】一般に、熱間タンデム圧延ラインにおいて、被圧延材尾端が(i)スタンドを通過して(i+1)スタンドに入るまでの間に蛇行が生じる。
【0004】そして、各スタンド間には、尾端部を含め被圧延材全長にわたる蛇行を抑制するため所定のガイド隙をもってサイドガイドが設置されているが、被圧延材尾端部が大きく蛇行して入側サイドガイドと強く接触すると、薄物材の圧延の場合には板幅端部がめくれ上って、いわゆる絞り込みが発生する。この絞り込みが発生すると圧延ロールを疵つける原因となり、以後の圧延ができなくなる。したがって、尾端部においては蛇行を抑制するよりも絞り込みの発生を防止することの方が重要になる。
【0005】これまで、被圧延材尻抜け時の、蛇行による絞り込みの発生を防止するための技術としては、圧延中の圧延ロールの左右荷重差を検出し、この荷重差に応じて圧延ロールの左右レベリング差を制御することにより蛇行を防止する方法や、例えば、特開平5−285521号公報(鋼ストリップの絞り込み防止方法)に提案開示されているように、圧延中の圧延ロールの左右荷重差が閾値を超えた時、サイドガイドの幅を拡げる方法などがある。
【0006】しかしながら、圧延中に生じる圧延ロールの左右荷重差を検出し、これに基づいて圧延ロールの左右レベリング差を制御する方法では、被圧延材の蛇行以外の要因(たとえば被圧延材の左右温度差)によって発生する荷重差の影響を受けるため、制御精度が劣化し、十分な制御効果は得られなかった。
【0007】一方、圧延中の圧延ロールの左右荷重差が閾値を超えた時、サイドガイドの幅を拡げる方法では、上記と同様に圧延ロールの左右荷重差が蛇行以外の要因の影響を受けること以外に、閾値を検出してからサイドガイドを作動させるまでに時間がかかり、特に圧延速度が速くなり、かつ、板厚が薄くなって蛇行による絞り込みの発生が問題となる後段のスタンドでは、時間的な対応が十分にできなくなるなどの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明のうち、請求項1に記載の発明は、前記した問題点を有利に解決し、被圧延材の尻抜け尾端部の蛇行による絞り込みの発生を防止する熱間タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法を提案することを目的とするものであり、請求項2に記載の発明は、被圧延材尻抜け尾端部の通過に対応するように入側サイドガイドの調整開始時点を定める請求項1に記載の熱間タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法を提案することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨とするところは以下の通りである。
【0010】■ 熱間タンデム圧延での被圧延材の尻抜け尾端部通過時の、あらかじめ所定のガイド隙に設定されている入側サイドガイドの制御方法であって、被圧延材の厚みおよび幅をもとに算出した限界座屈荷重:Pcrと、被圧延材のウェッジ比率変化をもとに算出した尾端スラスト荷重:Ps とが、Pcr>Ps の場合には、所定のガイド隙のままサイドガイドを保持し、Pcr<Ps の場合には、被圧延材のウェッジ比率変化から算出される尾端蛇行量以上にサイドガイド幅を拡げることを特徴とする熱間圧延タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法(第1発明)。
【0011】■ サイドガイドの調整幅とその開閉速度および被圧延材の通過速度とから、サイドガイドの調整開始時点を定める第1発明に記載の熱間タンデム圧延での入側サイドガイドの制御方法(第2発明)。
【0012】ここで、ウェッジ比率とは、ウェッジ量/板厚のことを云う。また、ガイド隙とは、被圧延材板幅方向端面とこれに面するサイドガイドとの間隔のことをいい、所定のガイド隙とは、鋼種、板厚、板幅および圧延条件などから経験的に定める値である。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の作用効果について以下に述べる。この発明は、前記したように、被圧延材のウェッジ比率変化をもとに算出される前スタンド尻抜け後の尾端スラスト荷重:Ps が、被圧延材の限界座屈荷重:Pcrよりも大きい場合には、尾端部の通過に対応させて、被圧延材尾端部の蛇行量以上にサイドガイド幅を拡げるため、被圧延材尾端部はサイドガイドに接触することがなく、したがって、絞り込みが発生することはない。
【0014】また、尾端スラスト荷重:Ps が被圧延材の限界座屈荷重:Pcrよりも小さい場合には、尻抜け後もサイドガイド幅を所定のガイド隙に保持しても被圧延材は座屈することがなく、したがって、絞り込みが発生することがない。なお、この場合、サイドガイド幅を所定のガイド隙に保持しているので、被圧延材の蛇行を尾抜け尾端部にいたるまで防止でき、安定した圧延が可能になる。
【0015】ところで、被圧延材のウェッジ比率変化をもとにする尾端スラスト荷重:Psは、例えば、次式(1) で求めることができる。
【数1】

ここにP :圧延荷重(Kg)
Δφ:ウェッジ比率変化(−)
B :板幅(mm)
h :板厚(mm)
d :圧延機中心から尾端までの距離(mm)
r :圧下率(−)
α,β,γ:定数(−)
h :板厚(mm)
B :板幅(mm)
G :横弾性係数(Kg/mm2
【0016】また、限界座屈荷重:Pcrを平板の横座屈荷重として求めると、次式(2) で与えられる。
【数2】

ここにd :圧延ロール中心から尾端までの距離(mm)
E :被圧延材のヤング率(Kg/mm2
Iη:板厚方向断面2次モーメント(mm4)C :h・B3 ・G(Kg・mm2)h :板厚(mm)
B :板幅(mm)
G :横弾性係数(Kg/mm2
【0017】これら(1) 式と(2) 式とを連立させることによって、被圧延材の座屈限界範囲を求めることができる。
【0018】図1(a), (b)に左右ロール開度差Sdfo を20μm として場合の計算例として、尾端スラスト荷重(ガイド荷重)および限界座屈荷重と被圧延材尾端の圧延ロール中心からの距離との関係のグラフを示す。また、図1(a) は入側被圧延材板厚か3.0 mmの場合、図1(b) は入側被圧延材板厚が2.0 mmの場合である。
【0019】これらの図において、図1(a) の入側板厚が3mmの場合では、被圧延材尾端が圧延ロール中心から650 mm以下でPs <Pcrの関係になることから、尾端が圧延ロール中心から650 mmの位置での蛇行量だけサイドガイド幅を拡げればよい。また、図1(b) の入側板厚が2mmの薄物材の場合では、被圧延材尾端がどの位置にあってもPs >Pcrの関係にあり、尾端蛇行量の最大値を見込んでサイドガイド幅を拡げることが必要である。
【0020】尾端蛇行量は、ウェッジ比率変化から算出可能で、その計算例として、図2に尾端蛇行量と圧延ロール中心からの距離との関係のグラフを示す。
【0021】なお、上掲図1および図2において、前スタンドのウェッジ量は0として求めている。また、ロール開度差:Sdfo (mm)からのウェッジ量:hdf(mm)の算出は下記式(3) により行うことができる。
hdf=B/L・SdfoここにB :板幅(mm)
L :ロールチョック間距離(mm)
【0022】図3は、図1および図2から求まる被圧延材の尾抜け尾端部通過時の必要ガイド隙の例で、図中×印は、サイドガイド長手方向全領域で被圧延材の座屈が起こる場合で、この場合は、ガイド隙を被圧延材尾端の最大蛇行量(片側)以上とするサイドガイド幅にする。また、図中の○印は、圧延ロール中心からある距離以下では被圧延材の座屈が生じない場合で、この図の例の場合は、座屈が生じなくなる圧延ロール中心からの距離は650 mm以下である。このときのサイドガイド幅は、圧延ロール中心から650 mmの位置での尾端蛇行量(片側)をガイド隙とすることでよい。
【0023】なお、実際の被圧延材尾抜け尾端部通過時のガイド隙は、上述の蛇行量以外に、板幅変動等から定まる所定のガイド隙を加味して決定される。
【0024】
【実施例】図4は、この発明を適用した場合の実施態様を示すフローチャートである。この図において、左右ロール開度差の設定は、対象とする圧延機で起りうるロール開度差をあらかじめ設定しておく。また、ウェッジ量を前記(3) 式を用いて算出し、圧延条件を考慮して前記(1) 式および(2) 式よりサイドガイド長手方向全領域での尾端スラスト荷重:Ps および限界座屈荷重:Pcrをそれぞれ算出する。
【0025】これらの算出したPs とPcrとを比較し、3つの場合にわけてそれぞれ以下に列記する方法でサイドガイドを制御する。
【0026】■ サイドガイド長手方向全領域でPs >Pcrとなる場合被圧延材尾端部の最大蛇行量:δmax を求めて、このδmax から必要ガイド隙Δを決定し、これにもとづいてサイドガイド幅を調整する。
【0027】■ サイドガイド長手方向の一部でPs >Pcrとなる場合Ps >Pcrとなる位置、すなわち、圧延ロール中心から被圧延材尾端までの距離:d1 での蛇行量:δ1 を求め、このδ1 から必要ガイド隙Δを決定し、サイドガイド幅を調整する。
【0028】■ サイドガイドの長手方向全領域でPs <Pcrとなる場合被圧延材尾端尻抜け時もサイドガイド幅を拡げる必要はなく、所定のガイド隙Δ0 を保持する。
【0029】つぎに、図5は、この発明を適用した場合のサイドガイドの調整開始時点決定の一例を示す説明図で、この図は、仕上げ圧延機の最終スタンド(F7スタンド)に適用し、圧延条件を、F7スタンド入側板厚:2.0 mmF7スタンド出側板厚:1.6 mm板幅:1000mm左右ロール開度差:20μmF6スタンド入側被圧延材速度:500 mpmF7スタンド入側被圧延材速度:640 mpmとした場合のものである。
【0030】また、図5において、サイドガイドの調整開始時期の決定手順は以下のようにした。前掲図2のd=400 mmの位置での被圧延材尾端の蛇行量:70mmを最大蛇行量:δmax とし、この値をサイドガイドの調整幅(片側)とした。このサイドガイドの調整幅分拡げるための必要作動時間を、サイドガイドの開閉速度(片側):100 mm/sから0.70sを算出した。そして、上記した被圧延材のF6およびF7入側速度とサイドガイドの必要作動時間とから、サイドガイド幅調整開始時点を決定した(被圧延材尾端がF6圧延ロール中心より1850mm手前)。
【0031】なお、図5は、F7出側で測定した被圧延材尾端部の蛇行量とサイドガイド幅作動チャートとを重ね合わせたものである。
【0032】図5より明らかなように、上記で決定したサイドガイド幅の調整開始時点を採用することにより、尾端部の蛇行量に対して、サイドガイド幅の開きは先行しており、被圧延材とサイドガイドとの接触は防止できることを示していて、絞り込みが発生することはない。
【0033】
【発明の効果】この発明のうち、請求項1に記載の発明は、熱間タンデム圧延での被圧延材の尻抜け尾端部通過時に入側サイドガイドを制御するにあたり、被圧延材の限界座屈荷重とウェッジ比率変化をもとに算出した尾端スラスト荷重との比の値によって、サイドガイドの制御方法を変えるようにしたものであり、請求項1に記載の発明によれば、尻抜け時に座屈の生じやすい薄物材の絞り込みを防止し、絞り込みに起因するロール疵の発生を防止でき、座屈の生じにくい厚物材ではサイドガイドによる被圧延材の保持が十分にでき安定した圧延が可能になる。
【0034】請求項2に記載の発明は、被圧延材尻抜け尾端部の通過に対応させて請求項1に記載の発明の入側サイドガイドの制御が行えるようにするものであり、請求項2に記載の発明によれば、被圧延材の尻抜け尻端部の通過に正確にマッチングして入側サイドガイドの制御を行うことができ、安定して薄物材の絞り込みを防止できる。




 

 


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