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発明の名称 スイッチ手段の故障検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−212895
公開日 平成8年(1996)8月20日
出願番号 特願平7−284052
出願日 平成7年(1995)10月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 研二 (外1名)
発明者 斉藤 幹夫 / 尾方 宏彰 / 末成 昌也 / 江崎 芳明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 与えられる指令値に対応した電流をモータへ供給する通電手段と、この通電手段と前記モータを接続する通電路に介挿され、オン/オフ指令に応じて導通/非導通のいずれかの状態に切り替わるスイッチ手段とを具備してなるモータ駆動装置に適用されるスイッチ手段の故障検出装置において、前記モータ駆動装置の稼働前に、所定の検査用指令値を前記通電手段へ供給し、通電を指示する通電指示手段と、前記通電指示手段によって通電が指示される間、前記スイッチ手段へオフ指令を出すスイッチ制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記通電指示手段によって通電が指示され、かつ前記スイッチ制御手段によってオフ指令が出される間、前記電流検出手段によって電流が検出された場合、前記スイッチ手段が異常であると判断する異常判断手段と、前記異常判断手段によって異常と判断された場合、モータへの通電を停止するとともに、異常である旨を報知する異常処理手段とを具備することを特徴とするスイッチ手段の故障検出装置。
【請求項2】 与えられる指令値に対応した電流をモータへ供給する通電手段と、この通電手段と前記モータを接続する通電路に介挿され、オン/オフ指令に応じて導通/非導通のいずれかの状態に切り替わるスイッチ手段とを具備してなるモータ駆動装置に適用されるスイッチ手段の故障検出装置において、前記スイッチ手段に対してオフ指令がされているときに、所定の検査用指令値を前記通電手段へ供給し、通電を指示する通電指示手段と、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記通電指示手段による通電の指示がある間、前記電流検出手段によって電流が検出された場合、前記スイッチ手段が異常であると判断する異常判断手段とを具備することを特徴とするスイッチ手段の故障検出装置。
【請求項3】 前記通電指示手段による通電の指示は、前記スイッチ手段へのオフ指令から所定時間が経過した後、前記スイッチ手段へのオン指令までの間に行われることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ手段の故障検出装置。
【請求項4】 前記モータ駆動装置の起動直後に、前記スイッチ手段にはオフ指令が与えられ、前記通電指示手段による通電の指示は、前記モータ駆動装置の起動後、前記スイッチ手段へのオン指令までの間に行われることを特徴とする請求項2または3に記載のスイッチ手段の故障検出装置。
【請求項5】 前記通電指示手段による通電の指示は、所定時間だけ行われることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のスイッチ手段の故障検出装置。
【請求項6】 前記通電指示手段による通電の指示は、前記モータを一方向へ回転させようとする通電の指示と、他方向へ回転させようとする通電の指示を含むものであって、これら一方向へ回転させようとする通電の指示と他方向へ回転させようとする通電の指示の両方で、モータの実電流が検出された場合に、前記異常判断手段は、前記スイッチ手段が異常であると判断することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のスイッチ手段の故障検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば搬送車、電気自動車、補助動力付き人力車両等の電動車両に動力を供給するモータ駆動回路に用いて好適なスイッチ手段の故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、搬送車、電気自動車、補助動力付き人力車両等の電動車両においては、そのモータ駆動用の電源回路を短絡等の電気的な異常から保護する目的でリレーが用いられている。すなわち、短絡等の異常が発生すると、モータや回路内に過電流が流れ、機器の誤動作やIC(Integrated Circuit)の破損等の機械的な故障を招く危険があることから、2次電池等の電源供給側とモータの間にリレーを介挿し、異常の検知に応じてリレーをオフにすることにより過電流が流れるのを回避する方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のように安全装置として用いられるリレーは、正常なオンオフ動作をするかどうかといった所定の機能検査が施された後出荷されるが、一旦出荷され機器に組み込まれた後は通常検査が行われることはない。このため、例えば機器の稼働中にスパーク等が発生してリレーが溶着し、オン状態のまま固定されてしまった場合には、安全装置であるリレー自体が機能しないため、上記短絡等の異常発生時に過電流が流れるのを回避できないことになる。
【0004】この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、リレー等のスイッチ手段が故障して装置の稼働中に正常に機能しないことによる機器の誤動作や破損等を確実に防止することができるスイッチ手段の故障検出装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問題点を解決するために、与えられる指令値に対応した電流をモータへ供給する通電手段と、この通電手段と前記モータを接続する通電路に介挿され、オン/オフ指令に応じて導通/非導通のいずれかの状態に切り替わるスイッチ手段とを具備してなるモータ駆動装置に適用されるスイッチ手段の故障検出装置において、前記モータ駆動装置の稼働前に、所定の検査用指令値を前記通電手段へ供給し、通電を指示する通電指示手段と、前記通電指示手段によって通電が指示される間、前記スイッチ手段へオフ指令を出すスイッチ制御手段と、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記通電指示手段によって通電が指示され、かつ前記スイッチ制御手段によってオフ指令が出される間、前記電流検出手段によって電流が検出された場合、前記スイッチ手段が異常であると判断する異常判断手段と、前記異常判断手段によって異常と判断された場合、モータへの通電を停止するとともに、異常である旨を報知する異常処理手段とを具備することを特徴としている。
【0006】この発明によれば、通電指示手段は、モータ駆動装置の稼働前に所定の検査用指令値を通電手段へ供給して通電を指示し、スイッチ制御手段は、通電指示手段によって通電が指示される間、スイッチ手段へオフ指令を出し、電流検出手段は、モータに流れる電流を検出し、異常判断手段は、通電指示手段によって通電が指示され、かつスイッチ制御手段によってオフ指令が出される間、電流検出手段によって電流が検出された場合、スイッチ手段が異常であると判断し、異常処理手段は、モータへの通電を停止するとともに、異常である旨を報知する。これにより、スイッチ手段がモータ駆動装置に組み込まれた後に、リレーの溶着等のスイッチ手段の異常が発生しても、この異常の有無を判断することが可能である。そして、操作者は、このようなスイッチ手段の異常をモータ駆動装置の稼働前に知ることができる。この後、リレーの修理・交換を行うことにより、モータに悪影響が及ぶのを避けることができる。
【0007】あるいは、与えられる指令値に対応した電流をモータへ供給する通電手段と、この通電手段と前記モータを接続する通電路に介挿され、オン/オフ指令に応じて導通/非導通のいずれかの状態に切り替わるスイッチ手段とを具備してなるモータ駆動装置に適用されるスイッチ手段の故障検出装置において、前記スイッチ手段に対してオフ指令がされているときに、所定の検査用指令値を前記通電手段へ供給し、通電を指示する通電指示手段と、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記通電指示手段による通電の指示がある間、前記電流検出手段によって電流が検出された場合、前記スイッチ手段が異常であると判断する異常判断手段とを具備するスイッチ手段の故障検出装置であってもよい。
【0008】この場合には、通電指示手段は、スイッチ手段に対してオフ指令がされているときに、所定の検査用指令値を通電手段へ供給して通電を指示し、電流検出手段は、モータに流れる電流を検出し、異常判断手段は、通電指示手段による通電の指示がある間、電流検出手段によって電流が検出された場合、スイッチ手段が異常であると判断する。これにより、スイッチ手段がモータ駆動装置に組み込まれた後に、リレーの溶着等のスイッチ手段の異常が発生しても、この異常の有無を判断することが可能である。そして、スイッチ手段に対してオフ指令がされてモータが駆動されていないときに、異常判断が行われる。異常判断時には、たとえば外部に報知、またはモータへの通電を停止すればよい。この後、リレーの修理・交換を行うことにより、モータに悪影響が及ぶのを避けることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
(1) 第1実施形態図1は、この発明の第1実施形態によるスイッチ手段の故障検出装置の構成を示すブロック図である。このスイッチ手段の故障検出装置は、補助動力付き自転車(図示略)に適用されるものである。補助動力付き自転車では、ペダルの踏力にほぼ比例した電流(または電圧)を2次電池からモータへ供給し、モータの動力と人力との合成駆動力によって自転車を走行させるようになっている。
【0010】図において、Eは2次電池であり、密閉型鉛電池、密閉型ニッカド電池等の複数の電池セルを直列に接続して構成されている。1は、モータMへの供給電流を制御するモータ駆動部である。このモータ駆動部1は、2次電池Eから供給される放電電流に基づき、電流指令値としてコントローラ2(後述する)から与えられるPWM(Pulse Width Modulation)波のパルス幅に対応した電流をモータMへ供給する。
【0011】3はリレーであり、過電流を遮断する安全装置としてモータ駆動部1からモータMへの通電路に介挿されている。すなわち、リレー3は、通常の通電時にはオン状態になっているが、短絡等の異常発生時にはオフとなり、過電流が流れるのを防止するようになっている。本実施形態では、このリレー3が溶着等によってオン状態のまま固定された場合にこれを検出する目的で、補助動力付き自転車の稼働前にコントローラ2による検査(後述する)を行う。
【0012】4は電流センサであり、モータMに流れている実電流を検出し、この電流の大きさに対応した検出信号をコントローラ2へ出力する。
【0013】コントローラ2は、図示しないCPUやメモリの他、入力インタフェース2f、出力インタフェース2g,2h等のハードウェアから構成されており、そのソフトウェア構成は、電流検出部2a、リレー異常判断部2b、リレーON/OFF指令部2c、電流指令計算部2dおよびPWM波計算部2eからなっている。
【0014】電流検出部2aは、入力インタフェース2fを介しA/D(アナログ/ディジタル)変換された電流検出値を測定し、その測定結果をリレー異常判断部2bへ出力する。リレー異常判断部2bは、リレー3にオフを指示した状態で所定の電流指令値を与えたときに電流検出部2aから供給される実電流の測定結果に基づき、リレー3が異常であるか否かを判断する。
【0015】リレーON/OFF指令部2cは、リレー異常判断部2bから供給されるオンオフ指令に応じてリレー3のオンオフを制御する。電流指令計算部2dは、リレー異常判断部2bから供給される通電指令に応じて電流指令値を算出する。PWM波計算部2eは、電流指令計算部2dから供給される電流指令値に対応したパルス幅のPWM波を生成する。このPWM波によってモータ駆動部1を動かす。
【0016】なお、リレー異常判断部2bは、リレー3が異常であると判断したときには、モータMへの通電を停止すべく、電流指令計算部2dに指令を行う。また、このときには、リレー異常判断部2bは、出力インタフェース2g,2hを介して、警告灯5を点灯すると共に、警告ブザー6に警告音を発生させる。
【0017】次に、この実施形態の動作について説明する。図2は、補助動力付き自転車の稼働前にリレー3の検査を行うコントローラ2の動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照し、実施形態の動作を説明する。
【0018】まず電源が投入され、システムが起動されると、コントローラ2は、ステップST1に処理を進める。ステップST1では、リレー異常判断部2bがリレーON/OFF指令部2cに対しオフ指令を出す。これにより、リレー3は、溶着等の異常がなければ、オフ状態となる。
【0019】次に、ステップST2では、リレー異常判断部2bが電流指令計算部2dに対し通電指令を出す。これにより、電流指令計算部2dが所定の検査用指令値を算出し、さらにPWM波計算部2eがこの指令値に対応したPWM波を生成する。そして、このPWM波はモータ駆動部1へ供給され、そのパルス幅に対応した電流がモータMへ出力される。
【0020】次に、ステップST3に進むと、電流検出部2aが電流センサ4から供給される電流値を測定し、その測定結果をリレー異常判断部2bへ出力する。ステップST4では、リレー異常判断部2bが電流検出部2aの測定結果に基づき、モータMを流れる実電流の有無を判断する。
【0021】ここで、リレー3が指令通りオフになっている場合、電流はモータMへ供給されないため、上記ステップST4で電流は検出されない。この場合、リレー3は正常とみなされる。以後は、リレー3がオンに切り替えられ、補助動力付き自転車のペダルの踏力に応じた電流指令値に基づきモータが通電され、動力が供給される。
【0022】一方、リレー3が溶着してオンになっている場合、モータMに電流が流れるため、上記ステップST4で電流が検出される。この場合、リレー3は異常であるとみなされ、コントローラ2の処理はステップST5に進む。ステップST5においては、モータMへの通電を停止し、さらにステップST6では、警告灯5を点灯すると共に、警告ブザー6に警告音を発生させ、操作者に報知する。なお、警告灯5および警告ブザー6は、いずれか一つだけ設けてもよい。
【0023】このように、本実施形態によれば、補助動力付き自転車を稼働する前にその都度リレー3の状態を検査することができるので、稼働中の短絡発生時等にリレー3が安全装置として機能しないことによる機器の誤動作や破損等を回避することができる。
【0024】なお、本実施形態では、ステップST5において、モータMへの通電を停止しているが、これを省略して、ステップST6に進むようにしてもよい。この場合には、リレー3に異常のあることが、システムにおいて判断されながらも、モータMを稼働することができ、そのまま補助動力付き自転車の補助動力として利用しながら、リレー3の修理や交換が可能な場所まで、移動することができる。この場合には、もちろん、使用者がリレー3の修理・交換をすみやかに行うのが望ましい。
【0025】(2)第2実施形態A. 実施形態の構成次に、図3は、この発明の第2実施形態によるスイッチ手段の故障検出装置を含む制御回路の構成を示すブロック図である。このスイッチ手段の故障検出装置は、電動車椅子(図示略)に適用されるものである。図において符号31は乗員用の操作パネル、32は蓄電池等の電源、33,34は左右の車輪を回転させるモータ、35,36は各モータ33,34の回転を駆動するモータ制御部である。
【0026】各モータ33,34には、それらの回転速度を検出する車速センサ33a,34aがそれぞれ設けられている。さらに、各モータ33,34と各モータ制御部35,36の間の通電路には、過電流を遮断する安全装置としてリレー37,38が介挿されており、これを介して各モータ33,34に電流が供給されるようになされている。すなわち、リレー3は、通常の通電時にはオン状態になっているが、短絡等の異常発生時にはオフとなり、モータ33,34に過電流が流れるのを防止するようになっている。図示の状態で、リレー37,38はオフである。リレー37,38の各共通端子と、モータ33,34との間には、電流検出計33b,34bが介挿されており、電流検出計33b,34bは、この間を流れる電流に応じた電流検出信号を出力する。
【0027】符号39はLEDからなる警告灯、40は警告ブザーを示し、これらの警告灯39と警告ブザー40は、リレー37,38の可動接点が溶着した等の異常が発生したことを乗員に知らせるために設けられている。符号11は、コントローラを示し、このコントローラ11は、CPU(中央処理装置)12、メモリ等のハードウェアによって構成されている。
【0028】操作パネル31には、コントローラ11へ電流を供給する回路の開閉を行うメインスイッチ31aが設けられている。また、操作パネル31には、各車輪の前進・後進操作及び速度制御のためのジョイスティック(速度制御操作子)31bが設けられている。乗員がジョイスティック31bを傾倒させると、ジョイスティック31bは、その傾倒角に応じた電圧を出力する。
【0029】CPU12には、入力インタフェース27a〜27d,27gから各種信号出力やスイッチ出力が取り込まれると共に、CPU12は、出力インターフェース27e,27fから各種指令値等の制御信号を外部へ出力する。CPU12は、所定のプログラムに基づいて動作し、各種機能を果たす。図では、これら各機能別にジョイスティック入力部13、指令車速計算部14等と想定してブロック表示し、以下、各ブロックの機能として説明を行う。なお、これらのCPU12の機能をハードウェアによって行わせることも可能である。
【0030】さて、ジョイスティック31bから出力された電圧は、入力インタフェース27aによってA/D変換されて、ジョイスティック入力部13に入力される。ジョイスティック入力部13は、デジタル変換された電圧値に基づいて傾倒角信号を出力する。このようにして、傾倒角信号は、ジョイスティック31bの傾倒角に応じた値をとる。なお、傾倒角信号には、前後方向成分と左右方向成分があり、たとえばジョイスティック31bが前方に傾倒されたときは前後方向成分が正の値、後方に傾倒されたときは前後方向成分が負の値をとる。
【0031】指令車速計算部14は、ジョイスティック入力部13からの傾倒角信号に基づき、各車輪を回転させるべき速度を算出し、左右の車輪ごとに別個の指令車速信号を出力する。PWM波計算部15は、指令車速信号に基づき制御信号となるPWM波を左右の車輪ごとに出力し、左右の各モータ制御部35,36を制御する。これにより、各モータ制御部35,36からモータ33,34に与える通電量が制御され、モータ33,34の回転速度、すなわち各車輪の速度が制御される。車速計算部16は、車速センサ33a,34aから入力された車速検出信号を受信し、実際の左右の各車輪の速度を算出して、実車速信号を出力する。PWM波計算部15は、この実車速信号を取り入れて、各モータ制御部35,36をフィードバック制御する。
【0032】電流検出計33b,34bからの電流検出信号は、入力インタフェース27gによりA/D変換され、変換されたデジタル信号は電流計算部19に取入れられる。そして、電流計算部19は、これに基づいて、左右のモータ33,34に流れる実電流値を算出し、実電流信号を出力する。リレー異常判断部20は、電流計算部19からの実電流信号に基づいて、いずれかまたは両方のリレー37,38の可動接点が溶着した等の異常が発生したか否か判断する。そして、いずれか片方でもリレー37,38に異常があると判断したときには、リレー異常判断部20は、搭乗者に報知すべくLED点灯制御部21及びブザー制御部22にオン信号を出力する。
【0033】LED点灯制御部21及びブザー制御部22は、それぞれ、リレー異常判断部20からのオン信号に応じて、警告灯39を点灯させ、警告ブザー40に警告音を発生させる。また、タイマー23は、時間に対応する信号を出力し、時刻カウント部24は、この信号に基づいた経過時間信号を出力する。この経過時間信号は、リレー異常判断部20に入力され、前記のリレー37,38の異常があるか否かの判断に供せられる。
【0034】なお、後述のように、このようなリレー37,38の異常判断は、所定の時間に限って行われるものであり、この所定時間内に、リレー異常判断部20は、リレー37,38にオフ指令信号を出力すると共に、異常検査用の通電指示信号をPWM波計算部15に向けて出力する。この時には、指令車速計算部14からの指令車速信号が出力されていたとしても、PWM波計算部15はこれを受け付けず、したがって車輪は駆動されない。
【0035】B. 実施形態の動作B−1.通常の制御動作次に、この実施形態の通常の制御動作をまとめて説明すると次の通りである。まず、乗員がジョイスティック31bを傾倒すると、その傾倒角に応じて、ジョイスティック入力部13から傾倒角信号が出力され、この傾倒角信号が、指令車速計算部14に入力される。この傾倒角信号に基づき、指令車速計算部14は、左の車輪への指令車速および右の車輪への指令車速を算出し、これに応じた指令車速信号を出力する。この指令車速信号に基づいて、PWM波計算部15が左右の各モータ制御部35,36を制御する。これにより、各モータ制御部35,36からモータ33,34に与える通電量が制御され、モータ33,34の回転速度、すなわち各車輪の速度が制御される。このような制御により、各車輪を互いに等しい速度で回転させれば、電動車椅子は直進(前進・後進含む)し、左右の車輪を異なる速度で回転させれば、電動車椅子の進行方向が変更される。
【0036】また、車輪が実際に駆動されることにより、車速計算部16は、左の車輪の実車速および右の車輪の実車速を算出し、これに応じた実車速信号を出力する。これらの実車速信号は、PWM波計算部15に入力される。PWM波計算部15は、前記の左の車輪の実車速と左の車輪への指令車速とを一致させるべく、また、右の車輪の実車速と右の車輪への指令車速とを一致させるべく、各モータ制御部35,36を調整する。これにより、電動車椅子が乗員の所望の速度で所望の方向に進行する。
【0037】B−2.リレーの故障検査動作次に、図4は、この実施形態におけるリレーの故障検出動作例を示すフローチャートである。同図を参照して、リレー故障検出動作を説明する。なお、以下の説明では、簡略化のため、このリレー故障検出動作は、左の車輪用のリレー37の故障検出を行うものとするが、右の車輪用のリレー38についても同様の動作を行う。左のリレー37の故障検出動作と右のリレー38の故障検出動作は、同時に行ってもよいし、一方の終了後、他方を行ってもよい。
【0038】まず、乗員が操作パネル31を操作し、メインスイッチ31aをオンする。これによって、コントローラ11に電流が供給されて動作可能になると共に、モータ制御部35,36が待機状態になって、システム起動状態となる。
【0039】そして、リレー異常判断部20は、リレー37をオフにすべく、リレーオフ信号を出力する(ステップST7)。これによりリレー37の可動接点が、オン側の端子に溶着している等の異常がない限り、リレー37は図示のオフ状態になるはずである。次に、リレーオフ信号の出力後、設定されている所定時間待機し、リレー異常判断部20が、検査指令値となるモータ33への通電指示信号を出力する(ステップST8,ST9)。これにより、PWM波計算部15が作動して、モータ制御部35から所定通電量の駆動電流を流そうとする。この場合において、ステップST7での指令通り、リレー37がオフ状態であれば、この駆動電流がモータ33に与えられることはない。
【0040】この後、設定されている所定時間待機し(ステップST10)、電流検出計33b、電流計算部19を通じて、モータ33に流れる実電流を、リレー異常判断部20で読み込む(ステップST11)。そして、この実電流を設定値と比較して(ステップST12)、設定値以上であれば、判断結果は「YES」となり、ステップST13に進む。ここでの設定値は、極めて微弱な電流値としておく。上記の通り、リレー37がオフ状態であれば、駆動電流がモータ33に与えられることはなく、たとえば電動車椅子が斜面で停止しようとして、発電制動によりモータ33自身が発電したこと等による電流以上の電流が電流検出計33bに検出されることはない。したがって、ステップST12での判断結果が「YES」ということは、リレー37に異常があるということである。
【0041】ステップST13では、リレー異常判断部20が、LED点灯制御部21及びブザー制御部22にオン信号を出力する。これにより、警告灯39が点灯し、警告ブザー40が警告音を発生する。このようにして、リレー37に異常があることを乗員に知らせるようになっている。
【0042】次に、ステップST14に移行し、前述の通常の制御動作を行う。この通常の制御動作では、まず、リレー異常判断部20の通電指示信号の出力は停止され、これによりPWM波計算部15は、指令車速計算部14からの指令車速信号によって作動するようにされる。通常の制御動作では、乗員がジョイスティック31bを傾倒すると、指令車速計算部14からの指令車速信号が、リレー異常判断部20に取入れられ、リレー異常判断部20は、オン指令信号を出力して、リレー37をオンする。また、乗員がジョイスティック31bを中立位置にすると、指令車速「0」に相当する指令車速信号が指令車速計算部14からリレー異常判断部20に入力され、これに応じてリレー異常判断部20がオフ指令信号を出力して、リレー37をオフにして、走行速度を0にする。
【0043】このようにして、使用者は、ジョイスティック31bを操作して、電動車椅子を運転することが可能である。ここで、前記のようにリレー37に異常のあることが、システムで判断されながらも、車輪の走行停止という処理を行わずに、運転を可能とすべく、通常の制御動作を行うのは、リレー37の異常すなわちオンのままであったとしても、電動車椅子の走行自体には実質的な支障がないからである。すなわち、乗員がジョイスティック31bを傾倒すれば、それに応じてモータ33は回転し、ジョイスティック31bを中立位置にすれば、モータ33は停止する。したがって、乗員としては、そのまま電動車椅子の走行を行って、リレー37の修理や交換が可能な場所まで、移動することができる。
【0044】ただし、この場合には、モータ33に対する安全装置であるリレー37が機能しないため、万一、短絡等の異常が発生すると、モータ33に過電流が流れるのを回避できないことになる。そこで、モータ33の故障を避けるため、ステップST13で異常を表示した後、モータ33の回転を停止すべく、リレー異常判断部20が車速「0」の指令車速信号を出力するようにしてもよい。
【0045】前記のステップST12において、モータ33に流れる実電流が、設定値未満であれば判断結果は「NO」となる。これは、リレー37に異常がないことを示すものであり、この後は、そのままステップST14に進み、通常の制御動作を行う。
【0046】この後、ステップST15に進み、メインスイッチ31aがオフされたか否かを判別し、メインスイッチ31aがオフされたなら、コントローラ11に供給されていた電流が遮断されて、システムが非動作状態となる。すなわち、乗員が電動車椅子を駐車したいときには、メインスイッチ31aをオフする。一方、ステップST15において、メインスイッチ31aがオフされなければ、ステップST14に戻って、電動車椅子の走行が継続されることになる。
【0047】C.実施形態の効果この実施形態においては、リレー37,38が電動車椅子に組み込まれた後に、リレー37,38の溶着等の異常を判断することができる。しかも、電動車椅子の走行中の所定時間に、リレー37の異常を検出することができ、これに応じて、乗員への報知あるいは電動車椅子の停止を行う。この後、リレー37,38の修理・交換を行うことにより、モータ33,34に悪影響が及ぶのを避けることができる。
【0048】また、この実施形態では、リレー異常判断部20により、まずリレー37,38にオフ指令信号を出力してから、所定時間が経過した後、異常検査用の通電指示信号をPWM波計算部15に向けて出力する(ステップST7〜ST9)。リレー37,38は、機械的な可動接点を有してため、リレー37,38にオフ指令信号が入力された後でも、可動接点が振動するため、すぐにはリレー37,38は非導通状態にならない。しかし、この実施形態のように、オフ指令信号の出力から所定時間経過後、PWM波計算部15、モータ制御部35,36を通じて、モータ33,34に通電させようとすることにより、確実な異常判断をすることができる。
【0049】さらに、メインスイッチ31aをオンした直後、すなわち電動車椅子の起動直後から、ステップST14における通常の制御動作で、リレー37,38へオン指令がされるまでの間に、リレー37,38にはオフ指令が与えられ、リレー異常判断部20による通電指示信号の出力が行われる。このように、この実施形態では、システム起動直後に、電動車椅子の走行制御前に、検査信号である通電指示信号を出力して、リレー37,38の異常判断をすることができる。
【0050】また、この実施形態では、リレー異常判断部20による通電指示信号の出力は、所定の短時間、具体的には数10ミリ秒の間だけ行われる。これは、モータ33,34が停止している場合には、モータ33,34に電流が流れても、慣性があるためすぐには動き出さないが、万一、リレー37,38の異常がある場合には、一定時間経過すれば、検査用の信号である通電指示信号のために、モータ33,34が回転を開始し、これにより電動車椅子が走行してしまう可能性があるからである。この実施形態では、通電指示信号の出力を数10ミリ秒の間だけにすることにより、電動車椅子が走行開始する前に、リレー37,38の異常を検出できる。
【0051】D.リレーの故障検出動作の変更例次に、図5は、前記第2実施形態におけるリレーの故障検出動作の変更例を示すフローチャートである。以下の説明でも、簡略化のため、このリレー故障検出動作は、左の車輪用のリレー37の故障検出を行うものとするが、右の車輪用のリレー38についても同様の動作を行う。左のリレー37の故障検出動作と右のリレー38の故障検出動作は、同時に行ってもよいし、一方の終了後、他方を行ってもよい。
【0052】この変更例では、リレー異常判断部20により、モータ33を正転させる方向への通電と、逆転させる方向への通電を行わせる通電指示信号を出力し、モータ33の正転の通電指示と、逆転の通電の指示の両方で、モータ33に流れる実電流が検出された場合に、はじめてリレー異常判断部20は、リレー37が異常であると判断する。
【0053】まず、乗員が操作パネル31を操作し、メインスイッチ31aをオンすることによって、前記と同様にシステム起動状態となる。そして、リレー異常判断部20は、リレー37をオフにすべく、リレーオフ信号を出力する(ステップST16)。これによりリレー37の可動接点が、オン側の端子に溶着している等の異常がない限り、リレー37は図示のオフ状態になるはずである。次に、リレーオフ信号の出力後、設定されている所定時間待機し、リレー異常判断部20が、モータ33へ車両の前進方向へ回転するような通電指示信号を出力する(ステップST17,ST18)。
【0054】この後、設定されている所定時間待機し(ステップST19)、電流検出計33b、電流計算部19を通じて、モータ33に流れる実電流を、リレー異常判断部20で読み込む(ステップST20)。そして、この実電流を設定値と比較して(ステップST21)、設定値以上であれば、判断結果は「YES」となり、ステップST22に進む。ここでの設定値は、極めて微弱な電流値としておく。上記の通り、リレー37がオフ状態であれば、駆動電流がモータ33に与えられることはないが、電動車椅子が斜面で停止しようとして、発電制動によりモータ33自身が発電したことにより、ある程度の電流が電流検出計33bに検出され、リレー37の接点が溶着していると誤って判断されることがある。そこで、この場合には、次のステップST22以降の動作に移行する。
【0055】ステップST22では、リレー異常判断部20が、モータ33へ車両の後進方向へ回転するような通電指示信号を出力する。この後、設定されている所定時間待機し(ステップST23)、電流検出計33b、電流計算部19を通じて、モータ33に流れる実電流を、リレー異常判断部20で読み込む(ステップST24)。そして、この実電流を設定値と比較して(ステップST25)、設定値以上であれば、判断結果は「YES」となり、ステップST26に進む。ここでの設定値は、極めて微弱な電流値としておく。
【0056】このように、ステップST25での判断結果が「YES」ということは、モータ33の正転の通電指示と、逆転の通電の指示の両方で、所定以上の実電流が検出されたということであり、電動車椅子が斜面で停止しようとして、モータ33自身が発電制動を起こしているとは考えにくい。すなわち、リレー37に異常があるということである。
【0057】そこで、ステップST26では、リレー異常判断部20が、LED点灯制御部21及びブザー制御部22にオン信号を出力する。これにより、警告灯39が点灯し、警告ブザー40が警告音を発生する。このようにして、リレー37に異常があることを乗員に知らせるようになっている。
【0058】次に、ステップST27に移行し、前述の通常の制御動作を行う。ここでは、まず、リレー異常判断部20の通電指示信号の出力は停止され、これによりPWM波計算部15は、指令車速計算部14からの指令車速信号によって作動するようにされる。すなわち、リレー異常判断部20の通電指示信号の出力は、所定の短時間、具体的には数10ミリ秒の間だけ行われる。また、リレー異常判断部20は、オン指令信号を出力して、リレー37をオンする。これにより、使用者は、ジョイスティック31bを操作して、電動車椅子を運転することが可能である。なお、モータ33の故障を避けるため、ステップST26で異常を表示した後、モータ33の回転を停止すべく、リレー異常判断部20が車速「0」の指令車速信号を出力するようにしてもよいことは前記と同様である。
【0059】なお、前記のステップST21またはステップST25において、モータ33に流れる実電流が、設定値未満であれば判断結果は「NO」となる。これは、リレー37に異常がないことを示すものであり、この後は、そのままステップST27に進み、通常の制御動作を行う。
【0060】この後、ステップST28に進み、メインスイッチ31aがオフされたか否かを判別し、メインスイッチ31aがオフされたなら、コントローラ11に供給されていた電流が遮断されて、システムが非動作状態となる。すなわち、乗員が電動車椅子を駐車したいときには、メインスイッチ31aをオフする。一方、ステップST28において、メインスイッチ31aがオフされなければ、ステップST27に戻って、電動車椅子の走行が継続されることになる。
【0061】この例では、前記第2実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を達成することができる。すなわち、電動車椅子のような前後進可能な車両の場合、登坂・降坂中、斜面に停止した時などには、発電制動によりモータ33,34に実電流が発生することがある。これに対して、本実施形態では、モータ33,34に一方への回転を起こすような通電指示と、他方への回転を起こすような通電指示を与えて、モータ33,34を流れる実電流を判断することで、リレー37,38の異常判断の精度を向上することができる。なお、前記の例と逆に、モータ33を後進方向へ回転させる通電指示信号の出力を先に行って、前進方向へ回転させる方向への通電指示信号の出力を後に行うのも可能である。
【0062】上記実施形態は、本発明を補助動力付き自転車用のモータ駆動回路または電動車椅子のモータ駆動回路に適用したものであるが、本発明はこれに限らず、その他の機器のモータ駆動回路にも適用可能である。また、本発明は、リレーの異常を検査するだけでなく、半導体素子を利用したスイッチのように他のスイッチ手段の異常の検査にも適用可能である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、スイッチ手段がモータ駆動装置に組み込まれた後に、リレーの溶着等のスイッチ手段の異常が発生しても、この異常の有無を判断することが可能である。そして、請求項1に記載の発明によれば、リレーの溶着等のスイッチ手段の異常をモータ駆動装置の稼働前に知ることができるので、稼働後の短絡等で過電流が発生したときにスイッチ手段が機能しないことによる機器の誤動作や破損等を未然に防止することができる。また、請求項2に記載の発明によれば、スイッチ手段に対してオフ指令がされてモータが駆動されていないときに、異常判断が行われる。この後、リレーの修理・交換を行うことにより、モータに悪影響が及ぶのを避けることができる。請求項3に記載の発明によれば、オフ指令から所定時間経過後、通電指示手段による通電の指示を行うことにより、スイッチ手段がリレー等、機械的な可動接点を有しており、振動のためすぐには非導通状態にならない場合でも、確実な異常判断をすることができる。請求項4に記載の発明によれば、モータ駆動装置の稼働前にスイッチ手段の異常判断をすることができる。請求項5に記載の発明によれば、モータの回転が開始する前に、スイッチ手段の異常判断をすることができる。請求項6に記載の発明によれば、モータの発電制動時の自己発電により、電流がモータ自身に流れるような場合でも、その電流だけで誤って異常とは判断することがないので、スイッチ手段の異常判断の精度を向上することができる。




 

 


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