米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社島津製作所

発明の名称 同軸形直衝突イオン散乱分光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−227684
公開日 平成8年(1996)9月3日
出願番号 特願平7−30809
出願日 平成7年(1995)2月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西田 新
発明者 石山 修 / 篠原 真
要約 目的
信号強度の積算値を正確に求めることができる同軸形直衝突イオン散乱分光装置を提供する。

構成
着目する元素の信号強度の積分範囲を、試料に対する入射イオンビームの入射角度に応じて補正するように構成している。その処理としてイオンビーム径と入射角度を用いてエネルギスペクトルのピーク幅を計算して、その計算値を用いて信号強度積分範囲を補正する方法、また測定で得られたエネルギスペクトルのピーク位置を見つけてこのピーク位置を基に信号強度積分範囲を設定する方法を採用する。
特許請求の範囲
【請求項1】 イオンビームを試料に入射させその入射位置から散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を検出し、その検出値をエネルギスペクトル情報として出力する測定装置と、試料に対するイオンビームの入射角度を所定ステップで変化させる測定パラメータに基づいて測定装置を操作する測定実行部と、その測定ごとに測定装置が出力する検出値から得られるエネルギスペクトルに対し積分範囲を設定して信号強度の積算値を求める演算部と、その信号強度の積算時に設定する積分範囲を、試料へのイオンビームの入射角度に応じて補正する補正処理部を備えてなる同軸形直衝突イオン散乱分光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は同軸形直衝突イオン散乱分光装置(CAICISS:Coaxial ImpactCollision Ion Scattering Spectroscopy)に関する。
【0002】
【従来の技術】CAICISSにおいては、平行性の良いイオンビームを試料に入射させ、散乱角180°付近の散乱イオンを検出する。この際、試料に対する入射イオンビームの入射角度をゴニオメータ等により変化させ、特定の入射方向におけるエネルギスペクトル(TOFスペクトル)から表面元素の同定を行うことができる。
【0003】また、CAICISSおいては、着目する元素に対応する信号の入射角依存性を測定することにより、結晶試料表面の構造解析を行うことができる。すなわち図4に示すように、各入射角度ごとの測定スペクトルから信号強度の積算値を求め、この信号強度をプロットすることにより得られる角度依存性(変化曲線)の山と谷の位置とその各強度から表面構造の解析を行うことができる。この際、信号強度積分範囲(ROI範囲)は、通常、入射イオンビームの入射角度とは無関係に固定値で入力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、入射イオンビームは有限の広がり(典型的なビーム径は2〜4mm)があり、このためCAICISSにおいて入射角依存性を測定する際、試料に対する入射角度が低角になるしたがって試料上でビームに照射されている領域は広くなり〔図5(A) 参照〕、これにより図5(B) に示すように、低角入射時のエネルギスペクトル(2) は高角入射時(1) に対してピーク幅の広がったものとなる。ここで、上記したように信号強度の積分範囲が入射角度に関係なく固定値で高角入射時(垂直入射時)のエネルギスペクトル(1) に適した値に設定されているとすると、低角度側のスペクトル(2) では積算が行われない部分(左右のテール部分)が生じ、これにより積分強度が不正確になるという問題が発生する。
【0005】また、CAICISSにおいて、試料を装着した状態では入射イオンビームの試料に対する入射位置と、試料の回転中心が一致しているとは限らず、その両者の位置にずれがある場合〔図6(A) 参照〕、エネルギスペクトルのピーク位置が入射角度に応じてシフトするという現象が発生し、このような状況となったときに、信号強度の積分範囲が固定値であると、図6(B) に示すように、積分強度を正確に算出できなくなる。
【0006】本発明はそのような事情に鑑みてなされたもので、信号強度の積算値を正確に求めることができ、もって結晶試料表面の構造解析を高精度で行うことができる同軸形直衝突イオン散乱分光装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の分光装置は、実施例に対応する図1に示すように、イオンビームを試料Sに入射させその入射位置から散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を検出し、その検出値をエネルギスペクトル情報として出力する測定装置1と、試料Sに対するイオンビームの入射角度を所定ステップで変化させる測定パラメータに基づいて測定装置1を操作する測定実行部3aと、その測定ごとに測定装置1が出力する検出値から得られるエネルギスペクトルに対し積分範囲を設定して信号強度の積算値を求める演算部3bと、その信号強度の積算時に設定する積分範囲を、試料Sへのイオンビームの入射角度に応じて補正する補正処理部3dを備えていることによって特徴づけられる。
【0008】なお、本発明において補正処理部3dには、■試料への入射イオンビームのビーム径及び着目する元素の質量数等の測定条件等を用いて、例えば、イオンビームの入射角度αが、垂直入射時(α1 =90°)から角度α2 となったときにエネルギスペクトルのピーク幅がどれほど広がるのかを計算して、その計算値を用いて信号強度積分範囲を補正する処理(図2参照)と、■入射角度の変更ごとに得られるエネルギスペクトルのピーク位置をサーチし、その見つかったピーク位置に対して信号強度積分範囲を設定するという処理(図3参照)の二つの処理を実行する機能を設けておく。
【0009】
【作用】着目する元素の信号強度の積分範囲が、試料に対する入射イオンビームの入射角度に応じて補正されるので、ビームの入射角度の大小によって発生する影響を除去することができる。
【0010】ここで、イオンビームのビーム径を用いてエネルギビームのピーク幅を入射角度ごとに計算すれば、高角入射時から低角側へと移行する時などにおいてピーク幅の広がりによる影響を補正できる。
【0011】また、測定で得られたエネルギスペクトルのピーク位置を見つけて、そのピーク値に対して積分範囲を設定すれば、入射イオンビームの試料への入射位置と試料の回転中心との位置のずれによる影響を除去することができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明実施例の構成を示すブロック図である。まず、この例の分光装置は、イオン散乱測定装置1、入力装置2、演算処理装置3及びCRT等の表示器4によって構成されている。
【0013】イオン散乱測定装置1は、イオン源1aからのイオン(He+ )ビームを試料Sに照射し、そのイオン照射により試料Sから散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を、イオン源1aと同軸上に配置した検出器(MCP)1bで検出して、その散乱強度の検出値を出力する装置である。また、この測定系において、試料Sはステージ(ゴニオメータ)1cに保持され、そのステージ1cの回転駆動により試料Sに対するイオンの入射角度αを任意に設定できる。
【0014】入力装置2はキーボード等であって、入射イオンと着目するイオンの各元素種(質量数含む)、入射イオンのエネルギ及びビーム径、並びに測定パラメータの範囲などの測定条件を演算処理装置3に入力することができる。ただし、この例の装置ではイオン散乱強度の角度依存性を測定するので、測定パラメータの範囲として、入射角度を変化させる範囲とその角度変化の幅(ステップ)を入力するものとする。
【0015】一方、演算処理装置3は、例えばコンピュータであって、測定実行部3a、データ処理演算部3b、表示制御部3c及び補正処理部3dの各機能部が設けられている。
【0016】測定実行部3aは、入力された測定パラメータ(イオン入射角度;α)の設定値に基づいてイオン散乱測定装置1の測定動作を制御する機能部で、ステージ1cを制御して、まずはイオン入射角を測定範囲の初期値に設定し、次いで入射角を設定ステップで順次に変化させてゆき、その各角度設定ごとにイオン散乱測定装置1にスタート指令信号を供給するという制御を行うように構成されている。
【0017】データ処理演算部3bは、イオン散乱測定装置1による測定が実行されるごとに、その測定装置1の出力を採り込んで、この採取した値つまり散乱強度の検出値から得られるエネルギスペクトルに対し積分範囲を設定して、信号強度の積算値を求めるように構成されており、その信号強度の積算値を表示制御部3cに出力する。ただし、信号強度の積算値を求めるための積分範囲は、後述する補正処理部3dによりイオンビームの入射角度に応じて補正される。
【0018】表示制御部3cは、表示器4の画面上に複数の表示領域(ウインドウ)を設定するといった表示法が可能で、その一つの表示領域に測定パラメータを数値で表示したり、また、他の表示領域に、データ処理演算部3bの演算結果つまり信号強度を折線グラフでプロットする等の表示を行うことができる。
【0019】さて、本発明実施例において注目すべきところは、補正処理部3dが以下の二つの機能■及び■を備えている点にある。
■入力装置2により入力されたデータのうち測定パラメータとしての入射イオンビームの角度α及びビーム径R等の測定条件を用いて、次の計算式【0020】
【数1】

【0021】
V:入射イオンの速度〔V=(2E/m)1/2
E:入射イオンのエネルギm:入射イオンの質量数M:着目元素の質量数によりΔtを求めて、この計算値Δtを用いて信号強度積分範囲を補正してデータ処理演算部3bに設定する。
【0022】ここで、Δtは、図2に示すように、二つの入射角度α1 とα2 (α1 >α2)においてエネルギスペクトルのピーク幅の広がりの差(Δt=t1 −t2 )であって、この計算値Δtでもって入射角度による影響を除去できる。
【0023】その補正の具体的な処理としては、例えば、イオンビームの垂直入射時(α1=90°)を基準として、その角度α1 でのエネルギスペクトルに対して積分範囲を決定し、次いで、測定パラメータの各角度をα2 として上記の計算式を用いてΔtを各ステップの角度ごとに求めておき、その各計算値を用いて先に決定した積分範囲を補正して、その補正後の範囲をデータ処理演算部3bに順次に設定してゆくという手法を採用し、このような補正処理を実行ことにより高角入射時と低角入射時とのピーク幅の相違による影響を無くすことができる。
【0024】■イオンビームの入射角度が変更されるごとに、データ処理演算部3bからエネルギスペクトルの測定データを採り込んでそのピーク位置をサーチし、見つけたピーク位置に対して積分範囲を設定する。
【0025】この場合の具体的な処理は、図3に示すように、入射角度α=α1 のエネルギスペクトルに対して積分範囲a〜bを設定し、次いで入射角度α2 の条件でエネルギスペクトルが測定された時点で、そのスペクトルのピーク位置をサーチし、この角度α2 と先の角度α1 とのピーク位置の差を求めて、その位置ずれ分δだけ、積分範囲a〜bを横軸方向にシフトして新たな積分範囲a’〜b’を設定するといった処理で、このような処理を入射角度が変更されるごとに実行してゆくことにより、入射イオンビームの試料に対する入射位置と試料の回転中心とが一致していない場合であっても、その位置ずれによる影響は補償される。
【0026】そして、以上の■及び■の双方の処理を実行することより、正確な信号強度積算値を得ることができる。すなわち、■の処理を測定前に実行しておき、測定中■の処理を実行し、その■の処理において、積分範囲a〜bをシフトして新たな積分範囲a’〜b’を設定する際に、■の処理つまり計算値Δtを用いた積分範囲の補正を同時に行うことによって、ピーク幅の広がりによる影響と、イオン入射位置のずれによる影響の双方を同時に除去することができ、その結果、より正確な信号強度の積算値を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分光装置によれば、着目する元素の信号強度の積分範囲を、試料に対する入射イオンビームの入射角度に応じて補正するように構成したので、イオンビームの入射角度が高角側から低角側へと移行する際のエネルギスペクトルのピーク幅の広がりや、入射イオンビームの試料への入射位置と試料の回転中心との位置ずれ等、ビームの入射角度の大小によって発生する影響を除去することができる。これにより信号強度の積算値を正確に求めることが可能なり、その信号強度の入射角依存性を正しく評価できる結果、結晶試料表面の構造解析の精度が向上する。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013