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発明の名称 微細パターン作成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−274075
公開日 平成8年(1996)10月18日
出願番号 特願平7−76005
出願日 平成7年(1995)3月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西田 新
発明者 長町 信治
要約 目的
従来技術で作成不可能な量子細線(2次元微細パターン)や量子箱(3次元微細パターン)のような、nm程度の精度の10nmレベルの微細パターンを、良好な制御性並びに再現性のもとに量産可能な方法を提供する。

構成
2種以上の原子を含む化合物または合金かなる薄膜2に、局所的に粒子ビーム3を照射して薄膜2内の特定の原子を選択的に薄膜2外に反跳させることで、そのビーム照射領域4を特定原子の存在数比を他部位に比して低くし、薄膜2と同等の厚みを持ち、ビーム3の照射領域4に応じた平面的形状を有する微細パターンを形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 2種以上の原子を含む化合物または合金からなる薄膜に、局所的に粒子ビームを照射することにより、その薄膜内の特定の原子を選択的に薄膜外に反跳させ、その特定原子の存在数比が当該薄膜内の他の部位に比して低い領域のパターンを作成する、微細パターン作成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜中に微細なパターンを作成する方法に関し、例えば金属あるいは半導体の微細なパターンを利用する量子効果デバイスをはじめとする電子デバイスにおける微細パターンの作成等に適した方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体において量子薄膜(1次元量子井戸構造)を作成する技術は、MBE(分子線エピタキシー)を用いる方法等が既に開発されている。
【0003】しかし、量子細線(2次元量子井戸構造)、量子箱(3次元量子井戸構造)については、量子薄膜を作成するときの薄膜作成技術に加えて、10nmレベルの2次元の微細加工が必要であり、未だその作成技術は確立されていない。すなわち、2次元的な微細加工方法として確立しているリソグラフィ技術では、数100nm程度の精度しかないために、上記した構造を得るための微細加工としては採用できない。現時点において、様々な手法が模索されてはいるものの、実用域に達したものは未だないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術では作成不可能であった量子細線(2次元微細パターン)や量子箱(3次元微細パターン)のような、nm程度の精度を持つ10nmレベルの微細パターンを、良好な制御性のもとに、かつ、良好な再現性のもとに量産することのできる方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の微細パターンの作成方法は、2種以上の原子を含む化合物または合金からなる薄膜に、局所的に粒子ビームを照射することにより、その薄膜内の特定の原子を選択的に薄膜外に反跳させ、その特定原子の存在数比が当該薄膜内の他の部位に比して低い領域のパターンを作成することによって特徴づけられる。
【0006】ここで、本発明における粒子ビームとは、イオンビームおよび中性原子ビームのいずれをも含み、ビームの形態としては集束されていないものおよび集束されているもののいずれでもよい。そして、集束されていない粒子ビームによるパターニングに際しては、必要に応じてマスクを用いることができる。
【0007】また、本発明は、対象とする薄膜の表面に対して粒子ビームを直接的に打ち込むほか、その薄膜とは異なる物質からなる層により薄膜を挟んだ状態で、その積層構造の端面部分から粒子ビームを照射することにより、対象薄膜内に、粒子ビームの飛程に相当する奥行きと、粒子ビームのビーム幅に相当する幅を持つ、特定原子の存在数比の低い領域のパターンを作成する場合を含む。
【0008】
【作用】例えば物質Aと物質Bの化合物であり、物性が物質Aとは異なると物質ABからなる薄膜に、高速粒子ビームないしは集束イオンビームを照射すると、ビームの粒子と薄膜の構成物質ABとの衝突が生じ、AまたはBの原子が反跳する。反跳したA,Bの原子(または分子、以下同)は反跳エネルギに対応した飛程だけ移動する。AとBの原子の質量が異なると飛程が異なり、例えばBの原子の方が質量が小さい場合にはその飛程はより大きくなる。B原子の飛程が薄膜を通過してしまう程度に大きく、かつ、A原子の飛程が薄膜を通過しない程度である場合には、物質ABからなる薄膜からB原子が選択的に抜け出すことになり(キックアウト効果)、ビーム照射領域においてのみ相対的にA原子のリッチな領域が形成され、薄膜中に他とは異質な組成を持つ微細パターンが作成される。粒子ビームにより反跳するB原子の数を次第に増やしていくと、そのビーム照射領域の組成は次第に物質Aに近づき、AB薄膜中に、ほぼ物質Aに近い物質からなる微細なパターンを作成することができる。
【0009】このパターンの厚さは、薄膜の厚さとほぼ同じで、パターンの薄膜中での大きさは、集束イオンビームを用いた場合には、スポット的に照射するとビームその断面と同等のサイズを持つ点となり、ビームを操作すればビームサイズと同等の幅をもつ線となり、また、マスクを用いた場合にはそのマスクパターンのサイズと同等となる。
【0010】一方、上記と同様な物質ABからなる薄膜を他の物質からなる層で挟み込み、その積層構造の端面部から粒子ビームを照射した場合には、その端面から粒子ビームの飛程により定まる深さにビーム打ち込み領域が形成されるが、このビーム打ち込み領域とAB薄膜とが交差する領域がA原子のリッチな領域とり(図3参照)、粒子ビームのエネルギを制御することで、容易に10nmレベルの2次元パターンを、良好な制御性のもとに再現性良く作成可能である。
【0011】
【実施例】図1は本発明実施例の微細パターン作成工程の説明図で、素子の模式的断面図を示している。
【0012】基板1上に、物質Aと物質Bの化合物で、かつ、物質Aとは物性が異なる物質ABからなる薄膜2を形成している。この薄膜2の膜厚は10nm程度である。ここで、物質Aの原子は、物質Bの原子よりも質量が大きく、その質量差は大きい方が望ましい。このような組み合わせの一例としては、物質Aが金属または半導体の原子あるいは分子で、物質Bは物質Aとの結合により物性が大きく異なるもので、かつ、質量が物質Aに比して大幅に異なるものが望ましいことから、例えば酸素、窒素、または水素等である。
【0013】以上のような物質ABからなる薄膜2に、エネルギが数keVから数10keV程度の集束イオンビーム(例えば金属集束イオンビーム、ガス集束イオンビーム)3を照射する。これにより、集束イオンビーム3を構成するイオンが、薄膜2を構成するA原子(または分子)あるいはB原子に衝突してこれらを反跳させるが、この反跳時のA,B各原子の飛程は、これらの原子の質量の相違に起因して、B原子の方が大きく、よって薄膜2中の集束イオンビーム3の照射領域4から選択的にB原子が抜け、その領域4は物質Aそのもの、あるいは物質Aに近い物性を持つに至る。集束イオンビーム3を適当に走査することで、そのビーム照射部位に対応した任意の微細パターンを作成できる。このパターンの厚みは薄膜2の厚みと同等となり、それ以外のパターンの寸法精度は、集束イオンビーム3のサイズにより定まることになる。
【0014】ここで、集束イオンビーム3を構成するイオンは、少なくともその一部が薄膜2中に注入されるが、物質Aそのものをビーム源に用いたり、あるいは物質Aの物性を損なわない元素をビーム源に用いることにより、その影響を抑制することができる。
【0015】図2は本発明の他の実施例の微細パターンの作成工程の説明図で、同じく素子の模式的断面図を示している。この例は、集束されていない高速粒子ビーム5を用いる例であり、先の例と同じ基板1上の薄膜2の表面に、所望のパターニングを施したマスク6を設け、そのマスク6を介して薄膜2に向けて集束されていない高速粒子ビーム5を照射する。この例においても、上記した図1の例と同様に、物質ABからなる薄膜2内に、物質Aまたはそれに近い物性を持つ領域7が形成される。この例における領域7の厚みは薄膜2の厚みと同等で、それ以外の寸法精度はマスク6のパターニング精度で決まる。
【0016】図3は本発明の更に他の実施例の微細パターンの作成工程の説明図で、同じく素子の模式的断面図を示している。この図3の例では、上記各例と同様の物質ABからなる薄膜2を、これとは異なる物質Cからなる層8a,8bで挟んだ構造の積層体を基板1上に形成するとともに、その一部をエッチングする等により、薄膜2の端面部が露呈し、かつ、基板1の法線方向に対して傾斜した端面9を形成している。そして、この積層体の端面9に向けて、先の例と同様な高速粒子ビーム5を照射する。照射したビーム5は、そのエネルギによって決まる深さに注入されるため、端面9から所定の深さを持つ層状の注入領域10が形成される。そして、この層状注入領域10と薄膜2とが交差する領域11が先の各例と同様に組成変化を受け、物質Aまたはそれに近い物性を持つ領域11が形成される。この領域11の厚みTは、元の薄膜2の厚みと同等であり、奥行きDは照射ビーム5の飛程によって決まる。照射ビーム5のエネルギは精密に制御が可能であるため、領域11の奥行きDはnm程度の精度で容易に制御可能である。このようにして、nm程度の精度を持つ10nmレベルの厚みTおよび奥行きDを持つ2次元微細パターン11を作成することができる。
【0017】更に、この図3の例において、照射ビームを集束イオンビームとすれば、厚みT、奥行きDのほか、幅(紙面に直交する方向)もビームサイズで制御できるので、3次元微細パターンの作成が可能となる。
【0018】ここで、以上の各実施例では、主に物質AとBの反跳時における飛程の違いを利用して、一方の物質Bをキックアウトしているわけであるが、キックアウトすべき物質Bをビーム源に用いと、物質Bに与える反跳エネルギは最大となることが知られている。この点を利用して、物質Bからなる粒子ビームを薄膜2に照射し、物質B効率的にキックアウトすることも可能である。
【0019】以上の各例において、薄膜2を例えば金属酸化物とし、ビーム照射領域から酸素原子を選択的にキックアウトすると、金属酸化物からなる絶縁体膜中に、微細な導電パターンを形成することができる。また、薄膜2をSiO2として、ビームにより酸素原子を選択的にキックアウトすれば、絶縁膜中に微細なSiパターンないしはSiリッチなパターンを形成することができる。更に、薄膜2をAgCl2 とし、ビームによりCl原子を選択的にキックアウトすれば、誘電膜中に微細な導電パターンを形成することができる。更にまた、薄膜2を金属超伝導体の酸化物とし、ビーム照射領域から酸素原子をキックアウトすると、絶縁膜中に微細な超伝導パターンを形成することができる。また、薄膜2を有機化合物とし、ビーム照射によりそのうちの特定の原子ないしは分子をキックアウトすることにより、特定原子ないしは分子の少ない、他領域とは異なる組成の微細パターンの形成が可能である。また更に、薄膜2を合金として、ビーム照射によってその合金組成中の特定の原子をキックアウトすれば、合金薄膜中に、それとは異なる組成ないしは単体金属からなるパターンを形成することができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、2種以上の原子を含む化合物または合金からなる薄膜に対して局所的に粒子ビームを照射することで、そのビーム照射領域から特定の原子を選択的に薄膜外に反跳させ、特定原子の存在数比が他の部位に比して低い領域のパターンを作成するため、比較的簡単で制御性の良好なプロセスにより、2次元あるいは3次元的な微細パターンを再現性良く作成することが可能となった。また、対象薄膜の上下を他の物質からなる層で積層した積層体の端面部分に粒子ビームを照射すると、表面に露呈しない薄膜の所望領域に2次元あるいは3次元の微細パターンを形成することも可能となった。




 

 


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