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発明の名称 金属酸化物ゾル用結合剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−273319
公開日 平成10年(1998)10月13日
出願番号 特願平9−94866
出願日 平成9年(1997)3月27日
代理人
発明者 山本 伸 / 國司 京子
要約 目的
本発明は金属酸化物ゾル用結合剤に関し、チタン、セリウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物ゾルが有する光機能を充分発揮させるための膜形成において、特殊な処理設備を必要とせず、これら金属酸化物ゾルをコーティングできる結合剤を提供することを目的とする。

構成
本発明は組成がM/Sn(但し、Mはアルカリ金属を示す。)=0.05〜0.5(モル比)の範囲である塩基性スズ酸アルカリ金属塩からなるチタン、セリウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物ゾル用結合剤であるから、金属酸化物ゾルが有する光機能を充分に発揮させるための膜形成において、特殊な処理設備を必要とせず、これら金属酸化物ゾルをコーティングできる極めて実用的且つ製造も安価な優れたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】 塩基性スズ酸アルカリ金属塩からなるチタン、セリウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物ゾル用結合剤【請求項2】 塩基性スズ酸アルカリ金属塩の組成がM/Sn(但し、Mはアルカリ金属を示す。)=0.05〜0.5(モル比)の範囲である請求項1記載の金属酸化物ゾル用結合剤。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属酸化物ゾル用結合剤に関し、チタン、セリウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物ゾルが有する光機能を充分発揮させるための薄膜形成において、特殊な処理設備を必要とせず、これら金属酸化物ゾルをコーティングできる結合剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン、セリウム、ニオブ、タンタルなどの元素固有の特性、例えば紫外線吸収能、光触媒能、赤外線反射能などの機能を充分発揮させるための透明薄膜の作製方法としては、従来蒸着法のみであった。しかし、この方法は大形状の基板には不向きで、適用できたとしても大量・安価に作製することは困難であり、特殊な小さな部材にしか利用できなかった。
【0003】チタン、セリウム、ニオブ、タンタルなどのゾルが開発され、これらを用いると、塗料的なコーティング方法で透明な薄膜が得られることがわかったが、コーティングし乾燥したのみでは膜強度が弱く、焼き付け(熱処理)ても依然として充分な膜強度が得られず、その改善が望まれていた。
【0004】そこで、本発明者らは簡単で工業的な膜強度改善法として、結合剤を使用する方法を検討したが、水ガラスはチタン、セリウム、ニオブ、タンタルなどのゾルと混合すると、相溶性が悪く、透明な膜を作製することができず、シリカゾルなどの金属酸化物ゾルを使用した場合、単なるゾル同士の混合物としかならず、膜強度改善にはつながらなかった。またアルコキシシランの加水分解物についても検討したが若干改善効果は見られるものの、所詮ゾル・ゲル法であるために、膜強度は充分ではなく、また、アルコールを含んでいるため、ゾルとの相溶性が悪く、コーティング剤に仕上げる際の制約が多く、実用的でなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】紫外線吸収、光触媒、赤外線反射などの機能を利用する用途が広がるにつれ、透明な薄膜強度の強いものが増々要望されるようになり、更に、屋外用には耐水性が要望させるようになってきた。しかし、前述の通りゾルのみからなる薄膜ではこれらの新たな用途に対応することはできない。特に、紫外線吸収及び光触媒用途にあっては、耐候性や光触媒による酸化分解の点から無機系組成でなければならない。現在これらの要望を満たすものは得られていないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような状況において、透明性に優れ、金属酸化物ゾルと混合できる結合剤として、塩基性塩の溶液に着目し、各種塩基性塩の強度発現について検討した結果、塩基性スズ酸アルカリ金属塩が前記要請条件を満足することを見い出した。
【0007】ところで、スズ化合物を用いたゾルに関する公知文献としては下記のような文献があり、それぞれ以下のような内容が記載されている。特開昭63-185820号公報にはチタニアゾル前駆体にケイ素化合物またはジルコニウム化合物を添加することによりチタニアゾルを改質する方法が技術開示されているがチタニアゾル前駆体を製造する際に無機化合物としてスズ等の第IV族の化合物を使用することが記載されている。
【0008】また特公平5-87446号公報には、周期律第III族、第IV族、第V族、第VI族及び第VII族の元素の1種または2種以上から選ばれた無機化合物の共存下で含水チタン酸のゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて含水チタン酸を溶解して得られたチタン酸水溶液を加熱することにより改質された酸化チタンゾルを製造する方法が記載されている。また、特公平4-27168号公報には、酸化チタンと酸化スズが固溶した結晶質酸化チタン−酸化スズゾルが開示されている。特開昭63-35668号公報にはスズ化合物の水溶液を徐々に加水分解することによりコロイド粒子を含有するゾルを生成させ、次いでこのゾルを乾燥・焼成した後粉砕して導電性微粉末を得る方法が記載されている。
【0009】特開平2-120374号公報には、インジウムの酸性塩又はスズの酸性塩又はその両者の混合水溶液とアルカリ水溶液を反応させ還元雰囲気中で240〜320℃に加熱することを特徴とする透明導電性超微粒子の製造方法が開示されている。またスズ化合物を結合剤として使用する例として特開昭52-100554号公報がある。本発明は、透明な機能性薄膜において、耐水性及び強度に優れた結合剤に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の金属酸化物ゾル用結合剤について更に詳記する。本発明の塩基性スズ酸アルカリ金属塩の製造方法について述べると、塩化スズのような酸性スズ酸塩の水溶液をアンモニア水のようなアルカリ性水溶液で加水分解し、得られた水酸化スズのゲルを良く洗浄し、副生塩を出来るだけ除去する。このようにして得られた水酸化スズのゲルにM/Sn(但し、Mはアルカリ金属を示す)=0.05〜0.5(モル比)になるように水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物を加えて、ゲルを溶解させる。
【0011】M/Sn(モル比)が低い場合には、加熱することにより、早期に溶解させることが出来る。また、市販のスズ酸ナトリウムのようなアルカリ性スズ酸塩を用いる場合には、陽イオン交換樹脂を用いて、脱アルカリ金属処理することにより、所定のM/Sn(モル比)の塩基性スズ酸アルカリ金属塩水溶液を得ることもできる。塩基性スズ酸アルカリ金属塩水溶液の濃度に関しては特段制約はないが、酸化スズとして10〜15重量%程度で使用するのが望ましい。
【0012】塩基性スズ酸アルカリ金属塩の組成はM/Sn=0.05〜0.5(モル比)の範囲であるが、M/Sn=0.05(モル比)未満では結合力が弱く、結合剤として充分でない。また、M/Sn=0.5(モル比)以上では、塩類濃度が高くなるため、ゾルとの相溶性が悪くなり、透明な膜が得られない。アルカリ金属の種類としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、薄膜の強度や耐水性の面から、リチウムが最も好ましい。
【0013】チタン、セリウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物ゾル(以下金属酸化物ゾルと云う)はアルカリ安定型ゾルであることが好ましい。一般的に、中性や酸性安定型ゾルを用いる場合には、塩基性スズ酸アルカリ金属塩と混合した際、ゾルがゲル化して、これをコーティング剤として使用した場合透明な薄膜が得られない。
【0014】しかし、中性や酸性安定型ゾルを使用しなければならない場合には、希薄な塩基性スズ酸アルカリ金属塩水溶液中に攪拌しながらゆっくり、希薄な中性また酸性安定型ゾルを加えることにより、ゲル化を見ない安定なコーティング剤を得ることができる。その後、濃縮し、実用上使用できる濃度にして用いることができる。
【0015】結合剤と金属酸化物ゾルとの混合割合については、金属酸化物ゾルの機能を重視する場合は、結合剤(固形分)の使用割合はゾル(固形分)との合量で5〜10重量%が望ましく、強度を重視する場合は、30〜60重量%特に40〜50重量%が望ましい。塩基性スズ酸アルカリ金属塩のM/Sn(モル比)が大きくなるほど、ゲル化し易く、透明な膜になりにくくなるので、塩基性スズ酸アルカリ金属塩のM/Sn(モル比)により、混合割合を調製する必要がある。
【0016】以上のように用途や要望強度により、混合割合を変えることが望ましく、特段使用割合を限定するものではないが、おおよそ5〜60重量%である。5重量%未満であるとゾル粒子との結合力が弱く、60重量%より多いとゾルの透明性が低下して実用的でない。
【0017】本発明結合剤はこれを金属酸化物ゾルと混合し、これをコーティング剤として使用する場合、基板に塗布し、乾燥させるだけでも良いが、結合剤の機能を更に充分に発揮させるためには、熱処理を行うことが望ましく、300℃以上で熱処理することにより耐水性及び膜強度が格段に向上する。本発明の結合剤はこれまでの説明から明らかなように金属酸化物ゾルをコーティング剤として使用するときにその効果を最も良く発揮し、特にガラス、建築物などの外壁、タイル、瓦、プラスチック等のコーティング剤として好適である。
【0018】本発明の金属酸化物ゾル用結合剤は金属酸化物ゾルと混合しコーティング剤として使用できることは勿論、これらに各種願料を加えて塗料として使用することもできる。
【0019】以下に本発明の実施例を揚げて更に詳記するが、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【実施例】
(実施例1)塩化第2スズ水溶液(SnO2=17.6%)1000gを重炭酸アンモニウム水溶液(NH3=3.0%)3494gに攪拌を行いながら徐々に添加し、スズゲルを生成させる。この時のゲル液のpHは7.2であった。このゲルを良く洗浄し、硝酸銀による塩素イオンの定性分析により、ゲル中に塩素イオンが認められなくなるまで洗浄した。その結果、SnO2=32.1%、NH3=0.4%を含有するゲルを545g得た。このゲル100gに水酸化ナトリウム1.7gと水540gを加えて、90℃で2時間加熱溶解を行い、塩基性スズ酸ナトリウム溶液(Na/Sn(モル比)=0.2,SnO2=5%)640gを得た。この塩基性スズ酸ナトリウム溶液50gにメタリン酸で安定化されたアルカリ安定型酸化セリウムゾル(CeO2=10%)100gを加えて、紫外線吸収コーティング剤を作製した。
【0020】このコーティング剤を透明ガラス板(厚さ1mm)にスプレーコーティングし、100℃で乾燥後、300℃で20分焼き付け処理を行った。コーティング膜厚は0.6μmで、可視光の透過率は98%であった。このガラス板の膜強度を、塗料一般試験方法(JIS K5400の第8-4項 鉛筆引っかき値試験機法)で測定した結果、鉛筆強度は6Hであった。また、耐沸騰水性について、塗料一般試験方法(JIS K5400の第8-20項 耐沸騰水性)に準じて行った結果、異常が無かった。
【0021】(比較例1)3号水ガラス(SiO2=29%、Na=7.3%)100gに水2800gを加えて希釈した水ガラスに5%塩酸232gを攪拌を行いながら徐々に添加し、シリカゲルを生成させた。充分洗浄したシリカゲル(SiO2=7.5%)100gに水酸化ナトリウム0.97gと水49gを加えて、90℃で2時間加熱溶解を行い、塩基性ケイ酸ナトリウム溶液(Na/Si(モル比)=0.2,SiO2=5%)150gを得た。この塩基性ケイ酸ナトリウム溶液50gに実施例1のゾル100gを加え紫外線吸収コーティング剤を作製した。このコーティング剤を実施例1と同様の方法によりガラス板にコートし、焼き付けた。鉛筆硬度は6Hであったが、耐沸騰水試験では、膜が剥離し、耐水性がなかった。
【0022】(実施例2)実施例1で得たスズゲル100gに水酸化リチウム・1水和物2.7gと水218gを加えて、90℃で2時間加熱溶解を行い、塩基性スズ酸リチウム溶液(Li/Sn(モル比)=0.3,SnO2=10%)320gを得た。アミンで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾル(TiO2=6%)1000gにこの塩基性スズ酸リチウム溶液66gを加え、光触媒コーティング剤を作製した。600×300×1.4mmのトンネル用照明器のガラス板にハケ塗りし、立てかけて過剰の液を除いた。自然乾燥後これを500℃で1時間焼き付け処理を行った。膜厚は0.35μmで、干渉色が見られたが透明性の優れたコート膜が得られた。鉛筆硬度は6Hであった。90℃で2時間の耐沸騰水試験を行った結果、塗膜も異常は無かった。また、上記ガラス片を50×50mmに切断し、このガラス片を50ppmの酢酸水溶液64mlに入れ、ブラックライト6W(試験片面上の紫外線量0.2mW/cm2)を5時間照射した。照射後の酢酸濃度を分析した結果、39ppmであり優れた光触媒能を有していた。
【0023】(実施例3)スズ酸カリウム溶液(SnO2=3%)を陽イオン交換樹脂(オルガノ(株)製商品名「アンバーラートIR−120B」)の入ったカラムに通し、スズ酸溶液(SnO2=2.5%)を得た。この溶液100gに水酸化カリウム水溶液(KOH=0.8%)25gを加え、加熱溶解させ、塩基性スズ酸カリウム溶液(K/Sn(モル比)=0.2,SnO2=2%)125gを得た。クエン酸で安定化されたアルカリ安定型タンタルゾル(Ta2O5=3%)50gにこの塩基性スズ酸カリウム溶液8gを混合して、赤外線反射コーティング剤を作製した。このコーティング剤をスライドガラスにスピンコーティングし、100℃で乾燥させた。膜厚は0.1μmで、分光エネルギー分布1000〜2500nmの積算で10%反射していた。鉛筆硬度は4Hであった。また、塗膜は外観上は異常無かったが浸漬水のpHが0.4上昇していた。100℃で乾燥後のスライドガラスを一方300℃で1時間焼き付け処理した場合の鉛筆硬度は6Hであり、塗膜は勿論外観上全く異常なく、浸漬水のpH上昇も無かった。
【0024】(実施例4〜8)実施例2と同様な方法で、Li/Snモル比を変えた塩基性スズ酸リチウム溶液を作製し、実施例2と同様の方法によりコーティング剤をつくり、これを用いて透明ガラス板上に薄膜(0.4μm)をつくり、500℃で熱処理を行った。それらの薄膜の物性を測定した。
【0025】
【表1】

塗料一般試験方法(JIS K5400)
鉛筆硬度 :第8-4項 鉛筆引っかき値試験機法 碁盤目テスト:第8-5項 碁盤目テープ法 磨耗テスト :ティッシュペーパーで擦り、剥離するまでの回数 ※ :アミンで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾル単独【0026】(実施例9)実施例2で作成した光触媒コーティング剤は完全無機物のため、屈曲性に乏しい。そのコーティング剤に一液架橋型アクリルエマルジョン(日本触媒(株)製商品名「SC−509B」を固形分比で10%添加した。これをポリエチレンテレフタレートフィルムにグラビヤコーティングしたところ、屈曲性が付与され、フィルムの巻き取りにも問題なく生産できた。アクリルエマルジョンの添加量が少ないために、光触媒によるアクリルエマルジョンの耐候性劣化のチョーキングはあまり目立たず、実質的にチタン粒子は塩基性スズ酸リチウムによりフィルムに固着しており、強度低下も殆ど無かった。
【0027】(実施例10)実施例2の塩基性スズ酸リチウム溶液40gとクエン酸で安定化されたアルカリ型酸化ニオブゾル(Nb234%)100gを良く混合し、コーティング剤を作製した。このコーティング剤を透明ガラス板にスプレーコーティングし400℃で1時間焼き付けを行いガラス板上に膜厚0.9μmの薄膜を形成した。この薄膜の鉛筆硬度は7Hであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の金属酸化物ゾル用結合剤は、塩基性スズ酸アルカリ金属塩からなるチタン、セリウム、ニオブ、タンタルから選ばれた金属酸化物ゾル用結合剤であって、例えば金属酸化物ゾルが有する光触媒機能、紫外線吸収能等の各種機能を充分に発揮させるための薄膜形成において、特殊な処理設備を必要とせずに膜強度の大きい塗膜形成を行うことができ、耐水性、透明性に優れ、更に焼き付け処理を行った場合においては一層耐水性、膜強度は向上する。本発明金属酸化物ゾル結合剤はガラス、プラスチック、外壁、タイル、瓦等のコーティング剤、あるいは塗料等として使用したときその効果を最も良く発揮する。




 

 


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