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発明の名称 負イオン源
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−185822
公開日 平成8年(1996)7月16日
出願番号 特願平6−327397
出願日 平成6年(1994)12月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 義明
発明者 久米 博
要約 目的
本発明は、負イオンの生成効率が高く、メインテナンスが容易な負イオン源の提供をする。

構成
アーク放電源1で発生した励起ガスビーム(ヘリウム(He),ヘリウム正イオン(He+ ),準安定励起状態のヘリウム(He* ))をスキマー2aを通過させて余分なガスを除去した後、偏向電極3及びスキマー2bによってイオン種であるHe+ を除去する。これにより、スキマー2bを通過したビームはHe* とHeのみを含むビームとなる。一方、電子銃4より発生した電子eはレンズ5で集束され磁場偏向器6でその軌道を曲げられてスキマー2bを通過したHe* ビームと並進する。このとき、He* に対する電子eの衝突エネルギーとHe* の電子親和力が略同一となるためHe* への電子eの付着は共鳴的となって、極めて高い確率でHe- が生成される。
特許請求の範囲
【請求項1】 励起ガスビームを射出するガスビーム発生源と、その射出口に対して所定の距離を隔てた位置に配置されるスキマーを備えた真空室と、この真空室に対して前記スキマーを通じて差動排気される排気室によって構成され、この排気室には、前記スキマーを通過した励起ガスビーム中に含まれるイオン種を当該ビーム軸から偏向するための偏向手段と、前記イオン種が除かれた後のビームに電子ビームを並進させる電子ビーム並進手段と、この並進により生成されたイオンを加速する電極とを配設したことを特徴とする負イオン源。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、タンデム型静電加速器に入射させる負イオンビームの発生源として用いられる負イオン源に関する。
【0002】
【従来技術】2〜3MeV程度の正インビームを比較的小型な装置で得る場合、一般にタンデム型静電加速器が用いられることが多いが、かかる加速器では、その前段において負イオン(希ガス:He- 等)ビームを発生する必要がある。
【0003】ここで、希ガス、特にHeにおいては、その基底状態では電子が付着しないため、従来、ヘリウム負イオンHe- は、まず、アーク放電等の適当な方法でヘリウム正イオンHe+ を生成し、これを10KeV 程度に加速して、その正イオンビームをアルカリ金属蒸気が存在するセル内を通過させ、荷電変換つまりアルカリ金属原子(A)から電子移動を行うことによって生成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルカリ金属からの電子移動は、(1)He+ +A→He* (23S; 準安定状態)
(2)He* +A→He- (24P; )
という2段階の過程を経るため、かかる従来の負イオン源ではヘリウム正イオンHe+ からヘリウム負イオンHe- への変換効率は高々1%程度にすぎない。また、荷電変換にアルカリ金属を利用することから、その取り扱いが難しい点、さらには、アルカリ金属蒸気による周囲の汚染が激しいため、装置のメインテナンスを十分に行う必要があるなどの問題もある。
【0005】本発明は、負イオンの生成効率が高く、メインテナンスが容易な負イオン源の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明にかかる負イオン源は、励起ガスビームを射出するビーム発生源と、その射出口に対して所定の距離を隔てた位置に配置されるスキマーを備えた真空室と、この真空室に対して前記スキマーを通じて差動排気される排気室によって構成され、この排気室には、前記スキマーを通過した励起ガスビーム中に含まれるイオン種を当該ビーム軸から偏向するための偏向手段と、前記イオン種が除かれた後のビームに電子ビームを並進させる電子ビーム並進手段と、この並進により生成されたイオンを加速する電極と、が配設されてなることを特徴とする。
【0007】さらに、本発明にかかる負イオン源は、前記電子ビーム並進手段を、前記イオン種が除かれた後のビームと略同一速度の電子を発生させる電子ビーム発生手段と、発生した電子の軌道を曲げ前記イオン種が除かれた後のビームと並進させる磁場偏向器とから構成することも可能である。
【0008】
【作用】本発明にかかる負イオン源の作用を図1に基づいて説明する。
【0009】まず、アーク放電源1で発生した励起ガスビーム(ヘリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,準安定励起状態のヘリウムHe* )をスキマー2aを通過させて余分なガスを除去した後、偏向電極3及びスキマー2bによってイオン種であるヘリウム正イオンHe+ を除去する。これにより、スキマー2bを通過したビームは準安定励起状態のヘリウムHe* とヘリウムHeのみを含むビームとなる。一方、電子銃4より発生した電子eはレンズ5で集束され磁場偏向器6でその軌道を曲げられてスキマー2bを通過した準安定励起状態のヘリウムHe* ビームと並進する。このとき、準安定励起状態のヘリウムHe* に対する電子eの衝突エネルギーと準安定励起状態のヘリウムHe* の電子親和力が略同一となるため準安定励起状態のヘリウムHe* への電子eの付着は共鳴的となって、極めて高い確率でヘリウム負イオンHe- が生成される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0011】図1に全体概略図が示される負イオン源は、大きく4つの排気室C1〜C4から構成されており、これらの各排気室C1〜C4は上流側から順次差動排気されている。
【0012】第1の排気室C1に配置されたアーク放電源1には、1気圧程度に設定されたヘリウムHeが封入されており、放電作用によってへリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,及び準安定励起状態のヘリウムHe* からなる励起ガスビームを発生する。なお、アーク放電源1の射出口1aを1mm程度にすれば、射出する励起ガスの並進エネルギーは5eV程度になり拡がりの小さい指向性の良いビームが比較的多く得られる。
【0013】アーク放電源1の射出口1a近傍にはスキマー2aが配設されており、図2に示されるように、スキマー2aによって、アーク放電源1から射出した指向性の良いビームのみが取り出され、不要なビームが排除される。このため、このスキマー2aは、次段以降の排気室C2〜C4の排気負担が軽減されるとともに、生成した準安定励起状態のヘリウムHe* が残留ガスとの衝突によって脱励起されることを防ぐ効果をもたらす。
【0014】スキマー2aを通過した励起ガスビームは、次に偏向電極3によってイオン種であるヘリウム正イオンHe+ の軌道が曲げられるため、電気的極性を持たないヘリウムHeと準安定励起状態のヘリウムHe* のみが直進してスキマー2bを通過する。
【0015】第3の排気室C3には電子eを発生する電子銃4、発生した電子を集束させるレンズ5、及び集束した電子ビームの軌道を曲げスキマー2bを通過した準安定励起状態のヘリウムHe* と並進させる磁場偏向器6とが配設されている。
【0016】図3に示されるように、電子銃4は、不図示の加熱手段によって加熱されたフィラメント4a,電子を引き出すための引出電極4b,及びフィラメント4aと引出電極4b間に所定の電位差Vを与える可変電源4cとからなり、加熱されたフィラメント4aから熱放出される電子eを引出電極4bによって適当なエネルギーまで加速することで電子ビームを発生する。そして、可変電源4cの電圧は、引出電極4bによってフィラメント4aから引き出される電子の進行速度が、スキマー2bから第3の真空室C3に入射する準安定励起状態のヘリウムHe*の進行速度と略同一になるように適宜設定されている。例えば、準安定励起状態のヘリウムHe* のエネルギーが5eVとすると、両者の進行速度vが一致するためには、v=√(2E/m)=√(2E’/M)
m,E :電子(e)の質量とエネルギーM,E’:ヘリウム(He* )の質量とエネルギーの関係から、E’=(m/M)・E 5eV/8000(1/1000)eVすなわち、可変電極4cの電圧Vを約1mV程度に設定すればよい。
【0017】図3において、レンズ5は、例えば不図示の電源により所定電位にそれぞれ設定された3つの電極5a,5b,5cとからなり、5aと5cに印加する電圧が同じである「アインツェルレンズ」で構成することができ、電子銃4で発生した電子ビームを集束させる機能を有する。これは、前後の電極5aと5cにより生じる電界を対象とすることでレンズ効果を持たせたものである。
【0018】図4に示されるように、磁場偏向器6は、主に磁性体にコイルを巻き付けた上部電磁石6aと下部電磁石6bとから構成され、コイルに流す電流iを適宜設定することによって両磁石6a,6b間の磁界Bに直交する平面Pに入射する電子eの軌道を曲げる機能を有する。かかる磁場偏向器6は、図1では、この平面Pに準安定励起状態のヘリウムHe* と電子銃4で発生した電子eとが直交して入射するように配設されており、入射した電子eの軌道が90゜曲げられるように磁界Bの強度が設定されている。
【0019】第4の排気室C4には、所定電位に保持された引出電極7が配設されており、この引出電極7は、第3の排気室C3からヘリウム負イオンHe- を引き出し、負イオンビームとして外部に射出する機能を有する。
【0020】次に、本発明の動作を図1に基づいて説明する。まず、アーク放電源1で発生したヘリウムHe,ヘリウム正イオンHe+ ,及び準安定励起状態のヘリウムHe* からなる励起ガスビームは、スキマー2aで余分なガスが除去された後、偏向電極3及びスキマー2bによってイオン種であるヘリウム正イオンHe+ が除去される。これにより、スキマー2bを通過したビームは準安定励起状態のヘリウムHe* とヘリウムHeのみを含むビームとなる。
【0021】一方、電子銃4より発生した電子eは上述したように、準安定励起状態のヘリウムHe* と略同一進行速度でレンズ5を介して磁場偏向器6に入射し、その軌道を90゜曲げられてスキマー2bを通過したHe* と略同一速度で並進する。従って、電子銃4から発生した準安定励起状態のヘリウムHe* に対する電子eの衝突エネルギーと準安定励起状態のヘリウムHe* の電子親和力が略同一となるため、He* への電子eの付着は共鳴的となって、極めて高い確率でヘリウム負イオン(He- )が生成される。なお、ここで衝突エネルギーとは、準安定励起状態のヘリウムHe* に電子eが付着するために必要なエネルギーであり、電子親和力とは、準安定励起状態のヘリウムHe* の電子軌道を電子eが安定して回るためのエネルギーである。生成されたヘリウム負イオンHe- は、引出電極7で加速されて所定のエネルギーを有する負イオンビームとなる。
【0022】本発明によれば、準安定励起状態のヘリウムHe* と電子eを略同一速度で並進させるよう構成したため、共鳴的な電子移動による粒子への電子付着が生じ、負イオンの生成効率が極めて高く、装置のメインテナンスが容易な負イオン源が得られる。
【0023】また、電子ビームと準安定励起状態のヘリウムHe* を並進させるのに、発生した電子の軌道を曲げるための磁場偏向器6を用いたため、準安定励起状態のヘリウムHe* ビームの進行方向と略垂直方向から電子を照射することが可能となり、電子銃4及びレンズ5をHe* ビームの進行方向と略垂直に配設できるため第3の真空室C3のスペースを小さくできる結果、負イオン源のコンパクト化が図れる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、準安定励起状態の粒子と電子を並進させるよう構成したため、共鳴的な電子移動による粒子への電子付着が生じ、負イオンの生成効率が極めて高く、装置のメインテナンスが容易な負イオン源が得られる。




 

 


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