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発明の名称 鋼管の絞り圧延方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−5819
公開日 平成10年(1998)1月13日
出願番号 特願平8−170326
出願日 平成8年(1996)6月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 佳男 (外1名)
発明者 佐藤 秀雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 孔形ロールを用いた絞り圧延機で、鋼管の肉厚を絞り込むに際して、上記孔形ロールのカリバー部に、増摩剤を吹付けることを特徴とする鋼管の絞り圧延方法。
【請求項2】 上記増摩剤を炭化珪素を主成分としたことを特徴とする請求項1記載の鋼管の絞り圧延方法。
【請求項3】 請求項1又は2に加え、絞り圧延機の入側直前で、素管に直接増摩剤を吹付けることを特徴とする鋼管の絞り圧延方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管の絞り圧延に関し、例えば、マンドレル・ミル等で既に造管された継目無鋼管(素管)の肉厚をさらに絞って所定の製品厚にする所謂絞り圧延において、設備を増設せずに絞り量を増加させる技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】絞り圧延機(以下、ストレッチ・レデューサという)は、例えば小径の継目無鋼管(以下、単に鋼管という)を製造するプロセスにおいて、粗造管するピアサー・ミル、マンドレル・ミルに続き、最終圧延機として配置されているのが通常である。
【0003】このストレッチ・レデューサは、2〜3個のロールを組み込んだロール・スタンド(以下、単にスタンド4という)を連続的に多数配置し、図2に示すように、素管1の外径をロール2、2’の圧下によって縮小せしめると共に、各スタンド間で生じる張力3を該素管1に作用させて引張り、素管1の肉厚を所定値まで低減するものである。そして、ストレッチ・レデューサによる肉厚制御方法は、鉄鋼便覧III(2)(昭和55年発行、丸善)の1043〜1047頁に記載されたNeumannとHanckeによる圧延理論から導かれる。
【0004】つまり、彼らは、素管1の体積一定条件(φ1 +φ2 +φ3 =0),Levy−Misesの応力−歪み関係式等から管の絞り圧延の基礎方程式を得た。
(1−2Z):(Z+1):(Z−2)=φ1 :φ2 : φ3 …(1)
ここで、Z:ストレッチ係数(σl /Kf )、σl :軸方向応力、KF :降伏応力、φ1 :半径方向対数ひずみ、φ2 :軸方向対数歪み、φ3 :円周方向対数ひずみこの(1)式をある条件の下で図解すると、前記鉄鋼便覧記載された如く図3のようになるが、この図3は、軸方向応力σ1 、すなわちストレッチ係数Zの与え方で、肉厚の増減が可能なことを示している。
【0005】また、各スタンド4間で素管1に作用する力の釣り合いは、次式で表わすことができる。
b +R=μP(Sb −Sf )+Ff …(2)
b :後方張力 Ff :前方張力 P:圧延圧R:圧延圧の軸方向成分μ:摩擦係数 Sb :後方スリップ領域 Sf :前方スリップ領域Sb +Sf =Sr (ロールと材料との接触面積)
ここで、ストレッチ・レデューサによる圧延で、素管1に付加できる最大張力を求めると、前段スタンドでは、Sb =0、 後段スタンドではSf =0となる。例として、#1スタンドの場合を考えると、Fb =0、Sb =0であるから、それらを(2)式に代入して、f1=R1 +μ11f1 …(3)
が導かれる。この式は、付加できる前方張力Ff に限界があることを示している。この(3)式を、前記(2)式に代入すると、#2スタンドで付加できる最大前方張力が(4)式として求められる。
【0006】
f2=R2 +μ22f2+μ11f2 …(4)
以上の計算をくり返すと、素管1に付加できる最大の前方張力Ff1が求められる(以下、それらを最大ストレッチ係数という。下付き数字は、スタンド番号)。従って、上記した絞り圧延基礎方程式に基づけば、ストレッチ・レデューサで、ある外径、肉厚の素管1を所定の外径、肉厚に仕上げる場合、最大ストレッチ係数値以下の張力を各スタンド4に配分して圧延することになる。
【0007】ところで、現実の問題として、現在のストレッチ・レデューサでスタンド4間に付加できる張力には、限界がある。それは、従来の絞り圧延機においては、(3)式あるいは(4)式の摩擦係数μの値に限界があり、それほど大きくできないからである。従って、現在のストレッチ・レデューサで今よりも肉厚の薄い鋼管を製造するには、スタンド数を今よりも増設し、素管の絞り力を増す必要がある。しかしながら、設備の増設は、設備費や操業費が余分にかかり、経済的に問題となる。また、素管の肉厚を薄くするには、前工程であるマンドレル・ミルで、できるだけ薄肉の素管を作ることが有利であるが、寸法精度や疵等の問題でこれも限界がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情を鑑み、ロール・スタンド数を増設せずに、現状より一段と素管肉厚を薄く絞れる鋼管の絞り圧延方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達成するため、ストレッチ・レデューサにおける力の釣り合いを表わした(2)式を見直した。その結果、圧延圧Pとその軸方向成分Rは、圧延スケジュールにより決定される定数であるので、実際操業で変更できる可能性があるパラメータは、摩擦係数μに限られることが判った。つまり、この摩擦係数μを大きくすることが可能ならば、前記最大ストレッチ係数を大きくすることができ、素管の一層の絞り込みができると判断した。その関係を、スタンド毎に計算した結果を図4に示す。摩擦係数μが大きくなると、最大ストレッチ係数が大きくなることがわかる。
【0010】そこで、発明者は、この摩擦係数μを実際に大きくすることを鋭意検討した。そして、継目無鋼管製造の最初の工程(例えば、ピアサー・ミル)において鋳片に穿孔する際に、ロールと鋳片間のスリップを軽減し、内面疵の発生を防止するために、ロールと鋳片間に増摩剤を噴射する技術があることに着眼し(特開平6−297009号公報、特開平6−344009号公報参照)、本発明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、孔形ロールを用いた絞り圧延機で、鋼管の肉厚を絞り込むに際して、上記孔形ロールのカリバー部に、増摩剤を吹付けることを特徴とする鋼管の絞り圧延方法である。また、本発明は、上記増摩剤を炭化珪素を主成分としたことを特徴とする鋼管の絞り圧延方法であり、さらに、上記方法に加え、絞り圧延機の入側直前で、素管に直接増摩剤を吹付けることを特徴とする鋼管の絞り圧延方法である。
【0012】本発明では、増摩剤の使用で、各スタンドにおいてロールと素管の間の摩擦係数を増加させたり、あるいは調整するので、各スタンド間で発生する張力、つまり最大ストレッチ係数の増加、あるいは調整が可能となる。その結果、設備を増設しないでも、素管の絞り込みを大きくすることが可能となり、従来より薄肉の継目無鋼管の製造ができるようになった。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る鋼管の絞り圧延方法を、継目無鋼管の製造に適用した場合の1つのスタンド4例を示す。そこでは、3つのカリバー5付きロール2が使用され、素管1を同時に圧下を加え、その肉厚を低減する。なお、このスタンド4は、通常、7〜28基程度が直列に配置され、連続的に縮肉を行い、最終的に所定の製品肉厚を達成させる。
【0014】本発明に係る増摩剤9は、液状であり、その貯蔵槽6からポンプ7を介して各ロール2のカリバー部5に送られ、噴射される。その際、輸送途中で水も加えられるようになっている。噴射の量は、各スタンド4の所望のストレッチ係数によって定められ、コンピュータ(図示せず)とバルブ8の開閉を利用して、自動的に調整されるようになっている。増摩剤9としては、例えば、金属、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物及び珪素化合物から選ばれた1種、あるいはそれらの混合物と高分子ポリマーからなる液体に、水を分散させたものである。但し、本発明の実施に当たっては、設備や圧延条件に応じて、これ以外の形態が種々考えられる。例えば、油中へ増摩剤を懸濁させたものであっても良い。要するに、増摩剤が均一に供給できる形態であれば良い。また、増摩剤としては、前記のように種々考えられるが、発明者の試験によれば、炭化珪素を主成分としたものが、最も好ましかった。
【0015】炭化珪素を主成分とした場合の実施成績を、圧延前後の肉厚で評価し、表1に示す。そこでは、前工程のマンドレル・ミルで外径が192mmφ、肉厚5.0mmに造管された素管1を、スタンド数13のストレッチ・レデューサで外径が139.7mmになるまで圧延、減径した。圧延に際しては、本発明に係る増摩剤9を、全スタンドにおいて図1に示した装置を用いてロール2のカリバー部5に、各スタンド4での所望ストレッチ係数になるよう噴射した。
【0016】その結果、肉厚は、4.4mmまで低減させることができた。一方、同一素管を従来通りに、増摩剤9を用いずに同一のストレッチ・レデューサで絞り圧延したところ、4.6mmまでしか減肉しなかった。
【0017】
【表1】

【0018】なお、上記実施例は、継目無鋼管の場合であるが、絞り圧延は、鍛接管等の製造にも使用されるので、本発明の適用は継目無鋼管の製造に限るものではない。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、継目無鋼管の絞り工程において、増摩剤を用いて、ロールと素管の間の摩擦係数を大きくすることが可能となった。その結果、素管に付加できる張力が大きくすることができ、従来の設備で製造できなかった肉厚の継目無鋼管が製造できるようになった。また、同一の素管寸法で種々の肉厚のものが製造可能、つまり、現在のストレッチ・レデューサで変更できる肉厚範囲が広がったので、マンドレル・ミルで造管する素管サイズの種類を削減できることによる生産性向上効果もあった。




 

 


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