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発明の名称 静電チャック
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−154387
公開日 平成8年(1996)6月11日
出願番号 特願平6−293353
出願日 平成6年(1994)11月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】原 謙三
発明者 永山 勉
要約 目的


構成
静電チャックは、誘電体1cの内部に電極1a・1bが埋設されている静電チャック基盤1と、電極1a・1b間に直流電圧を印加する直流電源3とを有し、静電気力によって吸着対象物4を吸着固定する。誘電体1cの表面にはSiO2 からなる保護膜2が形成されており、保護膜2は静電チャックの吸着面となっている。
特許請求の範囲
【請求項1】誘電体内部に所定の直流電圧が印加される電極が埋設されている静電チャック基盤を備え、静電気力によって上記静電チャック基盤の表面に吸着対象物を吸着させる静電チャックにおいて、上記静電チャック基盤の表面に、誘電体である保護膜が形成されていることを特徴とする静電チャック。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸着対象物を静電気力により吸着固定する静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、吸着対象物を静電気力により吸着固定する静電チャックは、様々な分野で利用されるようになっている。例えば、静電チャックは、イオン注入装置およびプラズマを用いる表面処理装置における対象物の固定に用いられている。その理由としては、上記イオン注入装置および表面処理装置では、その装置のエネルギーのため、処理物を冷却する必要があるために、密着性の高い上記静電チャックが効果的だからである。
【0003】上記静電チャックは、基本的には、図4に示すように、誘電体51cの内部に2枚の金属電極51a・51bが埋設された静電チャック基盤51を有し、両電極間に、直流電源53より直流電圧が印加されるような構成となっている。
【0004】上記構成の静電チャックでは、金属電極51a・51bを披包する誘電体51cにおいて誘電分極現象が起こり、これにより、吸着対象物54との間で静電気力が生じ、吸着対象物54が静電チャック基盤51の吸着面に吸着される。静電チャック基盤51の吸着面に接触している吸着対象物54に作用する静電気力、即ち、静電チャックの吸着力F(N)は、このような誘電分極現象により現れる分極電荷の量によって定まり、基本的には、次式(1)によって表される。
【0005】
F=(S/2)・ε・(V/d)2 …(1)
但し、上式(1)中のεは、ε=ε0 ・εrである。ここで、Sは両電極51a・51bの面積(m2 )、ε0 は真空の誘電率(8.85×10-12 2 -1-2)、εr は誘電体51cの比誘電率、Vは電源53の印加電圧(V)、dは誘電体51cにおける表面の厚さ、即ち、電極51a・51bから吸着面までの距離(m)である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記静電チャックにおいて、静電チャック基盤51の吸着面に不純物が混入する場合がある。例えば、静電チャックにシリコンウエハ等の吸着対象物54を固定してイオン注入を行っている最中に、静電チャック基盤51内の配線が断線したり、吸着面に大きなパーティクルがあったりして、突然吸着対象物54が落下し、注入イオンが静電チャック基盤51の吸着面に直接注入される場合がある。この結果、静電チャック基盤51の吸着面の抵抗値が下がることによって吸着力が低下し、一般的には静電チャック基盤51に対するドーズ量が12〜13ions/cm2で、静電チャックが機能しなくなるという問題を有している。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、静電チャック基盤への不純物の混入を防止し、静電チャックの吸着力の低下あるいは静電チャックの破損を防止する静電チャックを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の静電チャックは、誘電体内部に所定の直流電圧が印加される電極が埋設されている静電チャック基盤を備え、静電気力によって上記静電チャック基盤の表面に吸着対象物を吸着させる静電チャックにおいて、上記静電チャック基盤の表面に、誘電体である保護膜が形成されていることを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1記載の静電チャックによれば、静電チャック基盤の誘電体内部に埋設された電極に直流電圧が印加されると、この電極を披包する誘電体において誘電分極現象が起こる。それによって、静電チャック基盤の表面に形成された誘電体である保護膜においても誘電分極現象が起こる。したがって、吸着対象物が静電気力によって上記保護膜の表面に吸着固定する。
【0010】ここで、上記保護膜は、イオンビーム等から静電チャック基盤を保護すること、即ち、不純物の混入を防ぐことができる。例えば、静電チャックにシリコンウエハ等の吸着対象物を固定してイオン注入を行っている最中に、静電チャック基盤内の配線の断線等により、突然吸着対象物を落とし、注入イオンが静電チャックの吸着面に直接注入される場合においても、保護膜によって静電チャック基盤を保護することができる。
【0011】これにより、静電チャック基盤が、アモルファス化して誘電率が低下するのを防ぐことができ、静電チャックの吸着力の低下、あるいは静電チャックが破損することを防止することができる。
【0012】また、保護膜にイオン注入が起きても、静電チャック基盤には注入イオンはほとんど到達しないので、静電チャック基盤の誘電体では、正常に誘電分極が生じ、静電チャック基盤の表面における吸着力を保つことができる。
【0013】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0014】本発明に係る静電チャックは、図1に示すように、誘電体1cの内部に2枚の金属電極1a・1bが組み込まれている静電チャック基盤1と、上記2枚の電極1a・1b間に所定の直流電圧(0〜1000V)を印加する直流電源3とを備えている。上記誘電体1cは、例えば、炭化ケイ素(SiC)で形成されており、誘電体1cの表面には保護膜2が形成されている。
【0015】上記保護膜2は、イオンビーム等により表面処理が施されるシリコンウエハ等の吸着対象物4を吸着する吸着面となり、例えば、酸化ケイ素(SiO2 )により形成されている。このSiO2 膜は、後述する方法で容易に形成することができ、また、フッ化水素(HF)溶液にて容易にSiO2 のみを除去することができる。
【0016】また、保護膜2の膜厚は、5000〜10000Å程度で形成される。なお、膜厚の最適値は、供給電圧やイオンの注入深さによって決定される。つまり、膜厚は、注入イオンが静電チャック基盤に到達しないように、イオンの注入深さよりも膜厚を厚くすることが望ましい。但し、あまり膜厚を厚くすると、所望の吸着力を得るためには、電極1a・1bに印加する電圧を高くする必要があるので、供給電源と注入深さの両方を考慮して注入条件に最適な膜厚を決定すればよい。例えば、高エネルギーのイオン注入装置の場合には、イオンの注入深さが深くなるので、膜厚を厚くする方がよい。なお、その膜厚の最適値としては、静電チャックを適用する装置によって異なるが、5000Å程度が望ましく、この場合、従来の供給電圧を変えることなく、従来と同様の吸着力が得られる。保護膜2の膜厚を上記の範囲よりも厚くしても吸着は可能であるが、従来の吸着力を得るためには、従来と比較して何倍もの電圧が必要となり、デバイス等に悪影響を与える可能性がある。
【0017】上記の構成において、静電チャックの動作を以下に説明する。
【0018】直流電源3より静電チャック基盤1の2枚の電極1a・1b間に所定の直流電圧が印加されることにより、電極1a・1bを披包する誘電体1cにおいて誘電分極現象が起こる。それによって、静電チャック基盤1の表面に形成された誘電体である保護膜2においても誘電分極現象が起こる。この状態で、保護膜2に吸着対象物4を載置すれば、静電気力により、吸着対象物4が保護膜2の表面に全面吸着し、固定される。
【0019】ところで、静電チャック基盤1には、保護膜2が形成されているために、不純物の混入を防ぐことができる。例えば、静電チャックにシリコンウエハ等の吸着対象物4を固定してイオン注入を行っている最中に、静電チャック基盤1内の配線の断線等の要因により、突然吸着対象物4を落とし、注入イオンが静電チャックの吸着面に直接注入される場合においても、図2に示すように、注入イオン10は保護膜2に注入され、静電チャック基盤1を保護することができる。
【0020】これにより、注入イオン10が静電チャック基盤1に注入され、静電チャック基盤1が、アモルファス化して誘電率が低下することを防ぐことができる。したがって、静電チャックの吸着力の低下、あるいは破損を防止することができる。
【0021】また、保護膜2にイオン注入が起きても、静電チャック基盤1には注入イオン10はほとんど到達しないので、静電チャック基盤1の誘電体1cでは、正常に誘電分極が生じ、静電チャック基盤1の表面における吸着力を保つことができる。
【0022】ここで、上記吸着力の低下の有無は、2枚の電極1a・1b間に流れる漏れ電流値が大きくなることによって検出される。また、ウエハの動きをセンサで検出することによっても確認できる。
【0023】また、イオン注入装置は常時イオンビームを発生しており、処理室付近で偏向され待機した状態になっている。そのため、チャンバー内にはパーティクルやスパッタ物等の不純物粒子が存在する。特に実際の半導体製造のプロセスでは、レジスト注入等を行うため、チャンバー内はかなり汚染された状況にある。これら不純物粒子が静電チャック基盤1の吸着面、即ち、保護膜2に付着すると、吸着面と吸着対象物4との間に隙間が生じ、両者間の接触面積が減少する。静電チャックの吸着力は上述の(1)式からわかるように、吸着面と吸着対象物4との距離に反比例するため、吸着面に粒子が付着すると、静電チャックの吸着力が低下する。また、吸着対象物4の冷却を行う場合には、両者間の接触面積の減少により、冷却効率の低下を来す。さらに、これら不純物粒子によって静電チャック基盤1の表面が汚染されると、イオン注入処理中における表面リークの原因になる。
【0024】この場合、汚染された保護膜2のみを除去し、新たな保護膜2を形成することで吸着力を回復することができる。つまり、SiO2 で形成された保護膜2は、HF溶液によって容易に除去することができる。したがって、保護膜2に付着した不純物粒子は、保護膜と共に容易に除去することができるので、清掃効率が向上する。また、保護膜2は容易に再形成することができるので、静電チャックを半永久的に使用することが可能になる。
【0025】ここで、保護膜2をSiO2 により形成する場合について、その形成方法および除去方法について説明する。
【0026】SiO2 膜の形成方法には、誘電体1cがSiC基盤で形成されている場合は、化学反応を利用するCVD(Chemical Vapor Deposition)法として熱酸化法または塗布法がある。
【0027】熱酸化法は、上記SiC基盤の表面を酸化させることによって、その表面に薄膜を形成する方法である。まず、SiC基盤を酸化炉にいれ高温加熱する。次に酸化炉に酸素(O2 )と水蒸気を送り込み、基盤上でウェット酸化反応を行わせる。このときの酸化炉における処理温度は、約1000°Cであり、また、反応は次の通りである。
【0028】SiC+2O2 →SiO2 +CO2これにより、静電チャック基盤1の誘電体1cを形成するSiC基盤の表面にSiO2 膜が形成される。
【0029】塗布法は、酸化ケイ素剤をSiC基盤の表面に塗布し、熱処理を行うことによって、その表面に薄膜を形成する方法である。まず、SiC基盤の表面に酸化ケイ素剤をスピンナーにて回転塗布する。その後、200°Cにて30分間熱処理を行い、不純物薬剤を除去する。さらに、400°Cにて30分〜1時間熱処理を行い、SiO2 を結晶化させる。以上を反応式で表せば、Rn Si (OH)4-n →SiO2 (ガラス)
SiO2 (ガラス)→SiO2 (結晶)
となる。ここで、アルキル基Rは、熱分解によって炭化水素となり蒸発する。これにより、誘電体1cを形成するSiC基盤の表面にSiO2 膜が形成される。
【0030】次にSiO2 膜の低濃度HF溶液による除去方法について述べる。
【0031】SiO2 膜は、低濃度HF溶液によって均一にエッチング除去することができる。ここで、SiC基盤はHF溶液に対して耐性があるので、SiO2 膜のみが除去される。この反応式は、SiO2 +6HF→H2 SiF6 +2H2 Oである。このとき、表面にHF溶液等の残留がないように純水にて十分洗浄を行わなければならない。
【0032】なお、保護膜2は、静電チャックの吸着力が低下しなければ、必ずしも再形成を行う必要はない。但し、保護膜2表面は、吸着対象物4を処理する枚数に比例して汚染されるものと考えられ、プロセスのクリーン化という意味では定期的な再形成が必要であると思われる。
【0033】なお、本実施例における保護膜2は、SiO2 を材料として膜を形成しているが、窒化ケイ素(Si3 4 )・アルミナ(Al2 3 )等の比較的誘電率の高い材料を用いて膜を形成することも可能である。この場合の形成方法はCVD法である。
【0034】また、本実施例におけるSiO2 膜の除去溶液としては、HF溶液を用いているが、BHF溶液を用いて除去してもよい。また、上記Si3 4 膜の場合は、HF・BHF・リン酸(H3 PO3 )溶液で除去することができる。Al2 3膜の場合には、薬品による除去は難しいため、研磨除去となる。
【0035】また、本実施例では、2枚の電極1a・1bからなる双極型の静電チャックを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図3に示すように、誘電体21c内部に1枚の金属電極21aが埋設された静電チャック基盤21と、上記静電チャック基盤21の表面に形成された保護膜22と、上記電極21aと吸着対象物24との間に所定の電圧を印加する直流電源23とから構成される単極型の静電チャックにも適用できる。
【0036】以上のように、本実施例の静電チャックの再生方法は、静電チャック基盤の表面に誘電体であるSiO2 の保護膜を形成する第1工程と、上記保護膜をHF溶液にて除去する第2工程と、上記静電チャック基盤の表面に上記保護膜を再形成する第3工程とを含んでいることを特徴としている。
【0037】これにより、イオンビーム等に汚染された保護膜を容易に除去することができ、さらに容易に再形成することが可能であるので、静電チャックを半永久的に使用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の静電チャックは、静電チャック基盤の表面に、保護膜が形成されている構成である。
【0039】これにより、イオンビーム等の不純物が静電チャック基盤へ侵入することを防ぐことができる。この結果、静電チャック基盤がアモルファス化して誘電率が低下することによる吸着力の低下、あるいは静電チャックの破損を防ぐという効果を奏する。




 

 


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