米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> 株式会社リコー

発明の名称 スイッチング電源装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−266053
公開日 平成8年(1996)10月11日
出願番号 特願平7−64368
出願日 平成7年(1995)3月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
発明者 島下 石男
要約 目的
交流電源をオフにした時には、直ちに制御回路もリセットすることができるスイッチング電源装置を提供する。

構成
トランス5の3次巻線N3に補助電源回路9を接続し、この補助電源回路9からの出力電源によりPWM制御回路11を動作させ、このPWM制御回路11によりトランス5の1次巻線N1に接続されたスイッチング素子Q1をオンオフさせ、トランス5の2次巻線N2に接続された負荷装置8に電源を供給するスイッチング電源装置において、補助電源回路9はその出力側が起動回路12を介して交流電源1の一方の出力端子に接続する。これにより起動回路12の電流を直接交流電源1から取ることができ、交流電源1をオフにすれば直ちに補助電源回路9を介してPWM制御回路11の電流も遮断することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】 トランスの3次巻線に補助電源回路を接続し、この補助電源回路からの出力電源により制御回路を動作させ、この制御回路により前記トランスの1次巻線に接続されたスイッチング素子をオンオフさせ、前記トランスの2次巻線に接続された負荷に電源を供給するスイッチング電源装置において、前記補助電源回路はその出力側が起動回路を介して交流電源の一方の出力端子に接続されていることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】 前記起動回路と前記交流電源の一方の出力端子との間には逆流防止用ダイオードが直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】 前記補助電源回路は、前記トランスの3次巻線の一方の端子にコンデンサ、抵抗および第1ダイオードとを備えた第1の整流回路と、前記トランスの極性反転時に前記コンデンサを逆方向に充電する第2ダイオードを備えた第2の整流回路とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】 前記制御回路の出力端子には抵抗が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、補助電源回路を備え広範囲な入力電圧および負荷電流に対応することができるスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トランスの3次巻線に補助電源回路を接続し、この補助電源回路からの出力電源で制御回路を動作させ、この制御回路によりトランスの1次巻線に接続されたスイッチング素子をオンオフさせ、トランスの2次巻線に接続された負荷に電源を供給するスイッチング電源装置は、従来より種々の形式が提供されている。
【0003】このような従来のスイッチング電源の一例を図6により更に詳細に説明する。図6は従来のスイッチング電源の一例を示す回路図である。交流電源1には、ダイオードブリッジ2と電解コンデンサC1とで構成された1次側整流平滑回路3が接続されている。1次側整流平滑回路3の出力側はコンデンサC2、抵抗R1およびダイオードD1の直並列回路で構成されたスナバー回路4を介してトランス5の1次巻線N1とFETで構成されたスイッチング素子Q1が接続されている。トランス5の2次巻線N2はダイオードD2と電解コンデンサC3とで構成された2次側整流平滑回路6を介して出力端子7に接続され、この出力端子7には負荷装置8が接続されている。トランス5の3次巻線N3は、ダイオードD3と抵抗R2そして電解コンデンサC4で構成された補助電源回路9が接続されている。補助電源回路9にはスイッチング素子Q1のオンオフを制御するPWM(パルス幅変調)制御回路11および補助電源回路9を起動させるため入力側がダイオードブリッジ2に接続された起動回路12に接続されている。PWM制御回路11はゲート回路13を介してスイッチング素子Q1に、またフィードバック回路14を介して出力端子7にそれぞれ接続されている。フィードバック回路14は出力端子7における出力電圧を検出して、PWM制御回路11にフィードバックするための回路で、受光部側がPWM制御回路11にそして発光部側が出力端子7にそれぞれ接続されたフォトカプラ15と、シャントレギュレータを構成するツェナーダイオードD、コンデンサC5そして抵抗R3,R4,R5とから構成されている。
【0004】この構成において、交流電源1をオンして電源を入力することにより、交流電源は1次側整流平滑回路3で整流されて直流電圧となり、この直流電圧はトランス5およびスイッチング素子Q1に供給される。直流電圧は同時に、起動回路12を介して補助電源回路9に加えられ、補助電源回路9の抵抗R2,ダイオードD3を通過し、電解コンデンサC4に起動回路12からの脈流状の起動電流が充電される。電解コンデンサC4は、ダイオードD3によって充電された電荷が逃げないように阻止されているため、徐々にその電位は上昇する。このようにして上昇した補助電源回路9の電位がPWM制御回路11の動作開始電圧に達した時点で、PWM制御回路11は動作を開始する。
【0005】このPWM制御回路11の出力信号は、ゲート回路13を通しスイッチング素子Q1のオンオフ動作を制御する。そして、スイッチング素子Q1がオンした時にトランス5の1次巻線N1に電流が流れ、トランス5にエネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフした時に、トランス5に蓄積されたエネルギーはトランス5の2次巻線N2に回生され、2次側整流平滑回路6で整流されて直流電圧となり、出力端子7から負荷装置8に電力を供給する。この出力電圧は、フィードバック回路14で検出され、PWM制御回路11にフィードバックされ、設定された電圧に安定に制御させるようになっている。また、トランス5の3次巻線N3の極性を、スイッチング素子Q1がオンの時に3次巻線N3に直列に配置したダイオードD3がオンし、電解コンデンサC4に充電するように設定されており、概ね入力電圧に比例する補助電源電圧(VCC)が得られるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の補助電源回路においては、PWM制御回路11を集積回路(IC)で構成した場合そのICの定格電圧およびスイッチング素子Q1のゲート・ドレイン間の電圧に制限が生じ、補助電源電圧(VCC)の選択範囲は概ね10〜24Vで有るが、電源の入力電圧の範囲が大きい場合には、補助電源電圧の変動幅がその選択範囲を超えてしまう。そのため、追加の電圧レギュレータ等が必要となり、部品点数が多くなり、コストアップとなる欠点があった。さらに、入力電圧が高い場合、補助電源電圧も比例して高くなっているため、補助電源に接続されるPWM制御回路11の消費電力も増加し、結果的には電源装置全体の変換効率も低下するという問題点があった。
【0007】そこで、トランス5の3次巻線N3の極性を図6とは逆にして、それ以外の構成は図6と同じ構成にすることも提案されている。これはトランス5の3次巻線N3の極性を、スイッチング素子Q1がオンの時にトランス5にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子Q1がオフの時に3次巻線N3に直列に配置したダイオードD3がオンし、電解コンデンサC4に充電するように設定しているもので、概ね2次側出力電圧に比例する補助電源電圧(VCC)が得るようにしている。この提案によれば、電源の入力電圧の範囲が大きい場合でも、補助電源電圧の変動幅が少なく、PWM制御回路11用のICも安定良く動作させることができる。しかしながら、入力電源電圧が異常に低くなった時も動作を継続し、スイッチング素子Q1に流れる電流は、入力電圧に逆比例して増加するため、スイッチング素子Q1の損失電力が増加し、発熱が増加してしまう。また、入力電圧の変動がPWM制御不可能な領域の場合は、出力側に不安定な電圧が出力され、搭載製品の誤動作やPWM制御回路用のICの誤動作を招く可能性があった。
【0008】さらにこれら従来の補助電源回路においては、補助電源回路の起動電流を得る起動回路12は1次側整流平滑回路3の直流電圧を出力する端子に接続されているため、電源装置内部または負荷装置に異常が起きて保護動作モードとなった場合、交流電源1をオフにしても、1次側整流平滑回路3に電荷が残っていて、PWM制御回路11に電流を供給し続け、そのモードを保持するため、PWM制御回路11がリセットされるまでには数分必要になり、動作試験等に時間の浪費があった。その対策として、交流電源1をオフした時はPWM制御回路11を強制的にリセットする回路を追加することは可能であるが、部品点数が増加してしまい、コスト高になってしまう。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、交流電源をオフにした時には、直ちに制御回路もリセットすることができるスイッチング電源装置を提供することである。
【0010】本発明の第2の目的は、入力電圧の変動幅の大きな用途にも使用可能で部品点数の少ない小型で安価なスイッチング電源装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するため、第1の手段は、トランスの3次巻線に補助電源回路を接続し、この補助電源回路からの出力電源により制御回路を動作させ、この制御回路によりトランスの1次巻線に接続されたスイッチング素子をオンオフさせ、トランスの2次巻線に接続された負荷に電源を供給するスイッチング電源装置において、補助電源回路はその出力側が起動回路を介して交流電源の一方の出力端子に接続されていることを特徴とする。
【0012】第2の手段は、第1の手段にさらに、起動回路と交流電源の一方の出力端子との間に逆流防止用ダイオードを直列に接続したことを特徴とする。
【0013】第3の手段は、上記第2の目的を達成するため、第1の手段における補助電源回路を、トランスの3次巻線の一方の端子にコンデンサ、抵抗および第1ダイオードとを備えた第1の整流回路と、トランスの極性反転時にコンデンサを逆方向に充電する第2ダイオードを備えた第2の整流回路とで構成している。
【0014】第4の手段は、第1の手段における制御回路の出力端子に、抵抗を接続している。
【0015】
【作用】第1の手段では、起動回路の電流を直接交流電源から取ることができ、これにより、交流電源をオフにすれば直ちに補助電源回路を介して制御回路の電流も遮断することができる第2の手段では、逆流防止用ダイオードの挿入という極めて簡単な構成によって補助電源回路から電流が起動回路に逆流するのを確実に防止する。
【0016】第3の手段では、入力電圧の変動に対する補助電源電圧の変動を小さくでき、入力電圧の低下時には補助電源電圧を連動して低下させることができる。
【0017】第4の手段では、入力電圧の低下等でスイッチング素子のオン時間が長くなると、抵抗により消費される電流の実効値が増加し、補助電源電圧を低下させるので、交流電源の異常時にスイッチング動作を確実に停止させることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例について説明する。なお、上述した従来例と実質的に同じ構成要素には同一参照番号を付し、同様な構成および作用を行うものについては重複する説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
【0019】最初に、図1から図4により第1実施例を説明する。図1は本発明のスイッチング電源装置の第1実施例を示す回路図、図2はトランスの3次巻線における発生電圧を示すグラフ、図3は補助電源回路における電流経路を説明するための回路図、図4は起動回路の出力波形を示す波形図である。また、この第1実施例における1次側整流平滑回路3、トランス5、2次側整流平滑回路6、PWM制御回路11そしてゲート回路13等の各回路の構成は、上述した従来例と同じである。
【0020】この第1実施例における補助電源回路9は、トランス5の3次巻線N3に直列に接続されたコンデンサC11と抵抗R11およびダイオードD11の直列回路と、ダイオードD11の出力側と3次巻線N3の負側に接続された電解コンデンサC12および抵抗R11とダイオードD11との接続点と3次巻線N3の負側に接続されたダイオードD12とから構成されている。言い換えると、補助電源回路9は、トランス5の3次巻線N3にコンデンサC11と抵抗R11およびダイオードD11で構成された第1の整流回路と、トランス5の極性反転時にコンデンサC11を逆方向に充電するダイオードD12で構成された第2の整流回路を有している。また、起動回路12は、この補助電源回路9のコンデンサC11と抵抗R11との接続点と交流電源1の一方の端子間に接続されている。この起動回路12は、詳細は図示していないが、抵抗器のみで構成されたり、抵抗器と電圧依存性半導体素子の直列回路で構成される。電圧依存性半導体素子は、ツェナーダイオード、バリスタ、アバランシェダイオード等規定電圧以上が印加されると電流が流れる素子であるか、これら電圧依存性半導体素子とトランジスタ、FET。サイリスタ等の能動素子を組み合わせた複合素子あるいはICである。さらに、PWM制御回路11の出力端子とゲート回路13の接続点には、PWM制御回路11と並列に抵抗R12が接続されている。
【0021】この第1実施例は上述した従来例と同様に、交流電源1をオンして電源を入力することで、交流電源は1次側整流平滑回路3で整流され、トランス5およびスイッチング素子Q1に直流電圧を供給する。同時に、起動回路12を介して補助電源回路9に加えられ、補助電源回路9の抵抗R11,ダイオードD11を通過し、電解コンデンサC12に起動回路12からの脈流状の起動電流が充電され、電解コンデンサC12は、徐々にその電位を上昇する。このようにして上昇した補助電源回路9の電位がPWM制御回路11の動作開始電圧に達した時点で、PWM制御回路11は動作を開始し、その出力信号は、ゲート回路13を通しスイッチング素子Q1のオンオフ動作を制御する。そして、スイッチング素子Q1がオンした時にトランス5の1次巻線N1に電流が流れ、トランス5にエネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1がオフした時に、トランス5に蓄積されたエネルギーはトランス5の2次巻線N2に回生され、2次側整流平滑回路6で整流されて直流電圧となり、出力端子7から負荷装置8に電力を供給する。
【0022】補助電源回路9の動作を更に詳しく説明すると、PWM制御回路11の出力信号によるスイッチング素子Q1のオン/オフ動作により、図2に示すように、トランス5の3次巻線N3にはこのオン/オフ動作に応じた矩形波電圧が発生する。図2において、aはスイッチング素子Q1のオン時間を、そしてbはスイッチング素子Q1のオフ時間をそれぞれ示している。そして、まずスイッチング素子Q1がオンの時は、図3にcで示すようにコンデンサC11,抵抗R11そしてダイオードD11を通って電解コンデンサC12を充電する。次にスイッチング素子Q1がオフになると、dで示すようにダイオードD12,抵抗R11そしてコンデンサC11の経路に電流が流れ、コンデンサC11にエネルギーを蓄積し、次のスイッチング素子Q1のオン時に、トランス5の3次巻線N3の端子電圧に加算されて、コンデンサC11,抵抗R11そしてダイオードD11を経由して、電解コンデンサC12に充電される。
【0023】このような動作で電解コンデンサC12の両端に発生する電圧であり、かつPWM制御回路11の電源電圧にも等しい補助電源電圧(VCC)は、概ね以下の(1)に示す式となる。
【0024】
cc≒Von+Voff ・・・(1)
ここで、Vonは入力電圧に比例した以下の(2)に示す式の電圧となる。
【0025】
on≒(n3 /n1 )・Vin ・・・(2)
一方、Voffは出力電圧に比例した以下の(3)に示す式の電圧となる。
【0026】
off ≒(n3 /n2 )・Vout ・・・(3)
式(1)に式(2)、(3)を代入すると、以下の(4)に示す式になる。
【0027】
cc≒〔(n3 /n1 )・Vin〕+〔(n3 /n2 )・Vout
・・・(4)
ここで、Vonは電解コンデンサC12がオン時に発生するトランス5の3次巻線N3の端子電圧、Voff は電解コンデンサC12がオフ時に発生する3次巻線N3の端子電圧、n1 はトランス5の1次巻線N1の巻数、n2 はトランス5の1次巻線N2の巻数、n3 はトランス5の3次巻線N3の巻数、Vinは1次側整流平滑回路3の電圧(入力電圧)、そしてVout は出力端子7の電圧すなわちこのスイッチング電源装置の出力電圧である。
【0028】上記の(4)に示す式から、補助電源電圧は入力電圧に概略比例した電圧であるVonと、出力電圧に比例した電圧であるVoff の特徴を併せ持ち、その結果、入力電圧に比例して電圧が変化し、なおかつその変化量を少なくした補助電源電圧を得ることができる。また、トランス5の3次巻線N3は、上記の(4)に示す式で示すように、その端子に発生している正負両方の電圧を利用して補助電源電圧としているので、従来の回路より小さい電圧を作るだけでよい。したがって、3次巻線N3の巻数を小さくでき、ダイオードD11,D12に定格逆電圧の小さい部品を使用できる。
【0029】抵抗R11は、コンデンサC11およびC12に流れる電流を制限するとともに、トランス5の巻線比を変えることでは調整困難な微妙な補助電源電圧の調整もこの抵抗器の抵抗値を変えることで実施可能である。さらに、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作によるオンデューティによる補助電源電圧の変動を軽減させることができる。なお、これらの機能を必要としない場合は、この抵抗R11を省略してもよい。
【0030】この補助電源回路9を起動する起動回路12について見ると、起動回路12の一方は、上述したように、交流電源1の一方の端子に接続されており、交流電源1と補助電源回路9のコモン側(マイナス側)との間には、1次側整流平滑回路3の整流作用により、図4に示すように、交流電源の電圧の半波整流した脈流電圧が生じ、これが補助電源回路9に印加される。この半波の最高電圧値であるeは、交流電源1のピーク電圧である。起動回路12の他方は、補助電源回路9のダイオードD11とコンデンサC11の間に接続されており、コンデンサC11の静電容量をコンデンサC12の静電容量より充分小さい値とすることで、コンデンサC11によりトランス5の3次巻線N3に流れる電流経路は遮断され、脈流電圧はダイオードD11を通りコンデンサC12に充電される。脈流電圧の電圧が出ていない間は、ダイオードD11がコンデンサC12の放電を防止する。このようにコンデンサC12への充電電流は起動回路12により制限されていて、コンデンサC12は徐々に充電され、補助電源回路9の電圧はゆっくり上昇する。このようにして、コンデンサC12の端子電圧(VCC)がPWM制御回路11の起動電圧まで充電されると、PWM制御回路11は動作を開始し、PWM信号を出力し、スイッチング素子Q1はオン/オフ制御される。以降は上述したように、トランス5の3次巻線N3より補助電源は供給される。したがって、起動回路12から供給された電流は、電源装置全体の動作に影響を与えることはない。また、コンデンサC11の静電容量をコンデンサC12の静電容量より充分小さい値に設定することで、コンデンサC11に分流される起動電流の量を小さくでき、その分少ない起動電流でも確実に起動させることができる。
【0031】このように、交流電源1から直接起動回路12の電流を取ることができ、その結果として、PWM制御回路11内に設けられている保護回路(図示しない)が動作して保護モードを保持しても、交流電源1をオフすることでPWM制御回路11の電流を遮断することができる。したがって、1次側整流平滑回路3内に電荷が残っていても、直ちにPWM制御回路11をリセットすることができる。また、起動回路12は抵抗器のみで構成すれば非常にシンプルで安価に提供することができ、起動回路12を電圧依存性半導体素子と抵抗器で構成することにより、入力電圧が電圧依存性半導体素子やPWM制御回路11で決定される電圧以下の入力電圧ではPWM制御回路11が起動しないようにできるため、結果として低い電圧の誤入力や交流電源1の異常時の故障や誤動作を防止して、搭載製品の信頼性を向上させることができる。
【0032】この第1実施例においては、PWM制御回路11の出力端子に抵抗R12を接続しており、これにより入力電圧の低下等でスイッチング素子Q1のオン時間が長くなると、抵抗R12により消費される電流の実効値が増加し、補助電源電圧を低下させて、交流電源1の異常時にはスイッチング動作を確実に停止させることができる。
【0033】次に図5に示す第2実施例について説明する。図5はこの第2実施例を示す回路図である。この実施例における起動回路12には逆流防止用のダイオードD13が直列に接続され、このダイオードD13の正側が交流電源1の一方の端子に接続されている。これ以外の構成は上述した従来例と同じである。この実施例における起動回路12には、上述した第1実施例と同様に脈流電圧が印加され、この脈流電圧は補助電源回路9のコンデンサC4に充電され、脈流電圧の電圧が出ていない間は、ダイオードD13がコンデンサC4の放電を防止する。コンデンサC4への充電電流は、起動回路12により制限されており、コンデンサC4は徐々に充電され、ゆっくりその電圧は上昇する。そしてコンデンサC4の端子電圧がPWM制御回路11の起動電圧まで充電されると、上述した従来例や第1実施例と同様に、PWM制御回路11は動作を開始し、スイッチング素子Q1のオン/オフ制御を行い、トランス5の3次巻線から補助電源が負荷装置8に供給される。このように、逆流防止用のダイオードD13も設けるだけで、起動回路12の電流を交流電源1から直接取ることができ、PWM制御回路11の保護回路が動作し保護モードを保持しても、交流電源1をオフすることで直ちにPWM制御回路11をリセットすることができる。
【0034】なお、上述した第1および第2実施例においては、トランス5の3次巻線N3の極性をスイッチング素子Q1がオン時に正極性の電圧が発生するフォワード巻としているが、3次巻線N3の極性をスイッチング素子Q1がオン時に負極性の電圧が発生するフライバック巻にしても、上記の(1)に示した式から補助電源電圧は同様の結果となる。また、各実施例におけるスイッチング電源装置は、フライバックコンバータ方式(オン−オフコンバータ方式)となっているが、この方式に限定されるものではなく、例えば回路方式が異なるフォワードコンバータ方式のスイッチング電源装置にも適用可能である。すなわち、スイッチング素子がオンの時にトランスの2次側にエネルギーを伝達する別名オン−オンコンバータ方式にも適用できる。但し、上記の(1)に示した式のVoff はトランスのリセット電圧となるため、出力電圧に比例しないが、ほぼ安定した電圧を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
【0036】補助電源回路の出力側を起動回路を介して交流電源の一方の出力端子に接続した請求項1に記載の発明によれば、起動回路の電流を直接交流電源から取ることができるので、交流電源をオフにすれば直ちに補助電源回路を介して制御回路の電流も遮断することができる。したがって、オンからオフに切り替わった時に電荷の残留が生じる整流平滑回路等を設けても、直ちに制御回路をリセットすることができる。
【0037】起動回路と交流電源の一方の出力端子との間に逆流防止用ダイオードを直列に接続した請求項2に記載の発明によれば、このダイオードによって補助電源回路から電流が起動回路に逆流するのを確実に防止することができる。
【0038】補助電源回路を、トランスの3次巻線の一方の端子にコンデンサと抵抗および第1ダイオードとを備えた第1の整流回路と、トランスの極性反転時にコンデンサを逆方向に充電する第2ダイオードを備えた第2の整流回路とで構成した請求項3に記載の発明によれば、入力電圧の変動に対する補助電源電圧の変動を小さくできるため、補助電源電圧の安定化のためのレギュレータ等を追加する必要はない。また、入力電圧の低下時には補助電源電圧を連動して低下させることができるので、制御回路に電圧検出機能を持たせることにより補助電源電圧が異常に低下した場合にはスイッチング動作を停止させることができる。
【0039】制御回路の出力端子に抵抗を接続した請求項4に記載の発明によれば、入力電圧の低下等でスイッチング素子のオン時間が長くなると、抵抗により消費される電流の実効値が増加し、補助電源電圧を低下させるので、交流電源の異常時にスイッチング動作を確実に停止させることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013