米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社島津製作所

発明の名称 ジョセフソン素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−204245
公開日 平成8年(1996)8月9日
出願番号 特願平7−13652
出願日 平成7年(1995)1月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西田 新
発明者 藤山 陽一
要約 目的
準平面型のジョセフソン接合と同様に作成が容易で、しかも接合部が最外層にくることなく、経時的な特性劣化の少ないジョセフソン素子を提供する。

構成
2つの超伝導体薄膜1,2を、超伝導体の酸化物または窒化物からなる絶縁膜3を介して積層し、その絶縁膜3には、部分的に酸化または窒化されていない超伝導体領域を形成し、その絶縁膜3の超伝導体領域4によって2つの超伝導体薄膜1,2を相互に接合した構造とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 2つの超電導体薄膜が、超電導体薄膜の酸化物もしくは窒化物からなる絶縁膜を介して積層されているとともに、その絶縁膜には、部分的に酸化または窒化されていない超電導体領域が形成され、その絶縁膜の超電導体領域によって上記2つの超電導体薄膜が相互に接合されてなるジョセフソン素子。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジョセフソン素子に関し、例えば生体磁気等の微弱磁界の計測等に用いられるSQUIDや、ミリ波検出素子等のほか、ジョセフソン接合部を有するあらゆる素子に対して適用可能なジョセフソン素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン接合には、従来、大きく分けてトンネル型とマイクロブリッジ型(弱結合型)の2つのタイプが知られている。このうち、トンネル型は最も一般的に用いられているタイプであり、2つの超電導体薄膜の間を、薄い絶縁膜(バリア)によってトンネル接合した構造である。一方、マイクロブリッジ型は2つの超電導体薄膜を微小なブリッジ(弱結合部)によって接合した構造を持ち、平面上に設けた2つの超電導薄膜間を同じ平面上に形成されたブリッジで接合する構造の平面型のほかに、2つの超電導体薄膜を絶縁膜を介して部分的に積層するとともに、その積層部分において上下の超電導薄膜を、これら両者の表面に跨がるようなブリッジを形成した構造の準平面型のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の各タイプのジョセフソン接合のうち、トンネル型は数十Å程度の極めて薄い絶縁膜(バリア)が必要であって、高度な膜作成技術を要求されて作成が困難であり、また、接合部のサイズを小さくできないために低ノイズ化が困難であると言われている。
【0004】一方、マイクロブリッジ型は、原理的に接合部のサイズが小さいために低ノイズ化には有利であるが、ブリッジの断面積、長さを非常に小さくする必要があるため、平面上の微細加工に頼らざるを得ない平面型のものでは、接合部の作成が極めて困難である。
【0005】これに対しマイクロブリッジ型のうちの準平面型のものは、ブリッジの長さ(ウィークリンク長)は絶縁膜の膜厚によって決まり、また、その超伝導体薄膜としてNb等を用いる場合に絶縁膜は数百Å程度でよく、トンネル型の絶縁膜よりも作成が容易で、しかもその程度の厚さの膜ではその膜厚制御が比較的容易であるために、平面型のマイクロブリッジに比してウィークリンク長を容易に、かつ、再現性よく短くすることができる点において有利である。
【0006】しかし、準平面型のジョセフソン接合では、絶縁膜を介して互いに積層された2つの超電導薄膜の双方に跨がるブリッジを形成する関係上、ジョセフソン接合部が素子の最外層にあるため、外界の影響によって接合特性が経時的に劣化しやすいという欠点がある。
【0007】本発明の目的は、準平面型のジョセフソン接合と同様に比較的作成が容易で、しかも接合部が最外層にくることなく、もって経時的な接合特性の劣化が少ないジョセフソン素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための構成を、実施例図面である図1を参照しつつ説明すると、本発明のジョセフソン素子は、2つの超電導体薄膜1,2が、超電導体の酸化物もしくは窒化物からなる絶縁膜3を介して積層されているとともに、その絶縁膜3には、部分的に酸化または窒化されていない超電導体領域4が形成され、その絶縁膜3の超電導体領域4によって2つの超電導体薄膜1と2が相互に接合されていることによって特徴づけられる。
【0009】ここで、本発明は、絶縁膜3中の超伝導体領域4の両端がそれぞれ直接的に超伝導体薄膜1および2に接触している状態のほか、後述する製造工程の都合により、超伝導体領域4の一端といずれかの超伝導体薄膜1または2の間に、近接効果を発揮する物質の微小片が介在してもよい。
【0010】
【作用】絶縁膜3中の超電導体領域4は、その上下に存在する2つの超電導薄膜1および2を相互に接合するマイクロブリッジを構成する。このジョセフソン接合のウィークリンク長は、準平面型のマイクロブリッジと同様に絶縁膜3の厚さで決まり、しかもそのウィークリンク長は百ないし数百Å程度でよいため、その作成の困難性はなく、膜厚の制御性並びに再現性は良好である。そして、このようなマイクロブリッジが2つの超電導体薄膜1と2で挟まれた内側に存在するが故に、外部雰囲気等の影響を受けにくく、経時的な劣化は生じにくい。
【0011】
【実施例】図1は本発明の基本的実施例の構造を示す模式的断面図である。基板10の上に下部電極1が形成され、その上方に絶縁膜3を介して上部電極2が積層されている。この例において下部電極1および上部電極2は、いずれもNb超伝導薄膜である。
【0012】絶縁膜3はNb超伝導体の酸化物、例えばNb2O5 、であり、膜厚は4〜500Å程度で、その略中央部は局部的に酸化されておらず、従ってこの非酸化領域はNbからなる超伝導体領域4となっている。そして、この絶縁膜3内の超伝導体領域4が、下部電極1と上部電極2間を接合する弱結合型のジョセフソン接合部を形成している。
【0013】このような構造によると、ジョセフソン接合部を形成する超伝導体領域4は、その上下が下部および上部電極1および2により、また、周囲が絶縁膜3によって覆われ、外界に対して実質的に隔離されているため、雰囲気等の影響によって経時的に特性が劣化することがない。
【0014】次に、以上の本発明実施例の製造方法について述べる。図2〜図4はその製造手順の説明図で、各図において(A)は平面図を、(B)はそのB−B断面図を示している。
【0015】まず、基板10上に一様なNb超伝導薄膜を形成して、フォトリソグラフィ技術等を用いて下部電極1をパターニングした後、図2に示すように、その下部電極1の表面に、ジョセフソン接合部を形成したい位置にEB露光装置等を用いて微小なドット状のレジストパターン20を形成する。
【0016】次に、図3に示すように、レジストパターン20を介在させて下部電極1の表面の陽極酸化を行う。これにより、下部電極1の表面は、レジストパターン20の形成部分を除いて全面的に酸化してNb2O5 からなる絶縁膜3となる一方、レジストパターン20の直下部分は酸化せずNb超伝導体のまま残り、絶縁膜3内に局部的に形成された超伝導体領域4となる。
【0017】その後、レジストパターン20を除去した後、絶縁膜3の上方からのNb超伝導体薄膜の形成とパターニングにより、下部電極1と絶縁膜3の上に積層された上部電極2を形成する。これにより、図1に示した構造のジョセフソン素子が得られる。
【0018】ここで、本発明のジョセフソン接合部はブリッジ型のジョセフソン接合の一種に当たり、従ってそのブリッジ長は数百Å程度に短くする必要があるが、本発明の素子構成によるとそのブリッジ長は絶縁膜3の膜厚に依存する。この絶縁膜3の膜厚は、100Å〜1000Åの範囲では再現性よく簡単に制御することができる。また、ブリッジ型のジョセフソン接合では、ブリッジ長のほかにブリッジ幅(断面積)も小さくする必要があるが、上記した陽極酸化工程を用いた製造方法によると、レジストパターン20で覆われることにより酸化されない領域は、その周囲の露呈表面等からの酸素の進入により、実際のレジストパターン20のサイズよりも目減りし、その分、超伝導体領域4のサイズ(断面積)が減少し、EB露光によるレジストパターン20の作成限界のサイズよりも小さなサイズの超伝導体領域4が得られ、平面上での微細加工の限界を超えたブリッジ幅を持つマイクロブリッジ型のジョセフソン接合が得られる。
【0019】次に、以上のような本発明実施例をDC−SQUIDリングに適用した具体例を示す。図5はその全体構成を示す平面図(A)と、そのB部拡大図(B)である。
【0020】この例において、下部電極1は、リングの一部が切り欠かれ、その切り欠かかれたリングの両端部がリング外方に伸びて引き出し部1a,1bを形成するパターンを有しており、その下部電極1の2本の引き出し部1a,1bの上に跨がるように、各引きだし部1a,1bの表面を酸化することによって形成された絶縁膜3(図示せず)を介して上部電極2が形成されている。下部電極1および上部電極2はそれぞれNb超伝導体薄膜であり、その間の絶縁膜3は前記した実施例と同様にNb2O5 である。そして、この上部電極2と、下部電極1の各引き出し部1a,1bとが積層されている部分の、それぞれの絶縁膜3に、図1に示した構造の超伝導体領域4がそれぞれ形成されている。このような構造により、下部電極1と上部電極2はこれらの間に介在する絶縁膜3内に局所的に形成された微細な超伝導体領域4,4によって2箇所で接合され、全体として超伝導ループ内に2つのジョセフソン接合部が存在するDC−SQUIDリングが得られる。
【0021】ここで、このようなDC−SQUIDリング等のジョセフソン素子では、その素子が持つ接合容量が問題となることがある。本発明のジョセフソン素子の構造によると、ジョセフソン接合部である超伝導体領域4の面積を相当に小さくすることができ、また、下部および上部電極1および2間の距離は、トンネル接合(50Å程度)に比して相当に厚く(数百Å〜千Å程度)できるため、接合容量を極めて小さくすることが可能であるという利点もある。
【0022】なお、前記した製造方法では、絶縁膜3の形成に陽極酸化法を用いたが、その他に熱酸化やUV−O3 による酸化、あるいはプラズマ酸化等の方法も用いることができる。また、絶縁膜は超伝導体の酸化物に限らず、窒化により絶縁化する超伝導体薄膜を用いる場合には窒化物であってもよく、窒化物の場合にはプラズマ窒化によって絶縁膜を形成することができる。更に、超伝導体薄膜としてはNbに限らず、酸化または窒化によって絶縁化する超伝導体薄膜であれば任意のものを使用することができることは勿論である。
【0023】また、絶縁膜3の形成に際して、レジストパターン20の周囲からの酸素の回り込みによる、非酸化領域の目減りが激しく、下部および上部電極1と2との間を接続する超伝導体領域4が形成されにくい場合には、レジストパターン20に加えて例えばAu等の近接効果を発揮する物質の微小パターンをマスクとして酸化処理をすればよい。すなわち、前記した製造工程において、下部電極1のパターニングの後、その上に一様にAu薄膜等の近接効果を発揮する物質の薄膜を形成する。そして、その上に図2に示したものと同等のレジストパターン20を形成し、これをマスクとしてAu薄膜をスパッタエッチング等によってパターニングし、下部電極1の上に微小なAuパターンを形成する。そして、その微小Auパターンを介在させた状態、あるいは更にその上にレジストパターン20を介在させた状態で、陽極酸化等によって下部電極1の表面を酸化させることで、下部電極1の表面に、局部的な非酸化領域つまり超伝導体領域4を持つ絶縁膜3を形成する。その後、その上に上部電極2を形成するに当たり、レジストパターン20を残している場合にはこれを取り除くが、微小Auパターンについてはこれを取り除いてもよいが、これを取り除くことなく、その上から上部電極2を形成してもよい。微小Auパターンを取り除かない場合、図6に模式的断面図を示すように、下部電極1と上部電極2は、超伝導体領域4および微小Auパターン60を介して接続された構造となるが、AuはNb超伝導体に対して近接効果を発揮するため、下部および上部電極1と2は、超伝導体領域4および微小Auパターン60を介して弱結合され、前記した実施例と全く同様の作用効果を奏することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、2つの超伝導体薄膜を、超伝導体薄膜の酸化物または窒化物からなる絶縁膜を介して積層し、その絶縁膜に局所的に設けた超伝導体領域によって2つの超伝導体薄膜を接合してマイクロブリッジ型のジョセフソン接合部を形成しているから、ブリッジが上下の超伝導体薄膜および絶縁膜によって外界に対して隔離することができ、準平面型のブリッジのように外界の影響等による接合特性の経時的な劣化が生じず、特にSQUID等のデバイスを作成する場合に、後のプロセスの自由度が大きくとれるという利点に繋がる。
【0025】また、絶縁膜内に形成された超伝導体領域によるブリッジは、そのブリッジ長が絶縁膜の膜厚によって決まり、しかも超伝導体薄膜としてNb等を用いた場合に要求されるブリッジ長は数百Å程度と、良好な制御性のもとに再現性よく作成可能な膜厚であるため、所望のブリッジ長を持つ高精度のジョセフソン素子を再現性よく得ることが可能となり、トンネル接合型のジョセフソン接合に比して素子の作成が容易で、しかも、絶縁膜の膜厚を厚くできる分だけ、接合容量を減少させることができ、この点においてもSQUID等のデバイスへの応用に際して大きな利点となる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013