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発明の名称 加熱処理脱脂粉乳及びその製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−262553
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−91748
出願日 平成9年(1997)3月26日
代理人 【氏名又は名称】工藤 力
発明者 冨田 守 / 市橋 信夫 / 波平 英夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 次のa)〜b)の理化学的性質;
a)ホエイタンパク指数が1.0以下であること、b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22であること、を有することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳。
【請求項2】 噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホエイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の範囲に加熱処理することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を出発原料として、これを加熱処理した加熱処理脱脂粉乳及びその製造法に関するものであり、加熱処理脱脂粉乳は、特有の風味を有し、新しい食品素材として特にベーカリー製品、チョコレート等の菓子製品に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】ベーカリー製品の原料として脱脂粉乳及び脱脂乳が使用されている。主に脱脂粉乳が、保存性に優れていることから使用されている。脱脂粉乳は、従来技術文献1(山内他編、「ミルク総合事典」、第278ページ、第289〜291ページ、第294ページ、株式会社朝倉書店、1992年1月20日)に記載されるとおり、原料乳をクリームと脱脂乳に分離し、この脱脂乳を殺菌、濃縮、乾燥(一般的には噴霧乾燥)処理することにより製造される。また、従来技術文献1には、ベーカリー製品、チョコレート等の菓子製品には、殺菌工程において、溶液状態の脱脂乳を加熱処理することにより製造されるホエイタンパク指数(WPNI)が1.5以下であるhigh heat タイプの脱脂粉乳が適していることが述べられている。
【0003】しかしながら、これらの従来技術には、次に記載するとおりの不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のhigh heat タイプを含む脱脂粉乳は、風味が貧弱であり、ベーカリー製品、菓子製品に利用する場合にその着色効果が少ないという問題点があった。
【0005】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、粉末状態で、所定の加熱条件において処理することにより風味を増強し、着色効果も優れる加熱処理脱脂粉乳が得られることを見い出した。
【0006】本発明の目的は、従来の欠点を解消した風味及び着色効果に優れる加熱処理脱脂粉乳、並びに標記加熱処理脱脂粉乳を製造することのできる新しい方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明の第一の発明は、次のa)〜b)の理化学的性質;
a)ホエイタンパク指数が1.0以下であること、b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22であること、を有することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳である。
【0008】前記課題を解決する本発明の第二の発明は、噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホエイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の範囲に加熱処理することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳の製造法である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳述するが、本発明の理解を容易にするために、最初に本発明の第二の発明から説明する。
【0010】本発明の加熱処理脱脂粉乳の製造法に使用する出発原料は、市販品であってもよく、全乳を脱脂し、濃縮した脱脂乳を噴霧乾燥機により乾燥粉末化することにより得られた脱脂粉乳である。
【0011】得られた粉末状の脱脂粉乳を、円筒式乾燥機、流動乾燥機、オーブン等の乾燥機、加熱機を使用し、80〜150℃で15〜300分間、望ましくは94〜120℃で30〜180分間、加熱し、ホエイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の範囲の加熱処理脱脂粉乳を得る。
【0012】以上の製造法により得られた加熱処理脱脂粉乳は、後記する実施例からも明らかなとおり、次のa)〜b)の理化学的性質を有している。
a)ホエイタンパク指数が1.0以下である。
b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22である。
【0013】前記a)〜b)に示したとおり、本発明の加熱処理脱脂粉乳は、乾燥条件下、ホエイタンパク指数が1.0以下であり、色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の範囲に加熱処理されているので、従来の脱脂粉乳に比較して、風味及び着色効果において優れており、ベーカリー製品等の原料として、良好な性質を併せもっている。
【0014】本発明の加熱処理脱脂粉乳は、通常の脱脂粉乳、脱脂乳等と同様にベーカリー製品、チョコレート等の菓子製品等の食品に使用することができる。
【0015】本発明において、ホエイタンパク指数(WPNI)は、牛乳蛋白質の加熱程度を示す指数であり、具体的な測定方法は後記する。また、色彩色差計によるL値は、明度を示し、a及びb値は、それぞれ赤色及び黄色の程度を示すことから、その着色度を表すとともに、L値及びb値が小さくかつa値が大きいほど焼き色がよくなることを示し、脱脂粉乳の加熱度及びその脱脂粉乳を使用したベーカリー製品の焼き色をモニターする指標であり、具体的な測定方法は後記する。
【0016】次に試験例を示して本発明を詳記するが、本発明においては、次の試験方法を採用した。
【0017】(1)ホエイタンパク指数(WPNI)の測定法ホエイタンパク指数は、ハーランド及びアッシュワース(Harland and Ashworth)の方法[日本薬学会編、「乳製品試験法・注解」、第1版、第31〜32ページ、金原出版株式会社、昭和59年3月20日]により測定した。
【0018】(2)着色度試験方法試料の着色度を色彩色差計(ミノルタカメラ社製)を使用して、装置添付の取り扱い説明書に従って、L、a及びb値を測定した。
【0019】(3)風味試験方法試料を蒸留水に溶解し、10%濃度の水溶液とした試料溶液100mlを使用して、20歳から40歳までの男女各20人のパネルにより官能的に試験し、風味良好(0点)、風味やや良(1点)、風味やや不良(2点)、風味不良(3点)の4段階に評価し、評価点の平均値から、0.5点未満を良、0.5点以上1.5点未満をやや良、1.5点以上2.5点未満をやや不良、及び2.5点以上3.0点未満を不良と判定した。
【0020】(4)ベーカリー製品の焼き色試験方法試料を蒸留水に溶解し、10%濃度の水溶液とした試料溶液70ml、市販の薄力粉150g、無塩バター40g、ベーキングパウダー小さじ7gを材料として使用して、プレーンスコーンの作成法(有元葉子著、「マイライフシリーズNo.315・特集版 イースト発酵なしのお手軽パン」、第7ページ、株式会社グラフ社、1994年)に基づいて、オーブンで200℃で13分間焼き上げ、プレーンスコーンを作成した。次いで、前記着色度試験方法と同様の方法により、このプレーンスコーンの焼き色を色彩色差計(ミノルタカメラ社製)を使用して、装置添付の取り扱い説明書に従って、L、a及びb値を測定した。
【0021】試験例1この試験は、従来の噴霧乾燥により得られたlow heatタイプの脱脂粉乳及びhigh heat タイプの脱脂粉乳と比較して本発明の加熱処理脱脂粉乳が優れていることを示すために行った。
【0022】(1)被検試料の調製次に示す3種類の試料を調製した。
試料1:市販の噴霧乾燥により得られたlow heatタイプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数7.0、乳糖50%。森永乳業社製)
試料2:市販の噴霧乾燥により得られたhigh heat タイプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数1.3、乳糖50%。森永乳業社製)
試料3:本発明の実施例1と同一の方法により調製された加熱処理脱脂粉乳【0023】(2)試験方法各試料のホエイタンパク指数(WPNI)、着色度、風味、及び各試料を使用したベーカリー製品の焼き色を、いずれも前記の試験方法により測定して試験した。
【0024】(3)試験結果この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から明らかなとおり、本発明の加熱処理脱脂粉乳(試料3)は、従来のlow heatタイプ及びhigh heat タイプの脱脂粉乳(試料1及び試料2)に比較して、風味及びベーカリー製品の焼き色の全てにおいて優れていることが確認された。
【0025】なお、原料(脱脂粉乳)の種類を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0026】
【表1】

【0027】試験例2この試験は、加熱処理脱脂粉乳の風味及びこれを使用したベーカリー製品の焼き色を指標として、加熱処理脱脂粉乳の適正な加熱処理条件(ホエイタンパク指数、着色度)を調べるために行った。
【0028】(1)被検試料の調製表2に示すとおり、加熱処理時間を変更したことを除き、実施例1と同様の方法により脱脂粉乳を加熱処理することにより、7種類の加熱処理脱脂粉乳試料を調製した。
【0029】(2)試験方法各試料のホエイタンパク指数(WPNI)、着色度、風味、及び各試料を使用したベーカリー製品の焼き色を、いずれも前記の試験方法により測定して試験した。
【0030】(3)試験結果この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなとおり、風味及びベーカリー製品の着色効果の全てにおいて優れている加熱処理脱脂粉乳を製造するためには、噴霧乾燥により得られた粉末状の脱脂粉乳を、ホエイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の範囲に加熱処理することが必要であることが判明した。
【0031】また、原料(脱脂粉乳)の種類を変更して試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0032】
【表2】

【0033】次に実施例を示して本発明を更に詳記するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
実施例1噴霧乾燥法により製造された市販の粉末状のlow heatタイプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数7.0、乳糖50%。森永乳業社製)5kgを、円筒式乾燥機を使用し、100℃で120分間加熱処理し、加熱処理脱脂粉乳約4kgを得た。
【0035】得られた加熱処理脱脂粉乳は、ホエイタンパク指数が0.2であり、色彩色差計によるL値が87、a値が1.0、及びb値が20であり、風味及び着色効果に優れていた。
【0036】実施例2市販の脱脂乳(乳糖5%。森永乳業社製)71.1kgを、マイクロフィルトレーション(日本ミリポア社製)により瀘過除菌して芽胞菌を除去した後、得られた溶液を、脱脂粉乳製造の常法に従って、真空濃縮装置を用いて固形分率40%まで、濃縮後、噴霧乾燥し、粉末状の脱脂粉乳約6kgを得た。
【0037】得られた粉末状の脱脂粉乳5kgを、流動乾燥機を使用し、94℃で120分間加熱処理し、加熱処理脱脂粉乳約4kgを得た。
【0038】得られた加熱処理脱脂粉乳は、ホエイタンパク指数が0.5であり、色彩色差計によるL値が90、a値が0、及びb値が19であり、風味及び着色効果に優れていた。
【0039】実施例3噴霧乾燥法により製造された市販の粉末状のhigh heat タイプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数1.3、乳糖50%。森永乳業社製)500gを、オーブンを使用し、適宜攪拌しながら、150℃で15分間加熱処理し、加熱処理脱脂粉乳約400gを得た。
【0040】得られた加熱処理脱脂粉乳は、ホエイタンパク指数が0.1であり、色彩色差計によるL値が94、a値が−1.2、及びb値が20であり、風味及び着色効果に優れていた。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の加熱処理脱脂粉乳及びその製造法により奏せられる効果は次のとおりである。
1)加熱処理脱脂粉乳は、風味及び着色効果に優れるという良好な性質を併せもつことから、ベーカリー製品等の原料として好適に使用することができる。
2)加熱処理脱脂粉乳は、吸湿性が低下していることから、流動性が良好な食品素材として有用なものである。




 

 


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