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発明の名称 鋼管の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−24321
公開日 平成10年(1998)1月27日
出願番号 特願平8−196979
出願日 平成8年(1996)7月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
発明者 豊岡 高明 / 板谷 元晶 / 依藤 章 / 大西 寿雄 / 橋本 裕二 / 田中 伸樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 帯鋼を連続的に成形ロールで管状に成形した後、該管状のオープン管の両エッジ部を加熱し、スクイズロールにより衝合接合する鋼管の製造方法において、1個の誘導加熱コイルでオープン管の母管全体を温間域に加熱するとともに、該オープン管の両エッジ部端面を固相圧接温度域に加熱し、上記オープン管の両エッジ部をスクイズロールにより衝合し固相圧接することを特徴とする鋼管の製造方法。
【請求項2】 前記誘導加熱コイルによる母管加熱温度が800 ℃以下である請求項1記載の鋼管の製造方法。
【請求項3】 前記誘導加熱コイルによる固相圧接温度が1300℃〜管材融点未満である請求項1又は2記載の鋼管の製造方法。
【請求項4】 大気中で固相圧接した場合、前記固相圧接後のシーム温度を1300℃以上で0.03秒以上保持する請求項1〜3のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
【請求項5】 前記オープン管の誘導加熱コイルによる加熱域及びスクイズロールによる固相圧接域の雰囲気が、シールド装置により大気より低い酸素濃度雰囲気に設定される請求項1〜4のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
【請求項6】 前記酸素濃度に応じて、前記固相圧接後のシーム部温度を1300℃以上で(1) 式で表わされる時間保持する請求項5記載の鋼管の製造方法。
【数1】

k :1300℃以上保持時間(秒)
2 :酸素濃度(%)
【請求項7】 前記酸素濃度が 1%以下に設定される請求項5又は6記載の鋼管の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管の製造方法として、従来技術1(鉄鋼便覧第 3版1056〜1092頁)、従来技術2(鉄鋼便覧第 3版1093〜1109頁)がある。
【0003】従来技術1は、電縫鋼管の製造法に関するものであり、連続的に帯鋼を供給し、成形ロールで管状に成形してオープン管とし、続いて高周波誘導加熱によりオープン管の両エッジ部端面を鋼の融点以上に加熱した後、スクイズロールで両エッジ部端面を衝合溶接して鋼管を製造する方法である。そして、この従来技術1では、衝合溶接時に、管の内外面に溶融ビードを排出させるため、衝合溶接後に管内外面の溶融ビードの除去が必要であり、ほとんどがビード切削用バイトにより切削されて除去されている。
【0004】従来技術2は、鍛接鋼管の製造法に関するものであり、連続的に供給した帯鋼を加熱炉で1300℃程度に加熱した後、成形ロールで管状に成形してオープン管とし、続いてオープン管の両エッジ部に高圧空気を吹き付けて端面のスケールオフを行なった後、ウェルディングホーンにより端面に酸素を吹き付け、その酸化熱で端面を1400℃程度に昇温させてから、鍛接ロールで両エッジ部端面を衝合させ固相接合して鋼管を製造する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術には以下の如くの問題点がある。
(従来技術1)
■ビード切削用バイトの切削量の調整で、材料と時間のロスが発生する。
【0006】■ビード切削用バイトは消耗品であるため、造管速度によって異なるが、3000〜4000m のビード切削長毎にバイトを交換する必要があり、 3〜 5分程度の交換時間毎にラインの停止を余儀なくされる。
【0007】■特に造管速度が100m/minを超える高速造管では、ビード切削用バイトの寿命が短く、交換頻度が高い。
【0008】■上記■〜■により、ビード切削がネックとなり、高速造管ができないため生産性が低い。
【0009】(従来技術2)
■端面のスケールオフが完全ではないので、鍛接衝合部へのスケール噛込みが発生し、シーム部の強度が母材部に比べてかなり劣る。このため、偏平試験で、電縫鋼管なら偏平高さ比h/D= 2t/D(密着)を達成できるのに対し、鍛接鋼管では偏平高さ比h/Dが 0.5程度に劣るものとなる。
【0010】■熱間で管を製造するため、表面にスケールが生成し表面肌が悪い。
【0011】■上記■、■により、造管速度が300m/min以上と速く生産性は高いが、シーム品質及び表面肌が悪い。従って、JISのSTK等の強度信頼性や表面品質を要求されるものは製造できない。
【0012】本発明の課題は、誘導加熱方式による鋼管の製造に際し、優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼管を、ビード切削を行なわずに、高い生産性で製造することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、帯鋼を連続的に成形ロールで管状に成形した後、該管状のオープン管の両エッジ部を加熱し、スクイズロールにより衝合接合する鋼管の製造方法において、1個の誘導加熱コイルでオープン管の母管全体を温間域に加熱するとともに、該オープン管の両エッジ部端面を固相圧接温度域に加熱し、上記オープン管の両エッジ部をスクイズロールにより衝合し固相圧接するようにしたものである。
【0014】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記誘導加熱コイルによる母管加熱温度が800 ℃以下であるようにしたものである。
【0015】請求項3に記載の本発明は、請求項1又2に記載の本発明において更に、前記誘導加熱コイルによる固相圧接温度が1300℃〜管材融点未満であるようにしたものである。
【0016】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の本発明において更に、大気中で固相圧接した場合、前記固相圧接後のシーム温度を1300℃以上で0.03秒以上保持するようにしたものである。
【0017】請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の本発明において更に、前記オープン管の誘導加熱コイルによる加熱域及びスクイズロールによる固相圧接域の雰囲気が、シールド装置により大気より低い酸素濃度雰囲気に設定されるようにしたものである。
【0018】請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の本発明において更に、前記酸素濃度に応じて、前記固相圧接後のシーム部温度を1300℃以上で(1) 式で表わされる時間保持するようにしたものである。
【0019】
【数2】

k :1300℃以上保持時間(秒)
2 :酸素濃度(%)
【0020】尚、シーム部温度を1300℃以上に保持している時間が長いほど、Feの拡散が充分行なわれるため、強固な接合が達成でき、より好ましくは、下記(2) 式によるものとする。
【0021】
【数3】

【0022】請求項7に記載の本発明は、請求項5又6に記載の本発明において更に、前記酸素濃度が 1%以下に設定されるようにしたものである。
【0023】本発明によれば下記■〜■の作用がある。
■オープン管の両エッジ部を固相圧接シームするものであり、電縫鋼管におけるような溶融ビードの発生に起因するビード切削を伴うことがない。従って、高速造管ができ、生産性が高い。
【0024】■熱間で造管するものでないため、固相圧接部へのスケール噛込みがなく、シーム部の強度が高い。
【0025】■熱間で造管するものでないため、表面でのスケール生成がなく、表面肌が良い。
【0026】■母管加熱温度が 800℃以下であるものとすることにより、表面スケールの生成を防止し、表面肌悪化を防止できる。
【0027】■固相圧接温度の下限を1300℃とすることにより、シーム品質を確保できる。また、固相圧接温度の上限を管材融点(炭素鋼で1520〜1550℃程度)とすることにより、溶融ビードの発生を確実に防止できる。
【0028】■オープン管の誘導加熱コイルによる加熱域及びスクイズロールによる固相圧接域の雰囲気が、シールド装置により大気より低い酸素濃度雰囲気(好適には 1%以下)に設定されるものとすることにより、固相圧接部まわりでのスケール生成を防止し、シーム品質及び表面肌を向上できる。
【0029】■前記酸素濃度に応じて、前記固相圧接後のシーム部温度を1300℃以上で前記(1) 式で表わされる時間保持することにより、固相接合部でのFe拡散時間を確保して固相圧接の接合強度(シーム品質)を向上できる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態を示す模式図、図2は固相圧接における加熱冷却曲線を示す模式図、図3は固相圧接温度−シーム冷却速度の相関図、図4は母管加熱温度−シーム冷却速度の相関図、図5は第2実施形態を示す模式図、図6は酸素濃度−偏平高さ比の相関図、図7は第1実施例における生産性向上効果を示す模式図、図8は第1実施例における偏平高さ比向上効果を示す模式図、図9は第1実施例における表面粗さ向上効果を示す模式図、図10は第2実施例における生産性向上効果を示す模式図、図11は第2実施例における偏平高さ比向上効果を示す模式図、図12は第2実施例における表面粗さ向上効果を示す模式図である。
【0031】(第1実施形態)(図1〜図4)
鋼管製造装置10は、図1に示す如く、帯鋼を管状に成形してオープン管1とする管成形装置を有するとともに、このオープン管1を鋼管2とするための誘導加熱コイル11、スクイズロール12を有している。
【0032】即ち、鋼管製造装置10では、1個の誘導加熱コイル11でオープン管1の母管全体を温間域に加熱するとともに、オープン管1の両エッジ部端面を固相圧接温度域に加熱した後、スクイズロール12で衝合し固相圧接する。3はシームを示す。
【0033】誘導加熱コイル11によるエッジ端面(シーム)の加熱冷却曲線■と、母管の加熱冷却曲線■を図2に示す。図2において、Pは固相圧接点を示す。
【0034】然るに、オープン管1の母管の加熱温度は誘導加熱コイル11の出力の調整により任意に制御できる。オープン管1の両エッジ端面の固相圧接温度は誘導加熱コイル11の出力及びエッジの加熱効率の調整により任意に制御できる。エッジの加熱効率は、スクイズロール12に対する誘導加熱コイル11の位置(距離Lc)或いはインピーダー効率の調整により制御できる。インピーダー効率は、インピーダーの長手方向位置(Li )乃至インピーダーコアの寸法(長さ、断面積)の変更により調整できる。
【0035】また、鋼管2の固相圧接後のシーム温度1300℃以上の保持時間は、母管の加熱温度と誘導加熱コイルの加熱周波数の変更で、エッジからの管円周方向の温度分布を調整することにより制御できる。
【0036】ここで、誘導加熱コイル11による固相圧接温度とシーム冷却速度の組み合せが、シーム品質(偏平高さ比h/D)に及ぼす影響を調査した結果、図3を得た。
【0037】また、誘導加熱コイル11による母管加熱温度とシーム溶接速度との関係を調査した結果、図4を得た。
【0038】本発明では、図3、図4により下記(a) 〜(c) の操業条件を定めた。
(a) 固相圧接温度誘導加熱コイル11による固相圧接温度が1300℃〜管材融点未満、より好適には1370〜1500℃であること。
【0039】(b) シーム温度保持時間大気中で固相圧接した場合、前記固相圧接後のシーム温度を1300℃以上で0.03秒以上保持する。
【0040】(c) 母管加熱温度誘導加熱コイル11による母管加熱温度が 200〜 800℃、より好適には 400〜700℃であること。
【0041】従って、本実施形態によれば、下記■〜■の作用がある。
■オープン管1の両エッジ部を圧接シームするものであり、電縫鋼管におけるような溶融ビードの発生に起因するビード切削を伴うことがない。従って、高速造管ができ、生産性が高い。
【0042】■熱間で造管するものでないため、圧接部へのスケール噛込みがなく、シーム部の強度が高い。
【0043】■熱間で造管するものでないため、表面でのスケール生成がなく、表面肌が良い。
【0044】■母管加熱温度が 800℃以下、より好適には400 〜700 ℃であるものとすることにより、表面スケールの生成を防止し、表面肌悪化を防止できる。
【0045】■圧接温度の下限を1300℃、より好適には1370℃とすることにより、シーム品質を確保できる。また、固相圧接温度の上限を管材融点(炭素鋼で1520〜1550℃程度)、より好適には1500℃とすることにより、溶融ビードの発生を確実に防止できる。
【0046】(第2実施形態)(図5、図6)
鋼管製造装置20が前記鋼管製造装置10と異なる点は、図5に示す如く、オープン管1の両エッジ部を固相圧接シームする際の酸素濃度雰囲気をシールド装置21により制御可能としたことにある。即ち、鋼管製造装置20では、オープン管1の、誘導加熱コイル11による加熱域及びスクイズロール12による固相圧接域の雰囲気が、シールド装置21により大気より低い酸素濃度雰囲気に設定されるようにしたものである。
【0047】シールド装置21による低酸素濃度化の手段は、具体的には、誘導加熱コイル11とスクイズロール12及びエッジ加熱された部分の鋼管を含む領域全体をボックスで囲み、移動するパイプとボックスの間隙は、ボックス側に固定されたシール材を間隙に充満させてシールする。
【0048】一方、パイプ内面は、バーに支持された遮蔽板で誘導加熱コイル11入側とスクイズロール12出側を仕切り、移動するパイプと遮蔽板の間隙は、遮蔽板側に固定されたシール材を間隙に充満させてシールする。
【0049】前記のようにして作り出したボックス内及びパイプ内面の準閉鎖空間に、窒素或いは他の不活性ガスを適当な流量で定常的に投入し、内部の空気を置換することによって、酸素濃度を制御する。
【0050】このとき、シールド装置21により設定される酸素濃度に応じて、固相圧接後のシーム部温度を1300℃以上で下記(1) 式で表わされる時間保持することにより、固相接合部でのFe拡散時間を充分確保でき、固相圧接の接合強度(シーム品質)を向上できる。
【0051】
【数4】

k :1300℃以上保持時間(秒)
2 :酸素濃度(%)
【0052】尚、シーム部温度を1300℃以上に保持している時間が長いほど、Feの拡散が充分行なわれるため、強固な接合が達成でき、より好ましくは、下記(2) 式によるものとする。
【0053】
【数5】

【0054】前記鋼管製造装置10において前述した固相圧接における加熱冷却曲線(図2)、固相圧接温度−シーム冷却速度の相関関係(図3)、母管加熱温度−シーム冷却速度の相関関係(図4)は、鋼管製造装置20においても同様である。従って、前記鋼管製造装置10において定めた(a) 固相圧接温度、(b) シーム冷却速度、(c) 母管加熱温度の操業条件は、鋼管製造装置20にも適用される。
【0055】シールド装置21により制御された酸素濃度とシーム品質(偏平高さ比h/D)との関係を調査した結果、図6を得た。図6によれば、酸素濃度を 1%以下に設定することにより、シーム品質を向上できることが認められる。
【0056】即ち、本実施形態によれば、オープン管1の誘導加熱コイル11による加熱域及びスクイズロール12による固相圧接域の雰囲気が、シールド装置21により大気より低い酸素濃度雰囲気(好適には 2%以下)に設定されるものとすることにより、固相圧接部まわりでのスケール生成を防止し、シーム品質及び表面肌を向上できる。
【0057】
【実施例】
(第1実施例)(表1、図7〜図9)
前記鋼管製造装置10を用いて、管寸法:42.7φ×2.3t、規格:STK400 の鋼管を造管速度:150m/minで製造した。
【0058】本発明例と比較例について、表1の結果を得た。
【0059】
【表1】

【0060】表1によれば、本発明例において下記■〜■の効果を認めた。
■生産性向上(図7)
従来の電縫管の生産性が9.6T/Hであったのに対し、本発明例では20.6T/H に向上した。
【0061】■シーム品質向上(図8)
従来の鍛接管の偏平高さ比h/Dが 0.4〜 0.6であったのに対し、本発明例では 0.3以下に向上した。
【0062】■表面肌向上(図9)
従来の鍛接管の表面粗さRmaxが30〜40μm であったのに対し、本発明例では 8μm 以下に向上した。
【0063】(第2実施例)(表2、図10〜図12)
前記鋼管製造装置20を用いて、管寸法:42.7φ×2.3t、規格:STK400 の鋼管を造管速度:150m/minで製造した。
【0064】本発明例と比較例について、表2の結果を得た。
【0065】
【表2】

【0066】表2によれば、本発明例において下記■〜■の効果を認めた。
■生産性向上(図10)
従来の電縫管の生産性が9.6T/Hであったのに対し、本発明例では20.6T/H に向上した。
【0067】■シーム品質向上(図11)
従来の鍛接管の偏平高さ比h/Dが 0.4〜 0.6であったのに対し、本発明例では 0.3以下に向上した。
【0068】■表面肌向上(図12)
従来の鍛接管の表面粗さRmaxが30〜40μm であったのに対し、本発明例では 8μm 以下に向上した。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘導加熱方式による鋼管の製造に際し、優れたシーム品質及び表面肌を有する鋼管を、ビード切削を行なわずに、高い生産性で製造することができる。




 

 


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