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発明の名称 利得導波型半導体レーザ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−264884
公開日 平成8年(1996)10月11日
出願番号 特願平7−66368
出願日 平成7年(1995)3月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
発明者 井戸 豊 / 久光 守 / 重定 頼和 / 小林 裕 / 樫原 稔
要約 目的
低光出力から高光出力までの広い光出力範囲で、接合面に平行な方向の遠視野像を単峰形にする。

構成
ストライプ状の電流注入領域の端部または途中に非電流注入領域を設けた非連続ストライプ形状と、幅の異なるストライプ状の電流注入領域を組み合わせた複合ストライプ形状と、ストライプ状の電流注入領域の片端または両端をテーパー状に形成したテーパーストライプ形状との内の少なくとも一つの形状の電流狭窄構造を有し、それによって接合面に平行な方向の遠視野像を広い光出力範囲で単峰形とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 ストライプ状の電流注入領域の端部または途中に非電流注入領域を設けた非連続ストライプ形状と、幅の異なるストライプ状の電流注入領域を組み合わせた複合ストライプ形状と、ストライプ状の電流注入領域の片端または両端をテーパー状に形成したテーパーストライプ形状との内の少なくとも一つの形状の電流狭窄構造を有し、それによって接合面に平行な方向の遠視野像を広い光出力範囲で単峰形とすることを特徴とする利得導波型半導体レーザ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、利得導波型半導体レーザに関し、特に、レーザ出力として数百mWから数W以上の出力を要求される高出力利得導波型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のDH(ダブルヘテロ)構造、又は量子井戸構造を有する高出力利得導波型半導体レーザの構成の一例を図8に示す。この図において、21はn側電極、22はn−GaAs(ガリュウム・砒素)からなる基板結晶、23はn−GaAlAs(ガリュウム・アルミニュウム・砒素)からなるクラッド層、24はn形又はP形のGaAsからなる活性層、25はp−GaAlAsからなるクラッド層、26はp−GaAsからなるキャップ層、27はSiO2(二酸化シリコン)の酸化膜で形成された絶縁膜、28はp側電極である。
【0003】図9はこのような高出力利得導波型半導体レーザのストライプの形状を簡略化して示す図であり、半導体レーザを接合面に平行に絶縁膜27の位置で切断した平面断面図である。
【0004】図中、29は絶縁膜27の形成領域である。30は電極28がキャップ層26と接触する領域であり、絶縁膜27で電流の流れる領域をストライプ状に限定していることから、通常、この領域はストライプと呼ばれている。このストライプ30は、電流注入によって励起される電流注入領域である。Aはレーザ光が出射される側、つまりフロント側であり、Bはリア側である。
【0005】従来、このような高出力利得導波型半導体レーザにおいては、充分大きなパワー(レーザ光出力)を得るには、ストライプ幅の広いブロードストライプレーザがよく用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のブロードストライプレーザにおいては、接合面に平行な方向の遠視野像(以下、FFP(Far Field Pattern )‖と略記する)が、高光出力では単峰形になり易いものの、低〜中光出力では単峰形になりにくいという問題があった。
【0007】この従来のブロードストライプレーザにおける低光出力から高光出力までのFFP‖を図10のグラフに示す。これらの図において、(a)は半導体レーザを低出力駆動した低光出力時のFFP‖を示し、(b)は中出力駆動した中光出力時のFFP‖を示し、(c)は高出力駆動した高光出力時のFFP‖を示している。ここで、低出力駆動は約500mW程度、中出力駆動は約1000mW程度、高出力駆動は約1500mW程度の出力としている。
【0008】これらの図に示すように、従来のブロードストライプレーザにおいては、FFP‖は、高光出力では単峰形であるが、低光出力では双峰形に、中光出力では多峰形になっている。
【0009】これを解決する方法として、従来においては、(1)利得を幅方向に連続的に変化させる、(2)共振器の端面を曲面に加工する、(3)テーパー状の共振器とエッチング溝を組み合わせる、(4)共振器端面の反射率に分布を持たせる、……等の方法が提案されてきた。
【0010】しかし、上記の提案されてきた方法では、FFP‖は単峰形となるものの、半導体レーザの作製が困難で工業化が難しい、出射光の角度が駆動出力に応じて変わる、共振器長が非常に長くなる、……等の問題があった。
【0011】この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、低光出力から高光出力までの広い光出力範囲でFFP‖を単峰形にすることが可能な利得導波型半導体レーザを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、ストライプ状の電流注入領域の端部または途中に非電流注入領域を設けた非連続ストライプ形状と、幅の異なるストライプ状の電流注入領域を組み合わせた複合ストライプ形状と、ストライプ状の電流注入領域の片端または両端をテーパー状に形成したテーパーストライプ形状との内の少なくとも一つの形状の電流狭窄構造を有し、それによって接合面に平行な方向の遠視野像を広い光出力範囲で単峰形とすることを特徴とする利得導波型半導体レーザである。
【0013】この発明において、ストライプ状の電流注入領域とは、帯状に形成された、電流注入によって励起される領域であり、非電流注入領域とは、例えば、DH構造を有する高出力利得導波型半導体レーザであれば、絶縁膜によって覆われた、あるいはプロトンなどのイオン注入により絶縁化された、電流が注入されない、つまり励起されない領域である。
【0014】ストライプ状の電流注入領域の端部とは、帯状の電流注入領域の長手方向における端部であり、この端部は、立方体の形状をした半導体レーザのレーザ光が出射される側面をフロント側、その反対側面をリア側とすれば、帯状の電流注入領域の長手方向におけるフロント側の端部とリア側の端部とのいずれの端部であってもよい。
【0015】ストライプ状の電流注入領域の途中とは、帯状の電流注入領域の長手方向における端部以外の部分であり、帯状の電流注入領域の途中であればどの位置であってもよい。
【0016】幅の異なるストライプ状の電流注入領域を組み合わせた複合ストライプ形状としては、幅の異なる2つのストライプ状の電流注入領域を組み合わせた構成(2段形)であってもよく、また、幅の異なる3つのストライプ状の電流注入領域を組み合わせた構成(3段形)、あるいはそれ以上の多段形の構成の複合ストライプ形状であってもよい。
【0017】ストライプ状の電流注入領域の片端または両端とは、帯状の電流注入領域の長手方向における片側の端部または両側の端部であり、テーパー状に形成するとは、山形に形成することを意味し、山形に形成していれば、山形の先端の角度は鋭角であっても鈍角であってもよく、どのような角度を有した山形であってもよい。また、先端の切れた台形状になっている場合も含む。
【0018】本発明の利得導波型半導体レーザにおいては、上記のストライプ形状の内、少なくとも一つのストライプ形状又はこれらと類似の形状を有していればよい。すなわち、非連続ストライプ形状と、複合ストライプ形状と、テーパーストライプ形状の三つの形状の内、いずれか一つの形状の電流狭窄構造を有していてもよく、あるいはいずれか二つの形状を組み合わせた形状の電流狭窄構造を有していてもよく、あるいは三つ全ての形状を組み合わせた形状の電流狭窄構造を有していてもよい。
【0019】
【作用】この発明によれば、ストライプ状の電流注入領域の幅方向における中央部の利得が、縁部に比べて相対的に大きくなり、ストライプ状の電流注入領域の中央部から縁部に行くにつれて、相対的に損失が大きくなる。このため、ストライプ状の電流注入領域の中央部で、強いパワーを持つようなモードが優先的に発振し、その結果として、接合面に平行な方向の遠視野像が広い光出力範囲で単峰形となる。
【0020】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
【0021】図1はこの発明の利得導波型半導体レーザの一実施例の構成を示す斜視図であり、DH(ダブルヘテロ)構造を有する高出力利得導波型半導体レーザを示したものである。
【0022】この図において、1はn側電極、2はn−GaAs(ガリュウム・砒素)からなる基板結晶、3はn−GaAlAs(ガリュウム・アルミニュウム・砒素)からなるクラッド層、4はn形又はP形のGaAsからなる活性層、5はp−GaAlAsからなるクラッド層、6はp−GaAsからなるキャップ層、7はSiO2(二酸化シリコン)の酸化膜で形成された絶縁膜、8はp側電極である。
【0023】図2はこのような高出力利得導波型半導体レーザのストライプの形状を簡略化して示す図であり、半導体レーザを接合面に平行に絶縁膜7の位置で切断した平面断面図である。
【0024】図中、9は絶縁膜7の形成領域である。10は電極8がキャップ層6と接触する領域であり、絶縁膜7で電流の流れる領域をストライプ状に限定していることから、通常、この領域をストライプと呼び、電流注入によって励起される電流注入領域である。Aはレーザ光が出射される側、つまりフロント側であり、Bはリア側である。
【0025】この図に示すように、本実施例の利得導波型半導体レーザでは、フロントA側とリアB側とで幅の異なるストライプ状の電流注入領域を複合ストライプ10として形成し、リアB側には、非電流注入領域Cを設けている。このため、複合ストライプ10は、非連続ストライプともなっている。
【0026】この半導体レーザは、複合ストライプ10と非電流注入領域Cとを組み合わせた非連続複合ストライプ形の電流狭窄構造を有する利得導波型半導体レーザである。この複合ストライプ10の幅は、約100μmと約50μmの2段階の幅で形成されている。この複合ストライプ10は、3段階又はそれ以上の多段階の幅で形成されていてもよい。
【0027】この複合ストライプ10では、複合ストライプ10の幅方向において、中央部の利得が縁部に比べて相対的に大きくなるように設計されているために、ストライプ10の中央部で、強いパワーを持つようなモードが優先的に発振し、このため、接合面に平行な方向の遠視野像(以下、FFP(Far Field Pattern )‖と略記する)が単峰形になりやすい。
【0028】また、出射角度の大きな光は、リアB側に設けられた非電流注入領域Cがあるために、複合ストライプ10内に戻りにくく、これもFFP‖を単峰形にするのに貢献する。その結果として、FFP‖は、低〜高光出力の広い領域にわたり単峰形となる。
【0029】図3〜図6はこの発明の利得導波型半導体レーザの他の実施例のストライプの形状を示す図であり、図2と同様に、半導体レーザを接合面に平行に絶縁膜7の位置で切断した平面断面図である。
【0030】これらの図に示すように、本発明の利得導波型半導体レーザにおいては、適切な条件を選ぶことにより、ストライプが図3〜図6に示すような構造であっても同様の効果を得ることができる。
【0031】これらの図の内、図3に示した半導体レーザは、通常のストライプ11と非電流注入領域Cとを組み合わせた非連続ストライプ形の電流狭窄構造を有する利得導波型半導体レーザである。
【0032】図4に示した半導体レーザは、リアB側の端部がテーパー状になったテーパーストライプ12と非電流注入領域Cとを組み合わせた非連続テーパーストライプ形の電流狭窄構造を有する利得導波型半導体レーザである。
【0033】図5に示した半導体レーザは、複合ストライプ13のみを設けた複合ストライプ形の電流狭窄構造を有する利得導波型半導体レーザである。この複合ストライプ13の形状は、幅の狭いストライプの部分に非電流注入領域Cが設けられていると考えることができる。
【0034】図6に示した半導体レーザは、リアB側の端部がテーパー状になったテーパーストライプ14のみを設けたテーパーストライプ形の電流狭窄構造を有する利得導波型半導体レーザである。このテーパーストライプ14の形状は、テーパー状になったストライプの部分に非電流注入領域Cが設けられていると考えることができる。
【0035】これらの実施例において、非電流注入領域Cは、ストライプのリアB側に設けた構成となっているが、フロントA側に設けていても、また途中に設けていてもよく、どの位置に設けていてもよい(フロントA側のみならず真中の方でもよい)。
【0036】また、複合ストライプ10,13は2段階の幅で形成しているが、3段階又はそれ以上の多段階の幅で形成してもよい。さらに、テーパーストライプ12,14は、ストライプの片端のみをテーパー状に形成しているが、ストライプの両端をテーパー状に形成してもよい。そして、半導体レーザの端面近傍に、COD(Catastrophic Optical Damage)レベルを上げるための非電流注入領域(ウインドウ)を設けてもよい。
【0037】図7は本発明の利得導波型半導体レーザにおける低光出力から高光出力までのFFP‖を示すグラフである。これらの図において、(a)は半導体レーザを低出力駆動した低光出力時のFFP‖を示し、(b)は中出力駆動した中光出力時のFFP‖を示し、(c)は高出力駆動した高光出力時のFFP‖を示している。ここで、低出力駆動は約500mW程度、中出力駆動は約1000mW程度、高出力駆動は約1500mW程度の出力としている。
【0038】これらの図に示すように、本発明の利得導波型半導体レーザにおいては、FFP‖は、低光出力、中光出力、高光出力の広い領域にわたり単峰形となっている。
【0039】このように、非電流注入領域を設けて、出射角度の大きな光については、ストライプ内に戻りにくくし、また、ストライプの幅方向において、中央部の利得が縁部に比べて相対的に大きくなるようにすることにより、ストライプの中央部で、強いパワーを持つようなモードを優先的に発振させることができる。
【0040】これにより、従来型のブロードストライプレーザにおいては、低〜中光出力駆動時に、FFP‖が双峰形あるいは多峰形になりがちであったが、本実施例の半導体レーザでは、低〜高光出力の広い領域にわたり単FFP‖を単峰形にすることができる。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、接合面に平行な方向の遠視野像を広い光出力範囲で単峰形とすることができる。また、作製が簡単で分留りが良く、共振器が比較的短くてすみ、光出力が変わっても出射光の角度を一定とすることができる。




 

 


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