米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社島津製作所

発明の名称 X線装置の陽極回転制御方法およびその方法を用いたX線装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−130098
公開日 平成8年(1996)5月21日
出願番号 特願平6−292133
出願日 平成6年(1994)10月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
発明者 古郷 哲哉 / 森 達弘
要約 目的
X線曝射の繰り返し頻度が高い場合のX線管の温度上昇を低減する。

構成
ターゲットの回転起動指示とX線曝射終了の間Hの回転起動信号S1はその立ち下がりがΔT2だけ遅らされた回転起動補正信号S2に補正される。回転起動タイマは回転起動補正信号S2の立ち上がりで回転起動パルスP1を出力しターゲットを回転起動し、間欠駆動タイマは回転起動終了後、回転起動補正信号S2の立ち下がりまで間欠駆動パルスP2を出力しターゲットの回転を維持し、回転制動タイマは回転起動補正信号S2の立ち下がりで回転制動パルスP4を出力しターゲットを回転制動する。X線曝射間隔ΔT1がΔT2より短い場合、回転起動補正信号S2は最後の回転起動信号S1からΔT2経過後までHを維持し、その間回転が維持され、回転起動や回転制動は行わない。
特許請求の範囲
【請求項1】 X線装置に備えられた回転陽極X線管の回転陽極を回転制御する方法に係るX線装置の陽極回転制御方法であって、前記回転陽極が所定回転数で回転された状態で前記回転陽極X線管からの1回のX線曝射が終了した後、無条件に、または、X線曝射間隔が一定時間以下である場合に、前記回転陽極の所定回転数の回転を所定時間維持することを特徴とするX線装置の陽極回転制御方法。
【請求項2】 X線発生用の熱電子を放出する陰極と、前記熱電子を受け止めてX線を発生するターゲット(陽極)と、前記ターゲットを回転駆動するステータコイルを含む回転陽極X線管と、前記ステータコイルに回転起動、回転維持、回転制動のための電力を供給して前記ターゲットの回転を制御する回転駆動装置と、少なくとも前記ターゲットの回転起動指示と、前記回転起動指示後のX線曝射指示とを行う指示装置とを含むX線装置において、前記回転駆動装置は、(a)前記指示装置からのターゲットの回転起動が指示されたとき、前記ターゲットの回転起動が必要な場合に、前記ステータコイルに回転起動の電力を供給し、前記ターゲットを所定回転数での回転状態に回転起動する回転起動手段と、(b)前記回転起動手段による回転起動のための電力供給が終了してから、前記X線曝射指示によるX線曝射が終了するまでの間、前記ステータコイルに回転維持の電力を供給し、前記ターゲットの所定回転数での回転を維持し、かつ、無条件に、または、X線曝射間隔が一定時間以下である場合に、前記X線曝射の終了から所定時間経過するまでの間、前記ステータコイルに回転維持の電力を供給し、前記ターゲットの所定回転数での回転を維持するための回転維持手段と、(c)前記回転維持手段によるターゲットの回転維持の間に、次の回転起動指示が行われなかったとき、前記ステータコイルに回転制動の電力を供給し、前記ターゲットの回転制動を行う回転制動手段とを備えて構成されたことを特徴とするX線装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、医用診断機器などに用いられる、回転陽極X線管を含むX線装置に係り、特には、回転陽極(ターゲット)を回転制御するためのX線装置の陽極回転制御方法およびその方法を用いたX線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のX線装置は、回転陽極X線管や回転駆動装置、指示装置などを備えて構成されている。回転陽極X線管は、主知のようにX線発生用の熱電子を放出する陰極と、その熱電子を受け止めてX線を発生するターゲット(陽極)と、ターゲットを回転駆動するステータコイルなどを備えている。この回転陽極X線管からのX線の曝射は、ターゲットを所定回転数で回転させた状態で、陰極から熱電子を放出させ、陰極とターゲットとの間に高電圧を印加して行われる。ターゲットの回転は、回転駆動装置によりステータコイルに所定の電力が供給されることにより制御される。
【0003】指示装置(例えば、ハンドスイッチ)には、READYやX線曝射タイミングなどを指示するためのボタンが設けられている。READYボタンは、X線曝射の準備である、ターゲットを所定回転数で回転させる回転起動指示を与えるためのボタンであり、X線曝射の指示ボタンは、READY指示により、ターゲットが所定回転数で回転された状態で実際のX線の曝射のタイミングを指示するためのボタンである。このREADY指示により、回転駆動装置は、回転起動の電力をステータコイルに所定時間供給してターゲットを所定回転数で回転させ、その後、X線曝射指示により、実際のX線曝射が行われる。また、ターゲットは所定回転数で回転されてから、X線曝射指示がすぐに行われない場合には、ターゲットの所定回転数の回転を維持するために、回転駆動装置は、ターゲットの所定回転数の回転を維持させるための電力をステータコイルに間欠的に供給する。
【0004】ところで、ターゲットが所定回転数で回転されている状態で、ターゲットの所定回転数の回転を維持させるための電力が供給されなくなると、ターゲットの回転は減速していき自然に停止する。しかしながら、上記所定回転数以下のある範囲の回転数(共振回転数)でターゲットが回転されると、回転陽極X線管自体がぶれることが知られている。このようなX線管のぶれは、X線管を破損させる原因となるので好ましくない。そこで、従来装置では、X線曝射が終了すると、回転駆動装置が、ターゲットの回転を共振回転数以下までいっきに落とす回転制動のための電力を、ステータコイルに供給するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。この種のX線装置は、例えば、X線を用いた医用診断機器等に使用されるが、診断の種類等によっては、X線曝射の繰り返し頻度が高く(X線曝射間隔が短く)なることがある。このようにX線曝射の繰り返し頻度が高くなると、従来装置では、ターゲットの所定回転数への回転起動、回転制動、回転起動、回転制動、…の動作をX線曝射のたびに短いサイクルで行うことになる。この回転起動と回転制動は、上述したようにステータコイルへ所定の電力を供給して行われるが、上記したように回転起動と回転制動が短いサイクルで繰り返されると、この電力供給によるステータコイルの発熱が蓄積していき、X線管全体の温度上昇を招き易くなる。X線管が温度上昇すると、X線管の耐電圧不良が起きX線曝射が行われ難くなったり、ターゲットを回転自在に支持するベアリングなどの部材の寿命が低下し易くなる。また、この種のX線管には、上記耐電圧不良を未然に防止するためにX線管の温度が所定温度以上になると、X線曝射を自動的に停止するためのサーマルスイッチ(温度スイッチ)が設けられているが、上記したようにX線管の温度上昇が起こり易くなると、このサーマルスイッチがすぐに作動し、診断等に支障をきたすという問題もある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合のX線管の温度上昇を低減することができるX線装置の陽極回転制御方法およびその方法を用いたX線装置を提供すること目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、請求項1に記載の方法は、X線装置に備えられた回転陽極X線管の回転陽極を回転制御する方法に係るX線装置の陽極回転制御方法であって、前記回転陽極が所定回転数で回転された状態で前記回転陽極X線管からの1回のX線曝射が終了した後、無条件に、または、X線曝射間隔が一定時間以下である場合に、前記回転陽極の所定回転数の回転を所定時間維持することを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2に記載の装置は、X線発生用の熱電子を放出する陰極と、前記熱電子を受け止めてX線を発生するターゲット(陽極)と、前記ターゲットを回転駆動するステータコイルを含む回転陽極X線管と、前記ステータコイルに回転起動、回転維持、回転制動のための電力を供給して前記ターゲットの回転を制御する回転駆動装置と、少なくとも前記ターゲットの回転起動指示と、前記回転起動指示後のX線曝射指示とを行う指示装置とを含むX線装置において、前記回転駆動装置は、(a)前記指示装置からのターゲットの回転起動が指示されたとき、前記ターゲットの回転起動が必要な場合に、前記ステータコイルに回転起動の電力を供給し、前記ターゲットを所定回転数での回転状態に回転起動する回転起動手段と、(b)前記回転起動手段による回転起動のための電力供給が終了してから、前記X線曝射指示によるX線曝射が終了するまでの間、前記ステータコイルに回転維持の電力を供給し、前記ターゲットの所定回転数での回転を維持し、かつ、無条件に、または、X線曝射間隔が一定時間以下である場合に、前記X線曝射の終了から所定時間経過するまでの間、前記ステータコイルに回転維持の電力を供給し、前記ターゲットの所定回転数での回転を維持するための回転維持手段と、(c)前記回転維持手段によるターゲットの回転維持の間に、次の回転起動指示が行われなかったとき、前記ステータコイルに回転制動の電力を供給し、前記ターゲットの回転制動を行う回転制動手段とを備えて構成されたものである。
【0009】
【作用】請求項1に記載の方法発明の作用は次のとおりである。回転陽極が所定回転数で回転されている状態で、あるX線曝射が行われ、そのX線曝射が終了した後、回転陽極の所定回転数での回転が所定時間維持される。このとき、前のX線曝射終了から上記回転維持する時間よりも短い時間経過した時点で、次のX線曝射が行われると、回転陽極の所定回転数での回転が維持されているので、そのX線曝射のために回転陽極を所定回転数で回転させるための回転起動が不要となり、また、前のX線曝射の終了後の回転陽極の回転制動も不要となる。従って、X線曝射間隔が上記回転維持する時間よりも短い(X線曝射の繰り返し頻度が高い)場合には、最初のX線曝射のために回転陽極を所定回転数で回転させるために回転駆動すれば、それ以後、最後のX線曝射の終了後の回転陽極の回転制動まで、回転陽極の所定回転数の回転が維持されるので、その間の回転陽極の回転駆動や回転制動を行う必要がなく、無駄な回転駆動や回転制動を無くすことができる。
【0010】なお、X線曝射終了後の回転陽極の所定回転数の回転維持の上記所定時間は、例えば、回転起動と回転制動との繰り返しによるX線管の温度上昇が許容範囲の最大となるときのX線曝射間隔以上に設定すれば、X線管の温度上昇が許容範囲を越えるようなX線曝射の繰り返し頻度が高い場合の無駄な回転駆動や回転制動を無くすことができる。
【0011】また、X線曝射終了後の回転陽極の所定回転数の回転維持を、X線曝射間隔が一定時間以下である場合、すなわち、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合にのみ行うと、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合には、強制的な回転維持を行わないので、回転陽極の不要な回転を無くすことができる。
【0012】また、請求項2に記載の装置発明の作用は次のとおりである。指示装置からのターゲットの回転起動が指示されたとき、例えば、ターゲットが停止状態である場合のように、回転起動が必要な場合、回転起動手段は、ステータコイルに回転起動の電力を供給し、ターゲットを所定回転数での回転状態に回転起動する。回転起動手段による回転起動のための電力供給が終了してから、X線曝射指示によるX線曝射が終了するまでの間、回転維持手段は、ステータコイルに回転維持の電力を供給し、ターゲットの所定回転数での回転を維持している。そして、指示装置からのX線曝射指示に従いX線曝射が行われると、回転維持手段は、無条件に、または、X線曝射間隔が一定時間以下である場合に、X線曝射の終了から所定時間経過するまでの間、ステータコイルに回転維持の電力を供給し、ターゲットの所定回転数での回転を維持する。この回転維持の間に、次のX線曝射のための回転起動指示が行われなければ、回転制動手段は、ステータコイルに回転制動の電力を供給し、ターゲットの回転制動を行う。また、上記回転維持の間に、次のX線曝射のための回転起動指示が行われれば、回転制動手段はターゲットの回転制動を行わず、また、ターゲットは所定回転数の回転を維持しているので、次のX線曝射のための回転起動は不要となり、回転起動手段は、回転起動のための電力をステータコイルに供給しない。
【0013】これにより、X線曝射の繰り返し頻度が高い(X線曝射間隔が短い)場合、上記請求項1と同様の作用を奏することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。図1は、この発明に係るX線装置の概略構成を示す図であり、図2は、X線装置に備えられる回転陽極X線管の概略構成を示す断面図である。
【0015】図1に示すように、このX線装置は、回転陽極X線管1、高電圧装置2、回転駆動装置3、指示装置(ハンドスイッチ)4、X線制御装置5などを備えて構成されている。
【0016】回転陽極X線管1は、図2に示すように、ケーシング10内の真空排気されたガラスバルブ11内に、熱電子を放出する陰極12、熱電子を受け止めてX線を発生する傘型のターゲット(陽極)13、ベアリング14を介してターゲット13の回転軸15を回転自在に指示する固定軸16、回転軸15に取り付けられてステータコイル17の回転磁界により回転駆動させるロータ18を封入し、ターゲット13から発生するX線をケーシング10に設けたX線放射窓19で透過して外部に照射するようになっている。
【0017】X線曝射は、ターゲットを所定回転数(例えば、9000rpm )で回転させた状態で、陰極12から熱電子を放出させ、高電圧発生装置2から陰極12とターゲット13との間に高電圧を印加して行われる。
【0018】図1に戻って、ハンドスイッチ4にはREADYを指示するためのボタン41と、X線曝射タイミングを指示するためのボタン42が設けられている。READYボタン41は、X線曝射の準備である、ターゲット13を所定回転数で回転させる指示を与えるためのボタンであり、X線曝射の指示ボタン42は、READY指示により、ターゲット13が所定回転数で回転された状態で実際にX線の曝射のタイミングを指示するためのボタンである。
【0019】X線制御装置5は、ハンドスイッチ4からの指示に従って、後述する回転起動信号を回転駆動装置4に供給して、ターゲット13の回転を制御するとともに、回転陽極X線管1への高電圧の印加のタイミングを高電圧発生装置2に与える。
【0020】回転駆動装置4は、この発明の要部でありその詳述は後述するが、この装置4では、ターゲット13を停止状態から所定回転での回転状態にさせる回転起動やターゲット13の所定回転数での回転を維持させる間欠駆動、さらに、ターゲット13を所定回転数の回転状態から共振回転数以下の回転数の回転状態までいっきに落とす回転制動などを行う。
【0021】例えば、このX線装置を医用診断機器に用いた場合、術者(医師)は、ハンドスイッチ4のREADYボタン41を押下してターゲット13を所定回転数で回転させ、診断のタイミングを計ってX線曝射を指示するボタン42を押下してX線を曝射させる。
【0022】次に、この発明の要部である回転駆動装置の第1実施例を図3ないし図6を参照して説明する。図3は、第1実施例に係るX線装置に備えられた回転駆動装置の概略構成を示すブロック図であり、図4は、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合の動作を示すタイミングチャート、図5は、READYからX線曝射指示までが長い場合のタイミングチャート、図6は、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合の動作を示すタイミングチャートである。
【0023】図3中、符号21はX線制御装置5から供給される回転起動信号S1を受け取り、後述する回転起動補正信号S2を出力する補正タイマである。補正タイマ21から出力される回転起動補正信号S2は、回転起動タイマ22、間欠駆動タイマ23、回転制動タイマ24に供給される。
【0024】回転起動タイマ22は、回転起動補正信号S2の立ち上がりに同期して回転起動パルスP1を出力し、OR回路25に供給する。間欠駆動タイマ23は、回転起動パルスP1が立ち上がってから立ち下がるまでの時間が経過した後(この回転起動パルスP1の立ち上がりから立ち下がりまでの時間は予め決められており既知である)、回転起動補正信号S2の立ち下がり(この立ち下がりは、後述する回転制動タイマ24から出力する回転制動パルスP4の立ち上がりと一致する)までの間、間欠駆動パルスP2を出力し、OR回路25に供給する。OR回路25は、回転起動パルスP1と間欠駆動パルスP2の論理和をとったパルスP3を回転駆動信号として出力し、電力供給部26に供給する。
【0025】また、回転制動タイマ24は、回転起動補正信号S2の立ち下がりに同期して回転制動パルスP4を出力して電力供給部26に供給する。電力供給部26では、パルスP3に基づき、ターゲット13を回転駆動したり所定回転数の回転を維持するための電力(180Hzの交流電圧)をステータコイル17に供給し、回転制動パルスP4に基づき、ターゲット13を回転制動するための電力(50〜60Hzの交流電圧)をステータコイル17に供給する。
【0026】なお、この実施例では、補正タイマ21と回転起動タイマ22と電力供給部26がこの発明における回転起動手段に、補正タイマ21と間欠駆動タイマ23と電力供給部26がこの発明における回転維持手段に、補正タイマ21と回転制動タイマ24と電力供給部26がこの発明における回転制動手段にそれぞれ相当する。
【0027】次に上記実施例の動作を、まず、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合について図4を参照して説明する。X線制御装置5は、ハンドスイッチ4の各ボタン41、42の押下状態に従って、回転起動信号S1を補正タイマ21に供給する。この回転起動信号S1は、ボタン41が押下られREADYが指示されたとき立ち上がり、ボタン42の押下が解除されX線曝射が終了したとき立ち下がる信号であり、各ボタン41、42の押下と解除の繰り返し(X線曝射の繰り返し)ごとに図4に示すように補正タイマ21に供給される。
【0028】補正タイマ21では、供給された回転起動信号S1に基づき回転起動補正信号S2を出力する。この回転起動補正信号S2は、図4に示すように、回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2だけ遅らせた信号である。
【0029】回転起動タイマ22は、回転起動補正信号S2の立ち上がり(回転起動信号S1の立ち上がりと同じ)に同期して、図4に示すような回転起動パルスP1を出力する。この回転起動パルスP1は、回転起動補正信号S2の立ち上がりで立ち上がり、所定時間(t1)だけ”H”レベルを維持して立ち下がるパルスである。電力供給部26は、回転起動パルスP1が”H”レベルの間、ターゲット13を回転起動する電力をステータコイル17に供給する。これにより、ターゲット13は、停止状態から所定回転数で回転される。上記t1は、ターゲット13を停止状態から所定回転数で回転されるまでに必要な電力の供給時間であり、例えば、2〜3秒程度である。
【0030】上記ハンドスイッチ4のボタン42の押下指示は、ボタン41の押下指示から上記t1時間経過後(ターゲット13が所定回転数で回転されてから)受け付けられる。従って、図4において、回転起動パルスP1の立ち下がりと回転起動信号S1の立ち下がりまでの間のt2時間が、実際のX線曝射時間に相当する。
【0031】間欠駆動タイマ23は、回転起動パルスP1の立ち下がり後、回転起動補正信号S2が立ち下がるまでの間、ターゲット13の所定回転数の回転を維持するための間欠駆動パルスP2を出力する。この間欠駆動パルスP2は、図4に示すように、所定間隔ごとに”H”レベルを出力するパルスである。電力供給部26は、間欠駆動パルスP2が”H”レベルになるごとに、ターゲット13を回転起動する電力をステータコイル17に供給する。これにより、ターゲット13は、所定回転数での回転が維持される。なお、上記間欠起動パルスP2の”H”レベルの時間やその間隔は、所定回転数での回転が維持されるのに充分な電力がステータコイル17に供給されるように設定される。
【0032】回転制動タイマ24は、回転起動補正信号S2の立ち下がり(回転起動信号S1の立ち下がりからΔT2時間経過後)に同期して、図4に示すような回転制動パルスP4を出力する。この回転起動パルスP4は、回転起動補正信号S2の立ち下がりで立ち上がり、所定時間(t3)だけ”H”レベルを維持して立ち下がるパルスである。電力供給部26は、回転制動パルスP4が”H”レベルの間、ターゲット13の回転を共振回転数以下までいっきに落とすための電力をステータコイル17に供給する。これにより、ターゲット13は、所定回転数での回転状態から共振回転数以下の回転状態までいっきに落とされる。上記t3は、ターゲット13を所定回転数での回転状態から共振回転数以下の回転状態までいっきに落とすのに必要な電力の供給時間である。
【0033】このように動作することにより、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合、すなわち、供給される回転起動信号S1の間隔ΔT1が、上記ΔT2よりも長い場合、回転起動信号S1の立ち上がりでターゲット13は所定回転数の回転に回転起動され、X線曝射が終了してからΔT2時間経過した後、回転制動が開始される。
【0034】なお、ハンドスイッチ4のボタン41の押下からボタン42の押下までの間隔が長いとき、すなわち、ターゲット13の回転起動終了からX線曝射指示が行われるまでの時間(図5では、t4で示す)が長いとき、図5に示すように、回転起動信号S1の”H”レベルの間の時間が長くなるが、この間、間欠駆動パルスP2が出力されて、ターゲット13の所定回転数での回転が維持されること以外は、上記図4の動作と同様に動作する。なお、図5中、Qはボタン42が押下されたタイミングである。また、上記図4では、ボタン41の押下からボタン42の押下までの間隔が短いので、この間(t2)では、間欠駆動パルスP2は出力されていない。
【0035】次に、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合、すなわち、供給される回転起動信号S1の間隔ΔT1が、上記ΔT2よりも短い場合の動作を図6を参照して説明する。
【0036】この場合、補正タイマ21が最初の回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2だけ遅らせている間に、次の回転起動信号S1が供給されるが、このとき、補正タイマ21は、先の回転起動信号S1の立ち下がりを遅らせる処理を打切り(例えば、タイマ内のカウンタをリセットし)、回転起動補正信号S2の”H”レベルを維持しつつ、次の回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2だけ遅らせる。従って、供給される回転起動信号S1の間隔ΔT1が、上記ΔT2よりも短い場合には、回転起動補正信号S2は、最初の回転起動信号S11 の立ち上がりで立ち上がってから、最後の回転起動信号S1e の立ち下がりからΔT2時間経過後に立ち下がるまで、常に”H”レベルを維持する。これにより、ターゲット13は、最初の回転起動信号S1の立ち上がりで所定回転数に回転起動されてから、間欠駆動パルスP2によりその回転が維持され、最後の回転起動信号S1e の立ち下がりからΔT2時間経過後に制動が開始される。従って、この実施例では、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合、従来装置のように、回転移動信号S1が供給されるたびに、ターゲット13の回転起動、回転制動、回転起動、回転制動、…を繰り返すことがなくなり、無駄な回転駆動と回転制動を無くすことができる。なお、回転駆動補正信号S2が”H”レベルの間、間欠駆動パルスP2に基づき、所定の電力がステータコイル17に供給されるが、この電力供給は、間欠的であり、1回の電力供給時間も短いので、ターゲット13の回転起動、回転制動、回転起動、回転制動、…を繰り返すよりもステータコイル17の発熱は小さく特に問題はない。
【0037】また、ハンドスイッチ4のボタン41の押下からボタン42の押下までの間の間隔が長い場合は、図5でも説明したように、回転起動信号S1の”H”レベルの間隔が長くなるだけで、その場合でも、供給される回転起動信号S1の間隔ΔT1が、上記ΔT2よりも短いときには、上述した図6の動作と同様の動作を行う。
【0038】なお、例えば、回転起動と回転制動との繰り返しによるX線管1の温度上昇が許容範囲の最大となるときのX線曝射間隔ΔT1を実験的に求め、上記ΔT2を、そのΔT1以上に設定すれば、上記図6に示すように動作し、X線管1の温度上昇が許容範囲を越えるようなX線曝射の繰り返し頻度が高い場合の無駄な回転駆動や回転制動を無くすことができる。
【0039】ところで、上述した第1実施例の場合、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合、回転起動信号S1が供給されるたびにターゲット13はΔT2だけ余分に回転されることになる。このような不要な回転を行えば、ターゲット13を回転自在に支持するベアリング14(図2参照)などの寿命を低下させることも考えられる。そこで、この点を改良した第2実施例を次に説明する。
【0040】図7は、第2実施例装置の要部(回転駆動装置)の概略構成を示すブロック図であり、図8は、第2実施例装置でのX線曝射の繰り返し頻度が低い場合の動作を示すタイミングチャートである。
【0041】上記第1実施例では、X線曝射終了後のΔT2の回転維持を無条件で行うように構成したが、この第2実施例装置では、X線曝射終了後のΔT2の回転維持を、X線曝射間隔が一定時間以下の(X線曝射の繰り返し頻度が高い)場合にのみ行うように構成したことを特徴とする。
【0042】この第2実施例装置の構成は、図7に示すように、第1実施例装置に、X線曝射頻度検出回路31と切替えスイッチ32を付設したもので、それ以外は、第1実施例と同様の構成であるので、第1実施例と同じ構成部分は、図3と同一符号を付すことで、重複する説明は省略する。
【0043】X線曝射頻度検出回路31は、上記ΔT1を検出し、ΔT1と、補正タイマ21に設定されているΔT2と比較し、(ΔT1>ΔT2)のとき、切替えスイッチ32をA側に切替え、(ΔT1≦ΔT2)のとき、切替えスイッチ32をB側に切り替える。なお、上記検出するΔT1は、前回供給された回転起動信号S1と今回供給された回転起動信号S1との間隔ΔT1である。
【0044】切替えスイッチ32のA側の入力端子には、供給される回転起動信号S1が入力され、B側の入力端子には、補正タイマ21から出力された回転起動補正信号S2が入力されている。
【0045】なお、この第2実施例では、補正タイマ21とX線曝射頻度検出回路31と切替えスイッチ32と回転起動タイマ22と電力供給部26がこの発明における回転起動手段に、補正タイマ21とX線曝射頻度検出回路31と切替えスイッチ32と間欠駆動タイマ23と電力供給部26がこの発明における回転維持手段に、補正タイマ21とX線曝射頻度検出回路31と切替えスイッチ32と回転制動タイマ24と電力供給部26がこの発明における回転制動手段にそれぞれ相当する。
【0046】この実施例によれば、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合、すなわち、(ΔT1≦ΔT2)の場合、上記第1実施例と同様に、回転起動タイマ22、間欠駆動タイマ23、回転制動タイマ24には、回転起動補正信号S2が供給されるので、図6と同様に動作する。一方、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合、すなわち、(ΔT1>ΔT2)の場合、回転起動タイマ22、間欠駆動タイマ23、回転制動タイマ24には、回転起動信号S1が供給されるので、図8に示すように動作する。図8と図4とを比較してわかるように、図4の動作における、回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2遅らせたことによるターゲット13の余分な回転が防止されている。なお、図8の右側の回転起動信号S1R は、図5で説明した、ボタン41の押下からボタン42の押下(Q)までの間隔が長い場合の信号を示している。
【0047】また、X線曝射頻度検出回路31では、前回供給された回転起動信号S1と今回供給された回転起動信号S1との間隔ΔT1と、ΔT2とを比較しているが、切替えスイッチ32での切替え選択は、今回供給された回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2遅らせるか否かの選択である。従って、前回供給された回転起動信号S1と今回供給された回転起動信号S1との間隔ΔT1に基づき、今回供給された回転起動信号S1と次に供給される回転起動信号S1との間隔ΔT1を予測し、今回供給された回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2遅らせるか否かの判断を行うことになる。しかしながら、例えば、医用診断などにおいて、同一の診断を行っている場合、同じX線曝射間隔でX線曝射が繰り返されるように、経験的に同じX線曝射間隔でX線曝射が繰り返されることが多いので、この実施例のように前回供給された回転起動信号S1と今回供給された回転起動信号S1との間隔ΔT1に基づき、今回供給された回転起動信号S1と次に供給される回転起動信号S1との間隔ΔT1を予測し、今回供給された回転起動信号S1の立ち下がりをΔT2遅らせるか否かを判断しても実用上特に問題はない。
【0048】なお、ターゲット(陽極)の回転起動や回転維持、回転制動の方式は、上述した各実施例のように、回転起動タイマや間欠起動タイマ、制動タイマ等を用い、回転起動信号に基づき行う方式に限らず種々の方式で実現可能であるが、どのような方式であっても、本願の請求項1に係る方法を組み込んだものは、本願の請求の範囲に含まれる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、回転陽極が所定回転数で回転された状態で回転陽極X線管からX線曝射が終了した後、回転陽極の所定回転数の回転を一定時間維持するので、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合、回転陽極を所定回転数で回転させるための回転起動を最初のX線曝射の前に行い、最後のX線曝射の後に回転陽極の回転制動を行えばよく、その間の回転起動と回転制動が不要となり、無駄な回転起動と回転制動を無くすことができ、従来例のように回転起動と回転制動を短いサイクルで繰り返すことによるX線管の温度上昇を低減することができる。
【0050】また、X線曝射終了後の回転陽極の所定回転数の回転維持を、X線曝射間隔が一定時間以下である場合、すなわち、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合にのみ行うと、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合の回転陽極の不要な回転を無くすことができ、回転陽極を回転自在に支持するベアリング等の寿命が低下するのを防止できる。
【0051】また、請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載の方法を好適に実施する装置を実現でき、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合のX線管の温度上昇を低減することができ、また、X線曝射終了後の回転陽極の所定回転数の回転維持を、X線曝射の繰り返し頻度が高い場合にのみ行うことにより、X線曝射の繰り返し頻度が低い場合の回転陽極の不要な回転を無くすことができ、回転陽極を回転自在に支持するベアリング等の寿命が低下するのを防止できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013