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発明の名称 エネルギー蓄積用フライホイール駆動システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−275444
公開日 平成8年(1996)10月18日
出願番号 特願平7−96235
出願日 平成7年(1995)3月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇 (外2名)
発明者 深尾 正 / 千葉 明 / 道岡 力
要約 目的
超高速回転が可能で、エネルギー損失が少なく、且つコンパクトな構造のエネルギー蓄積システムを提供する。

構成
イナーシャによりエネルギーを蓄積するフライホイール12が回転子に固定され、回転子を回転駆動する固定子11には極数が異なる主巻線14と補助巻線20を備え、この両巻線に電流を流すことにより半径方向力を発生して回転子を非接触で支持すると共に、回転子を回転駆動する。
特許請求の範囲
【請求項1】 イナーシャによりエネルギーを蓄積するフライホイールが回転子に固定され、該回転子を回転駆動する固定子には極数が異なる主巻線と補助巻線を備え、この両巻線に電流を流すことにより半径方向力を発生して前記回転子を非接触で支持すると共に、前記回転子を回転駆動することを特徴とするエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
【請求項2】 前記半径方向力は、前記回転子の非接触支持、アクティブダンピング、あるいは外乱抑制などの機能を果すものであることを特徴とする請求項1記載のエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
【請求項3】 前記回転子はその外周に配備された前記フライホイールと一体となっており、且つ、前記固定子を囲むアウタロータ形の構成をなしており、前記固定子は、軸に沿って両側にそれぞれ主巻線と補助巻線からなる磁気軸受兼用回転駆動部を備えたことを特徴とする請求項2記載のエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
【請求項4】 前記固定子は、軸に沿って両側にそれぞれ主巻線と補助巻線からなる磁気軸受兼用回転駆動部を備え、軸に沿って両側に配置された主巻線間のコイルエンドを省略し、主巻線を貫通した構造としたことを特徴とする請求項3記載のエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
【請求項5】 前記軸に沿って両側に配置された磁気軸受兼用回転駆動部の主巻線は共通に接続されて1台の電力変換装置で駆動されて、補助巻線は個別に2台の電力変換装置で駆動されることを特徴とする請求項4記載のエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
【請求項6】 前記フライホイールエネルギー蓄積装置を2台隣接して備え、両フライホイールの回転軸を共通として各フライホイールは逆回転をしてジャイロベクトルを打ち消すように配置され、各固定子の主巻線は共通に3相巻線の相順を変更して直結されて1台の電力変換装置により駆動され、各固定子の両側にそれぞれ配置された補助巻線は合計4台の電力変換装置により駆動されるものであることを特徴とする請求項5記載のエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
【請求項7】 前記フライホイールエネルギー蓄積装置を2台隣接して備え、両フライホイールの回転軸を共通として各フライホイールは逆回転をしてジャイロベクトルを打ち消すように配置され、各固定子の主巻線はそれぞれ2台の電力変換装置により駆動され各固定子の両側にそれぞれ配置された補助巻線は合計4台の電力変換装置により駆動されるものであることを特徴とする請求項4記載のエネルギー蓄積用フライホイール駆動システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速回転が可能で、コンパクトな構造のフライホイールエネルギー蓄積システムに関する。
【0002】本発明のエネルギー蓄積システムは、鉄道、自動車、宇宙船などの移動機械、また核融合炉、原子炉などの大形のエネルギー変動負荷のエネルギー蓄積に利用できる。また、無停電電源装置、宇宙船の電源装置などの、入力エネルギーが変動する電源装置、或いは工作機械、溶接機などの小形のエネルギー変動負荷などのエネルギー蓄積装置として利用できる。
【0003】
【従来の技術】核融合装置用の無停電電源装置、鉄道車両の電源供給所、自動車、宇宙船などの移動機械などでフライホールエネルギー蓄積システムが必要となっている。フライホイールエネルギー蓄積システムを小形軽量化するためには、回転体の回転速度を上げる方法が簡単であり、極めて高い回転速度が必要とされる。超高速で回転するフライホイールを備えた軸受では、軸受での速度限界や保守などの問題を解決するために磁気軸受が採用されつつある。
【0004】磁気軸受のサイズは充分な軸保持力を発生させるために大きくなる傾向にあり、実際、回転駆動部の軸長に等しい場合もある。従って、主軸の軸長が長くなり、高速回転時に生じる主軸の弾性的な振動が問題となってしまい、高速回転を実現することは容易ではない。更に、高出力化しようとすると回転駆動部の固定子及び回転子の軸長を長くする必要がある。すると、固定子と回転子間に発生する回転駆動のための吸引力が増加するため磁気軸受のサイズも大形化する必要がある。この結果、危険速度が低下してしまい、高速化がきわめて困難となる。
【0005】図8は本発明者等が既に提案した半径方向位置制御巻線付き磁気軸受兼用駆動部の構成を示している。半径方向位置制御巻線付き磁気軸受兼用駆動部の1つのユニット16が2つあり、1つのユニット16には磁気軸受兼用駆動部の半径方向位置制御巻線20の電流制御用の3相インバータ17が接続されている。2つの半径方向位置制御巻線付き磁気軸受兼用駆動部のユニット16,16は発電電動機としてトルクを発生させるために4極の主巻線と、回転子の半径方向の力を発生させるための2極の半径方向位置制御巻線である補助巻線が巻かれている。
【0006】この磁気軸受兼用駆動部の詳細は、例えば、千葉明、池田紘一、中村福三、泥堂多積、深尾正、M.A.ラーマン「円筒形回転子を持つベアリングレスモータの無負荷時の半径方向の力発生原理」電気学会論文誌D, vol.113, no.4, pp.539-547, 1993等に開示されている。このように1台の機械でトルクと半径方向の力が発生できるため、一般の磁気軸受付きの超高速発電電動機に比べて軸長がはるかに短くでき、また、軸長が同一であれば高出力化が期待できる。
【0007】本発明者等が提案している方式の特長は、(1)直交2軸の半径方向力と、トルクを発生するために、3相巻線であれば6本の配線と2台の3相インバータだけで済む。
(2)半径方向力を発生する巻線とトルクを発生する巻線が分離しているため、半径方向力制御用インバータあるいはパワーアンプは小電力容量で済む。
(3)4極と2極の巻線を用いているため、回転子が中心に位置していれば相互結合がゼロとなり、磁気軸受兼用駆動部の誘起電圧が半径方向の制御巻線に生じない。
(4)誘導機、永久磁石形同期機、シンクロナスリラクタンスモータなどの正弦波起磁力分布、正弦波磁束分布を仮定した高出力回転機に広く応用できるなどである。
【0008】図9は、回転子の半径方向に作用する力の発生原理を示している。4極巻線N4、2極巻線N2 、が固定子に施され、4極磁束Ψ4 、2極磁束Ψ2 、が発生している。固定子にはトルクを発生するための4極巻線N4 が施されている。いま、回転子が固定子の中心に位置している場合、この4極巻線N4 に正方向の電流が流れると4極の対称磁束Ψ4 が発生する。
【0009】4極のN4 巻線とこれに直交する4極巻線に二相交流電流を流すことにより4極の回転磁界が発生する。あるいは既に報告しているように3相巻線であってもよい。回転子にかご形巻線が施してあれば通常のかご形誘導機として回転子にトルクが発生する。また、4極の永久磁石回転子であれば通常の永久磁石形発電電動機としてトルクを発生する。
【0010】固定子には通常の発電電動機巻線としての役割を果たす4極巻線に加えて、回転子の半径方向に作用する力を発生するための2極の巻線N2 も施されている。いま、N2 巻線の正方向に電流を流すと図7に示すような2極の磁束Ψ2 が発生する。
【0011】回転子の紙面下部のギャップでは、4極の巻線の電流による磁束の方向が2極の巻線の磁束の方向と逆である。したがって、このギャップでは磁束密度が低下する。一方、回転子の紙面上部のギャップでは、4極の磁束の方向と2極の磁束の方向が一致しているため磁束密度は増加する。
【0012】このように磁束分布が不平衡になると回転子に紙面上方向へ作用する半径方向の力Fが生じる。この半径方向の力の大きさは2極巻線を流れる電流の大きさを制御することにより調整できる。また、半径方向の力の方向を逆にするには、2極巻線の電流の方向を反転すればよい。
【0013】一方、紙面横方向の力を発生するためには、N2 巻線と直交する2極巻線を施し、その電流を調整すればよい。このように直交した2極巻線の電流の大きさ、方向を調整することにより所望の大きさ、方向の半径方向の力を発生できる。
【0014】図9では4極巻線を発電電動機の回転駆動、2極巻線を半径方向位置制御に用いているが、4極巻線を半径方向位置制御に、2極巻線を発電電動機の回転駆動に用いることも可能である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高速で回転するフライホイールエネルギー蓄積システムでは、以下の点が問題となる。
(1)超高速回転で、少ない損失で安定な軸支持を実現すること。
(2)超高速回転時には危険速度の問題をさけるため、可能な限りコンパクトな構造とする必要がある。
(3)軸支持を電磁力により行う場合、可能な限り簡単な電源構成とすることが望ましい。
(4)超高速回転に耐えうる軸受と駆動部の構成。
【0016】本発明は上述した事情に鑑みて為されたもので、超高速回転が可能でエネルギー損失が少なく、且つコンパクトな構造のエネルギー蓄積システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のエネルギー蓄積システムは、イナーシャによりエネルギーを蓄積するフライホイールが回転子に固定され、該回転子と回転駆動する固定子には極数が異なる主巻線と補助巻線を施し、この両巻線に電流を流すことにより半径方向力を発生して回転子と非接触で支持すると共に、前記回転子を回転駆動することを特徴とするエネルギー蓄積システムを特徴とするものである。
【0018】又、前記半径方向力は、前記回転子の非接触支持、アクティブダンピング、あるいは外乱抑制などの機能を果すものであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー蓄積システムに用いられる磁気軸受兼用駆動部を特徴とするものである。
【0019】又、前記回転子はその外周に配備された前記フライホイールと一体となっており、且つ、前記固定子を囲むアウタロータ形の構成をなしており、前記固定子は、軸に沿って両側にそれぞれ主巻線と補助巻線からなる磁気軸受兼用回転駆動部を備えたことを特徴とするものである。
【0020】又、 前記固定子は、軸に沿って両側にそれぞれ主巻線と補助巻線からなる磁気軸受兼用回転駆動部を備え、軸に沿って両側に配置された主巻線間のコイルエンドを省略し、主巻線を貫通した構造としたことを特徴とするものである。
【0021】又、前記軸に沿って両側に配置された磁気軸受兼用回転駆動部の主巻線は共通に接続されて1台の電力変換装置で駆動されて、補助巻線は個別に2台の電力変換装置で駆動されることを特徴とするものである。
【0022】又、前記フライホイールエネルギー蓄積装置を2台隣接して備え、両フライホイールの回転軸を共通として各フライホイールは逆回転をしてジャイロベクトルを打ち消すように配置され、各固定子の主巻線は共通に3相巻線の相順を変更して直結されて1台の電力変換装置により駆動され各固定子の両側にそれぞれ配置された補助巻線は合計4台の電力変換装置により駆動されるものであることを特徴とするものである。
【0023】又、前記フライホイールエネルギー蓄積装置を2台隣接して備え、両フライホイールの回転軸を共通として各フライホイールは逆回転をしてジャイロベクトルを打ち消すように配置され、各固定子の主巻線はそれぞれ2台の電力変換装置により駆動され各固定子の両側にそれぞれ配置された補助巻線は合計4台の電力変換装置により駆動されるものであることを特徴とするものである。
【0024】
【作用】上述した構成のエネルギー蓄積システムによれば、コンパクトな構造でフライホイールを非接触で支持し、磁気軸受と同様な半径方向力の制御ができる。このため、フライホイールの超高速回転を容易に実現できる。従って、コンパクトな構造で、且つ僅かな電力損失で動作するエネルギー蓄積システムが提供される。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図1乃至図7を参照しながら説明する。
【0026】図1は、本発明の第1実施例のフライホイール・エネルギー蓄積システムを示す。このエネルギー蓄積システムは、2個の固定子11、11にアウターロータである回転子と一体化されたフライホイール12が配置されている。即ち、2台の磁気軸受兼用駆動部10,10が共通のアウターロータ12を回転駆動するように配置されている、横置型のフライホイールを用いたエネルギー蓄積システムである。誘導機、同期機などの固定子11の主巻線に極数が異なる補助巻線20を施し、この巻線に電流を流すことにより半径方向力を発生する磁気軸受兼用駆動部10,10を用いている。1つの固定子では半径方向2軸の半径方向力を発生できる。従って、図では半径方向4軸の制御が可能である。尚、図示の例は横置型であるが、縦置型としても勿論よい。
【0027】固定子には4極と2極の巻線が施されている。この2組の巻線群のいづれかを磁気軸受兼用駆動部の主巻線14とし、他を半径方向位置制御用補助巻線20とする。主巻線14は図中に示すように、2つの磁気軸受兼用駆動部10,10で直列あるいは並列に接続されている。このため、外部からみると1台の磁気軸受兼用駆動部のように見え、1台の発電電動機駆動用電力変換装置21だけで済む。
【0028】さらに、小形化するためには図6(A)(B)に示すのように2つの磁気軸受兼用駆動部10,10でそれぞれのコイルエンドを省略することも可能である。すなわち、図6(A)に示すようにそれぞれの磁気軸受兼用駆動部10,10でコイルエンド16,16を構成するのではなく、図6(B)に示すように磁気軸受兼用駆動部10,10間のコイルエンドを省略して2つの固定子ヨークを突き抜けるようにする。これにより、軸長がLからL’と短くなり、その分巻線部分を長くすることが可能であるので、高出力化することができる。なお、半径方向位置制御巻線のコイルエンドは省略することはできないが、このコイルエンドは磁気軸受兼用駆動部の主巻線に比較して小さい。
【0029】半径方向位置制御巻線20は2台の磁気軸受兼用駆動部10,10に1組づつほどこされている。これらの巻線は半径方向位置制御巻線電流駆動用インバータ22,22に接続されている。このインバータ(半導体電力変換装置)はフライホイールと一体となったアウターロータ形の回転子を安定に磁気力により支持するように、半径方向位置を図示しない制御装置の指令により制御することができる。
【0030】制御の手法としてはフライホイールの半径方向位置をセンサにより検出してセンサアンプで増幅した後、補償回路を通して位相、ゲインの調整を行い、パワーアンプで電力増幅して半径方向位置制御巻線20に出力する。制御電流によりアウターロータ12に半径方向力が作用し、フライホイールを備えたアウターロータは目標位置に浮上保持されて回転する。
【0031】このため、フライホイールにアンバランスがあったとしてもアンバランスの補正がなされ、フライホイールを安定にその軸心のまわりに回転させることができる。また、フライホイールの固有振動数等に対応したノッチフィルタと、位相進み補償回路を制御系に設けることにより、回転体の共振等に対してその振動を減衰させるダンピング制御を行うことができる。
【0032】上述の制御は変位センサを用いて回転体をアウターロータ間の隙間を計測した、アウターロータの位置信号などに基づいて行われるが、変位センサを用いることなく、センサレスの制御も可能である。これは、半径方向位置制御巻線のインダクタンスがアウターロータの変位により変化することから、半径方向位置制御巻線の電流及び電圧を計測して、間接的に回転体をアウターロータ間の変位を計測することができるためである。
【0033】なお、主に機械軸受によって主軸を支持し、電磁力を補助的に用いてアクティブダンピングや外乱除去に用いることも可能である。
【0034】スラスト方向は従来より提案されているコーン形、スタガ形、あるいはスラスト磁気軸受などを用いる。
【0035】図1に示した本実施例の構成は、従来形の磁気軸受を伴ったフライホイールエネルギ蓄積装置と比較して構成が簡単であり、等しい外形であれば磁気軸受兼用駆動部分の寸法を大きくすることが可能であるので、軸方向の長さがフルに磁気軸受兼用駆動部分として利用できるので高出力化が可能である。また、半径方向力を発生するギャップ部分の面積を大きくとれるので、より大きな半径方向力を発生させることが可能である。一方、等しい出力であれば、従来の軸受に必要であった部分が省略できるので小形軽量化できる。
【0036】図2はフライホイール12の内周に設けた誘導機形回転子の構成方法を示す。中空の円筒形回転子外側を機械的に丈夫な金属などのフライホイール12で構成し、その内側にはヨーク部26、スロット27とかご形二次導体28を備える構成となる。きわめて簡単な構成であるため超高速回転に適している。また、二次導体はかご形だけではなく、エンドリングを分割することにより2極、4極などの特定の極数とすることにより半径方向力制御を簡単化し、熱損失を低減することが可能である。
【0037】図3にはフライホイールの内周に設けた永久磁石形のアウターロータ形回転子を示している。中空円筒状の回転体の外側は機械的に丈夫なフライホイール12で構成され、その内側にはヨーク26と永久磁石29が張り付けてある。なお、これらの誘導機、永久磁石機などの回転子だけでなく、リラクタンス形、ヒステリシス形、ホモポーラ形、櫛形、ランデル形など各種磁気軸受兼用駆動部を用いることができる。
【0038】これらのフライホイール付きの回転子に、一般にアウターロータ形磁気軸受兼用駆動部で用いられる2極と4極の主巻線及び補助巻線を施した円筒状の固定子を装着すればアウターロータ形のフライホイールエネルギー蓄積装置を構成することができる。
【0039】図4は、2台のフライホイールを備え、各フライホイールは逆回転をしてジャイロベクトルを打ち消す形式をした、磁気軸受兼用駆動部によるフライホイールエネルギー蓄積システムである。フライホイールを、横置形、あるいは縦置型とし、回転駆動部に、誘導機、同期機などの固定子に極数が異なる補助巻線を施し、この巻線に電流を流すことにより半径方向力を発生する磁気軸受兼用駆動部31,32,33,34を用いている。スラスト方向は従来より提案されているコーン形、スタガ形、あるいはスラスト磁気軸受を用いている。回転子とフライホイールが一体となって、固定子を囲むアウターロータ形の構成をなし、このため、高速回転が可能で、コンパクトな構造を特徴とするエネルギー蓄積システムを実現している。
【0040】単に図4のフライホイール磁気軸受兼用駆動部31,32,33,34を直列に接続して用いることも可能であるが、4台の磁気軸受兼用駆動部の主巻線14を1つのインバータ21で駆動することも可能である。図4に示すシステムでは、磁気軸受兼用駆動部31、32の主巻線は直列、あるいは並列、あるいは2台を突き抜けて接続されている。同様の主巻線が磁気軸受兼用駆動部33、34に施されている。この磁気軸受兼用駆動部31、32と磁気軸受兼用駆動部33、34の巻線の相順を変更することにより、反対向きの回転磁界を発生することが可能である。こうすれば1台の電源21で回転子を互いに逆回転することが可能である。また、図7に示すように2台の電力変換装置21,21により、4台の磁気軸受兼用回転駆動部31,32,33,34の主巻線14,14に回転駆動用の電流を供給してもよい。
【0041】なお、半径方向位置制御には各磁気軸受兼用駆動部の半径方向位置制御巻線を駆動する4台の半導体電力変換器35,36,37,38が必要である。また、これらを制御する制御器40が必要となる。
【0042】この2つのフライホイールがお互いに逆回転することによりジャイロベクトルを打ち消すことが可能である。ジャイロベクトルを打ち消すことにより固定子が搭載された運動する移動機械に設置された場合に生じる力を軽減することができる。
【0043】図5は、2個のフライホイール12A,12Bを相互に逆回転させることにより、ジャイロベクトルを相殺した例を説明するものである。回転軸の回転ベクトルωに対して、その垂直方向に回転体の傾き速度ベクトルθ′が作用すると、これらに垂直な方向のジャイロモーメントベクトルMgが発生する。本実施例では、フライホイール12Aと12Bとは同速度で逆方向に回転しており、回転体の傾き速度ベクトルθ′は同方向であるので、ジャイロモーメントベクトルは、Mgと−Mgと逆方向になり相殺することになる。
【0044】既に示したシステム構成で一般用途のフライホイールエネルギー蓄積装置を構成することが可能である。特に、宇宙船のように、エネルギー蓄積とジャイロを兼用した用途には図4に示した第2実施例の構成が好適である。しかし、自動車や鉄道車両などの固定子が常に運動している用途では、ジャイロ効果は望ましくなく、図1に示す第1実施例の構成が望ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上に説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(1)磁気力によりフライホイールを非接触支持するので、超高速回転で、少ない損失で安定なエネルギー蓄積を実現できる。
(2)磁気軸受機能と回転駆動機能が一体化しているため、コンパクトな構成となり、小形軽量化できる。
(3)従来の磁気軸受を伴ったシステム構成に比較して小さな半径方向制御巻線電流で、大きな半径方向力が得られるので、簡単な電源構成で済み、且つ電力損失が少ない。




 

 


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