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発明の名称 走査型電子線回折装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−203460
公開日 平成8年(1996)8月9日
出願番号 特願平7−11727
出願日 平成7年(1995)1月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 義明
発明者 丸井 隆雄
要約 目的
試料の結晶状態の分布を表す低倍率から高倍率までの走査像を分解能よく得る。

構成
光軸方向に並べた2つの対物レンズ4と5の間に2段の走査コイル5を配設する。低倍率の走査像観察時には対物レンズ(上)4のみで電子ビームを収束して走査コイルでビームを平行走査し、高倍率時には対物レンズ(下)6のみで電子ビームを収束して走査コイルでビームを通常走査する。
特許請求の範囲
【請求項1】 電子ビームを発生する電子銃とその電子ビームを細く絞る対物レンズとその電子ビームを走査する走査コイルを有する走査型電子線回折装置において、電子ビームを試料面に収束させるための対物レンズを光軸方向に互いに離隔して2個設け、この2つの対物レンズ間に2段の走査コイルを配設したことを特徴とする走査型電子線回折装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細く絞った電子線で試料面を走査し試料から2次的に発生する回折電子線を用いて試料の観察・分析を行う走査型電子線回折装置に関し、とくに電子ビームの収束および走査機構の改良に関する。ここでいう走査型電子線回折装置は走査型電子回折顕微鏡と呼ばれるときもある。
【0002】
【従来の技術】細く絞った電子線を走査しながら試料に照射する装置では、従来図3に示すような対物レンズと走査コイルの配置が用いられていた。なかでも試料に電子ビームを照射する方向が重要な走査型電子線回折装置では主に図3(a)に示す配置が用いられていた(特開平2−216746参照)。この配置は対物レンズ51の下(試料側)に2段の走査コイル52を配設するもので、対物レンズ21で電子ビーム53を収束したあとで走査コイル52でその電子ビームを平行走査するので試料54に対して電子ビームを同一方向から照射することができる。
【0003】図3(b)に示す配置は主に走査型電子顕微鏡で用いられているもので、電子ビームをより細くするために対物レンズと試料との距離を短くして縮小率をかせぎ、走査コイルは対物レンズの上(電子銃側)に配設している。このとき電子ビームが対物レンズの中央を通らないと対物レンズによる収差が大きくなって電子ビームが絞れないので、図に示すように電子ビームは常に対物レンズの中央を通るように走査される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3(a)に示す配置は電子ビームを平行に保ったまま走査でき、試料に対して同一方向から電子ビームを照射できるので走査型電子線回折装置に適しているが、対物レンズと試料との距離が比較的大きいので電子ビームの直径をおよそ100nm以下にすることがむずかしい。したがって分解能が不足するので高倍率の走査像を得ることができなかった。
【0005】一方、図3(b)に示す配置では電子ビームの直径をおよそ10nmさらにそれ以下にすることができるので高倍率の走査像を得ることができるが、この配置は試料に電子ビームが当たる方向が走査につれて変化するので、この配置を走査型電子線回折装置に適用するのは一般的には好ましくない。しかし高倍率の観察に限れば、電子ビームが試料に当たる方向の変化はごく僅かなので、この配置を走査型電子線回折装置に適用することができる。
【0006】本発明の目的は低倍率から高倍率まで観察できる走査型電子線回折装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を解決するために、電子ビームを発生する電子銃とその電子ビームを細く絞る対物レンズとその電子ビームを走査する走査コイルを有する走査型電子線回折装置において、電子ビームを試料面に収束させるための対物レンズを光軸方向に互いに離隔して2個設け、この2つの対物レンズ間に2段の走査コイルを配設した。
【0008】
【作用】2段の走査コイルの上(電子銃側)と下(試料側)にそれぞれ対物レンズを設けたので、低倍率のときと高倍率のときに対物レンズおよび走査コイルの動作をそれぞれ設定することによって両方の条件に適した動作を得ることができる。すなわち図2(a)に示すように、低倍率のときには下の対物レンズを働かさないで図3(a)と同様に動作させ、高倍率のときには図2(b)に示すように、上の対物レンズは働かさないで図3(b)と同様に動作させるものである。そうすることによって低倍率から高倍率まで適当な分解能と試料への照射方向をもった走査型電子線回折装置を実現できる。
【0009】
【実施例】図1は走査型電子線回折装置の概略図であり、本発明の一実施例である。電子ビーム10は電子銃1で発生させ、コンデンサレンズ2と絞り3によってビーム電流が調節される。対物レンズ(上)4または対物レンズ(下)6によって細く収束された電子ビームが試料7に照射されると、試料7の結晶状態に応じて回折電子線11が反射され、蛍光板8のうえに回折パターンを描き、そのうちの一つの回折スポットの輝度が検出器9によって検出される。走査電源13からの信号が走査コイル5に供給されて電子ビームが試料面上を走査されるが、それに同期してCRT12に検出器9からの輝度信号が与えられることによってCRT12の画面に試料の結晶状態の分布を表す走査像が得られる。
【0010】対物レンズ電源14からの電流は切替器15によって電流が流れる対物レンズ4または6が選ばれるようになっている。ただしこれは対物レンズ(上)4用と対物レンズ(下)6用の対物レンズ電源をそれぞれ別に設けておいて、2つの対物レンズに流れる電流を個別に制御してもよい。図ではコンデンサレンズは1段で描いているが、これは2段またはそれ以上であってもよい。また走査コイル5は2段のそれぞれにX軸用とY軸用のコイルを備えており、電子ビームを2次元的に走査できるものである。
【0011】本発明の主要部であるビーム収束用対物レンズとビーム偏向用走査コイルの配置を図2に示す。光軸方向に並べて配置した2つの対物レンズ(上)4と対物レンズ(下)6の間に2段の走査コイル5が配設されている。低倍率の走査像を得る場合には図2(a)に示すように電子ビームを走査する(これを低倍率モードと呼ぶ)。このモードでは切替器15の設定によって、対物レンズ(下)6には電流を流さず働かさない状態にしておき、対物レンズ(上)4のみを使って電子ビーム10を試料7の面上にフォーカスさせる。電子ビームは、ビームが平行状態を保ったまま試料面に対して一定の方向から電子が照射されるように2段の走査コイルによって走査される。このためには2段の走査コイルのうち上側のコイル5aに電流Iを流したとすると下側のコイル5bには向きが反対で大きさの等しい電流−Iを流せば良い。低倍率のときは試料面上の比較的広い範囲を走査するが、上述したように電子ビームは常に試料面に対して一定の方向から照射されるので回折の条件を乱すことがない。また低倍率の像であるから電子ビームの直径が少々大きくても観察像の分解能には問題がない。
【0012】走査像の倍率を高くしていくと、図2(a)の動作では対物レンズ(上)4と試料7との距離が比較的離れているので、電子ビームの直径を小さくできないために分解能が不足し像がぼやけてくる。その様な高倍率で走査像を得るときには図2(b)に示した動作に切り替える(これを高倍率モードと呼ぶ)。このとき切替器15を切り替えることによって、対物レンズ(上)4には電流を流さず働かさない状態にしておき、対物レンズ(下)6のみを使って電子ビーム10を試料7の面上にフォーカスさせる。対物レンズ(下)6と試料7の距離は短いから縮小率をかせぐことができ、電子ビームの直径を小さくできる。したがって高倍率にしても走査像がぼやけることがなく鮮明な像が得られる。このときの走査の方法は電子ビームが対物レンズ(下)6の中央を通るように2段の走査コイルで偏向される。これは対物レンズの中央を電子ビームが通らないと収差が大きくなって高倍率の像が得られないからである。このためには、コイル5aとコイル5b間の距離とコイル5bと対物レンズ(下)6間の距離が等しいと仮定すると、2段の走査コイルのうち上側のコイル5aに電流Iを流したとすると下側のコイル5bには向きが反対で大きさが2倍の電流−2Iを流せば良い。このように走査すると試料面に対する電子ビームの照射方向が走査につれて僅かに変化することになるが、高倍率の像を得る場合には試料面上の走査範囲はきわめて小さいので、その照射方向の変化も極めて小さく問題にならない。
【0013】図2の実施例では対物レンズ(下)6には絞りは入れていないので、その中央部は数mmの開口がある。実際の大きさはそのレンズヨークの設計によって決まる値である。対物レンズの球面収差などを小さくするための絞りは対物レンズ(上)4の中央部に入れても良いし、走査コイル5より上流(電子銃側)でコンデンサレンズに付属する絞り3より下流(試料側)ならば電子ビーム軸上のどこにいれても良い。
【0014】上記の説明で高倍率モードのときは対物レンズ(上)4を動作させないと述べたが、前述したように2つの対物レンズ用の対物レンズ電源を別々に設けておいた場合に、上下の対物レンズを両方とも動作させて試料面上にフォーカスさせるようにしても良いことはもちろんである。
【0015】本発明は次のような構成を含むものである。電子ビームを発生する電子銃とその電子ビームを細く絞る対物レンズとその電子ビームを走査しながら試料に照射する走査手段を有する走査型電子回折顕微鏡において、2段のXY2軸走査手段と、その走査手段の電子銃側に第1の対物レンズと、前記走査手段の試料側に第2の対物レンズを備え、低倍率モードのときには前記第1の対物レンズを作動させ、高倍率モードのときには前記第2の対物レンズを作動させる両レンズの作動切替手段を設けたことを特徴とする走査型電子回折顕微鏡。
【0016】
【発明の効果】本発明では2つの対物レンズを用意し、その間に2段の走査コイルを設けたので低倍率モードと高倍率モードの両方の動作を選ぶことができる。低倍率モードでは電子ビームの直径によって決まる分解能を上げることよりも電子ビームが試料に同一方向から照射することを重視して正しい結晶状態の分布像が得られるようにしている。また高倍率モードでは分解能を上げることを重視して電子ビームの照射方向は犠牲にしているが、高倍率の場合のみに限定して使用するのでその影響は少ない。したがって本発明の装置では、試料への電子ビームの照射方向がそろい、低倍率から高倍率まで分解能よく観察できる走査型電子線回折装置が実現できる。




 

 


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