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発明の名称 塩基性塩化アルミニウム及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−245220
公開日 平成10年(1998)9月14日
出願番号 特願平9−67227
出願日 平成9年(1997)3月4日
代理人
発明者 原口 正 / 垣尾 寿彦
要約 目的
水処理用凝集剤として有用な塩基性塩化アルミニウムにおいて、広いpH範囲で高い凝集性能を示し、上水処理水中の残留アルミニウムを低減させることが可能な塩基性塩化アルミニウムとその製造方法を提供する。

構成
組成、M/Al(モル比)(但し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す)0.04〜1.80、Cl/Al(モル比)0.50〜1.95、塩基度65〜83%の塩基性塩化アルミニウムに於いて、当該塩基性塩化アルミニウムを蒸留水500ml(20±2℃)にAl23として10ppm添加し、5重量%炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)溶液でpH7.8〜8.2に調整し、30分間50rpmで攪拌し、30分間静置後、No.5C濾紙で濾過した後に於ける濾過水の残留アルミニウム(Al)量がY≦0.625X−4.625(但し、YはAl量(ppm)、XはpHを示し、7.8≦X≦8.2である。)を満足することを特徴とする新規なる塩基性塩化アルミニウムとその製造方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】 組成M/Al(モル比)0.04〜1.80(但し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。)、Cl/Al(モル比)0.50〜1.95、塩基度65〜83%の塩基性塩化アルミニウムに於いて、当該塩基性塩化アルミニウムを蒸留水約500ml(20±2℃)にAl23として10ppm添加し、5重量%炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)溶液でpH7.8〜8.2に調整し30分間50rpmで攪拌し、30分間静置後、No.5C濾紙で濾過した後に於ける濾過水の残留アルミニウム(Al)量がY≦0.625X−4.625(但し、YはAl量(ppm)、XはpHを示し、7.8≦X≦8.2である。)を満足する量であることを特徴とする新規なる塩基性塩化アルミニウム。
【請求項2】 請求項1記載の新規なる塩基性塩化アルミニウムからなる水処理用凝集剤。
【請求項3】 80℃以上の温度に曝露された履歴を有する塩基度60%以上の塩基性塩化アルミニウム水溶液に40℃以下の温度でアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリウムまたは水酸化物の1種以上を添加することを特徴とする請求項1記載の新規なる塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水処理用凝集剤等に使用する塩基性塩化アルミニウムにおいて、広いpH範囲において高い凝集性能を示し、上水中の残留アルミニウムを低減させることを可能とする塩基性塩化アルミニウム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩基性塩化アルミニウムは高い凝集性を有するためこの性質を利用して上下水、工場排水、土木排水等の各種用排水の水処理凝集剤をはじめ、サイズ剤、制汗剤、化粧品原料、医薬品等広範囲の用途に使用されている。
【0003】このような塩基性塩化アルミニウム溶液の製造方法は古くから研究され、多くの方法が開発されている。例えば1)金属アルミニウムを当量以下の塩酸で溶解する方法。
2)金属アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物をオートクレーブ中で溶解する方法。
3)金属アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物を常圧で溶解する方法。
4)塩化アルミニウム溶液中にアルカリまたはアルミン酸塩を加えて中和する方法。
5)塩化アルミニウム溶液中の塩素イオンをイオン交換樹脂で除去する方法。
6)水酸化アルミニウムを塩酸と硫酸の混酸で溶解し、これに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物を加えて硫酸カルシウムを除去する方法。7)イオン交換膜を用いて塩化アルミニウム溶液から塩素イオンを除去する方法等である。
【0004】ところで、近年、アルミニウムがアルツハイマー病の原因に強く関与している可能性があるとして大きな話題となっており、上水快適水質項目に於いて処理水中の残留アルミニウムの目標値は0.2ppm以下とされている。
【0005】残留アルミニウムを少なくする塩基性塩化アルミニウムの製造方法として特公平7-10727号公報は、常圧法に於いてアルミニウムイオンと塩素イオンと硫酸イオンとを含む水溶液を調整する(a)段階と、この水溶液をアルカリ土類金属化合物と接触させる(b)段階と、アルカリ土類硫酸塩を除去する(c)段階とによって構成される塩基性クロロスルホン酸アルミニウムの製造方法を開示している。しかしながら実際にこのような方法により製造された塩基性塩化アルミニウムは凝集性が悪い。
【0006】また残留アルミニウムの少ない塩基性塩化アルミニウムとして特開平6-16416号公報には、その請求項に下記の式:Al(OH)aClb(SO4cde(ここで、Mはアルカリ土類金属を表し、Nはアルカリ金属を表し、a、b、c、dおよびeは1.95<a<2.4、0<c<0.15、0<d<0.16、0<e<1.7、a+b+2c=3+2d+eを満たす数字である)で表され且つアルミニウム濃度が0.01Mの場合にAl13の形のアルミニウムを1モル%以上含む塩基性度の高い水溶性のポリアルミニウムクロロ硫酸塩が開示されている。しかしながら当該公報に開示されているポリアルミニウムクロロ硫酸塩の製造方法では本発明の目的とする残留アルミニウムの少ない塩基性塩化アルミニウムを製造することはできない。
【0007】ところで、現在最も優れた凝集性能を示すとされている日本水道協会規格の塩基性塩化アルミニウムに於ける塩基度は45〜65%であり、市販品は塩基度49〜60%である。このような現在市販されている塩基性塩化アルミニウムの処理水pH7以上における残留アルミニウム値は極めて高いものである。
【0008】前述目標値を達成するために現在の水処理方法に於いては凝集剤として硫酸アルミニウムあるいは上記塩基性塩化アルミニウムを使用する場合、沈殿物として生成する水酸化アルミニウムの溶解度が最も小さいpH6〜7に於いて被処理水を処理し、上水の場合においてはおいしい水とされているpH7.5近傍にするためアルカリ剤を用いてpHを調整している。
【0009】本発明者らは、前記の各種方法で製造される塩基性塩化アルミニウムについて塩基度、製造時の温度、アルミニウム原料、原料の添加速度、添加順序、塩基度を上げるために使用されるアルカリ剤種等について鋭意検討を重ねた結果、残留アルミニウムに関係する大きな要因は塩基性塩化アルミニウム製造時の温度及び塩基度であることをつきとめた。
【0010】即ち、製造時の温度がある一定温度以上であり且つ、後述する第一工程に於ける製造時の塩基度がある一定塩基度以上であることである。
【0011】製造時の温度が高く、また同時に塩基度も比較的高い製造方法として最も良く知られている方法は、加圧加熱法、即ちオートクレーブ法である。オートクレーブを用いて塩基性塩化アルミニウムを製造する方法については、特開昭47-20096号公報、特開昭48-101398公報、特開昭48-101399号公報、特公昭50-839号公報、特開昭50-137897号公報、特開昭53-37596号公報、特公昭53-43739号公報、特開昭59-116125号公報、特開平2-4533号公報等に技術開示が行われ枚挙にいとまがない。
【0012】これら公報には塩基度70%の塩基性塩化アルミニウムを製造できる旨が記載されている公報もあるが、実際に製造された例はなく高々57%である。ただ特開昭50-137897号公報に塩基度65.0%(実施例2)のものを製造した例が記載されているが、このような製造法では凝集性の良い水処理剤を製造することはできない。一方、常圧法に於いても沸点近くの高温で反応を行い高塩基度の塩基性塩化アルミニウムを製造する方法が開示(特開昭52-111496号公報)されている。この方法によれば、塩基度83%の塩基性塩化アルミニウムを製造できる旨が記載されているが実際に製造されている例は高々、塩基度54.9%である。前記特公平7-10727号公報にも常圧法に於いて70〜115℃の高温で反応させる方法が技術開示されている。
【0013】また本件出願人も特公平2-58209号公報に於いて塩化アルミニウムあるいは塩基性塩化アルミニウム溶液に硫酸アルミニウムとカルシウム化合物を高温で加えて高塩基度の塩基性塩化アルミニウム溶液を製造する方法を開示している。また、特開昭52−11384号公報にも塩化アルミニウムまたは塩基性塩化アルミニウムに60℃以上の温度でアルカリ化合物あるいはアルカリ土類化合物を加えて塩基度を65〜70%に高め凝集性の良い塩基性塩化アルミニウムを製造する方法が記載されている。
【0014】また凝集性、貯蔵安定性の良い塩基性塩化アルミニウムの製造法として特開昭53-1699号公報には硫酸イオンを含む塩基度42〜45%の塩基性塩化アルミニウム溶液に炭酸カルシウムを加え塩基度55〜58%に調整した後60℃以下の温度でアルカリ金属化合物あるいは、アルカリ土類金属化合物を加えて塩基度60〜70%の塩基性塩化アルミニウムを製造する方法が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く塩基性塩化アルミニウムの製造時の温度がある一定温度以上であり且つ後に詳記する第一工程に於ける製造時の塩基度が一定塩基度以上である塩基性塩化アルミニウムはこれを凝集剤として使用した場合、残留アルミニウムが極めて小さくなることを発見したが、このようにして製造した塩基性塩化アルミニウムは凝集性が悪いことが判明した。
【0016】そこで、更に研究を進めた結果、これに低温でアルカリ剤を加え更に塩基度を上げれば凝集性が著しく向上し、しかも残留アルミニウムが少なくなることを発見した。
【0017】本発明はこれらの知見に基づきなされたものであって、例えば水処理剤として使用した場合、残留アルミニウムが少なく且つ凝集性に優れた新規なる塩基性塩化アルミニウムを製造することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は組成、M/Al(モル比)(但し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す)0.04〜1.80、Cl/Al(モル比)0.50〜1.95、塩基度65〜83%の塩基性塩化アルミニウムに於いて、当該塩基性塩化アルミニウムを蒸留水約500ml(20±2℃)にAl23として10ppm添加し、5重量%炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)溶液でpH7.8〜8.2に調整し、30分間50rpmで攪拌し、30分間静置後、No.5C濾紙(JIS P 3801[濾紙(化学分析用)]に規定される5種Cに相当)で濾過した後に於ける濾過水の残留アルミニウム(Al)量がY≦0.625X−4.625(但し、YはAl量(ppm)、XはpHを示し、7.8≦X≦8.2である。)を満足することを特徴とする新規なる塩基性塩化アルミニウム及びその製造方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の塩基性塩化アルミニウムは一般式 MaLAlM(OH)NClPQb(但し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示しYは多価アニオンを、またa、bはそれぞれM、Yの価数を示し、aL+3M=N+P+bQである。)で示され、本発明に於ける塩基度はN/3M ×100で示される。
【0020】まず、本発明の塩基性塩化アルミニウムの物理的性質について述べると、本発明のM/Al(モル比)は0.04〜1.80の範囲にあり、この範囲以下では凝集能力が顕著に低下する。また、この範囲以上では塩基性塩化アルミニウム溶液が極めて不安定となる。
【0021】塩基度については、塩基度65〜83%の範囲にあり、この範囲を下回ると凝集能力が低下し、残留アルミニウムも多くなる。一方上記範囲を上回ると製造が困難であるばかりでなく、そのような塩基性塩化アルミニウム溶液は極めて不安定となる。
【0022】ところで、本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムの特徴は、上記物理的性質に加えて、これを蒸留水500ml(20±2℃)にAl23として10ppm加え、5重量%炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)溶液でpHを7.8〜8.2に調整し30分間50rpmで攪拌し、30分間静置後、No.5C濾紙で濾過した後に於ける濾過水の残留アルミニウム(Al)量がY≦0.625X-4.625(但し、YはAl量(ppm)、XはpHを示し7.8≦X≦8.2である。)を満足する量である。
【0023】このような物理的性質を有する本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムの製造方法について述べると、本発明の製造方法は大きく二つの工程に分けることができる。
【0024】先ず、第一工程は塩基度の低い塩基性塩化アルミニウムを製造する工程であり、第二工程はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を用いて塩基度を更に上げる工程である。
【0025】第一工程の塩基性塩化アルミニウムの製造方法は、公知のいかなる方法を利用しても良いが、最も望ましい方法はオートクレーブ法、即ち水酸化アルミニウムに塩酸あるいは塩化アルミニウムを加えて140℃〜180℃で4〜8時間溶解する方法である。
【0026】この方法が推奨される最大の理由は反応温度が高温、即ち80℃以上であることである。反応温度が80℃以下の場合、残留アルミニウムの少ない塩基性塩化アルミニウムを製造することはできない。尚、オートクレーブ法を用いる場合、可能な限り活性の大きい、即ち易溶性の水酸化アルミニウムを使用することが望ましい。
【0027】従って、常圧法で製造する場合、例えば金属アルミニウムあるいは水酸化アルミニウムを塩酸と硫酸の混酸で溶解し、これに炭酸カルシウムあるいは水酸化カルシウム等のカルシウム化合物を加えて硫酸カルシウムを除去する方法により製造する場合に於いても金属アルミニウムあるいは水酸化アルミニウムの溶解中、即ち反応中は反応温度は80℃以上に維持されなければならない。
【0028】また、特開昭52-111496号公報に記載の如く濃厚塩酸と水酸化アルミニウムを沸点近くで反応させることによっても第一工程の塩基性塩化アルミニウムを製造することができる。
【0029】いずれにしても、本発明に於いて極めて肝要なることは、金属アルミニウムあるいは水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物の溶解中あるいは混酸法における脱硫工程中は反応温度が80℃以上に維持されているということである。
【0030】第一工程に於いて留意すべき第二の点は、製造された塩基性塩化アルミニウムの組成Cl/Al(モル比)が0.5〜1.2の範囲にあることである。即ち前記一般式で表される塩基度が60〜80%の範囲にあることである。一般に反応温度が高い程、また塩基度が高い程残留アルミニウムは少なくなる。
【0031】さて、次に第二工程について述べると、第二工程は塩基度を上げる工程であるが、塩基度はアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩を加えることによって上げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウムであり、最も好ましいアルカリ剤は炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
【0032】この第二工程に於いて肝要なることは溶液温度が40℃以下の温度に於いてアルカリ金属またはアルカリ土類金属が添加されることであり、且つその添加量はM/Al(モル比)0.04〜1.80の範囲にあることである。この範囲を逸脱すると前述の通り本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムを製造することができない。
【0033】即ち溶液温度が40℃以上の温度に於いてアルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加すると凝集性に優れた新規なる塩基性塩化アルミニウムを製造することができない。一般的には10〜40℃の範囲が好ましい。このようにして、製造された塩基性塩化アルミニウムの塩基度は65〜83%の範囲である。
【0034】尚、アルカリ剤を用いて塩基度を上げる方法は特公昭53-43739号公報あるいは特開昭52-111496号公報に記載の如く良く知られた方法であり、上記の事項が厳守される限りに於いて常法を踏襲すれば良い。
【0035】次に本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムの更なる凝集能力、貯蔵安定性を高める方法について述べると、硫酸イオンあるいはリン酸イオン等の多価アニオンを存在せしめることである。
【0036】多価アニオンを存在せしめる方法としては、先に述べた混酸法を利用する場合にはアルミニウム溶解後の溶液に硫酸に対して化学当量以下のカルシウム化合物を加えれば良い。その他の方法を利用する場合、第一工程の塩基性塩化アルミニウム製造工程中に多価酸あるいはその水溶性塩を加えても良いし製造後に加えても良い。更に別法としては、第二工程中にあるいは第二工程終了後に加えても良い。
【0037】最も好ましい多価アニオンは硫酸イオンであり、具体的には硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムを添加する。塩基性塩化アルミニウム中に存在させる多価アニオンの量としてはY/Al(モル比)0.05〜0.20の範囲である。下限を下廻ると凝集性、貯蔵安定性が上がらず、上限を上廻ると溶液は極めて不安定となり貯蔵中に沈殿物を生成する。
【0038】本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムは、上述の如く溶液として製造されるが、熱風乾燥機等の乾燥機を利用し常法に従って乾燥し粉末として利用することもできる。
【0039】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳記する。尚、%は特に断らない限り全て重量%を示す。
【0040】
【実施例】
(実施例1)水酸化アルミニウム(Al2365.4%)をオートクレーブを用いて、加圧下に塩酸溶解することによって得られた塩基性塩化アルミニウム(Al2313.96%、Cl 15.79%、塩基度45.7%)400gを攪拌装置、冷却管、温度計を備えた1L容四つ口フラスコに入れ、90℃に加熱する。攪拌下に、炭酸カルシウム粉末78gと硫酸アルミニウム溶液(Al238.20%、SO423.0%)312gを30分間かけて同時に添加した。引き続き30分間この温度で熟成させた後、生成石膏を濾過分離し、Al2313.39%、Cl10.59%、SO41.40%、Ca 1.09%なる組成で塩基度65.3%の塩基性塩化アルミニウム溶液497gを得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液80gを室温下に保持しながら炭酸ナトリウム5.96gを蒸留水18.7gに溶解させた液を徐々に添加攪拌して溶解し、さらに硫酸アルミニウム溶液4.8gを混合し、107gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は、下記の通りである。Al23 10.40%、Cl 7.82%、Ca 0.81%、Na 2.67%、SO4 2.05%、塩基度82.6%【0041】(実施例2)実施例1の炭酸ナトリウム5.96gに代えて、炭酸マグネシウム5.3gを蒸留水24.5gに溶解させた溶液を徐々に添加攪拌して溶解し、さらに硫酸アルミニウム溶液4.8gを混合し、109gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は下記の通りである。Al23 10.20%、Cl 7.77%、Ca 0.80%、Mg 1.40%、SO4 2.04% 塩基度82.2%【0042】(実施例3)水酸化アルミニウムを塩酸と硫酸の混酸で溶解し、これに炭酸カルシウムを加えて硫酸カルシウムを除去する方法によって得られた塩基性塩化アルミニウム(Al2312.42%、Cl 9.66%、SO4 3.17%、Ca 0.53%、塩基度57.3%)700gを実施例1と同じ反応器に入れ85℃に加熱した。攪拌下に炭酸カルシウム27.4gと硫酸アルミニウム溶液(Al238.20%、SO423.0%)12.7gを17分間かけて同時に添加した。引き続き15分間この温度で熟成させた後、生成石膏を濾過分離し、Al2313.20%、Cl 10.07%、SO41.62%、Ca1.32%なる組成で塩基度67.6%の塩基性塩化アルミニウム溶液647gを得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液647gを40℃以下に保持しながら硫酸アルミニウム溶液20gを混合し、さらに30%炭酸ナトリウム溶液124gを徐々に添加、攪拌して溶解した後に、蒸留水80gを加えて856gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は、下記の通りである。Al23 10.16%、 Cl 7.74%、Ca 1.01%、Na2.01%、SO4 1.79%、塩基度80.3%【0043】(実施例4)水酸化アルミニウム(Al23 65.4%)280gに35%塩酸375g、70%硫酸467g及び蒸留水190gを攪拌装置、冷却管、温度計を備えた3L容四つ口フラスコに入れ、100℃以上に加熱し水酸化アルミニウムを溶解させた。これを90℃に冷却した後、攪拌下に炭酸カルシウムの50%スラリー705gを35分間で徐々に添加した。添加中及び添加後も温度は90℃を保持し続け、引き続き60分間この温度で熟成させた後、生成石膏を濾過分離し、Al23 14.39%、Cl 10.28%、SO4 1.58%、Ca 1.05%なる組成で塩基度68.3%の塩基性塩化アルミニウム溶液1060gを得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液67.4gに室温下で硫酸アルミニウム溶液6.1gを混合し、さらに21%炭酸ナトリウム溶液15.5gを徐々に添加、攪拌して溶解した後に蒸留水11gを加えて、98gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は、下記の通りである。Al2310.41%、Cl 6.94%、Ca0.66%、Na1.56%、 SO42.48%、塩基度76.1%【0044】(実施例5)金属アルミニウム45gを35%塩酸109gと蒸留水273g中で99℃に加熱しながら攪拌下、徐々に添加、溶解することによって、Al2320.0%Cl 8.34%なる組成で、塩基度80%の塩基性塩化アルミニウム溶液425gを得た。この塩基性塩化アルミニウム100gを室温下に保持しながら、硫酸アルミニウム溶液18.8gを混合し、さらに21%炭酸ナトリウム溶液27.8gを添加し、攪拌して溶解した後に、蒸留水67gを加えて211gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は、下記の通りである。Al23 10.21%、Cl 3.95%、Na 1.20%、SO4 2.05%、塩基度83%【0045】(実施例6)実施例5に於いて第二工程における硫酸アルミニウム溶液の添加を行わず、21%炭酸ナトリウム溶液5.94gを添加し、蒸留水89gを加えて192gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は下記の通りである。Al23 10.40%、Cl 4.33%、Na 0.28%、塩基度81.7%【0046】(実施例7)金属アルミニウム45gを35%塩酸203gと蒸留水360g中で99℃に加熱しながら攪拌下、徐々に添加、溶解することによって、Al23 14.35%、Cl 11.67%なる組成で、塩基度61%の塩基性塩化アルミニウム溶液592gを得た。この塩基性塩化アルミニウム100gを室温下に保持しながら、硫酸アルミニウム溶液17gを混合し、さらに21%炭酸ナトリウム溶液26.7gを添加し、攪拌して溶解した後に、蒸留水11.6gを加えて153gの本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は、下記の通りである。Al23 10.29%、Cl 7.63%、Na 1.59%、SO4 2.56%、塩基度 67.1%【0047】(比較例1)実施例1において90℃に加熱するまでは同じ操作で製造した塩基性塩化アルミニウム溶液を90℃に加熱、攪拌し、これに炭酸カルシウム粉末25.1gと硫酸アルミニウム溶液100gを同時に添加し、熟成後、生成石膏を濾過分離し、Al2313.20%、Cl 13.00%、SO41.30%、Ca 0.90%なる組成で、塩基度55.0%の塩基性塩化アルミニウム溶液437gを得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液80gを室温下に保持しながら炭酸ナトリウム9.6gを蒸留水22.4gに溶解させた溶液を徐々に添加攪拌して溶解し、さらに硫酸アルミニウム溶液4.8gを混合し、113gの塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この分析値は、下記の通りである。Al23 9.69%、Cl 9.20%、Ca 0.64%、Na 3.69%、SO4 1.90%、塩基度81.3%【0048】(比較例2)実施例3に於いて、第一工程における炭酸カルシウムと硫酸アルミニウム溶液の同時添加温度を70℃にした以外は全く同一の方法により塩基性塩化アルミニウム溶液を製造した。この分析値は下記の通りである。Al23 10.21%、Cl 7.80%、Ca 0.90%、Na 2.00%、SO4 1.80%、塩基度79.1%【0049】(比較例3)実施例4に於いて第二工程における炭酸ナトリウム溶液の添加温度を90℃にした以外は全く同一の方法により塩基性塩化アルミニウム溶液を製造した。この分析値は下記の通りである。Al23 10.52%、Cl 6.84%、Ca 0.71%、Na 1.58%、SO4 2.50%、塩基度77%【0050】(比較例4)実施例4に於いて第二工程における炭酸ナトリウム溶液の添加を行なわず、室温下で硫酸アルミニウム溶液7.0gと蒸留水23.6gを加え98gの塩基性塩化アルミニウム溶液を製造した。この分析値は下記の通りである。Al23 10.48%、Cl 7.07%、Ca 0.66%、SO4 2.73%、塩基度65.2%【0051】(比較例5)実施例5と同様の操作により製造したAl23 20.0%、Cl 8.34%なる組成で、塩基度80%の塩基性塩化アルミニウム溶液100gを室温に保持しながら硫酸アルミニウム溶液18.8gを混合し、さらに21%炭酸ナトリウム溶液2.13gを添加し、攪拌して溶解した後に、蒸留水90gを加えて211gの塩基性塩化アルミニウム溶液を製造した。この分析結果は、下記の通りである。Al23 10.20%、Cl 3.95%、SO4 2.05%、Na 0.09%、塩基度 75.0%【0052】A)残留アルミニウム測定試験塩基性塩化アルミニウム溶液を、500mlの蒸留水中(21℃)にAl23として10ppm添加し、5%炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)溶液でpHを表1のように調整し、30分間50rpmで攪拌した。次いで30分間静置後、No.5C濾紙で濾過した後における濾過水のアルミニウム量を測定した。その結果は表1の通りである。
【0053】
【表1】

※1 多木化学(株)製塩基性塩化アルミニウム(商品名PAC250A 組成 Al2310.2%、塩基度50.3%、SO4 2.8%) 【0054】表1から本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムは公知の方法により製造した塩基性塩化アルミニウムあるいは市販の塩基性塩化アルミニウムに比べて極めて残留アルミニウムが少ないことが判る。
【0055】B)凝集性試験1)供試水水道水に上水試験法により精製したカオリナイトを分散懸濁させた。供試水の性状は表2に示した通りである。
【表2】

2)試験方法供試水1000mlに試験例の塩基性塩化アルミニウム溶液を所定量加え、急速攪拌(120rpm×3分)、緩速攪拌(40rpm×10分)を行い10分間静置後上澄水100mlを採取し濁度を測定した。その結果は表3の通りである。
【0056】
【表3】

【0057】表3から本発明の塩基性塩化アルミニウムは優れた凝集性能を有することが判る。
【0058】C)安定性試験試験例の塩基性塩化アルミニウムを50℃で7日間保存した後、B)凝集性試験に従って凝集性試験を行った。結果は表4の通りである。
【表4】

【0059】表4から硫酸根を含有させた場合、塩基性塩化アルミニウム溶液は卓抜した貯蔵安定性を示すことが判る。
【0060】
【発明の効果】本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムは、上水処理において近年問題となっている上水中の残留アルミニウムによるアルツハイマー病への影響の問題を回避し、処理上水中の残留アルミニウムが極めて少ない優れた水処理用の凝集剤である。
【0061】また、このような残留アルミニウムを軽減する場合に、従来の凝集剤を使用すると限られた狭いpH範囲のみでしか使用できず、そのpH範囲(pH6〜7)を逸脱すると除濁性能等の凝集性能が低下し、且つ処理水中の残留アルミニウムが極端に多くなる問題があったが、本発明の塩基性塩化アルミニウムの使用では、広いpH範囲においてこのような凝集性能を低下させることなく、上水中の残留アルミニウムを低減させることが可能となる。
【0062】更に、本発明の塩基性塩化アルミニウムの製造方法によれば、従来塩基性塩化アルミニウムの高塩基度化によって問題となった製品の安定性の低下や、凝集性能の低下の問題を回避し、長期間での製品安定性と凝集性能の維持が可能である。
【0063】従って、本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムは、これを水処理用凝集剤殊に上水用の凝集剤として使用するときに最も良くその効果を発揮するが、このような利用のみでなく、本発明の塩基性塩化アルミニウムは、その凝集性を利用して一般の塩基性塩化アルミニウムと同様に、制汗剤、化粧品原料、サイズ剤、医薬品等の各種用途に使用できることは勿論である。




 

 


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