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発明の名称 移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−321715
公開日 平成8年(1996)12月3日
出願番号 特願平7−126488
出願日 平成7年(1995)5月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
発明者 鴫原 亮
要約 目的
複雑な仰角追尾機構を付加することなく、静止衛星の仰角方向の相対位置変化に対応できるように工夫して、小型軽量化や低コスト化に有利であり、且つ坂道走行時にも良好な受信感度が得られ、しかも広範囲な地域で使用できて汎用性に富む、移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置を提供する。

構成
アンテナ面に対するメインビームの傾き角は互いに異なるが各メインビームの方位角は一致させた状態で移動体上に略水平に設置される一対の平面アンテナ20,21と、これら両アンテナ20,21を方位角方向に同期回転させるモータやベルト26,27等の回転駆動手段と、アンテナ切換えスイッチや端子38等を有するLNB3と、選択する平面アンテナの種類をLNB3に指定するモード選択スイッチと、受信強度に基づいてアンテナ切換え用の信号を前記モード選択スイッチに出力可能な制御装置とを備える構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】 それぞれのメインビームの方位角を一致させた状態で移動体上に略水平に設置される一対の平面アンテナと、これら一対の平面アンテナを互いに同期させて方位角方向に回転させる回転駆動手段とを備え、一方の前記平面アンテナのメインビームをそのアンテナ面に対して第1の傾き角に設定するとともに、他方の前記平面アンテナのメインビームをそのアンテナ面に対して前記第1の傾き角とは異なる第2の傾き角に設定したことを特徴とする移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置。
【請求項2】 請求項1の記載において、衛星放送受信用のアンテナ装置であって、放送衛星の仰角よりも前記第1の傾き角を大きく設定するとともに、該放送衛星の仰角よりも前記第2の傾き角を小さく設定したことを特徴とする移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置。
【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記一対の平面アンテナのうちいずれか一方を選択して受信回路に接続するアンテナ切換えスイッチと、該受信回路に接続されている一方の前記平面アンテナの受信信号の強度が所定値よりも小さいとき、前記アンテナ切換えスイッチに他方の前記平面アンテナを選択して前記受信回路に接続させるための自動切換え信号を出力する制御手段とを備えたことを特徴とする移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置。
【請求項4】 請求項3の記載において、前記アンテナ切換えスイッチにて接続される前記平面アンテナが前記自動切換え信号に応じて選択される自動切換えモードと、該自動切換え信号の有無に拘らず一方に指定される第1の限定モードと、該自動切換え信号の有無に拘らず他方に指定される第2の限定モードとからなる、3つのモードの切換えを行うためのモード選択スイッチを備えたことを特徴とする移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載用の衛星放送受信アンテナ装置に代表される追尾型の移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置に係り、特に、坂道走行時などにおいて静止衛星の相対位置が仰角方向に変化した場合の対応策に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の移動体に搭載されて衛星放送受信に用いられる追尾型のマイクロ波アンテナ装置は、移動体が走行中のときも放送衛星(静止衛星)からの電波が受信できなければならないので、アンテナのメインビームを該放送衛星の方位角および仰角に一致させるような指向制御を行う必要がある。
【0003】そのため、従来技術として、メインビームをアンテナ面に対して垂直方向に設定した平面アンテナと、この平面アンテナを機械的に方位角方向および仰角方向に回転可能な駆動機構とを備え、方位角追尾と仰角追尾の両方が行えるようにしたアンテナ装置が知られているが、この種のアンテナ装置は、衛星放送受信時に平面アンテナを水平面に対して斜めに傾けなければならず、装置の高さが150mm程度になってしまうので、自動車等の移動体上に搭載する場合に屋根からの突出量が大きすぎて、移動体の美観を損ねるばかりでなく、走行時に大きな風圧を受けて空力特性の劣化等を招来するという不具合があった。また、方位角追尾と仰角追尾の両方を行うため追尾機構の複雑化が避けられず、それゆえ、製造コストが高く、且つ装置の重量も5〜50Kgと重くなって小型車への搭載が困難であるという問題もあった。
【0004】そこで従来、この種のアンテナ装置の小型軽量化や低コスト化を図るため、例えば特開平5−152824号公報に記載されている本発明者による先願技術のように、アンテナのメインビームの仰角を予め放送衛星の方向に概略一致させておき、方位角のみを追尾するようにしたアンテナ装置が提案されている。すなわち、かかる従来技術は、平面アンテナを移動体上に略水平に設置した状態で放送衛星からの電波を受信できるようにするため、平面アンテナのメインビームのアンテナ面に対する傾き角を放送衛星の仰角に概略一致させておくことにより、平面アンテナを方位角方向にのみ回転駆動するだけで放送衛星を追尾できるようになっている。その結果、移動体の屋根からの装置の突出量を50mm程度に抑えることができて、移動体の美観を大きく損なう心配がなくなるとともに、空力特性の劣化も最小限に抑えられ、また、方位角のみの簡単な追尾機構で済むため製造コストが安く、装置の重量も2kg程度と軽くなって小型車への搭載が容易になる等、種々のメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、小型軽量化や低コスト化に有利な上述した従来のアンテナ装置も、移動体が坂道を走行しているときに、平面アンテナのメインビームが衛星方向からずれて受信感度が劣化しやすいという不具合があった。また、放送衛星の仰角は日本国内でも受信地域によって約20度異なるが、平面アンテナのメインビームの仰角方向のビーム幅は約10度なので、かかる従来のアンテナ装置を搭載した移動体が日本国内のどこにあっても衛星放送を受信できるというわけではなく、例えば東日本と西日本とでは、アンテナ面に対するメインビームの傾き角が異なる別のアンテナ装置を使用しなければならず、汎用性に欠けるという不具合があった。
【0006】本発明はこのような従来技術の不備に鑑みてなされたもので、その目的は、小型軽量化や低コスト化に有利であり、且つ坂道走行時にも良好な受信感度が得られ、しかも広範囲な地域で使用できて汎用性に富む、移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的は、それぞれのメインビームの方位角を一致させた状態で移動体上に略水平に設置される一対の平面アンテナと、これら一対の平面アンテナを互いに同期させて方位角方向に回転させる回転駆動手段とを備え、一方の前記平面アンテナのメインビームをそのアンテナ面に対して第1の傾き角(例えば放送衛星の仰角よりも若干大きな角度)に設定するとともに、他方の前記平面アンテナのメインビームをそのアンテナ面に対して前記第1の傾き角とは異なる第2の傾き角(例えば放送衛星の仰角よりも若干小さな角度)に設定することによって達成される。そして、前記一対の平面アンテナのうちいずれか一方を選択して受信回路に接続するアンテナ切換えスイッチと、該受信回路に接続されている一方の平面アンテナの受信信号の強度が所定値よりも小さいとき、前記アンテナ切換えスイッチに他方の平面アンテナを選択して前記受信回路に接続させるための自動切換え信号を出力する制御手段とを備え、前記アンテナ切換えスイッチにて接続される平面アンテナが前記自動切換え信号に応じて選択される構成にしておけば好ましい。
【0008】
【作用】上述したように、アンテナ面に対するメインビームの傾き角が異なる一対の平面アンテナを互いに同期させて方位角方向に回転させる構成にしておけば、衛星方向に対するメインビームの仰角方向のずれが少ない方の平面アンテナを適宜接続することができるので、例えば移動体が南北に大きく移動したり坂道にさしかかって放送衛星の相対位置が仰角方向に変化したとしても、接続する平面アンテナを切換えることで常に良好な受信感度が得られるようになる。しかも、これら一対の平面アンテナは、方位角方向に同期回転させるので、駆動モータや回転制御機構を別々に設ける必要がなく、よって追尾機構の複雑化が回避できて小型軽量化や低コスト化に有利となる。
【0009】また、上述したように、アンテナ切換えスイッチにて接続される平面アンテナが自動切換え信号に応じて選択される構成にしておけば、受信感度を確認したうえでの手動によるアンテナ切換え操作が不要となるので、操作性が向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例に係る移動体搭載用アンテナ装置の概略平面図、図2は同実施例の回路構成を示すブロック図である。これらの図において、符号1はアンテナ部2とLNB3とからなるアンテナ機構を総括的に示し、このアンテナ機構1は、受信機4や受信強度検出装置5や制御装置6やモータドライバ7やモード選択スイッチ8等の外部機器と接続されて受信システムを構成している。そして、前記アンテナ部2は、一対の平面アンテナ20,21と、これらの平面アンテナ20,21を方位角方向に回転駆動するためのモータ(ステッピングモータ)22と、このモータ22の駆動軸に取着したプーリ23と、複数の回転ガイド25と、プーリ23に巻き掛けられた2本のベルト26,27等により構成されており、モータ22を制御する信号がモータドライバ7から入力端子24に供給されるようになっている。また、前記LNB3は、低雑音増幅器30,31と、電子スイッチ(アンテナ切換えスイッチ)32と、ミキサ33と、局部発振器34と、中間周波増幅器35と、チョークコイル36と、コンデンサ37と、中間周波信号(BS−IF信号)出力端子38等により構成されている。
【0012】ここで、アンテナ部2について詳述すると、平面アンテナ20,21はいずれも、本発明者が先に提案した特開平5−152824号公報記載のアンテナとほぼ同等の構成である。つまり、円形の平面アンテナ20は、外周部の複数個所が回動自在な回転ガイド25に支持されているとともに、この外周部にベルト26が巻き掛けられており、該ベルト26をプーリ23を介してモータ22で駆動することにより、平面アンテナ20は方位角方向(周方向)に正逆回転できるようになっている。同様に、円形の平面アンテナ21も、回転ガイド25に支持されている外周部にベルト27が巻き掛けられており、該ベルト27やプーリ23を介して、モータ22が平面アンテナ21を方位角方向に正逆回転できるようになっている。その結果、これら一対の平面アンテナ20,21は、モータ22により、方位角方向に互いに同期して回転することになる。また、これら一対の平面アンテナ20,21は、図1中に矢印で示しているように、それぞれのメインビームの方位角を一致させた状態で、移動体上に略水平に設置される。
【0013】ただし、平面アンテナ20と平面アンテナ21とでは、図3に示すように、アンテナ面に対するメインビームの傾き角が異なっている。すなわち、本実施例の場合、平面アンテナ20のメインビームのアンテナ面に対する傾き角θ1を42度に設定し、平面アンテナ21のメインビームのアンテナ面に対する傾き角θ2を34度に設定しており、θ1>θ2なる関係が成立している。ちなみに、東京における放送衛星の仰角は38度なので、このアンテナ装置を搭載した移動体が東京またはその周辺地域にあるとすれば、一方の平面アンテナ20のメインビームの傾き角θ1は放送衛星の仰角よりも若干大きく、他方の平面アンテナ21のメインビームの傾き角θ2は放送衛星の仰角よりも若干小さくなる。
【0014】このように、本実施例では、アンテナ面に対するメインビームの傾き角が異なる2つの平面アンテナ20,21を、それぞれのメインビームの方位角を一致させた状態で移動体上に略水平に設置して、1つのモータ22で両アンテナ20,21を方位角方向に同期回転させるように構成しているので、これら一対の平面アンテナ20,21は、それぞれのメインビームを仰角方向に所定角度(8度)ずらした状態を保ち、且つそれぞれのメインビームの方位角を常に合致させた状態で、同じ向きに回転駆動されることになる。
【0015】さて、平面アンテナ20または平面アンテナ21で受信された12GHz帯の衛星放送の電波は、LNB3により約1GHz帯のBS−IF信号に周波数変換され、受信機4に入力される。受信機4は、映像や音声の復調を行うとともに、受信強度検出装置5に検波出力を供給する。受信強度検出装置5は、検波出力から受信強度に比例した直流電圧である受信強度信号Vaを作り出す。この受信強度信号Vaは制御装置6に供給され、この制御装置6において、受信強度信号Vaの強度をしきい値Vt以上に保つための制御方法が選択され、この制御方法を実行すべく、ステッピングモータ22の回転・停止を制御する信号が制御装置6からモータドライバ7に供給される。これにより、例えば移動体が旋回しているときにも、衛星放送の電波を受信している平面アンテナを適宜回動させて、そのメインビームが常に衛星方向を向くように制御するという方位角方向の追尾が行える。また、後述するように、受信機4に接続されて衛星放送の電波を受信している一方の平面アンテナの受信強度が所定値よりも小さいときには、他方の平面アンテナを受信機4に接続させるための信号が制御装置6からモード選択スイッチ8に出力されて、放送衛星の仰角方向の相対位置変化に対応できるようになっている。
【0016】次に、平面アンテナ20,21およびLNB3の動作について、さらに詳細に説明すると、平面アンテナ20の出力は低雑音増幅器30に供給され、平面アンテナ21の出力は低雑音増幅器31に供給されるが、これらの出力は電子スイッチ32によりいずれかが選択されて、選択された12GHz帯の出力がミキサ33により局部発振器34からの信号と混合され、約1GHz帯のBS−IF信号に変換される。そして、このBS−IF信号は、中間周波増幅器35を経て、端子38から受信機4に供給される。こうしてLNB3から受信機4へBS−IF信号が供給される一方で、受信機4からはLNB3を動作させるための直流が電子スイッチ32に供給される。この直流は、電圧がE1またはE2であって、チョークコイル36を介して電子スイッチ32に供給され、この電子スイッチ32は、電圧がE1のときに図2のA側に切換えられ、電圧がE2のときに図2のB側に切換えられるようになっている。つまり、電子スイッチ32に供給される直流の電圧を切換えることにより、受信機4に接続される平面アンテナがいずれか一方(平面アンテナ20または21)に選択されるようになっている。このとき、電圧がE1またはE2に変化しても、電子スイッチ32が切換えられるだけで、LNB3の他の構成要素の動作は変化しない。
【0017】ところで、受信機4から電子スイッチ32に供給される直流の電圧は、この受信機4に接続されているモード選択スイッチ8を操作することによって随時切換えることができる。すなわち、このモード選択スイッチ8は、図2に示すように「ANT1」と「ANT2」と「自動」という3つの接点を持っており、該スイッチ8を「ANT1」に設定した場合、LNB3の端子38に電圧E1が印加されて、電子スイッチ32は平面アンテナ20を選択する(第1の限定モード)。同様に、該スイッチ8を「ANT2」に設定した場合には、LNB3の端子38に電圧E2が印加されて、電子スイッチ32は平面アンテナ21を選択する(第2の限定モード)。そして、該スイッチ8を「自動」に設定した場合には、衛星放送の電波の受信状態に応じて電圧E1またはE2が出力され、電子スイッチ32は平面アンテナ20,21のうちいずれか一方を自動的に選択する(自動切換えモード)。
【0018】ここで、モード切換えスイッチ8を「自動」に設定した場合のアンテナ自動切換え動作の一例を、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、制御装置6には、受信強度信号Vaの大きさを比較判定するために、図5に示すように2つのしきい値Vt,Vsが予め設定されており、このうち、しきい値Vtは、受信強度がこれ以上あれば良好に受信できるという電圧であり、しきい値Vsは、辛うじて受信できるという限界値である。
【0019】図4において、初期条件として、電子スイッチ32が平面アンテナ20(ANT1)を選択しているものとすると、まず、ステップS1の受信強度検出工程において、この平面アンテナ20で得られる受信強度信号Vaの大きさVa1を検出する。この受信強度Va1は制御装置6に供給され、ステップS2の強度比較工程において、前記しきい値VtやVsと比較される。その結果、Va1≧Vtであれば、良好に受信されていると判断できるので、モータ22を駆動せずにステップS1の受信強度検出工程へ戻るが、Vs≦Va1<Vtの場合には、受信状態がやや悪いので、モータ22を駆動して平面アンテナ20を方位角方向に回転させるというステップS3の衛星追尾工程を行ってから、ステップS1の受信強度検出工程へ戻る。
【0020】また、ステップS2においてVa1<Vsの場合には、受信状態が極めて悪いので、それまで選択していた平面アンテナ20に代えて、電子スイッチ32に平面アンテナ21を選択させるというステップS4のアンテナ切換え工程に進む。次いで、ステップS5の受信強度検出工程において、この平面アンテナ21で得られる受信強度信号Vaの大きさVa2を検出し、さらにステップS6の強度比較工程において、この受信強度Va2をアンテナ切換え動作を行う直前の受信強度Va1と比較する。その結果、Va2>Va1であれば、平面アンテナ21(ANT2)を選択した状態のまま、ステップS1の受信強度検出工程に戻るが、Va2≦Va1の場合は、アンテナ切換え動作を行って受信状態を悪化させてしまったことになるので、ステップS7のアンテナ切換え工程に進んで再び平面アンテナ20(ANT1)を選択した後、ステップS1の受信強度検出工程に戻る。
【0021】なお、ステップS4やS7におけるアンテナ切換え動作は、制御装置6が自動切換え信号をモード選択スイッチ8に供給し、この自動切換え信号に応じて該スイッチ8がLNB3の端子38に電圧E1またはE2を印加することによって実行されるが、該スイッチ8が「ANT1」または「ANT2」に設定されているときには、自動切換え信号は無視される。
【0022】したがって、移動体がほとんど平坦な限られた地域のみを走行する場合には、モード選択スイッチ8を「ANT1」(第1の限定モード)または「ANT2」(第2の限定モード)に設定して、受信感度が良好ないずれか一方の平面アンテナ20または21のみを限定して使用することにより、アンテナ切換え動作に伴うノイズを回避することができる。
【0023】また、モード選択スイッチ8を「自動」に設定しておけば、移動体が南北に大きく移動したり坂道にさしかかって放送衛星の相対位置が仰角方向に変化した場合にも、衛星方向に対するメインビームの仰角方向のずれが少ない方の平面アンテナが自動的に選択されるので、手動によるアンテナ切換え操作を行わなくとも常に良好な受信感度が得られる。
【0024】しかも、上述したアンテナ装置は、一対の平面アンテナ20,21を方位角方向に同期回転させる構成なので、駆動モータや回転制御機構を平面アンテナ20,21ごとに設ける必要がなく、そのため追尾機構の複雑化が回避できて小型軽量化や低コスト化に有利であり、小型車への搭載にも支障をきたさない。なお、このアンテナ装置の各平面アンテナ20,21は、本発明者が先に提案した特開平5−152824号公報記載のものとほぼ同等の構成なので、高周波電力損失が少ない等の利点がそのまま継承されることは言うまでもない。
【0025】ちなみに、本実施例では、メインビームのアンテナ面に対する傾き角を、平面アンテナ20が42度で平面アンテナ21が34度に設定してあり、メインビームの仰角方向のビーム幅が約10度であるから、このアンテナ装置は、放送衛星の仰角が29度〜47度の受信地域(日本国内であれば北海道中部から鹿児島県までの広い範囲)において、衛星放送受信が可能である。また、放送衛星の仰角が38度の東京で使用する場合、傾斜角が9度以下の通常の坂道を移動体が走行しているときにも衛星放送を受信できるので、このアンテナ装置により受信感度を常に良好な状態に保つことができる。
【0026】そして、第1または第2の限定モードを選択する場合には、放送衛星の仰角が大きい地域では平面アンテナ20により良好に受信でき、仰角が小さい地域では平面アンテナ21により良好に受信できることから、日本国内での衛星放送受信にあてはめると、西日本では第1の限定モードを選択すればよく、東日本では第2の限定モードを選択すればよい。
【0027】なお、本実施例では、アンテナ切換え動作を受信強度がしきい値Vsよりも小さいときに行う構成としているが、受信強度がVs以上であってもしきい値Vt未満のときにはアンテナ切換え動作を行うように構成してもよい。その場合、映像の垂直同期期間に平面アンテナを切換えるようにしておけば、受信映像を乱れさせることなく、受信強度がより大きい平面アンテナを選択できる。
【0028】また、本実施例では、平面アンテナ20,21のそれぞれのメインビームをアンテナ面に対して異なる傾き角に設定しているが、これとほぼ同等の構成で2偏波対応アンテナ装置に発展させることもできる。例えば、平面アンテナ20を右旋円偏波用とし、平面アンテナ21を左旋円偏波用とした場合、スイッチ8により両円偏波を切換えて使用できる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による移動体搭載用マイクロ波アンテナ装置は、静止衛星に対するメインビームの仰角方向のずれが少ない平面アンテナを適宜選択できるので、放送衛星の相対位置が仰角方向に変化したとしても、選択する平面アンテナを自動もしくは手動で切換えることにより良好な受信感度が維持でき、そのため坂道走行時の受信状況が改善されるとともに、広範囲な地域で使用できて汎用性が高まるという優れた効果を奏する。また、このアンテナ装置に配設した一対の平面アンテナは、互いに同期させて方位角方向に回転させるので、駆動モータや回転制御機構を別々に設ける必要がなく、そのため追尾機構の複雑化が回避できて、小型軽量化や低コスト化に有利であるという優れた効果を奏する。




 

 


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