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発明の名称 ブラシレスモータの制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−223978
公開日 平成8年(1996)8月30日
出願番号 特願平7−53567
出願日 平成7年(1995)2月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
発明者 篠崎 嘉輝
要約 目的
ブラシレスモータの制御方法において、負荷によらず回転子の位置を正確に検出可能とし、最適な電機子巻線の通電切り替えることができるようにする。

構成
直流電源をインバータ部4でスイッチングしてブラシレスモータ3の電機子巻線に印加する際、ブラシレスモータ3の回転子の位置検出に基づいてインバータ部4を駆動して電機子巻線の通電を切り替えるブラシレスモータの制御方法であって、電機子巻線の端子電圧(誘起電圧)と基準電圧とを比較回路10aで比較し、この比較結果による交点で変化する位置信号eを制御回路11に入力しており、この制御回路11はその位置信号eの変化点から所定位相角((30−α)度、(90−α)度、(150−α)度あるいはテーブルデータ)に相当する時間を算出する。また、その算出時間((30−α)度、(90−α)度、(150−α)度に相当する時間)を計時し、この計時終了点でブラシレスモータ3の電機子巻線の通電を切り替える。
特許請求の範囲
【請求項1】 直流電源をインバータ手段でスイッチングしてブラシレスモータの電機子巻線に印加し、かつ該ブラシレスモータの回転子の位置検出に基づいて前記インバータ手段を駆動して前記電機子巻線の通電を切り替えるブラシレスモータの制御方法であって、前記電機子巻線に発生する誘起電圧と基準電圧とを比較して前記ブラシレスモータの回転に同期した位置信号を得、該位置信号の変化点から所定位相角に相当する時間を算出し、前記所定位相角から前記ブラシレスモータの負荷に応じて予め設定した値により前記算出時点にて前記電機子巻線の通電を切り替え、少なくとも前記変化点から進み角零度から30度未満にて電機子巻線の通電切り替えを可能としたことを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
【請求項2】 直流電源をインバータ手段でスイッチングしてブラシレスモータの電機子巻線に印加し、かつ該ブラシレスモータの回転子の位置検出に基づいて前記インバータ手段を駆動して前記電機子巻線の通電を切り替えるブラシレスモータの制御方法であって、前記電機子巻線に発生する誘起電圧と基準電圧とを比較して前記ブラシレスモータの回転に同期した位置信号を得、該位置信号の変化点のタイミングから前記電機子巻線の通電切り替え時間を予め得たテーブルデータをもとにして算出する一方、前記テーブルデータに基づいて前記電機子巻線の通電を切り替え、少なくとも前記変化点から進み角零度から30度未満にて電機子巻線の通電切り替えを可能としたことを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は空気調和機の圧縮機等に用いる直流ブラシレスモータ(以下ブラシレスモータと記す)の回転制御技術に係り、特に詳しくはブラシレスモータの巻線電流を最適に切り替え、ブラシレスモータの回転制御の安定化を図るブラシレスモータの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このブラシレスモータを回転制御するには、例えば三相モータである場合図9に示す制御装置を必要とする。
【0003】図9において、この制御装置は、交流電源1を交流/直流変換器2で直流に変換して得た電源Vdcをスイッチングしてブラシレスモータ3の電機子巻線に印加するために複数のスイッチング素子(トランジスタ)U,V,W,X,Y,Zをブリッジ接続したインバータ部4と、ブラシレスモータ3の端子電圧(例えば120度位相の異なる電圧;誘起電圧を含む)R,S,Tをもとにして回転子3aの位置を検出する位置検出部5と、ブラシレスモータ3の各電機子巻線の通電を所定に切り替え、かつ位置検出部5からの位置検出信号a,b,cをもとにして各電機子巻線の通電を所定に切り替えるためにインバータ部4の駆動信号を出力する制御回路6とを備えている。
【0004】位置検出部5は、インバータ部4の電源電圧Vdcを1/2に分圧して基準電圧を発生する基準電圧発生回路5aと、各相の端子電圧(誘起電圧)を分圧する分圧回路5bと、この分圧された端子電圧(誘起電圧)と基準電圧Vdc/2とを比較してブラシレスモータ3の回転に同期した位置検出信号a,b,cを出力する比較回路5cとからなる。
【0005】制御回路6は、マイクロコンピュータおよび駆動回路等からなり、駆動信号を出力してインバータ部4のトランジスタU,V,W,X,Y,Zを駆動する。
【0006】上記構成の制御装置において、ブラシレスモータ3の起動時には例えば同ブラシレスモータ3を所定時間同期運転するが、所定時間経過後には上記位置検出信号a,b,cに基づいて同ブラシレスモータ3を回転制御する(いわゆる位置検出による運転に切り替える)。
【0007】上記位置検出による運転においては、回転子3aの位置を検出し、この位置検出に基づいて各電機子巻線の通電を切り替えるため、上記位置検出部5は、例えば図10(a)ないし(c)に示す各電機子巻線の端子電圧R,S,Tと基準電圧Vdc/2とを比較し、その交点で変化する位置検出信号(図10(d)ないし(f)に示す)a,b,cを出力する。
【0008】上記位置検出信号a,b,cが制御回路6に入力し、この制御回路6は端子電圧の誘起電圧区間xの波形と基準電圧Vdc/2との交点を検出し(位置検出信号の最初のエッジを検出し)、これら交点から電気角60度に相当する時間T(図10に示すT0ないしT4)を得る。さらに、それら交点からT/2時間(図10に示すT0/2ないしT4/2)経過後にインバータ部4の各トランジスタU,V,W,X,Y,Zの導通状態を切り替える駆動信号(図10(g)ないし(l)に示す)を発生する。
【0009】各駆動信号により各トランジスタU,V,W,X,Y,Zが駆動されるため、ブラシレスモータ3の電機子巻線電流が切り替えられ、ブラシレスモータ3が回転制御される。
【0010】また、空気調和機の圧縮機等においてはPWM制御方式を採用しており、この場合制御回路6はインバータ部4の一方のアーム(下アームまたは上アーム)のトランジスタの駆動信号のオン部分を所定デューティ比(オン、オフ比)でチョッピングする。
【0011】このように、位置検出信号a,b,cに基づいてブラシレスモータ3の各電機子巻線電流を切り替えて同ブラシレスモータ3を回転制御し、またチョッピングのオン、オフ比を可変してブラシレスモータ3を所定回転数に制御する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ブラシレスモータの制御方法においては、ブラシレスモータ3の巻線電流の切り替える際(通電を切り替える際)、各電機子巻線に発生するスパイク電圧により回転子の位置検出に影響を与え、つまり誤差を生じることがある。
【0013】例えば、ブラシレスモータ3の負荷が軽い場合にはスパイク電圧の幅がそれほど大きくないことから、回転子の位置検出の誤差が小さい。しかし、図11の矢印dに示すように、負荷が重い場合にはスパイク電圧の幅が大きくなり、このスパイク電圧が誘起電圧波形に重なり、本来検出すべき誘起電圧と基準電圧との交点を検出することができず(図11(d)ないし(f)に示す)、回転子の位置検出の誤差が極めて大きくなってしまう。
【0014】このような位置検出の誤差により、ブラシレスモータ3の回転制御が不適切なものとなり、振動や騒音の増大を招くだけでなく、最悪として脱調して停止し、その停止と同時に過電流が流れてブラシレスモータ3および装置(回路)等の損傷を招く恐れがある。
【0015】この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は位置検出の誤差を小さくし、ブラシレスモータの通電切り替えタイミングを適切なものとすることができ、振動や騒音を抑えることができ、また脱調、回路の破損を防止して回転制御の安定化、効率のよい運転を可能とすることができるようにしたブラシレスモータの制御方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明は直流電源をインバータ手段でスイッチングしてブラシレスモータの電機子巻線に印加し、かつ該ブラシレスモータの回転子の位置検出に基づいて前記インバータ手段を駆動して前記電機子巻線の通電を切り替えるブラシレスモータの制御方法であって、前記電機子巻線に発生する誘起電圧と基準電圧とを比較して前記ブラシレスモータの回転に同期した位置信号を得、該位置信号の変化点から所定位相角に相当する時間を算出する際、前記所定位相角から前記ブラシレスモータの負荷に応じて予め設定した値を引き、該値が引かれた所定位相角に相当する時間を算出しており、該算出された時間を計時し、該計時の終了時点で前記電機子巻線の通電を切り替え、少なくとも前記変化点から進み角零度から30度未満にて電機子巻線の通電切り替えを可能としたことを要旨とする。
【0017】また、この発明のブラシレスモータの制御方法は、前記電機子巻線に発生する誘起電圧と基準電圧とを比較して前記ブラシレスモータの回転に同期した位置信号を得、該位置信号の変化点のタイミングから前記電機子巻線の通電切り替え時間を予め得たテーブルデータをもとにして算出する一方、該演算された時間を計時し、該計時の終了時点で前記電機子巻線の通電を切り替え、少なくとも前記変化点から進み角零度から30度未満にて電機子巻線の通電切り替えを可能としたものである。
【0018】
【作用】上記手段によれば、ブラシレスモータの電機子巻線の端子電圧(誘起電圧)と基準電圧とが比較され、少なくともその比較結果による交点で変化する回転子の回転に同期した位置信号が得られる。
【0019】上記位置信号の変化点(立ち上がり、立ち下がり)のタイミングから電機子巻線の通電切り替えまでの時間が算出される。この場合、予め得た所定値α(負荷に応じた値)だけ短い位相角(30−α)度,(90−α)度,(150−α)度に相当する時間が算出される。
【0020】上記算出時間をもとにして電機子巻線の通電が切り替えられ、つまり少なくとも零度から30度未満にて電機子巻線の通電が切り替えられる。したがって、例えば負荷が重く、電機子巻線の端子電圧に含まれる誘起電圧波形の幅が大きくなっても、回転子の位置検出タイミングの誤差が小さく、その位置検出が正確に行われることになる。
【0021】また、上記位相角(30−α)度,(90−α)度,(150−α)度に対応するデータがテーブルの形でメモリに記憶されており、このテーブルのデータにより上記交点の変化点のタイミングから電機子巻線の通電切り替えまでの時間が算出される。
【0022】上記テーブルのデータとしては予め電機子巻線の印加電圧、周波数(回転数)をもとにして得たものであり、つまりブラシレスモータの負荷状態に応じて得たものである。
【0023】したがって、上述同様に、例えば負荷が重く、電機子巻線の端子電圧に含まれる誘起電圧波形の幅が大きくなっても、回転子の位置検出タイミングの誤差が小さくなる。
【0024】
【実施例】この発明のブラシレスモータの制御方法は、例えば三相の直流ブラシレスモータ(以下ブラシレスモータと記す)の1相の端子電圧(誘起電圧)と基準電圧とを比較し、この比較結果による交点の変化を検出して通電切り替えを行う際、負荷状態によってスパイク電圧の幅が異なることから、交点の変化点から通電切り替えタイミングまでの時間算出時に負荷状態(周波数や印加電圧等)を加味すれば、その交点の変化点の検出タイミングの誤差を小さくすることができることに着目し、その交点の変化点から(30−α)度、(90−α)度、(150−α)度(α;負荷に応じて設定した値)に相当する時間を計時して通電切り替えタイミングとし、あるいは回転数や印加電圧に応じたテーブルデータをもとにしてその交点の変化点から所定位相角に相当する時間を計時して通電切り替えタイミングとする。
【0025】そのため、この発明のブラシレスモータの制御方法が適用される制御装置は例えば図1に示す構成をしている。なお、図中、図9と同一部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0026】図1において、この制御装置は、三相四極のブラシレスモータ3の3つの電機子巻線の端子電圧(誘起電圧)R,S,Tのうち1つ、例えば分圧した端子電圧Rと基準電圧Vdc/2とを比較して位置信号eを出力する位置検出部10と、この位置信号eの変化点(立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジ)により電気角360度に相当する時間を計測し、この計測時間をもとにしてその変化点から所定位相角(例えば(30−α)度、(90−α)度、(150−α)度;αは負荷に応じた値)に相当する時間を算出し、その位置信号eのエッジから算出時間経過点でブラシレスモータ3の電機子巻線の通電を切り替える制御回路(マイクロコンピュータ)11を備えている。
【0027】なお、位置検出部10は、図9と同様に所定の基準電圧(Vdc/2)を発生する基準電圧発生回路10aと、端子電圧を1/2に分圧する分圧回路10bと、この分圧された端子電圧Rと基準電圧(Vdc/2)とを比較する比較回路10aとを備えている。制御回路11は、PWM制御時にインバータ部4の上アームのトランジスタU,V,Wまたは下アームのトランジスタX,Y,Zをオン、オフする駆動信号、この駆動信号のオン部分をチョッピングするチョッピング信号およびこのチョッピングを上アームまたは下アームに切り替える制御信号を出力する機能を有している。
【0028】また、上記制御装置は、制御回路11からの駆動信号、チョッピング信号および制御信号を入力し、駆動信号のオン部分をチョッピングし、このチョッピングされた駆動信号を含む駆動信号によりインバータ部4の各トランジスタU,V,W,X,Y,Zを駆動する駆動回路12を備えている。
【0029】次に、上記制御装置の動作を図2のタイムチャート図および図3ないし図6のフローチャート図を参照して詳しく説明すると、まずブラシレスモータ3の起動時には誘起電圧が発生しないことから、制御回路11は既に公知の同期運転を実行する。
【0030】この同期運転によりブラシレスモータ3を低周波から徐々に加速し、位置検出部10において出力する位置信号eにより誘起電圧と基準電圧との交点の検出が可能となるまで、つまり適切な位置信号eが得られるまで上記処理を実行する。なお、この発明では後の説明から明かなように端子電圧R(図2(b))が同図(a)の端子電圧R(従来のタイミング)より所定値αだけ位相が進む形となる。
【0031】そして、位置検出部10にはブラシレスモータ3のR相の端子電圧Rが正常に入力すると(図2(b)示す)、位置検出部10は分圧された端子電圧Rの誘起電圧と基準電圧発生回路10aからの基準電圧Vdc/2とを比較回路10cで比較し、この比較結果の位置信号eを出力する。なお、図2中においては誘起電圧と基準電圧との交点がトランジスタのオン部分にあるが、その交点がオフ部分にある場合にはチョッピング信号の立ち上がり、あるいは立ち下がりエッジがその交点となる。
【0032】ここで、制御回路11は入力位置信号eの変化点(立ち上がりあるいは立ち下がりエッジ)を検出する(図2(c)に示す)。この場合、最初の立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジのタイミングは従来よりもα値だけ進んだタイミングとなる。
【0033】また、誘起電圧が上昇時である場合インバータ部4の上アームトランジスタU,V,WをPWM制御しており、通電切り替えタイミング後の位置信号eの最初の立ち上がりエッジを検出し、また誘起電圧が下降時である場合インバータ部4の下アームトランジスタX,Y,ZをPWM制御しており、通電切り替えタイミング後の最初の立ち下がりエッジを検出する。
【0034】なお、PWM制御において、制御回路11からの駆動信号、チョッピング信号および制御信号を駆動回路12に入力し、この駆動回路12はその制御信号にしたがって所定駆動信号とチョッピング信号とを合成し、この合成された駆動信号を含む駆動信号によりインバータ部4を駆動する。
【0035】上記位置信号eの上記エッジ検出毎に図3ないし図6に示すルーチンを実行し、まずそのエッジ検出がt3時点であるとすると、この検出の現在の時刻taをフリーランニングタイマで検出し、この時刻taを内部のメモリに一時記憶する(ステップST1)。
【0036】続いて、この時刻taに前回算出した周期Tの(30−α)度に相当する時間T(30−α)=T2×(30−α)/360を加算し(ステップST2)、この時刻t(30−α)=ta+T(30−α)を制御回路11のフリーランニングタイマのコンペアレジスタAにセットする(ステップST3)。なお、時間T(30−α)=T2×(30−α)/360の算出については後に説明する。
【0037】また、所定値αは負荷に応じた値、回転状態等により誘起電圧と基準電圧との交点を正確に検出することができるように予め得たデータである。このデータは制御回路11の内部メモリ等に記憶されている。
【0038】続いて、上記位置信号eの検出エッジが立ち上がり、立ち下がりの何れかを判断し(ステップST4)、立ち上がりエッジであるときにはステップST5に進み制御回路11の内部に予め設定されているフラグをセットし(“1”とし)、立ち下がりエッジであるときにはステップST6に進みそのフラグをクリアする(“0”にする)。
【0039】この後、上記コンペアレジスタAとフリーランニングタイマの値とが一致すると、図4に示すt(30−α)割り込みルーチンを実行し、上記フラグがセットされているときには、ステップST20からST21に進み、インバータ部4のトランジスタWを駆動する信号をオフにするとともに(図2(f)に示す)、トランジスタUを駆動する信号をオンにする(図2(d)に示す)。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST22)。
【0040】一方、上記フラグがクリアされているときには、ステップST20からST23に進み、インバータ部4のトランジスタZを駆動する信号をオフにするとともに(図2(i)に示す)、トランジスタXを駆動する信号をオンにする(図2(g)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST24)。
【0041】上記割り込み処理が終了すると、メインルーチンに戻る。メインルーチンでは、1周期の時間Tの(90−α)度に相当する時間T(90−α)を算出するため、t1時点とt3時点との間の時間(電気角360度に相当する時間)T3を算出する(ステップST7)。この場合、t3時点の時刻taからt1時点の時刻tcを減算してその時間T3を算出する。
【0042】続いて、上記算出時間T3を用いて上記位置信号eの検出エッジから位相角90度に相当する時間T(90−α)=T3×(90−α)/360を算出するとともに、この算出時間T(90−α)を時刻taに加算してその(90−α)度の時刻を算出し(ステップST8)、この算出時刻t(90−α)=ta+T(90−α)をコンペアレジスタBにセットする(ステップST9)。
【0043】この後、上記コンペアレジスタBとフリーランニングタイマの値とが一致すると(図2に示すt5時点)、図5に示すt(90)割り込みルーチンを実行する。上記フラグがセットされているときには、ステップST30からST31に進み、インバータ部4のトランジスタYを駆動する信号をオフにするとともに(図2(h)に示す)、トランジスタZを駆動する信号をオンにする(図2(i)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST32)。
【0044】一方、上記フラグがクリアされているときには、ステップST30からST33に進み、インバータ部4のトランジスタVを駆動する信号をオフにするとともに(図2(e)に示す)、トランジスタWを駆動する信号をオンにする(図2(f)に示す)。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST34)。
【0045】上記割り込み処理が終了すると、メインルーチンに戻る。メインルーチンでは、(150−α)度に相当する時間T(150−α)を算出するため、上記時間T3を用いて位置信号eのエッジからT3の(150−α)度に相当する時間T(150−α)=T3×(150−α)/360を算出するとともに、この算出時間T(150−α)を時刻taに加算してその(150−α)度の時刻t(150−α)を算出し(ステップST10)、この算出時刻t(150−α)=ta+T(150−α)をコンペアレジスタCにセットする(ステップST11)。
【0046】この後、上記コンペアレジスタCとフリーランニングタイマの値とが一致すると(図2に示すt6時点)、図6に示すt(150−α)割り込みルーチンを実行する。上記フラグがセットされているときには、ステップST40からST41に進み、インバータ部4のトランジスタUを駆動する信号をオフにするとともに(図2(d)に示す)、トランジスタVを駆動する信号をオンにする(図2(e)に示す)。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST42)。
【0047】一方、上記フラグがクリアされているときには、ステップST40からST43に進み、インバータ部4のトランジスタXを駆動する信号をオフにするとともに(図2(g)に示す)、トランジスタYを駆動する信号をオンにする(図2(h)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST44)。
【0048】上記割り込み処理が終了すると、メインルーチンに戻る。メインルーチンでは、電気角360度に相当する時間T3を用いて電気角30度に相当する時間T(30−α)=T3×(30−α)/360を算出してメモリに記憶する(ステップST12)。この時間T(30−α)の算出は当該メインルーチンを繰り返した際に上記ステップST2で用いるためである。
【0049】続いて、前々回の位置信号eのエッジを検出した時刻tc(図2に示すt1時点)を記憶しているメモリに前回検出の位置信号eのエッジを検出した時刻tb(図2に示すt2時点)を書き込み、つまり前々回の時刻tcに変えて前回の時刻tbを記憶する(ステップST13)。また、前回検出の位置信号eのエッジの時刻tb(図2に示すt2時点)を記憶しているメモリに今回検出の位置信号eのエッジ時刻ta(図2に示すt3)を書き込む、つまり次の位置信号eのエッジの時刻を得るために、メモリを1つ確保しておく必要があるからである。
【0050】そして、入力位置信号eの上記エッジを検出すると、再び当該メインルーチンを実行し、そのエッジ検出の現時刻ta(図2に示すt7時点)をメモリに記憶する(ステップST1)。上記ステップST12において算出された(30−α)度に相当する時間T(30−α)=T3×(30−α)/360をその現時刻taに加算し(ステップST2)、この時刻t(30−α)=ta+T(30−α)をコンペアレジスタAにセットする(ステップST3)。次にフラグを処理し(ステップST4ないしST6)、この後に上記コンペアレジスタAとフリーランニングタイマの値とが一致すると、上述した処理を実行する。
【0051】このようにして、図3のメインルーチンを実行し、かつコンペアレジスタA,B,Cとフリーランニングタイマの値とが一致すると、図4ないし図6の割り込みルーチンを実行し、かつ繰り返す。
【0052】図2のタイムチャートを参照して具体的に説明すると、t7時点では位置信号eのエッジが立ち下がりであることから、フラグをクリアし(ステップST6)、その後上記コンペアレジスタAにセットされている時刻t(30−α)が経過した時点(図2に示すt8時点)で図4に示すt(30−α)割り込みルーチンを実行する。
【0053】この場合、フラグが立っていないため、上述したようにインバータ部4のトランジスタZを駆動する信号をオフにするとともに(図2(i)に示す)、トランジスタXを駆動する信号をオンにする(図2(g)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する。
【0054】また、位置信号eのエッジから位相角(90−α)度の時刻t(90−α)=t7+T(90−α)を算出し、この時刻t(90−α)が経過した時点(図2に示すt9時点)で図5に示す(90−α)割り込みルーチンを実行する。
【0055】この場合、フラグが立っていないため、上述したようにインバータ部4のトランジスタVを駆動する信号をオフにするとともに、トランジスタWを駆動する信号をオンにする。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する。
【0056】さらに、位置信号eのエッジから位相角(150−α)度の時刻t(150−α)=T7+T(150−α)を算出し、この時刻t(150−α)が経過した時点で図6に示す割り込みルーチンを実行する。
【0057】この場合、フラグが立っていないため、上述したようにインバータ部4のトランジスタXを駆動する信号をオフにするとともに(図2(g)に示す)、トランジスタYを駆動する信号をオンにする(図2(h)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する。
【0058】このように、誘起電圧と基準電圧Vdc/2との交点を検出するが、この交点から所定位相角(30度、90度および150度)に相当する時間を算出する際、図2(b)に示すように、その交点の変化点から所定位相角((30−α)度、(90−α)度および(150−α)度)に相当する時間をもとにして通電切り替えタイミングの時間を算出する。
【0059】例えば、ブラシレスモータ3の負荷が重い場合にはその値αが大きく、つまり例えば30度の通電切り替えタイミングが早められる。また、その負荷が軽い場合にはその値αが小さく、つまり30度の通電切り替えタイミングが遅くなって本来の30度のタイミングに近づけられる。
【0060】したがって、負荷状態によらず、回転子3aの位置検出の誤差を小さくすることになり、ひいてはその位置を正確に検出することが可能となり、これによりブラシレスモータ3の通電を適切に切り替えることができ、回転むら、振動や騒音を抑えることができ、また脱調、回路の破損を防止して回転制御の安定化、効率のよい運転を可能とすることができる。
【0061】図7のタイムチャート図および図8のフローチャート図はこの発明の変形実施例を示している。なお、この変形実施例のブラシレスモータの制御方法が適用される制御装置は図1を参照されたい。
【0062】図1において、この制御装置は、この位置信号eの変化点(立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジ)により電気角360度に相当する時間Tを計測する一方、その時のブラシレスモータ3の印加電圧Vc、回転数fおよびその計測時間Tをもとにしてtθ1=ta+T×θn1/360,tθ2=ta+T×θn2/360,tθ3=ta+T×θn3/360にしたがって時間tθ1,tθ2,tθ3を算出し、その位置信号eのエッジから算出時間経過点でブラシレスモータ3の電機子巻線の通電を切り替える制御回路(マイクロコンピュータ)20を備えている。
【0063】なお、上記式に示すtaはブラシレスモータ3の回転制御時の現在の時刻であり、θ1,θ2,θ3は下記表1または表2に示すテーブルによって得たデータであり、このデータは前実施例における(30−α)度、(90−α)度、(150−α)度に対応する値である。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】したがって、制御回路20は、上記表1および表2のテーブルデータを得て内部メモリに記憶しており、また図1に示す制御回路11の機能も有している。
【0067】前実施例同様に、ブラシレスモータ3の起動時には誘起電圧が発生しないことから、制御回路20は既に公知の同期運転を実行する。この同期運転によりブラシレスモータ3を低周波から徐々に加速し、位置検出部10において出力する位置信号eにより誘起電圧と基準電圧との交点の検出が可能となるまで、つまり適切な位置信号eが得られるまで上記処理を実行する。
【0068】そして、位置検出部10にはブラシレスモータ3のR相の端子電圧Rが正常に入力し(図7(b)示す)、位置検出部10は分圧された端子電圧Rの誘起電圧と基準電圧発生回路10aからの基準電圧とを比較回路10cで比較し、この比較結果の位置信号eを出力する。なお、前実施例と同じく、図7(b)に示す電圧波形が従来の電圧波形(同図(a)に示す)より所定値αだけ位相が進むことになる。
【0069】ここで、制御回路20は入力位置信号eによりその変化点(最初の立ち上がりあるいは立ち下がりエッジ)を検出する(図7(c)に示す)。この場合、前実施例と同じく、最初の立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジのタイミングは従来よりもα値だけ進んだタイミングとなる。
【0070】また、誘起電圧が上昇時である場合インバータ部4の上アームトランジスタU,V,WをPWM制御しており、通電切り替えタイミング後の位置信号eの最初の立ち上がりエッジを検出し、また誘起電圧が下降時である場合インバータ部4の下アームトランジスタX,Y,ZをPWM制御しており、通電切り替えタイミング後の最初の立ち下がりエッジを検出する。
【0071】なお、PWM制御において、制御回路20からの駆動信号、チョッピング信号および制御信号を駆動回路12に入力し、この駆動回路12はその制御信号にしたがって所定駆動信号とチョッピング信号とを合成し、この合成された駆動信号を含む駆動信号によりインバータ部4を駆動する。
【0072】上記入力位置信号eの上記エッジ検出毎に図3ないし図6に示すルーチンを実行し、まずそのエッジ検出がt3時点であるとすると、この検出の現在の時刻taをフリーランニングタイマで検出し、この時刻taを内部のメモリに一時記憶する(ステップST50)。
【0073】続いて、この時刻taに前回算出の時間Tθ1=T2×(θn1/360)を加算し(ステップST51)、この時刻ta+Tθ1=tθ1を制御回路20のフリーランニングタイマのコンペアレジスタAにセットする(ステップST52)。なお、時間Tθ=T2×(θn1/360)の算出については後に説明する。
【0074】続いて、上記位置信号eの検出エッジが立ち上がり、立ち下がりの何れかを判断し(ステップST53)、立ち上がりエッジであるときにはステップST54に進み制御回路20の内部に予め設定されているフラグをセットし(“1”とし)、立ち下がりエッジであるときにはステップST55に進みそのフラグをクリアする(“0”にする)。
【0075】この後、上記コンペアレジスタAとフリーランニングタイマの値とが一致すると、図4と同じ割り込みルーチンを実行する。まず、上記フラグがセットされているときには、ステップST20からST21に進み、インバータ部4のトランジスタWを駆動する信号をオフにするとともに(図7(f)に示す)、トランジスタUを駆動する信号をオンにする(図7(d)に示す)。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST22)。
【0076】一方、上記フラグがクリアされているときには、ステップST20からST23に進み、インバータ部4のトランジスタZを駆動する信号をオフにするとともに(図7(i)に示す)、トランジスタXを駆動する信号をオンにする(図2(g)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST24)。
【0077】上記図4に示す割り込み処理が終了すると、メインルーチンに戻る。メインルーチンでは、t1時点とt3時点との間の時間(電気角360度に相当する時間;T)T3を算出し、かつ周波数f(1/T)を算出する(ステップST56)。この場合、t3時点の時刻taからt1時点の時刻tcを減算してその時間T3を算出し、この算出時間T3を用いて周波数fを算出する。
【0078】続いて、ブラシレスモータ3の印加電圧Vに基づいて表1によりθn1,θn2,θn3を得し、または上記周波数fおよび印加電圧Vに基づいて表2によりθn1を得、かつ同様にしてθn2,θn3を得する(ST57)。
【0079】なお、表1および表2は印加電圧、周波数および印加電圧に応じて(つまり負荷に応じて)回転子3aの位置検出が正確に行えるように、つまりスパイク電圧による影響を受けず、かつトルクむらの少ない通電切り替えタイミングが得られるように設定した値である。また、表2は例えば30度用であり、他に90度用および150度用の表が必要である。
【0080】続いて、上記算出時間T3を用いて上記位置信号eの検出エッジから位相角90度に相当する時間Tθ2=T3×(θn2/360)を算出するとともに、この算出時間Tθ2を時刻taに加算してその時刻を算出し(ステップST58)、この算出時刻tθ2=ta+Tθ2をコンペアレジスタBにセットする(ステップST59)。
【0081】この後、上記コンペアレジスタBとフリーランニングタイマの値とが一致すると(図7に示すt5時点)、図5に示す割り込みルーチンを実行する。上記フラグがセットされているときには、ステップST30からST31に進み、インバータ部4のトランジスタYを駆動する信号をオフにするとともに(図7(h)に示す)、トランジスタZを駆動する信号をオンにする(図7(i)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST32)。
【0082】一方、上記フラグがクリアされているときには、ステップST30からST33に進み、インバータ部4のトランジスタVを駆動する信号をオフにするとともに(図7(e)に示す)、トランジスタWを駆動する信号をオンにする(図7(f)に示す)。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST34)。
【0083】上記割り込み処理が終了すると、メインルーチンに戻る。メインルーチンでは、150度に相当する時間Tθ3を算出するため、上記時間T3を用いて位置信号eのエッジからT3の150度に相当する時間Tθ3=T3×(θ3/360)を算出し、この算出時間Tθ3を時刻taに加算してその時刻tθ3を算出する(ステップST60)。この算出時刻tθ3=ta+Tθ3をコンペアレジスタCにセットする(ステップST61)。
【0084】この後、上記コンペアレジスタCとフリーランニングタイマの値とが一致すると(図7に示すt6時点)で、図6に示す割り込みルーチンを実行する。上記フラグがセットされているときには、ステップST40からST41に進み、インバータ部4のトランジスタUを駆動する信号をオフにするとともに(図7(d)に示す)、トランジスタVを駆動する信号をオンにする(図7(e)に示す)。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST42)。
【0085】一方、上記フラグがクリアされているときには、ステップST40からST43に進み、インバータ部4のトランジスタXを駆動する信号をオフにするとともに(図7(g)に示す)、トランジスタYを駆動する信号をオンにする(図7(h)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する(ステップST44)。
【0086】上記割り込み処理が終了すると、メインルーチンに戻る。メインルーチンでは、電気角360度に相当する時間T3を用いて電気角30度に相当する時間Tθ1=T3×(θ1/360)を算出してメモリに記憶する(ステップST62)。この時間Tθ1の算出は当該メインルーチンを繰り返した際に上記ステップST51で用いるためである。
【0087】続いて、前々回の位置信号eのエッジを検出した時刻tc(図7に示すt1時点)を記憶しているメモリに前回検出の位置信号eのエッジを検出した時刻tb(図7に示すt2時点)を書き込み、つまり前々回の時刻tcに変えて前回の時刻tbを記憶する(ステップST63)。また、前回検出の位置信号eのエッジの時刻tb(図7に示すt2時点)を記憶しているメモリに今回検出の位置信号eのエッジ時刻ta(図7に示すt3)を書き込む(ステップST64)、つまり次の位置信号eのエッジの時刻を得るために、メモリを1つ確保しておく必要があるからである。
【0088】そして、入力位置信号eのエッジを検出すると、再び当該メインルーチンを実行し、そのエッジ検出の現時刻ta(図2に示すt7時点)をメモリに記憶する(ステップST50)。上記ステップST12において算出された時間Tθ1=T3×(θ1/360)をその現時刻taに加算し(ステップST51)、この時刻ta+Tθ1=tθ1をコンペアレジスタAにセットする(ステップST52)。以下、既に説明した処理を実行する。
【0089】図7のタイムチャートを参照して具体的に説明すると、t7時点では位置信号eのエッジが立ち下がりであることから、フラグをクリアし(ステップST55)、その後上記コンペアレジスタAにセットされている時刻tθ1が経過した時点(図7に示すt8時点)で図4に示す割り込みルーチンを実行する。
【0090】この場合、フラグが立っていないため、上述したようにインバータ部4のトランジスタZを駆動する信号をオフにするとともに(図7(i)に示す)、トランジスタXを駆動する信号をオンにする(図7(g)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する。
【0091】また、位置信号eのエッジから位相角90度に相当する時刻tθ2=t7+T4×(θ2/360)を算出し、この時刻tθ2が経過した時点(図7に示すt9時点)で図5に示す割り込みルーチンを実行する。
【0092】この場合、フラグが立っていないため、上述したようにインバータ部4のトランジスタVを駆動する信号をオフにするとともに、トランジスタWを駆動する信号をオンにする。これと同時に、インバータ部4の下アームを構成するトランジスタX,Y,Zを駆動するための信号をチョッピングするように、上アームから下アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する。
【0093】さらに、位置信号eのエッジから位相角150度に相当する時刻tθ3=T7+T4×(θ3/360)を算出し、この時刻tθ3が経過した時点で図6に示す割り込みルーチンを実行する。
【0094】この場合、フラグが立っていないため、上述したようにインバータ部4のトランジスタXを駆動する信号をオフにするとともに(図7(g)に示す)、トランジスタYを駆動する信号をオンにする(図7(h)に示す)。これと同時に、インバータ部4の上アームを構成するトランジスタU,V,Wを駆動するための信号をチョッピングするように、下アームから上アームのチョッピングに切り替えるための制御信号を駆動回路12に出力する。
【0095】この実施例の場合、誘起電圧と基準電圧との交点から所定位相角(前実施例の(30−α)度、(90−α)度および(150−α)度に対応する値)に相当する値を表1または表2のテーブルデータの形で予め求めている。したがって、前実施例同様の作用、効果を得ることができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のブラシレスモータの制御方法によれば、直流ブラシレスモータ(以下ブラシレスモータと記す)の1相の端子電圧(誘起電圧)と基準電圧とを比較し、この比較結果による交点の変化点から所定位相角((30−α)度、(90−α)度、(150−α)度あるいはテーブルデータ)に相当する時間を算出し、この算出時間をもとにして通電切り替えタイミングを得るようにしたので、負荷によらず回転子の位置検出の誤差を小さくすることになり、ひいてはその位置を正確に検出することが可能となり、これによりブラシレスモータの通電切り替えタイミングを適切なものとすることができ、振動や騒音を抑えることができ、また脱調、回路の破損を防止して回転制御の安定化、効率のよい運転を可能とすることができる。




 

 


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