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発明の名称 吸着部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−237974
公開日 平成8年(1996)9月13日
出願番号 特願平7−36854
出願日 平成7年(1995)2月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】樺山 亨 (外1名)
発明者 坂内 和典
要約 目的
吸着力の温湿度による変化を小さくでき、各種装置に用いられた場合にその装置の信頼性を向上させかつ、耐久性を向上できる。

構成
帯電手段204により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材201において、表面の水との接触角が90°以上である部材からなる。
特許請求の範囲
【請求項1】帯電手段により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材において、表面の水との接触角が90°以上である部材からなることを特徴とする吸着部材。
【請求項2】請求項1記載の吸着部材において、フッ素樹脂で形成したことを特徴とする吸着部材。
【請求項3】帯電手段により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材において、表面に樹脂材料で形成された電荷保持層と、裏面に樹脂材料で形成された抵抗層とを有し、曲げ弾性率を3000〜18000kg/cm2としたことを特徴とする吸着部材。
【請求項4】請求項3記載の吸着部材において、破断点伸度を100%以上としたことを特徴とする吸着部材。
【請求項5】請求項3記載の吸着部材において、表面の表面粗さを10Rz以下としたことを特徴とする吸着部材。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙葉を吸着分離する給紙装置や、紙葉を吸着搬送する搬送装置、本原稿の頁めくりを行う複写機,スキャナ装置などに用いられ、紙葉などの被吸着材を吸着する吸着部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙葉などの被吸着材を吸着する吸着部材は、紙葉を吸着分離する給紙装置や、紙葉を吸着搬送する搬送装置、本原稿の頁めくりを行う複写機,スキャナ装置などに用いられている。例えば、特開昭61ー152497号公報には、櫛型電極を有するベルトからなり、櫛型電極に電源回路から電圧が印加されることにより電界を生じて紙やフィルム等の被吸着材を吸着する吸着部材が記載されている。
【0003】また、特開昭62ー56058号公報には、循環移動可能にローラ間に掛渡されると共に静電吸着力を発生せしめるための一対の孤立電極が交互に全周にわたって形成された無端ベルトからなり、給電手段から孤立電極に電圧が印加されることにより静電吸着力を発生してシートを吸着搬送する吸着部材が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記吸着部材では、被吸着材を吸着する吸着力が温湿度によって大幅に変化し、特に高温高湿度環境においては吸着力が大幅に低下してしまい、被吸着材の吸着搬送、吸着分離、本原稿の頁めくりなどを行う装置に用いられた場合にその装置の信頼性を欠いてしまう。また、耐久性が考慮されておらず、耐久性に問題があった。
【0005】本発明は、吸着力の温湿度による変化を小さくすることができて各種装置に用いられた場合にその装置の信頼性を向上させることができ、かつ、耐久性を向上させることができる吸着部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、帯電手段により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材において、表面の水との接触角が90°以上である部材からなるものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の吸着部材において、フッ素樹脂で形成したものである。
【0007】請求項3記載の発明は、帯電手段により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材において、表面に樹脂材料で形成された電荷保持層と、裏面に樹脂材料で形成された抵抗層とを有し、曲げ弾性率を3000〜18000kg/cm2としたものである。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の吸着部材において、破断点伸度を100%以上としたものである。請求項5記載の発明は、請求項3記載の吸着部材において、表面の表面粗さを10Rz以下としたものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明では、表面の水との接触角が90°以上であることにより、表面に水分が付きにくくなって吸着力の温湿度による変化が小さくなる。請求項2記載の発明では、請求項1記載の吸着部材において、フッ素樹脂で形成したものであるから、表面張力が小さくて水分が付きにくくなり、吸着力の温湿度による変化が小さくなる。
【0010】請求項3記載の発明では、曲げ弾性率を3000〜18000kg/cm2としたことにより、屈曲作用に対する寿命が伸びる。請求項4記載の発明では、請求項3記載の吸着部材において、破断点伸度を100%以上としたことにより、屈曲作用に対する寿命が伸びる。請求項5記載の発明では、請求項3記載の吸着部材において、表面の表面粗さを10Rz以下としたことにより、被吸着材との密着性が良くなって吸着力が向上する。
【0011】
【実施例】図1は請求項1,2記載の発明を応用した静電吸着装置を有する画像読み取り装置の一例を示す。この画像読み取り装置は、本原稿及びシート原稿を読み取る画像読み取り装置(以下TPS:Turn the Page Scannerと称する)100であり、上半分がスキャナユニット101で、下半分が本原稿BOを支持する原稿支持装置102となっている。
【0012】スキャナユニット101の内部には走査ユニット103が配置されており、この走査ユニット103は左右方向に走行して原稿の走査を行う。走査ユニット103の下側の左右には、原稿押えローラ104a,104bおよびシート巻取りローラ105a,105bがそれぞれ回転自在に軸支されている。各シート巻取りローラ105a,105bは左右独立に原稿押えシート106a,106bの一端部を巻き取っており、原稿押えシート106a,106bの他端部はスキャナユニット101の側板にそれぞれ固定されている。
【0013】また、シート巻取りローラ105a,105bは二重構造になっていて筒状のシート巻取りローラ105a,105bとその巻き取りローラ軸との間に図示しないゼンマイバネが取り付けられ、このゼンマイバネの作用により巻き取りローラ軸が回転して原稿押えシート106a,106bが回転することにより原稿押えシート106a,106bにある程度の張力がかけられる。
【0014】各原稿押えローラ104a,104bの間には本原稿読み取り用のプラテンガラス107と、静電吸着装置を備えた本原稿頁めくり用頁めくり機構108が配設されている。プラテンガラス107は走査ユニット103の読み取り走査方向の上流側に配置され、頁めくり機構108は走査ユニット103の読み取り走査方向の下流側に配置されている。このような配置により、走査ユニット103の読み取り走査のための助走区間を長くでき、その走査を安定させることができる。また、走査ユニット103内には頁めくり機構108が下側に配置されて本原稿の読み取りに用いられる蛍光灯109、ミラー110a、110b、110c、レンズ111からなる縮小光学系が上側に配置され、装置の小型化が計られている。
【0015】この縮小光学系においては、原稿台113上にセットされた本原稿BOが蛍光灯109によって照明され、その反射光がミラー110a、110b、110cを介してレンズ111によりCCDからなる撮像素子112上に結像されて光電変換される。原稿支持装置102は、昇降可能な原稿台113上に本原稿BOを載置すると、原稿台昇降モータにより原稿台113を上昇させて本原稿BOを走査ユニット1033と当接する位置に移動させる。図中、BOaは本原稿BOの中心位置(中心ポイント)である。
【0016】図2(a)は頁めくり機構108の構成を示す。頁めくり機構108はめくりベルト201と、めくりベルト駆動ローラ202と、めくりベルト従動ローラ203と、帯電手段としての帯電ローラ204と、高圧電源205とを備え、これらは静電吸着装置を構成する。また、めくりベルト201は図2(b)に示すように高抵抗(表面抵抗1014Ω以上)の誘電体層201aを低抵抗(表面抵抗109Ω以下)の抵抗層201b上に設けた2層構造となっている。
【0017】このめくりベルト201の裏面側の抵抗層201bは、各樹脂材料やゴム材料にカーボンブラックなどの導電性材料を分散させたものである。また、めくりベルト201の表面側の誘電体層201aの厚さを30μm以上とすることにより誘電体層201aの絶縁破壊を防止し、比誘電率を2.5〜9と大きい材料にすることにより静電容量を大きくしている。この誘電体層201aの材質は、フッ素樹脂などの表面張力が小さく、水に対する接触角が大きい物(具体的には90°以上)を使用している。このため、電荷保持層である誘電体層201aは高湿環境下においても表面に水分が付きにくく、表面抵抗の低下が少なくなり、帯電電荷の漏洩を防ぎ、用紙(本原稿の頁)吸着の環境変動を押えることができた。
【0018】めくりベルト201の裏面側の抵抗層201bは、接地されているめくりベルト駆動ローラ202とめくりベルト従動ローラ203とに架橋してあり、2層構造のめくりベルト201は1度の押し出しによって作製できるため単層のものに比べて余りコストが増加しない。
【0019】帯電ローラ204は金属ローラ204a上にゴム(エラストマー)等の弾性材料であると同時に抵抗材料である弾性抵抗層204bを被覆した構成としている。この帯電ローラ204は、接地されているめくりベルト駆動ローラ202とめくりベルト従動ローラ203との間でめくりベルト201と接触している。高圧電源205は交番電圧を帯電ローラ204に印加する。
【0020】通常の温湿度環境においては、めくりベルト201は、帯電ローラ204により表面に与えられる交番電界によって紙葉からなる被吸着材(本原稿の頁)を吸着する。また、高温高湿度環境においては、めくりベルト201は、表面のどちらかに片寄った電荷と紙葉に誘導された逆極性の電荷によって紙葉を吸着する。このようにすることにより、温湿度の変化によるめくりベルト201の紙葉に対する吸着力変化を小さくでき、紙葉の吸着搬送、吸着分離、本原稿の頁めくりなどを行う装置に用いられた場合にその装置の信頼性を向上させることができる。
【0021】図3は頁めくり機構108の電気的な等価回路を示す。図3において、R1は帯電ローラ204の抵抗を示し、電極を構成する金属ローラ204a上に被覆している弾性抵抗層204bの厚さと弾性抵抗層204bの体積抵抗率の積を帯電ローラ204とめくりベルト201の接触ニップ幅で割った抵抗値は1×103〜3×109Ωcmとしている。この帯電ローラ204の抵抗値がその範囲より小さい場合にはめくりベルト201の電荷保持層201aに小さなピンホール等の欠陥があると、そこに過電流が流れて誘電体層である電荷保持層201aを破壊してしまう。
【0022】また、帯電ローラ204の抵抗値がその範囲より大きい場合には帯電ローラ204の時定数が大きくなり、高圧電源205より供給される電圧がめくりベルト201の誘電体層である電荷保持層201aにかからなくなってしまい、めくりベルト201の帯電電位が小さくなってしまう。したがって、帯電ローラ204の抵抗値を1×103〜3×109Ωcmの範囲に設定したことにより、めくりベルト201の絶縁破壊を防止できると共に、高圧電源205の印加電圧に対してめくりベルト201の表面に大きな帯電電位を形成できる。
【0023】また、R3はめくりベルト201の裏面側の抵抗層201bの抵抗を示し、めくりベルト201の帯電位置からめくりベルト駆動ローラ202による接地位置までの長さΔLと抵抗層201bの表面抵抗率の積は1×106〜3×109Ωcmとしている。この範囲の抵抗値をめくりベルト201に持たせることにより、電荷保持層201aにピンホール等の欠陥がある場合でも、過電流を制限してめくりベルト201自身の絶縁破壊を防止することができる。
【0024】めくりベルト201の抵抗値がその範囲より大きい場合にはめくりベルト201の時定数が大きくなり、高圧電源205から供給される電圧が効果的にめくりベルト201の電荷保持層201aにかからなくなってしまい、めくりベルト201の帯電電位が小さくなってしまう。このようにめくりベルト201の帯電位置と接地点との間に抵抗を設けることによって帯電ローラ204の構成を簡素化でき、低コストにできる。また、R2はめくりベルト201の電荷保持層201aの抵抗、Cは帯電ローラ204とめくりベルト201の裏面間の容量、SWは高圧電源205と帯電ローラ204との間に挿入されているスイッチを示す。このスイッチSWは本原稿の頁めくりを行う時に閉じられる。
【0025】図4は頁めくり機構108の等価回路全体の時定数と、帯電ローラ204の抵抗R1及びめくりベルト201の抵抗層201bの抵抗R3の和との関係を示す。頁めくり機構108の等価回路全体の時定数を1/102秒以下にすることにより、高圧電源205より供給される電圧に対して効率の良い帯電電位をめくりベルト201の表面に形成できることが実験で明らかになった。
【0026】また、頁めくり機構108の等価回路全体の時定数を1/102秒以下にした時の抵抗R1,R3の和はほぼ3×109Ωcmであり、抵抗R1,R3の和がその抵抗値以下であれば高圧電源205より供給される電圧に対して効率の良い帯電電位をめくりベルト201の表面に形成できることが分かる。さらに、めくりベルト201の絶縁破壊防止の観点から抵抗R1,R3の和を1×106Ωcm以上とし、帯電ローラ204の抵抗R1を抵抗層201bの抵抗R3より大きくした方が絶縁破壊防止に効果があった。
【0027】図5は本例のTPS100と電子写真方式のプリンタとを組み合わせたシステムのデータ処理ブロックを示す。このシステムでは、TPS100の画像読み取り部及び画像データ処理部と、その読み取り画像を出力する電子写真方式のプリンタを含む画像形成部とに大きく分けられる。TPSの走査ユニット右端部に配置した画像読み取り部はCCD112を有し、VPU(Video Processing Unit)501はCCD112の駆動信号発生と、CCD112よりのアナログ画像信号の補正からデジタル信号変換までを行って各ドット8ビットの読み取り画像データを得る。
【0028】VPU501は、その各ドット8ビットの読み取り画像データをクロック、主走査方向及び副走査方向のゲート信号に同期させて約7.5MHzの速度でIPU(Image Processnig Unit;画像処理装置)502に出力し、IPU502はVPU501からの画像データの変倍等の加工処理や電子写真の高画質処理を行う。IPU502は画像データに対して最終処理でγ補正を含む階調処理を行い、プリンタの書き込みに適した各ドット4ビットの画像データに変換してフレームメモリ503に蓄積する。
【0029】すなわち、TPS100側では本原稿の読み取り走査速度90mm/sec,シート原稿の読み取り走査速度120mm/secで原稿を読み取り、プリンタ側では作像速度180mm/secで作像を行うことから、その読み取り走査速度と作像速度とに差があるので、その速度バッファ用にA3サイズ1頁分のフレームメモリ503を用いている。また、フレームメモリ503は、リピートコピー時に画像データが複数回繰り返して読み出されることにより原稿保護に対して有効であり、副走査方向の変倍に用いることにより広範囲の変倍が可能となる。
【0030】更に、フレームメモリ503は、本原稿の左右頁を独立させてプリントする頁連写時にも用いられる。また、IPU502の速度対応性により各ドット4ビット構成のフレームメモリ503をIPU502より後段に配置し、IPU502による画像処理後の書き込みデータをフレームメモリ503に格納することにより、各ドット8ビットの読み取り画像データに対してフレームメモリ503の容量を半分にすることができる。
【0031】フレームメモリ503は、容量が400DPIの画像データでA3サイズ1頁分の128Mビットであり、DRAMによって構成される。IPU502からフレームメモリ503への画像データ入力は画像データの2ドット分をパラレルに行い、かつ、約3.8MHzの速度で順次に行う。一方、フレームメモリ503からの画像データの出力は、画像データの2ドット分をパラレルで行い、約7.5MHzの速度でIPU502から送られるクロック及び主走査方向、副走査方向のゲート信号に同期してメイン制御板504に順次に行う。
【0032】IPU103は、本原稿の主走査方向端部及び副走査方向端部の検出結果により読み取り画像データの有効範囲の決定や走査ユニット103によるめくり頁の吸着位置算出を行い、その有効範囲の画像データをフレームメモリ503から読み出してメイン制御板504へ出力したりSCSIインターフェース505を介して他のシステム機器へ出力したりする。
【0033】メイン制御板504は、フレームメモリ503からプリンタの画像形成速度に合わせて高速に出力された画像データを約15MHzのシリアルデータとし、FIFO(First In First Out)メモリで更に主走査方向に高速化し、約18MHzの書き込みクロックに同期させる。その各ドット4ビットの画像データは変調部でパルス幅変調されて発光時間データとなり、レーザ(LD)コントローラにPWMデータとして書き込みクロックに同期して送信される。LDコントローラは、そのPWMデータによりLDドライバを介して電子写真方式のレーザプリンタのLD506を発光させて感光体を露光走査して作像する。電子写真方式のレーザプリンタは感光体を帯電器で均一に帯電させた後にLD506による露光走査で静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置で現像して転写装置により転写紙に転写する。
【0034】IPU502は、TPSの走査ユニット103の走査制御も行い、走査ユニット103を走査するためのステッピングモータからなるスキャナモータ507を駆動する。スキャナモータ507はシート原稿読み取り時及び本原稿読み取り時には走査ユニット103を走査速度90mm/secで等速走査し、走査ユニット103を走査開始位置に戻す時には180mm/secで走査し、本原稿の頁めくり時には0〜300mm/secで走査する。
【0035】メイン制御板504は、I/O508を介して作像に係わるセンサ類からの入力信号を取り込み、モータ、ソレノイド、クラッチ等へ出力信号を出力することにより、レーザプリンタの画像形成のシーケンス制御を行う。また、メイン制御板504は操作部509からの信号の取り込み及び操作部509への信号の出力を行う。
【0036】次に、本例の画像読み取り信号処理について説明する。CCD112は、約5000画素、400DPIの読み取りが可能で、原稿の主走査方向1ライン分の反射光を同時に読み取って電気信号に変換して時系列で出力する。CCD112からの電気信号はVPU501でクランプ等の波形修正、増幅、A/D変換が行われ、8ビットのデジタル信号としてIPU502へ出力される。CCD112はアナログ画像データを高速転送のためEVEN,ODDの2系統に分けてVPU501に出力し、VPU501においては、アナログスイッチで構成されるスイッチングICでCCD112からのEVEN,ODDの画像データをシリアルのアナログ信号に合成して転送する。この場合、1画素の転送速度は、本原稿読み取りモード時では約7.5MHzであり、これに同期して上記合成後の画像データをA/Dコンバータで8ビット256階調のデジタル画像信号に変換する。一方、画像データを増幅する可変増幅器では蛍光灯の光量変動を補正するために、基準白板の読み取りデータによりその増幅度を適正値にするように調節する。
【0037】図6はTPSの読み取りデータ処理を示す。CCD112から読み出される主走査方向に連続するアナログ画像データは、VPU501においてクランプにより波形の基底レベルの調整が行われ、画素クロックに同期してサンプルホールドされる。次に、VPU501は、その画像データに対して読み取り露光光量やそのデータレベルに合わせてデータの増幅率を可変するAGC(Auto Gain Control)処理を行い、A/D変換器により8ビットのデジタル画像データに変換してCCD112で読み取られる原稿反射濃度に対してリニアな読み取り画像データとする。次に、VPU501はその読み取り画像データを視感度に合わせて効率よく階調を扱うように対数変換を行う。この対数変換は入出力8ビット/ドットのLUT(LOOK UPTABLE)で行う。VPU501からの画像濃度を示す1画素毎のデジタル画像信号はIPU502へ入力されて画像処理される。IPU502は、複数のLSIで構成されてVPU102からのデジタル画像信号の画像加工処理の他、高画質処理の制御を行う。
【0038】次に、頁めくり機構108の動作について説明する。図7〜図12はTPS100の頁めくり動作における走査ユニット103の遷移を示し、図13はそのタイミングチャートを示す。走査ユニット103は、本原稿読み取りモードでは左側の端部ホームポジションから右方向へ移動して図7に示すように原稿台113上の上向きに見開かれた本原稿BOを走査して読み取る。この場合、走査ユニット103は、原稿台113上の見開かれた本原稿BOを蛍光灯109によって照明し、その反射光をミラー110a、110b、110cを介してレンズ111によりCCD112上に結像して光電変換する。
【0039】走査ユニット103は、本原稿BOの見開き左右頁の画像読み取りを終了した後に図8に示すように右側端部でリターンすると同時に、スイッチSWがオンして高圧電源205から帯電ローラ204に交番電圧が印加され、帯電ローラ204がめくりベルト201上に不均一な帯電を開始する。このとき、めくりベルト201は図示しない駆動手段によって下面が水平状態に保たれる。
【0040】その後、めくりベルト201が本原稿BOの右頁端部まで移動し、めくりベルト201と本原稿BOの右頁が約20mm接触した所で走査ユニット103が停止する。このとき、めくりベルト201の下面は不均一な帯電によって生ずる電界により本原稿BOの右側最上位頁を吸着する。このように走査ユニット103が停止している間に図9に示すように図示しない駆動手段によってめくりベルト駆動ローラ202を回転軸として頁めくり機構108が約30度持ち上げられ、本原稿BOの最上位頁が持ち上げられて分離される。
【0041】そして、走査ユニット103はリターン動作を開始し、本原稿の分離された最上位頁BObはめくりベルト201の回転により図10に示すように頁収納ガイド120,121の入口に搬送されて頁搬送コロ122によって頁収納ガイド120,121内に搬送される。また、走査ユニット103には正常に本原稿BOの頁がめくられたことを検出するための頁検出センサ123が配置され、この頁検出センサ123は頁搬送コロ122によって頁収納ガイド120,121内に搬送される最上位頁BObを検出する。
【0042】一方、本原稿BOのめくられた頁BObは、本原稿BOの綴じ部BOa付近では曲率があるため、図11に示すように頁めくり機構108が本原稿BOの綴じ部BOa付近まで移動したときに曲率の分だけたるんでしまう。そこで、この問題を解決するために、頁搬送コロ122の回転速度を頁めくり機構108の移動速度より多少速くしてたるみ分を吸収している。
【0043】このように本原稿BOの最上位頁BObが頁めくり機構108によりめくられて頁めくり機構108内に収納された後に頁搬送コロ122の駆動が停止され、走査ユニット103が本原稿BOの綴じ部BOaを通過してから図12に示すように本原稿BOの最上位頁BObが本原稿BOの綴じ部に引っ張られて頁めくり機構108から本原稿BOの左側最上位頁の上に排出されることにより右側最上位頁BObが左側にめくられる。なお、頁搬送コロ122は駆動停止時には容易に回転可能な状態となる。
【0044】次に、TPS100の頁めくり動作について説明する。図7に示すように、走査ユニット103の端部ホームポジションは、本原稿BOに対する読み取り・頁めくり動作開始ポイントであり、且つ、その動作終了ポイントである。また、この端部ホームポジションでは、走査ユニット103は原稿台113にかかっていない。
【0045】この原稿台113の加圧・固定モードでは、先ず、IPU502が走査ユニット103のスキャナモータ507を正転させて走査ユニット103を図7の右方向へ移動させる。次いで、IPU502は走査ユニット103の右側の原稿押えローラ104aが本原稿BOの左端にかかったときに(図13のAポイント)、左側の原稿台昇降モータを正転させて左側の原稿台113を加圧状態にする。これにより、本原稿BOが走査ユニット103に押し付けられて最適な読み取りが行われる。
【0046】そして、走査ユニット502が本原稿中心ポイントに到達する少し前に、右側の原稿押えローラ104aが右側の原稿台113の左端にかかる(図13のBポイント)。この時点でIPU502は右側の原稿台昇降モータを正転させて右側の原稿台113を加圧状態にする。次いで、走査ユニット103は、本原稿中心ポイントを通過して本原稿BOの右側頁の読み取りを始める。
【0047】その後に左側の原稿押えローラ104bが左側の原稿台113の右端にかかる(図13のCポイント)。この時点でIPU502は左側の原稿台昇降モータを停止させ、左側の原稿台113を固定状態にする。これにより、本原稿BOは、スキャナユニット101に食い込むことなく原稿押えシート106bに押えられて固定され、次の走査ユニット103の通過時まで同じ高さを保ち続ける。
【0048】IPU502は本原稿右頁の読み取りを終えた走査ユニット103を、左側の原稿押えローラ104bが右側の原稿台113の右端にかかった状態(図13のDポイント)で停止させ、次いで、IPU502はスキャナモータ507を逆転させて走査ユニット103を図左方向へ移動させる。これにより、図10に示すように走査ユニット103は、本原稿BOの右頁をめくり上げながら左方向へ進み、図11に示すように本原稿中心ポイントに到達する少し前に、左側の原稿押えローラ104bが左側の原稿台113の右端にかかる(Cポイント)。この時点でIPU502は左側の原稿台昇降モータを正転させて左側の原稿台113を加圧状態にする。
【0049】次いで、走査ユニット103は本原稿中心ポイントを通過して図12に示すように本原稿BOの左側頁の上にめくり上げた右頁を重ね合せる動作を始める。その後に右側の原稿押えローラ104aが右側の原稿台113の左端にかかる(Bポイント)。この時点でIPU502は右側の原稿台昇降モータを停止させ、右側の原稿台113を固定状態にする。これにより、本原稿BOは、スキャナユニット101に食い込むことなく原稿押えシート106aに押えられて固定され、次の走査ユニット103の通過時まで同じ高さを保ち続ける。その後、IPU502は走査ユニット103を図7に示す端部ホームポジションまで移動させて停止させる。
【0050】また、シート原稿読み取りモードでは、本原稿BOが走査ユニット103に当接しないように原稿台113が下降し、コンタクトガラスからなる原稿台124上に載置された原稿125を走査ユニット103が走査する。走査ユニット103内のミラー110dが光路に進出し、走査ユニット103内の蛍光灯からなる光源126により原稿台124上の原稿125が照明されてその反射光がミラー110d、110b、110cを介してレンズ111によりCCD112上に結像される。このCCD112からの画像信号はVPU501、IPU502で処理されてフレームメモリ503に格納される。
【0051】以上のように、この例は、請求項1記載の発明を応用した画像読み取り装置の例であって、帯電手段としての帯電ローラ204により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材201において、表面の水との接触角が90°以上である部材からなるので、表面に水分が付きにくくなって吸着力の温湿度による変化が小さくなり、被吸着材の吸着搬送、吸着分離、本原稿の頁めくりなどを行う装置に用いられた場合にその装置の信頼性を向上させることができる。
【0052】また、この例は、請求項2記載の発明を応用した画像読み取り装置の例であって、請求項1記載の吸着部材201において、フッ素樹脂で形成したので、表面張力が小さくて水分が付きにくくなり、吸着力の温湿度による変化が小さくなる。このため、被吸着材の吸着搬送、吸着分離、本原稿の頁めくりなどを行う装置に用いられた場合にその装置の信頼性を一層向上させることができる。
【0053】請求項3〜5記載の発明を応用した静電吸着装置を有する画像読み取り装置の一例は、上述の例において、めくりベルト201を次のように構成したものである。すなわち、めくりベルト201は、めくりベルト201は図2(b)に示すように低抵抗(表面抵抗109Ω以下)の抵抗層201b上に高抵抗(表面抵抗1014Ω以上)の誘電体層201aを設けた2層構造となっている。
【0054】このめくりベルト201の裏面側の抵抗層201bは、各樹脂材料やゴム材料にカーボンブラックなどの導電性材料を分散させたものである。また、めくりベルト201の表面側の誘電体層201aの厚さを30μm以上とすることにより誘電体層201aの絶縁破壊を防止し、比誘電率を2.5〜9と大きい材料にすることにより静電容量を大きくしている。この誘電体層201aの材質は、フッ素樹脂などの表面張力が小さく、水に対する接触角が大きい物(具体的には90°以上)を使用している。このため、電荷保持層である誘電体層201aは高湿環境下においても表面に水分が付きにくく、表面抵抗の低下が少なくなり、帯電電荷の漏洩を防ぎ、用紙(本原稿の頁)吸着の環境変動を押えることができた。
【0055】また、誘電体層201aの表面を10Rz以下の表面粗さにし、これによりめくりベルト201と用紙との密着性が良くなってめくりベルト201の用紙に対する吸着力が向上した。また、めくりベルト201をPCなどの硬い材料(曲げ弾性率が18000kg/cm2以上で破断点伸度が100%以下の材料)で形成したところ、めくりベルト201を回動させるときに起こる屈曲作用によってひび割れや破断が発生した。そこで、本例では、めくりベルト201を曲げ弾性率が300〜18000kg/cm2で破断点伸度が100%以上の材料で構成し、これによりめくりベルト201の屈曲作用に対する寿命が飛躍的に伸びた。
【0056】以上のように、この例は、請求項3記載の発明を応用した画像読み取り装置の例であって、帯電手段としての帯電ローラ204により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材201において、表面に樹脂材料で形成された電荷保持層201aと、裏面に樹脂材料で形成された抵抗層201bとを有し、曲げ弾性率を3000〜18000kg/cm2としたので、屈曲作用に対する寿命が伸びて耐久性を向上させることができる。
【0057】また、この例は、請求項4記載の発明を応用した画像読み取り装置の例であって、請求項3記載の吸着部材201において、破断点伸度を100%以上としたので、屈曲作用に対する寿命が伸びて耐久性を向上させることができる。
【0058】また、この例は、請求項5記載の発明を応用した画像読み取り装置の例であって、請求項3記載の吸着部材201において、表面の表面粗さを10Rz以下としたので、被吸着材との密着性を良くして吸着力を向上させることができる。
【0059】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれば、帯電手段により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材において、表面の水との接触角が90°以上である部材からなるので、表面に水分が付きにくくなって吸着力の温湿度による変化が小さくなり、被吸着材の吸着搬送、吸着分離、本原稿の頁めくりなどを行う装置に用いられた場合にその装置の信頼性を向上させることができる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の吸着部材において、フッ素樹脂で形成したので、表面張力が小さくて水分が付きにくくなり、吸着力の温湿度による変化が小さくなる。このため、被吸着材の吸着搬送、吸着分離、本原稿の頁めくりなどを行う装置に用いられた場合にその装置の信頼性を一層向上させることができる。
【0061】請求項3記載の発明によれば、帯電手段により表面が帯電されて交番電界が形成されることで被吸着材を吸着する誘電体シートにより構成されるベルト状吸着部材において、表面に樹脂材料で形成された電荷保持層と、裏面に樹脂材料で形成された抵抗層とを有し、曲げ弾性率を3000〜18000kg/cm2としたので、屈曲作用に対する寿命が伸びて耐久性を向上させることができる。
【0062】請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の吸着部材において、破断点伸度を100%以上としたので、屈曲作用に対する寿命が伸びて耐久性を向上させることができる。請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の吸着部材において、表面の表面粗さを10Rz以下としたので、被吸着材との密着性を良くして吸着力を向上させることができる。




 

 


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