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液体クロマトグラフ質量分析装置及び分析方法 - 株式会社島津製作所
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発明の名称 液体クロマトグラフ質量分析装置及び分析方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−236063
公開日 平成8年(1996)9月13日
出願番号 特願平7−66766
出願日 平成7年(1995)2月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良平
発明者 飯田 順子
要約 目的
微量試料を有効に利用し、感度の高い分析を行なう。

構成
キャピラリカラム15の一端にフリット16を形成し、そこに充填剤18を充填する。これを分析カラムとして使用し、フリット16から滲出する分離成分をダイナミックFAB、ダイナミックLSIMSによりイオン化する。
特許請求の範囲
【請求項1】 a)移動相を送液路に送出するポンプと、b)一端が上記送液路に接続され、少なくとも一部に成分分離用充填剤が充填され、他方の端部にフリットが固定された分析キャピラリカラムと、c)上記送液路に試料を注入するインジェクタと、d)上記フリットにイオン又は中性分子を照射してフリットから滲出する液をイオン化する粒子照射手段と、を備えることを特徴とする液体クロマトグラフ質量分析装置。
【請求項2】 a)請求項1記載の分析キャピラリカラムと同じ内径を有するキャピラリカラムにサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤を充填した前段カラムを準備して、それに試料を注入し、b)上記前段カラムに所定量の移動相を流すことにより所定分子量以上の高分子不純物を除去し、c)上記前段カラムを請求項1記載の分析キャピラリカラムに接続し、d)更に移動相を上記前段カラムに流すことにより、上記所定分子量以下の目的低分子成分を分析キャピラリカラムに送出する、手順を含むことを特徴とする液体クロマトグラフ質量分析方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製薬、生化学、医学、一般化学工業、環境等の分野で微量成分の分析に用いられる液体クロマトグラフ/質量分析装置(LC/MS)に関する。
【0002】
【従来の技術】クロマトグラフ/質量分析装置では、クロマトグラフ部で分離された成分を適当なインタフェイスによりイオン化し、質量分析部において質量分析を行なう。液体クロマトグラフ/質量分析装置(LC/MS)において用いられるインタフェイスの中に、ダイナミックFAB(Fast Atom Bombardment)及びダイナミックLSIMS(Liquid Secondary Ion Mass Spectroscopy)がある。ダイナミックFABは、細い管の先端から液体クロマトグラフで分離された成分を滲み出させ、そこに高速のXe等の中性分子を衝突させてイオン化するものである。この際、細い管の先端に多孔質のフリット、スクリーン等を設けることもある。またダイナミックLSIMSは、細い管の先端に(中性分子ではなく)Cs+等のイオンを衝突させる点を除いてダイナミックFABと同様である。
【0003】これらのインタフェイスを用いたLC/MSの一例を図4(a)に示す。その動作は次の通りである。ポンプ41により移動相を分析カラム43に送給し、分析カラム43を出た移動相をスプリッタ44により分割して一部のみをキャピラリカラム45に送給する。この状態でインジェクタ42から試料を移動相中に注入すると、試料は分析カラム43において分離され、その成分毎にキャピラリカラム45の先端に設けられたフリット46から滲出する。キャピラリカラム45の先端部分を拡大して図4(b)に示す。この図において、記号48はフリット46を保持するためのキャップ、記号49はキャップ48を保持するためのセプタムである。このフリット46に高速の中性分子又はイオンを照射することにより、フリット46から滲出した試料をイオン化し、質量分析装置50に導入して質量分析を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ダイナミックFABやダイナミックLSIMSは上記のようなイオン化法であるため、液体試料の流量は極めて微量としなければならない。そのため、図4(a)に示したように、分析カラム43で分離した後の液体試料はスプリッタ44により約20:1〜1000:1に分割し、カラム流量の1/20〜1/1000のみ(通常、1〜10μL/min)をこれらのインタフェイスに流すようにする。
【0005】このため、試料の量が少ないときは、スプリットにより質量分析に供される試料の量は更に少なくなり、質量分析装置50がいかに高感度であってもその検出限界以下となって、検出できないことが多くなる。また、スプリットライン47の方に流れる多量側(19/20〜999/1000の方)のカラム流出液を濃縮して試料を回収しようとしても、その濃縮作業により変性や分解を生じてしまう等の問題がある。
【0006】次に、生体試料で分析目的の成分が極めて低濃度である場合、クリーンアップ及び濃縮を何度も繰り返す必要があるが、この操作により不純物が夾雑し、カラム詰まりを引き起こす場合がある。このような不純物を除去するためにカラムスイッチング(カラムにより分離された後の試料の流路を切り替え、目的の成分のみを質量分析装置に導く)を利用することも考えられるが、上記のような微量流量では、バルブやその接続部分等で生じるデッドボリュームや吸着が分析誤差を引き起こす。また、不純物がタンパク質である場合、その多価イオンは[質量/電荷](m/z)がペプチドと同程度となり、質量分析において分析目的のペプチドをマスキングする可能性がある。このため、未知試料を分析する際にはこのような不純物はできるだけ排除しておく必要がある。
【0007】本発明はこれらの課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、微量試料を有効に利用し、感度の高い分析を行なうことのできる液体クロマトグラフ質量分析装置を提供するとともに、更に、そのような装置において、不純物を予め除去しておくための有効な方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記課題を解決するために成された本発明に係る液体クロマトグラフ質量分析装置は、a)移動相を送液路に送出するポンプと、b)一端が上記送液路に接続され、少なくとも一部に成分分離用充填剤が充填され、他方の端部にフリットが固定された分析キャピラリカラムと、c)上記送液路に試料を注入するインジェクタと、d)上記フリットにイオン又は中性分子を照射してフリットから滲出する液をイオン化する粒子照射手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】ポンプにより送液路に送出された移動相は分析キャピラリカラムに送られ、その上記「他方の端部」のフリットから滲出する。なお、このポンプには、マイクロ液体クロマトグラフ用の小流量のものを用いてもよいし、通常のポンプで送出した後、スプリッタで分割して少量のみを分析キャピラリカラムに送るようにしてもよい。この状態でインジェクタから試料を注入すると、通常の液体クロマトグラフと同様、試料は分析キャピラリカラムに充填された成分分離用充填剤により分離され、フリットからは分離された成分が順次滲出する。粒子照射手段から高速の中性分子又はイオンをフリットに照射することにより成分はイオン化され、後段の質量分析部において質量分析が行なわれる。
【0010】このように、本発明に係る液体クロマトグラフ質量分析装置では、カラムにおいて分離された試料はスプリットされることなく全てフリットから滲出するため、少量の試料でも無駄なく有効に使用され、感度の高い分析を行なうことができる。また、このように試料消費量が少ないことから、従来のようにスプリットラインで排出された液を濃縮して回収するという作業を行なうことなく、他の分析等に試料を供することができるという利点もある。更に、カラムの下流側に接続部分が存在しないためデッドボリュームが存在せず、カラム後のピークの広がりが防止されるという効果も有する。
【0011】なお、成分分離後のピークの広がりを最小限に抑えるため、分析キャピラリカラム内において、充填剤はできるだけフリット側端部に充填することが望ましい。
【0012】次に、本発明に係る上記のようなキャピラリカラムを用いる場合に、不純物を有効に除去して分析を行なう方法は、a)上記分析キャピラリカラムと同じ内径を有するキャピラリカラムにサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤を充填した前段カラムを準備して、それに試料を注入し、b)上記前段カラムに所定量の移動相を流すことにより所定分子量以上の高分子不純物を除去し、c)上記前段カラムを上記分析キャピラリカラムに接続し、d)更に移動相を上記前段カラムに流すことにより、上記所定分子量以下の目的低分子成分を分析キャピラリカラムに送出する、手順を含むことを特徴とするものである。
【0013】サイズ排除クロマトグラフィ用充填剤は、それに予め各種分子量の成分を吸着させておき、そこに移動相を流してゆくと、高分子量の成分から順に溶出してゆくという特性を持ち、その総流量と溶出成分の最大分子量との関係は充填剤、キャピラリ寸法等によりほぼ一義的に決まる。従って、上記のように前段カラムに試料を注入して充填剤に保持させておき、そこに移動相を前段カラムの寸法等に応じて定まる所定量だけ流すことにより、分析目的成分以上の分子量を有する不純物のみを前段カラムから排出することができる。こうして不純物を除去した後、前段カラムを分析キャピラリカラムに接続し、前段カラムから更に移動相を流すと、分析目的である低分子成分が前段カラムのサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤から溶出し、分析キャピラリカラムに送られる。なお、前段カラムと分析キャピラリカラムとは同じ内径を有するため、適切に接続することにより両者間のデッドボリュームをゼロとすることができる。分析キャピラリカラムでは先に説明したように成分の分離が行なわれ、分離された成分はスプリットされることなく全量がフリットから溶出してイオン化される。
【0014】このように、本発明に係る方法では、カラムスイッチングを行なうことなく、分析キャピラリカラムの前で高分子化合物が除去されるため、分析キャピラリカラムの詰まりが防止され、寿命が長くなる。また、生体試料の分析の際には、タンパク質の多価イオンによる未知目的成分のマスキングの可能性が大幅に低下するため、精度の高い分析を行なうことができる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例である液体クロマトグラフ質量分析(LC/MS)装置を図1〜図3により説明する。図1は、本実施例のLC/MS装置の質量分析部(図4(a)における50)以前の部分のみを示したものであり、送液ポンプ11、スプリッタ14、インジェクタ12及びキャピラリカラム15がこの順に配置されている。本実施例のLC/MS装置では、キャピラリカラム15に試料分離用の充填剤18が充填され、ここで成分の分離が行なわれるため、キャピラリカラム15が従来の分析カラム(図4(a)の43)の役割を果たす。そして、インジェクタ12はスプリッタ14の後に置かれ、注入した試料は全てキャピラリカラム15に送給される。なお、図1では通常のポンプ11とスプリッタ14を使用した例を示しているが、それらの代わりにマイクロ液体クロマトグラフ用の小流量ポンプを用いてもよい。
【0016】キャピラリカラム15の先端部分を拡大して図2(a)に示す。本実施例で使用するキャピラリカラム15は溶融シリカ製の内径75μm、長さ100cmのものである。充填剤18はキャピラリカラム15の先端部分にのみ(例えば20cm程度)充填され、キャピラリカラム15の最先端にはフリット16が詰められる。なお、図2(a)において記号20は保護外管、21はセプタム、22は金属多孔質による残液吸収材、23は補強リングである。
【0017】このキャピラリカラム15の作製方法は次の通りである。まず溶融シリカ管の一端をリモソーブ(limosorb)等の粒子の入った小瓶の中に僅かに挿し込み、粒子を管内に入れる。これを高温のマイクロバーナーで焼結し、フリット16を形成する。次に、成分分離用の充填剤をヘキサン等の溶剤に入れ、十分に攪拌しておく。その所定量を高圧ポンプで溶融シリカ管に送り込み、溶剤のみを先端から滲出させて充填剤18を先端部分に充填する。そして、図2(a)に示すようにセプタム21、残液吸収材22、補強リング23を付加し、保護管20内に入れる。
【0018】本実施例のLC/MSではインジェクタ12で注入された試料がスプリットされないため、ほぼ全量を質量分析することができ、高感度の分析を行なうことができる。また、キャピラリカラム15の充填剤18とフリット16との間にデッドボリュームが存在しないため、ピークの広がりがなく、高精度の分析を行なうことができる。更に、従来のキャピラリカラム(図4(b))ではフリット46がカラム45の断面よりも大きかったため滲出液がフリット46に溜まり、いわゆるメモリ効果を生じて分離度が低下する原因となっていたが、本実施例ではフリット16がキャピラリカラム15の管内にのみ存在するためそのようなメモリ効果が最小限に抑えられる。キャピラリカラム15の先端の周囲に設けた残液吸収材22も、フリット16から滲出した液を吸収してメモリ効果を更に低減する。
【0019】なお、ダイナミックLSIMSで高感度の分析を行なうために高エネルギ(例えば20kV以上)のCs+イオンビームを使用したい場合には、図2(b)に示すようにキャピラリカラム15の先端に金属メッシュ19を付加してもよい。これにより、フリット16の損傷を抑え、キャピラリカラム15の寿命を延ばすことができる。
【0020】生体試料の分析を行なう場合、目的成分が極微量であることが多く、それを抽出するためにはクリーンアップ操作を多数回繰り返す必要がある。例えば、ヒトT細胞のHLA上に存在する免疫反応に関与するペプチド群であるCLASS-Iペプチドは、LC/MSで分析を行なう前にLCでフラクショネイション(分離)しても、1つのフラクション内に1000種近くも存在する。従って、その中にはT細胞を1010個処理しても全量で数fmol(フェムトmol)しか得られないものも多い。このような微量成分抽出のためにクリーンアップ操作を繰り返し行なうと、高分子量の不純物が夾雑し、上記キャピラリカラム15の充填剤18の詰まりを生じる。そこで、このような試料を分析する場合には図3に示すような方法で行なうことが望ましい。
【0021】まず、図3(a)に示すように、サイズ排除クロマトグラフィ用充填剤32を充填したキャピラリ(前段カラム)31を用意し(先端には充填剤32の流出防止用のフリット33を設ける)、ポンプ(図示せず)及びインジェクタ26に接続する。そして、ポンプにより移動相を流し、インジェクタ26より試料を注入して、試料をサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤32に保持させる。次に、ポンプにより所定量の移動相を前段カラム31に流す。このときに流す移動相の量は次のようにして定めておく。サイズ排除クロマトグラフィ用充填剤32には図3(c)に示すような較正曲線が備えられている。この較正曲線より、質量分析を行なう目的成分の分子量よりも大きい分子量の不純物を除去できる量を上記所定量として予め定めておく。例えば、図3(c)の較正曲線の場合、約9mlの移動相を流すことにより、分子量約3000以上の不純物成分(主にタンパク質)はドレインに流出し、それ以下の成分(CLASS-Iペプチドの分子量は約1000)のみがサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤32に保持されて残る。
【0022】こうして不純物を除去し、所定分子量以下の目的成分のみを保持した前段カラム31を次に上記キャピラリカラム15に接続する。図3(b)の例では前段カラム31とキャピラリカラム15とはテフロンチューブ34で接続し、その上から更にゼロデッドボリュームコネクタ35で接続部を固定している。なお、ややきつ目のテフロンチューブを用意し、これを暖めて径を少し大きくしてから両カラム31、15を接続し、その後冷却すれば、300psi程度まではゼロデッドボリュームコネクタ35を使用しなくても確実な接続が可能となる。こうして両カラム31、15を接続した後、再びポンプにより移動相を前段カラム31に流す。これにより、図3(c)の較正曲線に示すように、分析目的成分を含む、より低分子量の成分がサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤32から離脱し、キャピラリカラム15に送られる。このとき、キャピラリカラム15は逆相であるため、分析目的成分は充填部の入口で止められて濃縮され、塩類のみが充填剤18を通過する。これにより塩類を除去した後、通常の分析条件(0.5%酢酸水溶液:CH3CN=100:0→40:60)で分析を行なうと、目的成分であるCLASS-Iペプチドが充填剤18で分離し、フリット16から滲出してイオン化される。
【0023】上記方法では高分子成分除去のためにサイズ排除クロマトグラフィ用充填剤32を使用したが、更に大きい不純物であるゴミのみを除去すれば十分である場合には、その代わりに逆相カラムを前段カラム31として用いることもできる。
【0024】なお、図3に示す不純物除去法は前記実施例で述べたダイナミックFABやダイナミックLSIMSばかりではなく、ESI(Electro Spray)法においても有効である。




 

 


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