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発明の名称 モータ駆動スライド型可変抵抗器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−236316
公開日 平成8年(1996)9月13日
出願番号 特願平7−37179
出願日 平成7年(1995)2月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
発明者 浅野 昌広
要約 目的
可動体をベルトに簡単かつ好く実に固定できるモータ駆動スライド型可変抵抗器の提供。

構成
可動体14を金属製のレバー21と合成樹脂製の摺動子受け22とで構成し、摺動子受け22に形成した突出片22cをレバー21に形成したL字状の折曲部21e内に挿入することにより、これら突出片22cと折曲部21eとでベルト11を挾持すると共に、レバー21に形成した係止爪21hを摺動子受け22に形成した係止溝22eにスナップインすることにより、レバー21と摺動子受け22とを接合・一体化した。
特許請求の範囲
【請求項1】 モータによって回転する駆動プーリと、この駆動プーリに所定間隔を存して対向設置された従動プーリと、前記駆動プーリと従動プーリ間に張架されたベルトと、このベルトの一部に固着された可動体と、この可動体に保持された摺動子片と、この摺動子片に摺接する抵抗基板とを備え、前記可動体の往復動に伴う前記摺動子片と前記抵抗基板との摺接位置の変化により、抵抗値が調整されるモータ駆動スライド型可変抵抗器であって、前記可動体が、操作者によって手動操作されるレバーと、前記摺動子片を保持する摺動子受けとから成り、これらレバーと摺動子受けとで前記ベルトを挾持したことを特徴とするモータ駆動スライド型可変抵抗器。
【請求項2】 請求項1の記載において、前記レバーと摺動子受けのいずれか一方に凹部を設けると共に、いずれか他方に前記凹部内に挿入される突部を設け、これら凹部と突部とで前記ベルトを挾持したことを特徴とするモータ駆動スライド型可変抵抗器。
【請求項3】 請求項1の記載において、前記レバーと摺動子受けを一体化する固定部と、前記ベルトを挾持する挾持部とを別の位置に設けたことを特徴とするモータ駆動スライド型可変抵抗器。
【請求項4】 請求項2の記載において、前記駆動プーリと従動プーリとにギヤ部を形成すると共に、前記ベルトに前記ギヤ部と噛合する歯部を形成し、かつ前記突部に前記歯部と噛合する凹凸を設けたことを特徴とするモータ駆動スライド型可変抵抗器。
【請求項5】 請求項3の記載において、前記固定部が、前記レバーと摺動子受けのいずれか一方に設けられた脚片と、いずれか他方に設けられた案内孔とを備え、これら脚片と案内孔とを摺動自在に連結すると共に、両者を一体化するスナップ結合部を設けたことを特徴とするモータ駆動スライド型可変抵抗器。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモータ駆動スライド型可変抵抗器に係り、特に、モータの駆動によって回転するベルトと可変抵抗器の可動体との連結構造に関する。
【0002】
【従来の技術】モータ駆動スライド型可変抵抗器は、モータの駆動と手動の両方の操作によって抵抗値を調整できるようにしたもので、モータの回転が一対のプーリに巻回されたベルトを介して可変抵抗器の可動体に伝達されるようになっている。この場合、可動体をベルトの一部に固定する必要があり、かかるベルトと可動体の連結構造の一例として、本出願人によって提案された実開平4−52705号公報に記載のものが知られている。
【0003】上記公報に記載されたモータ駆動スライド型可変抵抗器は駆動部と可変抵抗器部とから成り、駆動部は、モータによって回転する駆動プーリと、複数の従動プーリと、これら駆動プーリおよび各従動プーリ間に張架されたベルトとを備えており、各プーリにはギヤ部が形成されると共に、ベルトにもギヤ部と噛合する歯部が形成されている。一方、可変抵抗器部は、表面に抵抗体を印刷形成した抵抗基板と、抵抗体に摺接する摺動子が取付けられた可動体とを備えており、可動体は摺動子受けとレバーとを有する。この摺動子受けには内壁面に凹凸部を有する溝が形成されており、該溝内に前記ベルトを挿入して両者の凹凸部と歯部とを噛合させることにより、ベルトに可動体が固着されている。
【0004】このように構成されたモータ駆動スライド型可変抵抗器にあっては、操作者が可動体のレバーを手動操作すると、摺動子片と抵抗体との相対位置が変化し、マニュアル操作で抵抗値が調整される。また、外部からの信号によってモータが回転した場合は、その回転によって駆動プーリが回転し、さらにギヤ部と歯部との噛合により、ベルトが駆動プーリと従動プーリとを周って回動するため、ベルトに固着された可動体が移動し、モータ駆動で抵抗値が調整される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従来のモータ駆動スライド型可変抵抗器においては、可動体をベルトに固着する際、摺動子受けに形成された溝内にベルトを挿入しなければならないが、ベルトはゴム等の可撓性に優れた材料が用いられているため、組立作業性が悪いという問題があった。また、可動体とベルト間の保持力が、溝の凹凸部とベルトの歯部との噛合にのみ依存しているため、保持力を高めるには凹凸部の数を増やす必要があり、その結果、溝の長さが大きくなって小型化が阻害されるという問題もあった。
【0006】本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、可動体をベルトに簡単かつ確実に固定できるモータ駆動スライド型可変抵抗器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、モータによって回転する駆動プーリと、この駆動プーリに所定間隔を存して対向設置された従動プーリと、前記駆動プーリと従動プーリ間に張架されたベルトと、このベルトの一部に固着された可動体と、この可動体に保持された摺動子片と、この摺動子片に摺接する抵抗基板とを備え、前記可動体の往復動に伴う前記摺動子片と前記抵抗基板との摺接位置の変化により、抵抗値が調整されるモータ駆動スライド型可変抵抗器において、前記可動体が、操作者によって手動操作されるレバーと、前記摺動子片を保持する摺動子受けとから成り、これらレバーと摺動子受けとで前記ベルトを挾持したことを、最も主要な特徴としている。上記の構成において、ベルトを挾持する手段として、レバーと摺動子受けのいずれか一方に凹部を設けると共に、いずれか他方にこの凹部内に挿入される突部を設け、これら凹部と突部とでベルトを挾持することが可能であり、また、駆動プーリと従動プーリとにギヤ部を形成すると共に、ベルトにこのギヤ部と噛合する歯部を形成し、かつ前記突部にベルトの歯部と噛合する凹凸を設けることも可能である。さらに、上記の構成において、ベルトを挾持する挾持部と、レバーと摺動子受けを一体化する固定部とを別の位置に設けることが可能であり、また、この固定部として、レバーと摺動子受けのいずれか一方に設けられた脚片と、いずれか他方に設けられた案内孔とを備え、これら脚片と案内孔とを摺動自在に連結すると共に、両者を一体化するスナップ結合部を設けることも可能である。
【0008】
【作用】駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを張架した後、このベルトを挾むようにレバーと摺動子片とを接合・一体化すると、可動体をベルトに簡単に固着することができる。その際、レバーと摺動子受けのいずれか一方に凹部を設けると共に、いずれか他方にこの凹部内に挿入される突部を設け、これら凹部と突部とでベルトを挾持すると、ベルトは凹部の内壁と突部とで確実に挾持される。また、突部にベルトの歯部と噛合する凹凸を設けると、ベルトと可動体との固定は一層確実になる。さらに、ベルトを挾持する挾持部と、レバーと摺動子受けを一体化する固定部とを別の位置に設けると、レバーと摺動子受けを一体化する力がベルトの挾持部に影響を与えにくくなり、組立作業性を高めることができる。また、この固定部として、レバーと摺動子受けのいずれか一方に設けられた脚片と、いずれか他方に設けられた案内孔とを摺動自在に連結し、脚片を案内孔内にスナップインするという構造を採用すると、レバーと摺動子受けを一体化する際に、脚片が案内孔にガイドされるため、組立作業性を一層高めることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係るモータ駆動スライド型可変抵抗器の全体構成を示す分解斜視図、図2はモータ駆動ユニットの斜視図、図3は駆動プーリの支持構造を示す分解斜視図、図4は駆動プーリとガイド部材の位置関係を示す説明図、図5はガイド部材の取付け状態を示す断面図、図6は従動プーリの支持構造を示す分解斜視図、図7は従動プーリの取付け状態を示す断面図、図8は可動体の分解斜視図、図9はレバーの側面図、図10は摺動子受けの平面図、図11は摺動子受けの背面図、図12は可動体をベルトに取付ける途中の状態を示す平面図、図13は図12のA−A線に沿う断面図、図14は可動体をベルトに取付け終了した状態を示す平面図、図15は図14のB−B線に沿う断面図である。
【0010】本実施例に係るモータ駆動スライド型可変抵抗器は、図2に示すモータ駆動ユニット1と、このモータ駆動ユニット1の前後面と底面を被覆する一対のカバー2と、モータ駆動ユニット1の左右両側面を被覆する一対のホルダ3と、モータ駆動ユニット1の上面を被覆する目隠し板4、およびモータ駆動ユニット1に対向設置された抵抗基板5とで概略構成されている。前記抵抗基板5の表面には後述する各摺動子片に摺接する抵抗体や集電体(いずれも図示せず)が形成されており、また、抵抗基板5の両側縁には位置決め孔5aが穿設されている。一方、前記カバー2の内面には長手方向に沿って延びる一対の位置決め溝2aが形成されており、前記抵抗基板5はこれら位置決め溝2a間に挿入されている。
【0011】図2に示すように、前記モータ駆動ユニット1は、金属製のフレーム6と、このフレーム6の一端に固定されたモータ7と、このモータ7の回転軸に固定された駆動プーリ8と、この駆動プーリ8を包囲するガイド部材9と、フレーム6の他端に軸支された従動プーリ10と、これら駆動プーリ8と従動プーリ10間に比較的緩く張架されたベルト11と、フレーム6の両端間に橋架された一対のガイドシャフト12,13、および両ガイドシャフト12,13に沿って往復動自在な可動体14とを備えており、これら各部材は後述する組立工程を経てユニット化されている。
【0012】前記フレーム6には、位置決め突起15aを有する一対の脚片15と、図示左側の脚片15の上端から直角に折れ曲がる第2の受板16と、この第2の受板16に所定間隔を存して対向する第1の受板17と、図示右側の脚片15の上端からほぼ直角に折れ曲がる支持板18と、第1の受板17および支持板18から直角に折れ曲がる一対の起立片19等が形成されており、これらは1枚の金属板からプレス加工されている。前記脚片15と起立片19にはそれぞれ溝部15b,19aが形成されており、両ガイドシャフト12,13はこれら溝部15b,19aの開口端をかしめることによりフレーム6に固定されている。また、前記各位置決め突起15aは前記抵抗基板5の各位置決め孔5aと係合しており、このように抵抗基板5を前記カバー2の位置決め溝2aと脚片15の位置決め突起15aとで三次元方向に規制することにより、抵抗基板5はネジやかしめ等を用いずにフレーム6に固定されている。
【0013】図3〜図5に示すように、前記フレーム6の支持板18には円形の貫通孔18aと長方形の規制孔18bが形成されており、図示右側の起立片19には係止孔19bが形成されている。この支持板18の下面には前記モータ7がネジ止めされており、モータ7の回転軸7aは前記貫通孔18aを挿通して支持板18の上方へ突出している。なお、支持板18は脚片15に対して幾分鋭角となるように折り曲げられており、その結果、支持板18に取付けられたモータ7の回転軸7aは、両ガイドシャフト12,13に直交する線に対して所定角度だけ外側に傾斜している(本実施例の場合、傾斜角度は1°30′)。一方、前記駆動プーリ8の外周面にはギヤ部8aが形成されると共に、ギヤ部8aの下端には鍔部8bが形成されており、この駆動プーリ8は前記モータ7の回転軸7aに圧入・固定されている。ここで、駆動プーリ8の軸孔と回転軸7aはそれぞれ断面D形状に形成されており、このD形状によって回転軸7aの回転が駆動プーリ8に確実に伝達されるようになっている。前述したように、前記駆動プーリ8にはベルト11が巻回されており、このベルト11の内周面に形成された歯部11aは駆動プーリ8のギヤ部8aと噛合している。その際、モータ7の回転軸7aは両ガイドシャフト12,13に直交する線に対して僅かに外側を向くように傾斜しており、モータ7の駆動によって駆動プーリ8が回転すると、該駆動プーリ8に巻回されたベルト11に常に鍔部8bがある下方への力が作用するため、鍔部8bを駆動プーリ8の下端のみに形成しただけで、ベルト11の脱落を確実に防止することができる。
【0014】前記ガイド部材9は下端を開口した袋状に形成されており、その上面には孔9aが穿設されている。また、ガイド部材9の相対向する側壁の一方には下方へ延びる第1のスナップ爪9bが、他方には上方へ延びる第2のスナップ爪9cがそれぞれ形成されると共に、第1のスナップ爪9bの内側には該第1のスナップ爪9bより幾分短寸の垂下片9dが形成されている。なお、第1のスナップ爪9bの幅寸法は前記支持板18の規制孔18bより幾分小さめに設定され、同様に、第2のスナップ爪9cの幅寸法は前記起立片19の係止孔19bより幾分小さめに設定されている。さらに、ガイド部材9には前記第1のスナップ爪9bを介して対向する一対の規制部9eが形成されており、これら規制部9eの相対向する内面は曲面状に形成されている。
【0015】このように構成されたガイド部材9は、前記駆動プーリ8とそれに巻回されたベルト11に被せられ、第1のスナップ爪9bを規制孔18bに係止すると共に、第2のスナップ爪9cを係止孔19bにそれぞれスナップインすることにより、図5に示すように孔9aから回転軸7aが突出した状態で、前記フレーム6の支持板18上に回転可能に取付けられる。すなわち、第1および第2のスナップ爪9b,9cはそれぞれ規制孔18bおよび係止孔19bに対して幅方向に微小量移動できるため、ガイド部材9は孔9aを中心として微小角度だけ回転することができる。また、ベルト11は第1のスナップ爪9bと両規制部9eとの間を通って従動プーリ10に張架されるが、ガイド部材9の出口近傍で両規制部9eと接触しており、これら規制部9eでベルト11を内方へ押し付けることにより、ベルト11の歯部11aが駆動プーリ8のギヤ部8aに確実に噛合されるようになっている。その際、ガイド部材9が支持板18上に回転可能に取付けられているため、例えば駆動プーリ8の偏心やベルト11の変形等により、ベルト11が一方の規制部9eに強く押し付けられようとすると、ガイド部材9がそれに追従して回転し、ベルト11と両規制部9eの接触状態が常に良好に保たれる。さらに、図4に示すように、駆動プーリ8に噛合するベルト11の巻回部分とガイド部材9の内面との間には両者を非接触状態に保つギャップが確保されているが、その最小ギャップ寸法aはベルト11の歯部11aの歯たけ寸法bよりも小さく(a<b)設定されている。
【0016】図6に示すように、前記フレーム6の第1の受板17には支持板18の方向に延びる長孔17aが形成されており、第2の受板16には細長い係合孔16aが長孔17aと対向するように形成されている。一方、前記従動プーリ10の外周面にはギヤ部10aが形成されており、この従動プーリ10の軸孔10bには上部周面に凹溝20aを有する支軸20が挿入されている。図7に示すように、前記支軸20は、凹溝20aが第1の受板17を挾持するように長孔17aの奥まで挿入されると共に、従動プーリ10の下方に突出する部分が係合孔16aの奥と当接する位置まで挿入され、この支軸20に従動プーリ10が回転自在に軸支されている。その際、支軸20を長孔17aと係合孔16aの奥までスライドさせる力として、予め従動プーリ10にベルト11を巻回しておき、このベルト11の張力を利用すると、支軸20をフレーム6に簡単に係止することができる。
【0017】図8に示すように、前記可動体14は金属製のレバー21と合成樹脂製の摺動子受け22とから成り、後述するように、これらレバー21と摺動子受け22は接合・一体化されるようになっている。図9に示すように、前記レバー21には、つまみ部21aと、前記目隠し板4が挿通されるガイド孔21bと、前記ガイドシャフト12に挿入される筒部21cと、この筒部21cから垂下する垂下片21dとが形成されており、筒部21cの両端には合成樹脂製の摺動筒体23がスナップインされる。また、前記垂下片21dの前面にはL字状の折曲部21eとガイド突起21fおよび支持突起21gが形成されると共に、垂下片21dの背面には係止爪21hとストッパ段部21iが形成されており、前記支持突起21gには第1の摺動子片24が圧入される。
【0018】図10と図11に示すように、前記摺動子受け22には、内部に収納孔22aを有する枠部22bと、この枠部22bから上方へ延びる突出片22cと、前記ガイドシャフト13に挿入される環状部22dとが形成されており、枠部22bの内壁には段付き状の係止溝22eが形成されている。また、前記突出片22cの上端には前記ベルト11の歯部11aと同一形状の凹凸部22fが形成されると共に、突出片22cの背面には案内溝22gが形成されている。さらに、前記枠部22bの前面には複数のボス22hが形成されており、これらボス22hに前記第1の摺動子片24と第2および第3の摺動子片25,26がかしめ固定される。
【0019】このように構成された可動体14は前述の如くベルト11に固着されるが、この場合、図12と図13に示すように、まずレバー21の垂下片21dを摺動子受け22の収納孔22a内に挿入し、摺動子受け22の突出片22cを上方へ移動する。その際、レバー21の支持突起21gが突出片22cの一側面に当接すると共に、ガイド突起21fが案内溝22gと係合しており、これら支持突起21gとガイド突起21fによって、突出片22cをレバー21に対しスムーズに移動できる。そして、突出片22cの上端が折曲部21eの内部に僅かに進入した位置で、係止溝22eの上端がストッパ段部21iの下端に当接し、突出片22cを移動するのに要する力が増大するため、当該位置で突出片22cの移動を一旦停止する。この状態で、ベルト11を突出片22cの上端に掛け、ベルト11の歯部11aを突出片22cの凹凸部22fに噛合する。しかる後、突出片22cをさらに上方へ移動すると、図14と図15に示すように、突出片22cの上端が折曲部21eの内部に完全に入り込むため、ベルト11は突出片22cと折曲部21eとで挾持される。同時に、係止爪21hが係止溝22eの段部を乗り越えてスナップインされるため、レバー21と摺動子受け22とは一体化される。
【0020】次に、上記の如く構成されたモータ駆動スライド型可変抵抗器の組立工程について説明する。
【0021】まず、フレーム6の支持板18にモータ7をネジ止めし、該モータ7の回転軸7aに駆動プーリ8を圧入・固定する。次いで、従動プーリ10の軸孔10bに支軸20を挿入し、従動プーリ10にベルト11を巻回した状態で、支軸20の凹溝20aを長孔17aに挿入すると共に、支軸20の下端を係合孔16aに挿入する。しかる後、ベルト11を駆動プーリ8に巻回すると、ベルト11の張力によって、支軸20は長孔17aと係合孔16aの奥まで移動し、従動プーリ10がこれら長孔17aと係合孔16aに係止された支軸20に回転自在に軸支される。次に、ガイド部材9を駆動プーリ8に被着し、これに前後して、レバー21の筒部21cにスナップインした摺動筒体23に一方のガイドシャフト12を挿通し、このガイドシャフト12の両端をフレーム6の溝部19aにかしめ固定する。次いで、摺動子受け22に各摺動子片24,25,26をかしめ固定し、この摺動子受け22の突出片22cをレバー21の折曲部21e内に僅かに挿入した状態で、ベルト11の一部を突出片22cの上端に掛け、ベルト11の歯部11aを突出片22cの凹凸部22fに噛合する。しかる後、突出片22cをさらに上方へ移動し、ベルト11を突出片22cと折曲部21eとで挾持すると共に、係止爪21hを係止溝22eの段部にスナップインさせてレバー21と摺動子受け22とを一体化し、可動対14をベルト11に固定する。次に、第1の摺動子片24を支持突起21gに圧入することにより、第1の摺動子片24とレバー21を電気的に接続し、さらに、摺動子受け22の環状部22dに他方のガイドシャフト13を挿通し、このガイドシャフト13の両端をフレーム6の溝部15bにかしめ固定することにより、図2に示すモータ駆動ユニット1を得る。
【0022】次に、一方のカバー2の位置決め溝2a間に抵抗基板5を挿入し、この抵抗基板5の各位置決め孔5aにフレーム6の各位置決め突起15aが嵌まるように、該カバー2にモータ駆動ユニット1を重ね合わせ、同時に、他方のカバー2をモータ駆動ユニット1の反対側に重ね合わせて両カバー2をネジ止めする。この状態で、抵抗基板5とモータ駆動ユニット1のほとんどの部品は両カバー2内に収納されるが、レバー21のつまみ部21aとガイド孔21bは、両カバー2の上端の間隙から突出している。次いで、目隠し板4をガイド孔21bに挿通して両カバー2の上端の間隙を被覆し、最後に、両カバー2の左右両側面にホルダ3をネジ止めすることにより、前記目隠し板4の両端をホルダ3に固定し、モータ駆動スライド型可変抵抗器の組立が完了する。
【0023】なお、抵抗基板5を交換するためにモータ駆動スライド型可変抵抗器を分解する場合は、上記した組立工程と逆の工程に従えば良いが、その際、抵抗基板5はカバー2の位置決め溝2aとフレーム6の位置決め突起15aとで位置決め・保持されているため、かしめを外したりネジを緩めたりする等の煩雑な作業を要することなく、カバー2の位置決め溝2aに沿ってスライドするという簡単な作業で抵抗基板5を取り出すことができる。
【0024】次に、上記の如く構成されたモータ駆動スライド型可変抵抗器の動作ついて説明する。
【0025】外部からの信号によってモータ7が正逆いずれかの方向に回転すると、その回転方向に応じて駆動プーリ8が回転し、この駆動プーリ8の回転力はギヤ部8aと歯部11aの噛合によりベルト11に確実に伝達されるため、ベルト11が駆動プーリ8と従動プーリ10とを周って回動する。ベルト11が回動すると、ベルト11に固着された可動体14は両ガイドシャフト12,13に沿って、図1の矢印PまたはQ方向に往復移動する。この可動体14には各摺動子片24〜26が保持されており、可動体14の移動によって抵抗基板5上の抵抗体(図示せず)と第2および第3の摺動子片25,26との摺接位置が変化するため、その摺接位置に応じた抵抗値が出力される。その際、可動体14が両ガイドシャフト12,13の端部まで移動すると、可動体14とベルト11はそれ以上移動できずに停止するが、モータ7が引き続いて回転しようとすると、回転する駆動プーリ8のギヤ部8aと停止しているベルト11の歯部11aとの位相がずれるため、ベルト11は駆動プーリ8によって外側へ押し拡げられ、ガイド部材9の内壁に当接する。ここで、ベルト11とガイド部材9間の最小ギャップ寸法aがベルト11の歯部11aの歯たけ寸法bよりも小さく設定されているため、ベルト11が寸法aだけ外側へ押し拡げられると、ガイド部材9によってベルト11の拡がりがストップされる。したがって、駆動プーリ8のギヤ部8aはベルト11の歯部11aを乗り越えられず、駆動プーリ8とモータ7の回転がベルト11によって強制的にロックされるため、ギヤ部8aと歯部11aとの係脱に起因する異音は発生しなくなる。
【0026】一方、操作者がレバー21のつまみ部21aに指を触れると、操作者に帯電した静電気が第1の摺動子片24とそれに摺接する抵抗基板5上の集電体(図示せず)を介して出力され、その出力信号に基づいてモータ7の回転が停止する。そして、操作者がつまみ部21aを摘んで可動体14を図1の矢印PまたはQ方向に往復移動すると、ベルト11は駆動プーリ8および従動プーリ10と共に回動し、上記したモータ駆動時と同様に、可動体14の移動に応じた抵抗値が出力される。その際、ベルト11はガイド部材9の両規制部9eと接触しており、可動体14の移動方向によってベルト11とガイド部材9の相対位置が微小量ずれるが、このずれはガイド部材9が回転することによって吸収される。すなわち、可動体14が駆動プーリ10に近づく方向(矢印P方向)に移動した場合、可動体14と駆動プーリ10間のベルト11には圧縮方向の力が作用し、これとは逆に、可動体14が駆動プーリ10から遠ざかる方向(矢印Q方向)に移動した場合、可動体14と駆動プーリ10間のベルト11には引張方向の力が作用するが、このようなベルト11の変形に追従してガイド部材9が回転するため、ベルト11は両規制部9eに対し常にバランス良く接触し、ガイド部材9によってベルト11の回動が妨げられることはない。
【0027】なお、上記実施例では、レバー21に形成された折曲部21eの凹部内に、摺動子受け22に形成された突出片22c先端の突部を挿入することにより、これら凹部と突部とでベルト11を挾持する場合について説明したが、凹部と突部の関係を逆にし、レバー21に形成した突部を摺動子受け22に形成した凹部に挿入するようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、可動体を互いに接合・一体化されるレバーと摺動子片とで構成すると共に、これらレバーと摺動子片とでベルトを挾持するようにしたため、可動体をベルトに対し簡単に固着することができる。その際、レバーと摺動子受けのいずれか一方に凹部を設けると共に、いずれか他方にこの凹部内に挿入される突部を設け、これら凹部と突部とでベルトを挾持すると、ベルトを凹部の内壁と突部とで確実に挾持することができる。また、突部にベルトの歯部と噛合する凹凸を設けると、挾持部分を小さくしても可動体をベルトに確実に固定できるため、モータ駆動スライド型可変抵抗器の小型化が図れる。さらに、ベルトを挾持する挾持部と、レバーと摺動子受けを一体化する固定部とを別の位置に設けると、レバーと摺動子受けを一体化する力がベルトの挾持部に影響を与えにくくなるため、組立作業性を高めることができる。また、この固定部として、レバーと摺動子受けのいずれか一方に設けられた脚片と、いずれか他方に設けられた案内孔とを摺動自在に連結し、脚片を案内孔内にスナップインするという構造を採用すると、レバーと摺動子受けを一体化する際に、脚片が案内孔にガイドされるため、組立作業性を一層高めることができる。




 

 


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