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発明の名称 コネクタのピンコンタクトおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−306418
公開日 平成8年(1996)11月22日
出願番号 特願平7−229326
出願日 平成7年(1995)9月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 高野 恭成 / 中村 英弘 / 佐藤 一樹 / 吉田 信 / 三浦 昭人 / 高橋 幸一
要約 目的
製造コストが大幅に低減でき、且つ、ピンハウジングへの圧入時に配列ピッチに狂いが生じにくく圧入作業も円滑に行える、コネクタのピンコンタクトと、その製造方法とを提供する。

構成
金属平板材14に対し打ち抜き加工およびプレス加工を行って、破断面の面積を減じた短冊状部分15を含む幅狭片17を形成した後、略L字形の連結部位16を直角に折り曲げて該幅狭片17を横向きに起立させ、しかる後、この幅狭片17の短冊状部分15を起立方向に沿ってプレス加工して略円柱形のコンタクト部11を形成する。また、このコンタクト部11の後方の起立片13には、配列方向に対し略直角な方向を向く係止部13aを設けておく。
特許請求の範囲
【請求項1】 一端部に略円柱形のコンタクト部を有して他端部に帯状の端子部を有し、前記コンタクト部の後方の板状部分を、前記端子部の基部に対し略直角に起立して該端子部と同厚な起立片となすとともに、この起立片の表面で起立方向に対し略直角な面に、ピンハウジングのピン挿通孔の内壁面に係止させるための係止部を設け、且つ該起立片の後端面に、前記ピンハウジングへの圧入時に治具を衝合させるための治具受け部を設けたことを特徴とするコネクタのピンコンタクト。
【請求項2】 請求項1の記載において、前記起立片の後端面に、前記コンタクト部の軸心の延長線が頂部と交わる凸状湾曲面を設け、この凸状湾曲面の頂部を前記治具受け部となしたことを特徴とするコネクタのピンコンタクト。
【請求項3】 金属平板材に対し打ち抜き加工を行って、略L字形の連結部位から直線状に延びる幅狭片を形成した後、前記連結部位を略直角に折り曲げて前記幅狭片を横向きに起立させ、しかる後、この幅狭片の少なくとも先端部分を起立方向に沿ってプレス加工して略円柱形のコンタクト部を形成することを特徴とするコネクタのピンコンタクトの製造方法。
【請求項4】 請求項3の記載において、前記幅狭片を横向きに起立させる前に予め、この幅狭片の破断面のうち前記コンタクト部となる個所をプレス加工して面積を減じておくことを特徴とするコネクタのピンコンタクトの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PCカード用コネクタなどのコネクタに配設されるピンコンタクトと、かかるピンコンタクトの製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パソコンなどに使用されるPCカード(メモリカード)は、専用のPCカード用コネクタに挿抜されるカードであるが、最近、このPCカードの形状や、PCカード用コネクタのピンコンタクトの寸法、配列等の共通化(規格化)が進んできたため、同一製品の汎用性が飛躍的に高まって需要の急増が見込まれている。
【0003】通常、PCカード用コネクタは、多数本のピンコンタクトを所定の配列でピンハウジングに圧入固定してなるピンヘッダ部や、挿抜時のPCカードをガイドするフレームや、このフレームに付設されてPCカードをイジェクトするイジェクト機構部等を備えて概略構成されている。そして、各ピンコンタクトには、PCカード内のソケットコンタクトに挿抜するための略円柱形のコンタクト部が一端部に設けてあるとともに、プリント基板にはんだ付けするための端子部が他端部に設けてあり、コンタクト部は直径が0.44ミリメートル(幅寸法は0.46ミリメートル以下)に規格化されているが、特に面実装タイプのPCカード用コネクタの場合、はんだ付け強度を考慮して端子部は板厚0.3ミリメートル程度の薄い帯状に形成することが望ましいとされている。
【0004】図23はかかるピンコンタクトの従来品を示す斜視図である。同図において、符号30で総括的に示すピンコンタクトは、その一端部が直径0.44ミリメートルのコンタクト部31で、他端部は板厚が0.3ミリメートル程度と肉薄な帯状の端子部32となっている。そして、この端子部32の基部は、板厚が0.45ミリメートルと比較的厚い肉厚部33に連続しており、この肉厚部33がコンタクト部31に連続している。なお、肉厚部33の先端側の側面には、図示せぬピンハウジングのピン挿通孔の内壁面に係止させるための係止部33aが設けられており、また、肉厚部33のうちコンタクト部31の後方に位置する壁面は、前記ピンハウジングへの圧入時に治具を衝合させるための受け面33bとなっている。
【0005】そして、このような形状のピンコンタクト30を得るために、従来は、図24に示すように厚みが場所によって異なる板材である異形材34を用い、この異形材34の肉厚部分(板厚t1=0.45ミリメートル)を打ち抜き加工してから先端部分をプレス加工することにより、肉厚部33およびコンタクト部31を形成し、異形材34の肉薄部分(板厚t2=0.3ミリメートル)を打ち抜き加工してからフォーミングすることにより、端子部32を形成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した異形材34は通常の平板材に比べて極めて高価格な材料なので、従来のピンコンタクト30は材料費が嵩んで製造コストが高くなってしまうという不具合があった。また、PCカード用コネクタでは、ピンハウジングのピン挿通孔に圧入される多数本のピンコンタクトの配列ピッチが1.27ミリメートルという狭ピッチに規定されているが、上述した従来のピンコンタクト30の場合、圧入時にピン挿通孔の内壁面と係合する係止部33aがほぼ配列方向を向いているため、各ピンコンタクト30の圧入によりピンハウジングに生じる変形が累積されて配列ピッチが狂う虞があった。さらにまた、このような狭ピッチに配列されるピンコンタクト30は、配列方向に沿った寸法(幅寸法)を極力抑えなければならないという制約を受けるため、圧入用治具を衝合させる受け面33bが小さすぎてピンコンタクト30の圧入作業が円滑に行えないという不具合があった。
【0007】本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、製造コストが大幅に低減でき、且つ、ピンハウジングへの圧入時に配列ピッチに狂いが生じにくくて圧入作業も円滑に行える、コネクタのピンコンタクトを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そのようなピンコンタクトの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した第1の目的を達成するために、本発明によるピンコンタクトは、一端部に略円柱形のコンタクト部を有して他端部に帯状の端子部を有し、前記コンタクト部の後方の板状部分を、前記端子部の基部に対し略直角に起立して該端子部と同厚な起立片となすとともに、この起立片の表面で起立方向に対し略直角な面に、ピンハウジングのピン挿通孔の内壁面に係止させるための係止部を設け、且つ該起立片の後端面に、前記ピンハウジングへの圧入時に治具を衝合させるための治具受け部を設ける構成とした。その際、前記起立片の後端面に、前記コンタクト部の軸心の延長線が頂部と交わる凸状湾曲面を設け、この凸状湾曲面の頂部を前記治具受け部となせば好ましい。
【0009】また、上述した第2の目的を達成するために、本発明による製造方法は、金属平板材に対し打ち抜き加工を行って、略L字形の連結部位から直線状に延びる幅狭片を形成した後、前記連結部位を略直角に折り曲げて前記幅狭片を横向きに起立させ、しかる後、この幅狭片の少なくとも先端部分を起立方向に沿ってプレス加工して略円柱形のコンタクト部を形成することとした。その際、前記幅狭片を横向きに起立させる前に予め、この幅狭片の破断面のうち前記コンタクト部となる個所をプレス加工して面積を減じておけば好ましい。
【0010】
【作用】横向きに起立させた前記幅狭片の少なくとも先端部分を起立方向に沿ってプレス加工することにより、例えば板厚0.3ミリメートル程度の薄い板材から直径0.44ミリメートルの略円柱形のコンタクト部を形成することができるので、高価な異形材の代わりに比較的安価な金属平板材を用いてピンコンタクトが製造できる。そして、この幅狭片を横向きに起立させる前に予め、打ち抜き加工時に形成される該幅狭片の破断面のうち後刻コンタクト部となる個所をプレス加工して面積を減じておけば、起立後のプレス加工時に、コンタクト部の表面を破断面の粗さにほとんど影響されない滑らかな湾曲面に仕上げることが容易になる。
【0011】また、こうして製造されたピンコンタクトは、起立後の幅狭片のうちコンタクト部よりも後方の板状部分が前記起立片となるが、この起立片の表面で起立方向に対し略直角な面に、ピンハウジングへの圧入時に係止力を生起する係止部を設けておけば、この係止部はピンコンタクトの配列方向を向かなくなるので、各ピンコンタクトの圧入によりピンハウジングに生じる変形が累積されなくなる。
【0012】さらにまた、この起立片の後端面に治具受け部を設ければ、ピンコンタクトの配列方向を向かず寸法上の制約が少ない部分を圧入用治具に衝合させることができるので、狭ピッチに配列されるピンコンタクトであっても比較的広い受け面を確保することができる。そして、この起立片の後端面に設けた前記凸状湾曲面の頂部を治具受け部となせば、コンタクト部の軸心の延長線と交わる該頂部を確実に圧入用治具に衝合させることができるので、圧入時にコンタクト部を真後ろから押し込むことができ、それゆえ、無理な力がピンコンタクトに加わって端子部等を変形させる虞がなくなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係る面実装タイプのPCカード用コネクタの全体平面図、図2は該コネクタの全体側面図、図3は該コネクタの全体正面図、図4は該コネクタのピンヘッダ部の断面図であり、これらの図に示すコネクタは、多数本のピンコンタクト1を所定の配列でピンハウジング2に圧入固定してなるピンヘッダ部3と、挿抜時のPCカード(図示せず)をガイドする略コ字形の二つのフレーム4と、各フレーム4に付設されたイジェクト機構部としてのイジェクトレバー5およびプッシュロッド6とによって主に構成されている。
【0014】ここで、ピンコンタクト1の形状は、図5に示すように、一端部に略円柱形のコンタクト部11を有して他端部に帯状の端子部12を有し、コンタクト部11の後方の板状部分を、端子部12の基部に対し直角に起立して該端子部12と同厚な起立片13となすとともに、この起立片13の表面で起立方向に対し略直角な面に、ピンハウジング2のピン挿通孔2aの内壁面に係止させるための係止部13aを設け、且つ起立片13の後端面に、ピンハウジング2への圧入時に治具(図示せず)を衝合させるための治具受け部13bを設けたものとなっている。具体的には、コンタクト部11は、先端部分が先細りのテーパ形状で他部分は直径が0.44ミリメートルの円柱形にプレス加工してある。また、端子部12および起立片13の板厚は0.3ミリメートルであり、この端子部12は所定形状にフォーミングされている。
【0015】このようなピンコンタクト1は、図6の製造工程図に示すように、以下の手順で製造したものである。なお、図6は、製造時の平面形状の変化と、そのA−A線に沿う断面形状の変化を、下と上に並べて図示したもので、工程は図面の左から右へ進行していく。
【0016】ピンコンタクト1を製造するにあたって、まず、図示せぬキャリアテープに保持された板厚0.3ミリメートルのフープ状の金属平板材14を用意し、この金属平板材14に対して、最初に、後刻コンタクト部11となる短冊状個所15の打ち抜き加工とプレス加工を行う。なお、このプレス加工は、短冊状個所15の先端部分および破断面を傾斜面となすためのものである。次いで、さらに打ち抜き加工を行って、略L字形の連結部位16から直線状に延びる幅狭片17(短冊状個所15を含む)を形成した後、この連結部位16を直角に折り曲げて幅狭片17を横向きに起立させる。ただし、この幅狭片17のうち短冊状個所15よりも後方の部分の破断面には、起立前に係止部13aを形成しておく。しかる後、起立させた幅狭片17の先端を母材から切り離し、短冊状個所15を起立方向に沿う上下からプレス加工することにより、先端部分がテーパ形状で他部分を直径0.44ミリメートルに設定した略円柱形のコンタクト部11を形成する。そして、連結部位16を支持している図示下方の母材に対しプレス加工を行うことにより、後刻端子部12となる長い帯状部分18を形成した後、所定本数分をフープ状の金属平板材14から切り離し、次いで帯状部分18をフォーミングして端子部12となす。なお、隣接する端子部12間のピッチは1.27ミリメートルに設定しておく。
【0017】こうしてキャリアテープに保持された所定本数分のピンコンタクト1を得たなら、各ピンコンタクト1をコンタクト部11側からピンハウジング2のピン挿通孔2a内へ挿入してキャリアテープを切り離し、このピン挿通孔2aの内壁面に前記係止部13aを係合させながら端子部12の突出量を調整し、最後に各端子部12の先端が揃うようにカッティングを行って、ピンハウジング2への各ピンコンタクト1の取付作業が完了する。
【0018】このように本実施例では、横向きに起立させた幅狭片17の短冊状個所15を起立方向に沿ってプレス加工することにより、板厚0.3ミリメートルの薄い板材から直径0.44ミリメートルの略円柱形のコンタクト部11を形成することができるので、場所により板厚が異なる高価な異形材の代わりに比較的安価な金属平板材14を用いてピンコンタクト1が製造できる。しかも、この幅狭片17を横向きに起立させる前に予め、打ち抜き加工時に形成される該幅狭片17の破断面のうち後刻コンタクト部11となる個所(短冊状個所15)をプレス加工して面積を減じているので、起立後のプレス加工によって、コンタクト部11の表面を破断面の粗さにほとんど影響されない滑らかな湾曲面に仕上げることが容易であり、高信頼性のピンコンタクト1の製造に適している。
【0019】また、こうして製造されたピンコンタクト1は、起立後の幅狭片17のうちコンタクト部11よりも後方の板状部分が起立片13となるが、この起立片13の表面で起立方向に対し略直角な面に、ピンハウジング2のピン挿通孔2aの内壁面に係止させるための係止部13aが形成されているので、この係止部13aはピンコンタクト1の配列方向を向かず、それゆえ各ピンコンタクト1の圧入によりピンハウジング2に生じる変形は累積されず、よって圧入固定後のピンコンタクト1の配列ピッチに大きな狂いが生じる心配はない。また、このピンコンタクト1は、起立片13の後端面に、ピンハウジング2への圧入時に治具を衝合させるための治具受け部13bを設けているが、この治具受け部13bはピンコンタクト1の配列方向に対して直角な向き、つまり寸法上の制約が少ない向きに広げることができるので、1.27ミリメートルという狭ピッチに配列されるピンコンタクト1であっても比較的広い受け面を治具受け部13bとなすことができ、それゆえ圧入作業が円滑に行えるという利点がある。
【0020】次に、ピンヘッダ部3の構成要素のうち、ピンコンタクト1以外の部分について詳しく説明する。
【0021】ピンヘッダ部3は、所定本数のピンコンタクト1を圧入固定したピンハウジング2と、このピンハウジング2の前後に付設した二つのピンホルダ7,8とによって概略構成されており、ピンハウジング2はさらに、ピンコンタクト1を圧入固定して上下2段に積層固定された同形状の二つの本体部9と、これらの本体部9の下方に固定されてプリント基板の実装面上に直接搭載される基台部10とに区別される。そして、ピンハウジング2の後方に配置される一方のピンホルダ7は、上段の本体部9の後方から下方へと突出するピンコンタクト1の端子部12を位置決めしており、また、ピンハウジング2の前方に配置される他方のピンホルダ8は、下段の本体部9の後方から前方へ送られて下方へと突出するピンコンタクト1の端子部12を位置決めしている。
【0022】ここで、これら各部材の形状を具体的に示すと、ピンハウジング2の一つの本体部9は図7の平面図と図8の正面図に示す如き成形品であり、その基台部10は図9の平面図と図10の一部断面側面図に示す如き成形品であり、一方のピンホルダ7は図11の平面図と図12の正面図に示す如き成形品であり、他方のピンホルダ8は図13の平面図と図14の背面図に示す如き成形品である。これらの図に示すように、ピンホルダ7には、上段の本体部9から突出する多数本のピンコンタクト1の端子部12を挿入して位置決め可能な互いに平行な多数のガイド溝7aが前面と底面に形成されていて、またピンホルダ8には、下段の本体部9から突出する多数本のピンコンタクト1の端子部12を挿入して位置決め可能な互いに平行な多数のガイド溝8aが背面と底面に形成されており、両ピンホルダ7,8はそれぞれ嵌入孔7b,8bに基台部10の突起10a,10bを嵌入させることによって該基台部10に取着されている。そして、これらのピンホルダ7,8を基台部10に取着する前に予め、図15に示すように、ピンコンタクト1の端子部12の先端部分12a(はんだ付け部)を予めプリント基板19に対して上向きに傾けてフォーミングしておけば、ガイド溝7a,8aにて各端子部12の位置決めを行うピンホルダ7,8を基台部10に取着することにより、各端子部12の先端部分12aはピンホルダ7またはピンホルダ8の底面に弾接して平坦度が保たれた状態になる。そのため、ピンハウジング2をプリント基板19上に搭載し、その実装面にピンホルダ7,8の底面が至近距離で対向するようにしてやれば、各端子部12の先端部分12aをプリント基板19上の所定位置に傾くことなく配置させることができる。
【0023】このように本実施例では、多数本のピンコンタクト1の端子部12をガイド溝7a,8aにて位置決めし、且つ各端子部12の先端部分12aを底面に弾接させるピンホルダ7,8が、ピンハウジング2に取着してあるので、各端子部12の平行度が保てるのみならず、プリント基板19上ではんだ付けされる該先端部分12aの平坦度が保て、そのためピンハウジング2をプリント基板19上に搭載してピンホルダ7,8の底面を実装面と至近距離で対向させてやることより、各端子部12の先端部分12aの位置ずれや傾きが確実に回避でき、よってプリント基板19上の所定位置に各端子部12を簡単且つ確実にはんだ付けすることができる。
【0024】引き続き、本実施例に係る面実装タイプのPCカード用コネクタのフレーム4と、このフレーム4に付設されたイジェクト機構部(イジェクトレバー5およびプッシュロッド6)とについて、詳しく説明する。
【0025】このコネクタは略コ字形のフレーム4(図16参照)を上下に二つ積層固定したものを用いており、上側のフレーム4は、その後端部の左右両側に突設した略T字形の係止片4aをピンハウジング2の上段の本体部9の側壁に嵌合させていて、下側のフレーム4は、同様の係止片4aをピンハウジング2の下段の本体部9の側壁に嵌合させている。そして、各フレーム4には、前後方向に延びて挿抜時のPCカードを幅方向両側からガイドするとともに前端部がカード挿入口4bを規定する一対の凹溝形成部20と、これら両凹溝形成部20の後端部を連結する橋絡部21とが設けられており、前記係止片4aを本体部9の側壁に嵌合させると、この本体部9に圧入固定されている前記ピンコンタクト1がカード挿入口4b内を臨むようになっている。ただし、各フレーム4は、橋絡部21と凹溝形成部20とが連続する個所をやや幅狭に形成することにより、この橋絡部21に一対の凹溝形成部20に対して反る向き(図16の矢印B方向)の可撓性が付与されている。また、各フレーム4の橋絡部21の中間部には図1に示すように、イジェクトレバー5の中間部に穿設されている二つの軸孔5a,5b内に挿通される二つの円形ボス21a,21bが突設されており、このうち円形ボス21aを回動軸としてイジェクトレバー5はフレーム4に回動自在に支持される。さらに、各フレーム4の片方の凹溝形成部20の外側にはロッド支持枠4cが突設されており、このロッド支持枠4cによってプッシュロッド6は前後方向に進出後退自在に支持される。そして、イジェクトレバー5の一端部が、プッシュロッド6の後端部の二股部6a(図2参照)と係合し、イジェクトレバー5の他端部のカード当接片5cが、該レバー5の回動に伴ってピンヘッダ部3内の隅で前後方向に若干量進出後退するようになっている。なお、イジェクトレバー5は金属板製で、プッシュロッド6は樹脂成形品である。
【0026】すなわち、このコネクタは、PCカードが上下いずれかのカード挿入口4bからフレーム4内へ挿入されて後方のピンヘッダ部3内へ進出すると、イジェクトレバー5のカード当接片5cがPCカードに押し込まれて後退し、それに伴いプッシュロッド6が手前へ移動した直後に、PCカード内のソケットコンタクトがピンコンタクト1に接続されて挿着が完了するようになっており、また、挿着状態のPCカードを抜き取る際には、対応するプッシュロッド6を押し込めば、イジェクトレバー5が図1の反時計回りの向きに回転してカード当接片5cが前方へ進出しようとするので、PCカードは該当接片5cに押し込まれてピンコンタクト1から離脱し、手指で簡単にカード挿入口4bから抜き取ることができるようになっている。
【0027】このように本実施例は、上下の各段にそれぞれ、所定配列のピンコンタクト1を固定した本体部9と、前端部にカード挿入口4bを有して後端部を本体部9に取り付けたフレーム4と、このフレーム4に支持されるイジェクトレバー5およびプッシュロッド6とが具備されており、上段と下段のいずれにもPCカードが挿着できる2枚対応のコネクタとなっている。ここで、上下のフレーム4どうしは、前後2個所ずつ計4個所で連結されているが、このうち前寄りの左右の連結個所にはそれぞれ、アース端子を兼ねた連結金具であるアース金具22が使用されている。このアース金具22は、フレーム4に取着される前は、図17の側面図および図18の平面図に示すような形状をしているが、図19に示すように、フレーム4の凹溝形成部20に突設されている角形ボス4dを舌部22aを撓ませながら圧入させるとともに、前記プリント基板19に対する位置決めを行うためにフレーム4の底部に突設されている位置決めボス4eに底板部22bを係合させることにより、このアース金具22は外側から簡単に上下のフレーム4にスナップ止めすることができる。そして、こうして取り付けたアース金具22は、その先端側に延びる一対の湾曲弾性片22cが、上下の各フレーム4内で挿入時のPCカードの表面と弾接する位置にそれぞれ配置されるとともに、底板部22bが、実装段階でプリント基板19のアース回路(図示せず)と圧接する位置に配置されることになる。
【0028】このように1枚対応のフレーム4を上下2段積層することで2枚のPCカードに対応できるコネクタを構成し、これら二つのフレーム4を複数個所で連結する金具の一部をアース端子を兼ねたアース金具22となせば、2枚対応の専用フレームを新たに成形する必要がなく、各フレーム4ごとに個別にアース端子を組み込む必要もないので、製作費が大幅に低減できる。また、アース金具22の使用により連結専用部材が減らせるので、部品点数や組立工数の増加が抑えられるとともに、このアース金具22が外側から簡単に各フレーム4にスナップ止めできるので、組立性も良好である。
【0029】また、このコネクタはピンハウジング2とフレーム4が別部品なので、プリント基板19上にピンヘッダ部3を自動実装した後、そのピンハウジング2にフレーム4を取着することができるが、先述したように本実施例では、各フレーム4の橋絡部21に一対の凹溝形成部20に対して反る向きの可撓性が付与されているので、実装後のピンヘッダ部3にフレーム4を取り付ける際には図20に示すように、プリント基板19の実装面に対し斜め上方から、橋絡部21を撓ませながらフレーム4をピンヘッダ部3に向けて押し込んでいっても、このフレーム4の後端部の係止片4aをピンハウジング2の側壁に簡単に嵌合させることができる。したがって、フレーム4の下方に予め他部品が実装されていても、これを破損する心配なくフレーム4と既設ピンヘッダ部3との一体化が行え、高密度実装に支障をきたさないという利点がある。さらにまた、このように実装済みピンヘッダ部3にフレーム4を後付けする構成にしてあることから、フレーム4の材料として、高耐熱性が要求されず比較的安価なPBT等の樹脂が使用できるという利点もある。
【0030】なお、上記実施例ではPCカード用コネクタについて説明したが、これと同様のピンコンタクトを配設した他のコネクタに本発明を適用することもできる。
【0031】次に、本発明の他の実施例を、図21および図22に基づいて説明する。ここで、図21は本実施例に係るピンコンタクトの要部斜視図、図22は該ピンコンタクトの製造工程図であり、前記実施例の説明に用いた図5,6と対応する部分には同一符号が付してある。
【0032】図21に示すピンコンタクト1は、図5と比較すれば明らかなように、端子部12の基部に対して直角に起立させた起立片13の後端部の形状が前記実施例と大きく異なっている。すなわち、このピンコンタクト1の起立片13の後端面には凸状湾曲面13cが形成してあり、この凸状湾曲面13cの頂部をコンタクト部の軸心の延長線Lと交わる位置に設定しておくことにより、本実施例では該頂部が治具受け部13bとして機能するようになっている。
【0033】このような形状のピンコンタクト1は、ピンハウジング(図示せず)のピン挿通孔へ圧入する際に、圧入用治具が確実に凸状湾曲面13cの頂部と衝合し、該頂部はコンタクト部の軸心の延長線Lと交わる位置に形成してあるので、結局、圧入時に該ピンコンタクト1のコンタクト部は真後ろから治具に押し込まれることになって、治具の押し込み力がコンタクト部の軸心に対して偏心する虞がなくなる。その結果、例えば端子部12の基部を変形させてしまうような無理な力が圧入時のピンコンタクト1に作用する等の不測の事態が回避できて、製品の信頼性が高まり、組立性も向上する。
【0034】図21に要部を示すピンコンタクト1は、図22の左から右へと進行していく工程に従って製造したものであり、その凸状湾曲面13cは、図22において起立前の幅狭片17の後端面に形成しておけばよい。なお、図22は図6と同様に、金属平板材からピンコンタクトを製造する際の平面形状の変化と断面形状の変化を、下と上に並べて図示したものであるが、各製造工程の内容は本実施例も前記実施例と基本的に同じなので、その説明は省略する。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、高価な異形材の代わりに比較的安価な金属平板材を用いてピンコンタクトが製造でき、その際、打ち抜き加工時の破断面の面積を予め減じておけば所望のコンタクト部が容易に形成できる。また、こうして製造されたピンコンタクトは、その係止部を配列方向に対し略直角に向けることができるので、各ピンコンタクトの圧入によりピンハウジングに生じる変形が累積されなくなって配列ピッチに狂いが生じにくく、且つ、寸法上の制約が少ない部分を圧入用治具に衝合させることができるので、狭ピッチに配列されるピンコンタクトであっても比較的広い受け面を確保することで圧入作業の円滑化が図れ、且つ、起立片の後端面に設けた凸状湾曲面の頂部を治具受け部となすことにより、圧入時にコンタクト部を真後ろから押し込むことができて信頼性や組立性の向上が図れる。したがって本発明は、PCカード用コネクタなどのコネクタに適用して顕著な効果を奏する。




 

 


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