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発明の名称 同軸形直衝突イオン散乱分光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−236070
公開日 平成8年(1996)9月13日
出願番号 特願平7−37991
出願日 平成7年(1995)2月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西田 新
発明者 石山 修 / 篠原 真
要約 目的
測定進行中においてどのような元素が検出されているのかを判断するための機能を備えた同軸形直衝突イオン散乱分光装置を提供する。

構成
イオン散乱測定装置1による実測データに基づくTOFスペクトル上に、シミュレーション計算で求めたTOFスペクトルのピーク位置が表示されるので、その表示から、測定進行中において、試料表面に存在すると予想される元素が実測のTOFスペクトル上に現れているかどうかを監視することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】 イオンビームを試料に入射させその入射位置から散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を測定する測定装置と、この測定装置の出力に基づいてTOFスペクトルデータを得るデータ処理部と、入射イオンの元素種及び入射エネルギ、上記測定装置の幾何学配置に関する測定条件、並びに試料表面の予想元素に関する情報を入力するための入力部と、それらの入力情報に基づいて予想元素のTOFスペクトルのピーク位置をシミュレーション計算する演算部と、表示制御部を備え、その表示制御部は、データ処理部で得られた実測データに基づいて表示器の画面上にTOFスペクトルを表示するとともに、この表示のTOFスペクトル上に上記演算部で求めたピーク位置を重ね合わせて表示するように構成されてなる同軸形直衝突イオン散乱分光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は同軸形直衝突イオン散乱分光装置(CAICISS:Coaxial ImpactCollision Ion Scattering Spectroscopy)に関する。
【0002】
【従来の技術】CAICISSにおいては、平行性の良いイオンビームを試料に入射させ、散乱角180°付近の散乱イオンを検出する。この際、特定の入射方向におけるエネルギスペクトル(TOFスペクトル)から、試料の表面元素の同定を行うことができる。
【0003】すなわち、CAICISSでは、実際に観測されたTOFスペクトル(図6)のピーク位置を求め、実際の装置の幾何学的配置(図7)等の測定条件に基づいて、TOFスペクトルの各ピークがどの元素に対応するかを計算することにより表面元素の同定を行うことができる。
【0004】その計算には、以下の計算式(1) を用いている。
T=(L1 /V1 )+(L2 /V2 ・・・・(1)T :飛行時間(ピーク位置)
1:イオン源から試料までの距離L2:試料から検出器までの距離V1:入射イオンの速度V2:散乱イオンの速度ここで、V2 =〔(M−m)/(M+m)〕・V11 =(2E/m)1/2M:表面元素(着目元素)の質量数m:入射イオンの質量数E:入射イオンのエネルギそして、以上の計算式(1) において、測定したTOFスペクトルのピーク位置T(図6)を与えて、着目元素の質量Mについて解くことにより、このピーク位置が、どの表面元素に対応しているのかを求めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CAICISSによれば、上記したようにTOFスペクトルのピーク位置すなわちイオンの飛行時間から表面元素の質量Mを求めることは可能である。しかしながら、TOFスペクトルのピーク位置を決定する際には、■各点のカウント値に含まれる統計誤差が、その点におけるカウント値よりも十分に小さくなるまで積算を行うこと(すなわち測定時間を十分に長くとること)、■TOFスペクトルの計測を中断(または終了)してスペクトルに対してスムージング等のデータ処理を行ってピークサーチを行う、といった手続きが必要となる。
【0006】従って、CAICISSにおいてTOFスペクトルを連続的に測定する場合、特に信号強度の入射角依存性の測定あるいはTOFスペクトルの経時変化の測定等を行う際には、表面元素の同定をリアルタイムで行うことは不可能である。このため、測定進行中において、どのようような元素が検出されているかを認識することができず、例えば実験装置の不調等により誤ったデータを採取し続けてしまう等の不具合が発生していた。
【0007】本発明はそのような事情に鑑みてなされたもので、TOFスペクトルの測定中に、試料表面に存在すると予想される元素がTOFスペクトル上に現れているかどうかを常に監視することができ、もって実験効率の向上をはかることのできる同軸形直衝突イオン散乱分光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の分光装置は、実施例に対応する図1,図3に示すように、イオンビームを試料Sに入射させその入射位置から散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を測定する測定装置1と、この測定装置1の出力に基づいてTOFスペクトルデータを得るデータ処理部3bと、入射イオンの元素種及び入射エネルギ、測定装置1の幾何学配置に関する測定条件、並びに試料表面の予想元素に関する情報を入力するための入力部2と、それらの入力情報に基づいて予想元素のTOFスペクトルのピーク位置をシミュレーション計算する演算部3cと、表示制御部3dを備え、その表示制御部3dは、データ処理部3bで得られた実測データに基づいて表示器4の画面上にTOFスペクトルを表示するとともに、この表示のTOFスペクトル上に演算部3cで求めたピーク位置を重ね合わせて表示するように構成されていることによって特徴づけられる。
【0009】
【作用】本発明の分光装置では、測定装置1による実測データに基づくTOFスペクトル上に、シミュレーション計算により求めたTOFスペクトルの予想ピーク位置が表示されるので、その表示から、測定進行中において、試料表面に存在すると予想される元素が実測のTOFスペクトル上に現れているのかどうかをモニタすることができる。
【0010】
【実施例】図1は本発明実施例の構成を示すブロック図である。まず、この例の分光装置は、イオン散乱測定装置1、入力装置2、演算処理装置3及びCRT等の表示器4によって構成されている。
【0011】イオン散乱測定装置1は、イオン源1aからのイオン(He+ )ビームを試料Sに照射し、そのイオン照射により試料Sから散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を、イオン源1aと同軸上に配置した検出器(MCP)1bで検出して、その散乱強度の検出値を出力する装置である。また、この測定系において、試料Sはステージ(ゴニオメータ)1cに保持され、そのステージ1cの回転駆動により試料Sに対するイオンの入射角度α(φ)を任意に設定できる。なお、入射角α及びφは、それぞれ、図8に示すようなPolar Angle(極角);α及びAzimuth Angle(方位角);φである。
【0012】入力装置2は、キーボード及びマウス等であって、入射イオンの元素種及びエネルギ、測定パラメータの範囲、装置の幾何学的配置等の測定条件、並びに試料表面に存在すると予想される元素等の情報を、後述する機能呼出ボタンB1,B2(図2)のクリック等の操作により演算処理装置3に入力することができる。なお、この例では信号強度の入射角依存性の測定を行うものとし、測定パラメータの範囲としてイオン入射角を変化させる範囲とその角度変化の幅(ステップ)を入力する。
【0013】一方、演算処理装置3は、例えばコンピュータであって、測定実行部3a、データ処理部3b、シミュレーション演算部3c及び表示制御部3dの各機能部が設けられている。
【0014】測定実行部3aは、入力された測定パラメータ〔イオン入射角度;α(φ)〕の設定値に基づいてイオン散乱測定装置1の測定動作を制御する機能部で、ステージ1cを制御して、まずはイオン入射角を測定範囲の初期値に設定し、次いで入射角を設定ステップで順次に変化させてゆき、その各角度設定ごとにイオン散乱測定装置1にスタート指令信号を供給するという制御を行うように構成されている。
【0015】データ処理部3bは、イオン散乱測定装置1による測定が実行されるごとに、その測定装置1の出力を採り込んで、この採取した散乱強度の検出値から得られるTOFスペクトルに対し積分範囲を設定して信号強度の積算値を求めるように構成されており、その信号強度の積算値を表示制御部3dに出力し、また、TOFスペクトルに関するデータを表示制御部3dに出力する。
【0016】シミュレーション演算部3cは、入力されたデータのうち、入射イオンの元素種(質量数:m)及びエネルギ(E)、装置の幾何学的配置(L1,L2 )の測定条件、並びに、試料表面に存在すると予想される元素(質量数:M)を用いて、先に述べた計算式(1) により、試料表面に存在する各元素に対応する飛行時間T(TOFスペクトルのピーク位置)を計算するように構成されている。
【0017】そして、表示制御部3dは、表示器4の画面上に複数の表示領域(ウインドウ)を設定して、その一つの表示領域にデータ処理部3bからのTOFスペクトルデータを表示し、また他の表示領域に角度依存性データを表示するように構成されている。
【0018】さらに、表示制御部3dには、入射イオンのエネルギ、イオン源から試料までの距離、試料から検出器までの距離等のパラメータ入力画面用のテーブルと、周期律表の表示画面用のテーブルが設定されており、入力装置2の操作によりそれらのテーブルが呼び出されたときには、その各画面を表示器4にウインドウ表示する。なお、その各テーブルの呼出しには、図2に示す、実験パラメータ設定機能呼出ボタンB1 と元素選択機能呼出ボタンB2 が利用される。
【0019】次に、本発明実施例の操作手順を、SrTiO3 の結晶構造を解析する場合を例にとって図2〜図5を参照しつつ説明する。まず、入力装置2の操作により、表示器4の画面上において実験パラメータ設定機能呼出ボタンB1 をクリックしてパラメータ入力用画面(図4)を呼び出して、入射イオンの元素種(He)及び入射エネルギ、イオン源1aからの試料Sまでの距離及び試料Sから検出器1bまでの距離、並びに、測定パラメータ等の各データを入力する。この操作により、計算式(1) に用いられるL1,L2,V1 及びmがシミュレーション演算部3cに与えられる。
【0020】次に、元素選択機能呼出ボタンB2 をクリックして周期律表(図5)を呼出し、試料表面に存在する予想元素つまり表示したい元素;Sr,Tiを選定する。この操作により、SrとTiの各元素の質量数Mがシミュレーション演算部3cに与えられ、これらの入力情報に基づいて、予想元素Sr,TiについてTOFスペクトルのピーク位置の予想値Tがそれぞれ計算される。
【0021】以上の入力操作が完了した後、測定を実行すると、その実測データに基づいて表示器4の画面上にTOFスペクトルがグラフ表示され(図2)され、次いで、この表示のTOFスペクトル上に、シミュレーション演算部3cで計算された各元素SrとTiの予想ピーク位置が、図3に示すように破線で表示される。
【0022】この図3に示す表示例では、実測データのピーク位置と、計算による予想ピーク位置とが一致しており、このままの状態で測定を継続しても問題はないといった判断をくだすことができる。なお、実測データに基づくTOFスペクトル上に予想元素のピーク位置が正しく現れていないときには、異常が発生しているものと判断して測定を中断(終了)するなどの処置を行う。
【0023】そして、以上のような測定状況の正常/異常の監視を行いつつ、TOFスペクトルの測定を測定パラメータの設定角度ごとに実行して、角度依存性データを採取することにより、装置の不調等の原因により誤ったデータを採り続けてしまうといった不具合を回避できる。
【0024】なお、以上の実施例において、シミュレーション演算部3cの計算に用いるデータのうち、入射エネルギ等、装置の運転状態などにより変動する可能性のあるパラメータについては、適宜に修正が可能となるようにしておく。また、シミュレーション計算に用いるデータのうち、装置の幾何学的配置に関するデータL1,L2 等については、装置定数として予め入力してメモリ等に格納しておいてもよい。
【0025】さらに、以上の本発明実施例では、信号強度の角度依存性の測定について説明したが、このほか、TOFスペクトルの経時変化の測定など、TOFスペクトルを連続的に測定する場合にも本発明装置を利用できる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の同軸形直衝突イオン散乱分光装置によれば、試料表面に存在すると予想される元素のTOFスペクトルのピーク位置を計算で求め、その予想ピーク位置を実測データに基づくTOFスペクトル上に重ね合わせて表示する機能を備えているので、予想した元素が実測のTOFスペクトル上に現れているかどうかを常に監視することが可能となり、これにより、例えば、測定進行中において異常が発生していると判断されるときには測定を中断する等の処置をいち早く実行でき、また、測定中において新たなピークが検出されている場合には、そのピークがどの元素に対応しているのかをリアルタイムで推定するといった使用法も可能になる結果、実験効率の向上をはかることができる。




 

 


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