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発明の名称 インダクタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−45743
公開日 平成8年(1996)2月16日
出願番号 特願平6−197558
出願日 平成6年(1994)7月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
発明者 木村 洋一 / 関崎 修 / 岸 正治
要約 目的
薄型で且つ小型で、昇圧回路などに適する高インダクタンスのインダクタを得る。

構成
主コア11と、連結コア12、13は鉄系材料の積層体により形成されており、プレス工程により打ち抜き成形することも可能である。主コア11と連結コア12,13は上下に重ねられて面当接され、主コア11から連結コア12,13を経る磁路が形成される。主コア11と連結コア12,13との面当接部にはポリイミドフィルムなどのギャップ材14,15が介装されて磁気飽和を避けるためのギャップgが形成されている。主コア11と連結コア12,13は面当接し、シートまたはフィルム状のギャップ材14,15にてギャップ間隔が形成されるため、ギャップ距離の設定と調整が容易である。また高インダクタンスに設定することが可能である。
特許請求の範囲
【請求項1】 巻線が設けられた主コアと、主コアの端部間に渡設された連結コアとを有し、主コアの両端部と連結コアとが重ね合わされて面当接していることを特徴とするインダクタ。
【請求項2】 連結コアは、主コアを挟んで一対設けられている請求項1記載のインダクタ。
【請求項3】 主コアは平面形状がL字状またはコの字状である請求項1または2記載のインダクタ。
【請求項4】 主コアと連結コアは、鉄系材料の積層体であり、主コアと連結コアの表面層どうしが面当接している請求項1ないし3のいずれかに記載のインダクタ。
【請求項5】 主コアと連結コアとの間に非磁性体のギャップ材が介装されている請求項1ないし4のいずれかに記載のインダクタ。
【請求項6】 巻線の両端部を規制する鍔部に延長部が一体に設けられ、主コアの無い部分にて、両連結コアの間に前記延長部が介装されて連結コア間の間隔が保たれている請求項2記載のインダクタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇圧回路などに適する小型で高インダクタンスのインダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】図10(A)は従来の各種回路に使用されているインダクタを示す斜視図、図10(B)はその縦断面図である。このインダクタは、フェライトにより形成されたドラム型のコア1に巻線2が設けられている。コア1は下部と上部にフランジ部1a,1bを有しており、このコア1は、筒状のポット3内に収められている。ポット3はコア1と同様にフェライトにより形成されている。このインダクタでは、巻線2に電流が与えられたときに、コア1内からポット3内を巡る磁路が形成される。また、この種のインダクタでは、コア1の下側のフランジ1aの周囲とポット3の開口部(下端)の内周面との間に非磁性領域のギャップgが形成されている。このギャップgを設けることにより、前記磁路での磁気飽和を避け、飽和化磁界を大きくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図10に示す従来のインダクタでは、以下の問題点がある。
(1)背の高い構造で、薄型化が困難であるため、薄型製品の回路に使用しづらい。
(2)コア1およびポット2の形状が複雑であり、これらの部材がフェライトにより形成されているために、加工性が悪く価格の高いものとなる。
(3)磁気飽和がギャップgの間隔に影響されるために、製造時にギャップgの間隔を調整する必要があるが、ギャップgがコア1のフランジ1aの周囲に円筒状に形成されたものであるため、このギャップgの間隔の設定および調整が困難である。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するものであり、薄型で、加工性が良く、ギャップの調整が容易で、高いインダクタンスを得ることができるインダクタを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、巻線が設けられた主コアと、主コアの端部間に渡設された連結コアとを有し、主コアの両端部と連結コアとが重ね合わされて面当接していることを特徴とするものである。
【0006】上記連結コアは主コアの一方の面にのみ重なるように設けることが可能であるが、主コアを挟んで一対設けることが好ましい。
【0007】上記主コアの平面形状は、例えばL字状またはコの字状である。
【0008】また、主コアと連結コアは鉄系材料の積層体で形成することが好ましく、この場合に、主コアと連結コアの表面層どうしが面当接する構造となる。
【0009】上記において、主コアと連結コアとの間に非磁性体のギャップ材が介装される構造とすることが好ましい。このギャップ材は例えばポリイミドなどの樹脂フィルムまたは樹脂シートである。
【0010】また、主コアの両側に一対の連結コアが設けられる場合に、巻線の両端部を規制する鍔部に延長部が一体に設けられ、主コアの無い部分にて、両連結コアの間に前記延長部が介装されて連結コア間の間隔が保たれる構造とすることが可能である。
【0011】
【作用】上記手段では、主コアが例えば断面が矩形状で平面的に広がる形状、例えばL字状またはコの字状であり、この主コアに巻線が設けられている。そして主コアの両端部間に連結コアが渡設され、この連結コアは主コアの端部に重ねられて面当接され、この面当接部分が磁気飽和を避けるためのギャップとなる。主コアが平面的に展開する構造であるために、全体を薄く構成できる。また、主コアと連結コア、または少なくとも主コアが鉄系材料の積層体の場合には、前記L字状またはコの字状の平面形状をプレス加工にて打ち抜き成形することも可能であり、量産性に優れ低コストで製造できるようになる。
【0012】主コアの両端部には連結コアが重ねられ、例えば鉄系材料の積層体の表面層どうしが重ねられて面当接されたものとなり、この面当接部分にギャップが形成され、主コアと連結コアを経る磁路の磁気飽和を避けるようにしている。主コアと連結コアが重ねられて面当接されているため、主コアと連結コアとの当接状態が安定し、よってギャップの形成が容易であり、また主コアと連結コアとの当接面積の調整、および主コアと連結コアの間のギャップの間隔の調整が容易である。特に、主コアと連結コアとの面当接部に、非磁性材料のフィルムまたはシートによるギャップ材を介装すると、このフィルムまたはシートの厚さにより、ギャップの間隔を自由に設定できる。すなわち主コアと連結コアとを面当接させ、この面当接部に、フィルム状またはシート状のギャップ材を介装することにより、ギャップの設定を非常に簡単にでき、または個々の製品ごとにギャップの寸法を統一でき、製品間でのギャップの寸法のばらつきをなくし、磁気特性を統一できる。
【0013】また連結コアを一対設けて、主コアとそれぞれの連結コアとの間にギャップを形成すると、ギャップ調整による磁気特性の設定が容易であり、例えば一方のギャップの間隔を固定し、他方のギャップを調整することにより、インダクタの磁気特性を調整しやすくなる。
【0014】さらに、一対の連結コアを使用した場合に、主コアに設けられた巻線の端部を規制する鍔部の延長部を、連結コア間に介装することにより、連結コアどうしの間隔を一定に保つことが可能で、連結コアの支持が安定する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施例のインダクタを示す斜視図、図2はその分解斜視図である。主コア11の断面は、厚さがt1で幅寸法がw1の矩形状である。また主コア11の平面形状はL字状である。L字形状の長辺の寸法をA、短辺の寸法をBで示す。主コア11は鉄系材料がt1方向へ積層された積層体である。鉄系材料を積層体とすることにより、うず電流損などによる磁気特性の劣化を防止している。鉄系材料の一層の厚さは12〜25μm程度である。鉄系材料としてはパーマロイ(Fe−Ni系合金)、Fe−Si−B系のアモルファス材料、またはFe−M−B系の微結晶合金(ただしMは、Zr、Nbなどの金属)で平均結晶粒径が20nm以下のものが好ましく使用される。
【0016】主コア11の厚さt1は例えば0.5mm、幅寸法w1は例えば0.5mm、長辺の寸法Aは例えば6〜4mm、短辺の寸法Bは例えば4〜2mm程度である。このように主コア11は、平面的にL字状に延びる形状であり、また厚さt1が0.5mm程度であるため、板材からプレス加工で打ち抜き成形することが可能であり、低コストにて量産が可能である。主コア11の下側には下部連結コア12が設けられ、上側には上部連結コア13が設けられている。各連結コア12と13は、主コア11と同じ鉄系材料の積層体であり、例えば一層の厚さが12〜25μm程度の、パーマロイ(Fe−Ni系合金)、Fe−Si−B系のアモルファス材料、またはFe−M−B系の微結晶合金(ただしMは、Zr、Nbなどの金属)で平均結晶粒径が20nm以下のものが好ましく使用される。各連結コア12と13は、例えば厚さt2が0.25mmで幅寸法w1が例えば0.5mmの矩形断面形状のものであり、主コア11と同様にプレス加工にて打ち抜き成形することが可能である。
【0017】連結コア12と13は、平面状に延びた形状であり、主コア11と同じL形状である。L形状の長辺の寸法Aは例えば6〜4mm、短辺の寸法Bは例えば4〜2mm程度である。連結コア12と13は、主コア11の両端部間を連結するものである。主コア11の両端部の下面(イ)すなわち主コア11の積層体の下面側の表層部分は平面であり、下側の連結コア12の両端部の上面(ロ)すなわち連結コア12の積層体の上面側の表層部分も平面であり、下面(イ)に上面(ロ)が重ねられて互いに面当接した状態となっている。同様に主コア11の両端部の上面(ハ)も平面形状で、上側の連結コア13の両端部の下面(ニ)も平面であり、この下面(ニ)が上面(ハ)に重ねられて面当接した状態となっている。
【0018】主コア11の両端部の下面(イ)と、連結コア12の両端部の上面(ロ)との面当接により、また、主コア11の両端部の上面(ハ)と、連結コア13の両端部の下面(ニ)との面当接により、主コア11と各連結コア12,13との間にギャップgが形成される。このギャップgの間隔(ギャップ長)を設定するために、主コア11と連結コア12との間にギャップ材14が必要に応じて介装され、主コア11と連結コア13との間にギャップ材15が必要に応じて介装される。ギャップ材14と15は、非磁性材料のシートまたはフィルムであり、実施例では、ギャップ材14,15としてポリイミドフィルムが使用されている。ギャップ材14と15は、異なる厚さのものから選択されて使用され、その厚さは例えば12.5μm、25μm、50μmなどである。そして、主コア11のL字状の長辺部分11aに巻線16が施されている。巻線は、被覆銅線や、軟鉄などの被覆導線であり、例えば直径が50μmの軟鉄の被覆導線が500ターン巻かれたものが使用される。
【0019】図1に示すインダクタは、全体の厚さ寸法Tがほぼ1mm程度の薄型のものであり、また平面形状の寸法は最大でA×Bが6×4mm程度の小型のものである。よって薄型で小型の製品、例えば腕時計のエレクトロルミネッセンス駆動用の昇圧チョッパ回路などに適している。巻線16に通電されたときに発生する磁束の経路(磁路)は、主コア11から上下の連結コア12,13を経て主コア11に戻る経路となるが、主コア11と上下各連結コア12,13との面当接部にギャップgが形成されることにより、前記磁路での磁気飽和が避けられ、飽和化磁界を大きくしている。
【0020】主コア11および連結コア12,13を、パーマロイなどの透磁率の高い材料により形成し、またギャップgを適正に設けて磁気飽和を避けることにより、高いインダクタンスを得ることができ、例えば、A=6mm、B=4mm、巻線16の巻き数が500ターンの場合に、インダクタンスを10mH程度に高めることが可能である。前述のように、このインダクタは、例えばエレクトロルミネッセンスを駆動するための昇圧チョッパ回路などに設けられる。エレクトロルミネッセンスの駆動回路では、100V程度の交流電圧が必要とされるが、上記実施例のインダクタでは100V程度の交流起電力を誘導することが可能である。この起電力による発生電圧は、連結コアを主コア11の一方にのみ設けたときと、主コア11の両側に連結コア12,13を設けたときとで相違し、またそれぞれの場合において、ギャップgの間隔(ギャップ長)をギャップ材14または15の厚さにより調整することにより相違してくる。
【0021】以下の表1と表2は、図1に示すインダクタにより誘導可能な発生電圧を調べた結果を示している。インダクタの主コア11と連結コア12,13は厚さ12μmのパーマロイの積層体により形成し、寸法はt1=0.5mm、t2=0.25mm、w1=0.5mm、A=6mm、B=4mmとした。巻線16は、直径が50μmの軟鉄の被覆導線を使用し巻き数を500ターンとした。表1と表2に示した値は、巻線16に対し全て同じ条件の交流電流を与え、誘導された電圧の最大値を測定したものである。まず、連結コア12と13を設けず、主コア11の両端部が連結されていない状態で得られた発生電圧を表1の最上欄に示す。このときの発生電圧は87.2〜88.8Vである。表1の第2欄から最下欄は、連結コアを1個だけ設けた場合の発生電圧を示している。ギャップ長「0」は、主コア11と1個の連結コア12との間にギャップ材14を介装しない場合を示し、ギャップ長の「12.5」「25」「50」は、それぞれ厚さが12.5μm、25μm、50μmのギャップ材14を介装させた場合を示している。発生電圧が最大となるのは、ギャップ材を介装しない場合で、その最大値は96.8Vである。
【0022】
【表1】

【0023】次に表2は、主コア11の上下両側に連結コア12と13を設けた場合に誘導される電圧を示している。測定は、一方の連結コア12と主コア11との間にギャップ材14を介装しない場合(ギャップ長(1)が「0」)、一方の連結コア12と主コア11との間に厚さ12.5μmのギャップ材14を介在させた場合(ギャップ長(1)が「12.5」)、一方の連結コア12と主コア11との間に厚さ25μmのギャップ材14を介装した場合(ギャップ長(1)が「25」)のそれぞれにおいて行った。このそれぞれの場合において、他方の連結コア13と主コア11との間にギャップ材15を介装させないとき(ギャップ長(2)が「0」)、厚さ12.5μmのギャップ材15を介在させたとき(ギャップ長(2)が「12.5」)、厚さ25μmのギャップ材15を介在させたとき(ギャップ長(2)が「25」)、および厚さ50μmのギャップ材15を介在させたとき(ギャップ長(2)が「50」)のそれぞれにおいて誘導された電圧の最大値を測定した。
【0024】
【表2】

【0025】表1と表2とを対比させると、まず、表1から主コア11に連結コアを全く設けない場合よりも、1個の連結コアを設けた場合の方が発生電圧が高いのが解る。また表2から、主コア11の両側に一対の連結コア12と13を設けることにより、発生電圧がさらに高くなることが解る。
【0026】表1において、一方の連結コアのみを設けた場合には、ギャップgの間隔によって発生電圧が変動することが解り、ギャップ材を設けないときに発生電圧が最も高くなる。表2においても、主コア11の両側に連結コア12と13を設けた場合に、主コア11の両側のギャップgの間隔が変わることにより発生電圧が変動することが解る。また表2では、一方のギャップにギャップ材を介装しない場合(最左欄)と、一方のギャップに厚さ12.5μmのギャップ材を介在させたとき(中欄)に、発生電圧が高くなり、100Vを越えていることが解る。また表2の最左欄および中欄では、一方のギャップの間隔を0や12.5μmに固定し、他方のギャップ材の厚さを変えることにより、発生電圧の調整(インダクタンスの調整)をある程度広い範囲で行うことができることが示されている。なお、表1と表2において、ギャップ長が「0」と記載されているのは、主コアと連結コアとの面当接部のギャップが完全に無くなることを意味しているのではなく、ギャップ材を介装せず、主コアと連結コアとの表面の粗さに起因した最小限のギャップ間隔(ギャップ長)となることを意味している。
【0027】以上から、主コア11の両端部を連結する1個以上の連結コアを設けることにより高いインダクタンスが得られ、自己誘導による発生電圧が高くなることが解り、さらに主コア11の両側に連結コア12と13を設けることにより、さらに高いインダクタンスが得られて発生電圧を高くできることが解る。しかも、主コア11の両側に連結コア12と13を設けた場合には、一方の連結コアと主コア11との間のギャップの間隔を固定しておき、他方の連結コアと主コア11との間のギャップ材の厚さを変えることにより、インダクタンスおよび自己誘導による発生電圧をある程度広い範囲で調整することが可能になる。一方の連結コアと主コア11とのギャップの間隔を固定する場合、主コア11と連結コアの間にギャップ材を介装させず、または12.5μm程度のギャップ材を介装することが好ましい。
【0028】図3は本発明のインダクタの第2実施例を示す斜視図、図4はこのインダクタに用いられる主コアを示す斜視図である。図3に示すインダクタは、図1に示したのと同じ構造であり、主コア11、連結コア12,13、ギャップ材14,15および巻線16を有するものであり、これらの各部品の材質や寸法などは、図1と図2に示した実施例と同じである。ただしこの第2実施例では、図4に示すように、主コア11の長辺部分11aに一対の鍔部材17,18が間隔を開けて嵌着されている。両鍔部材17,18には、それぞれ主コア11の断面と一致する矩形穴17a,18aが形成され、またこの矩形穴17a,18aと連続する切欠き17b,18bが形成されている。鍔部材17,18はやや弾性を有する非磁性材料により形成されており、切欠き17b,18bの部分を長辺部分11aに対して通過させることにより、両鍔部材17と18を主コア11に嵌着させることが可能である。
【0029】鍔部材17と18は、巻線16が形成される前の工程で、主コア11に嵌着される。その後に鍔部材17と18の間に線材が巻かれて巻線16が形成される。一方の鍔部材17が設けられることにより、主コア11の角部(ホ)にて巻き付け中の線材が損傷しまたは切断されるのが防止される。また他方の鍔部材18を設けることにより、巻線16の巻き崩れを防止できる。また、鍔部材17と18は、主コア11の長辺部分11aに嵌着することにより取付けできるので、組立作業も簡単である。
【0030】図5は本発明の第3実施例のインダクタの斜視図、図6はその分解斜視図である。この実施例のインダクタを構成する主コア11、連結コア12,13、ギャップ材14,15は、図1と図2および図3と図4にそれぞれ示した実施例と同じ材質により同じ形状に形成されたものである。第3実施例では、ボビン21が設けられている。このボビン21は非磁性材料により形成されているものであり、胴部21aに巻線16が形成されている。胴部21aの中心には、主コア11の断面と同じ形状の矩形穴21bが穿設されており、この矩形穴21b内に主コア11の長辺部分11aが挿入され、これにより巻線16が主コア11に設けられる。
【0031】ボビン21の両側部分には鍔部21cと21dが形成されており、巻線16はこの鍔部21cと21dの間に巻かれる。鍔部21cと21dには延長部21eと21fが一体に形成されている。図5に示すように、インダクタが組立てられた状態では、延長部21eと21fが、上下の連結コア12と13の間(ギャップ材14,15が設けられる場合には、両ギャップ材14と15の間)に介在し、延長部21eと21fとにより、上下の連結コア12と13の中間部(主コアの無い部分)が支持されている。
【0032】主コア11が平面L字状で、各連結コア12と13が平面L字状の場合には、主コア11の両端部にのみ接合される連結コア12,13の支持状態が不安定であるが、図5に示すように、連結コア12と13の中央部分の主コアの無い部分が延長部21e,21fにより支えられることにより、連結コア12と13の支持状態が安定する。またこの安定のための延長部21e,21fがボビン21と一体に形成されることにより、部品数が極端に増加することがない。なお、図3と図4に示す実施例において、鍔部材17と18と一体に延長部を設け、この延長部により、連結コア12と13の中央部を支持する構造としてもよい。また、連結コア12,13と主コア31が強固に接着されている場合は、ボビン21に延長部21e,21fを設けなくても良い。
【0033】図7は本発明のインダクタの第4実施例を示す斜視図、図8はその分解斜視図である。このインダクタでは、主コア31の平面形状がコの字またはUの字形状となっている。この主コア31は、図1と図2に示した実施例の主コア11と同じ鉄系材料の積層体により形成され、厚さ寸法t1と幅寸法w1は図1と図2に示すものと同じであり、例えばそれぞれ0.5mmである。主コア31は、図2に示す主コア11に対し(へ)で示す部分が延長された形状である。また主コア31の長辺の寸法Aと短辺の寸法Bは図1と図2に示した主コアの各寸法に相当している。
【0034】図7と図8の実施例での連結コア12,13は、図1と図2に示したものと同じであり、厚さt2が例えば0.25mm、幅寸法w1が例えば0.5mmで、平面形状がL字形状である。またギャップ材14と15は、厚さ12.5μm、25μmまたは50μmなどのポリイミドフィルムなどにより形成されている。図7に示すように組立てられたインダクタでは、連結コア12と13の短辺側端部の(ト)の部分が、主コア31の長辺側の端部の(チ)の部分に重ねられるが、連結コア12と13の長辺部分は、主コア31の(へ)の部分の上下面に重ねられる。そしてこの(へ)の重ね部分が全面的にギャップgとなり、ギャップ材14および/または15が介装される場合には、(へ)の部分全面に設けられる。
【0035】この実施例では、図7に示すように、連結コア12と13の長辺部分が主コア31の(へ)の部分に重ねられているため、連結コア12と13の支持が安定する。また、(へ)の部分にて、主コア31と連結コア12,13とが広い面積で面接合されてギャップgが形成されている。したがって、ギャップ材により所定のギャップ間隔(ギャップ長)が形成された場合に、例えば主コア31と連結コア12または13とが平面にて位置ずれを生じたとしても、対向面積が広いために平面的な位置ずれに起因するインダクタンスなどの誤差が小さくなる。したがって、組立作業が若干ラフになっても、インダクタの特性の均一化を図ることができる。なお、図7と図8の実施例において、連結コア12と13のいずれか一方のみ設けたものであってもよい。
【0036】図9は本発明の第5実施例のインダクタを示す斜視図である。このインダクタでは、鉄系材料の積層体などにより主コア32がコの字状に形成され、その連結部32aに巻線16が設けられている。そして、主コア32の両開放端の上下に、I形状の連結コア33と34が面接合され、必要に応じて、主コア32と各連結コア33,34の間にポリイミドフィルムなどの所定厚さのギャップ材35と36が介装されたものである。
【0037】図9に示す実施例では、連結コア33と34を小寸法にでき、全体の小型化が可能である。ただし、巻線16が主コア32の連結部32aに設けられているために、巻線が設けられたボビンを主コアに簡単に挿通させて取付けることはできない。巻線が巻かれたボビンを簡単に取付けることができるためには、図6に示すように主コアをL字状とすることが好ましい。また、上記各実施例では、主コアにひとつの巻線16が設けられた自己誘導型のものとなっているが、巻線として1次側と2次側の双方を設けて、相互誘導型のインダクタを構成してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明のインダクタでは、L字状やコの字状の主コアに連結コアが面当接して重ねられた構造であるため、薄型で且つ小型でしかも高いインダクタンスを得ることができる。
【0039】主コアと連結コアを鉄系材料の積層体により構成することにより、プレス加工などによる打ち抜き成形が可能であり、低コストにて量産性の高いものにできる。
【0040】主コアと連結コアが面当接してギャップが形成されているために、ギャップの面積と間隔の設定と調整が容易であり、例えばシートまたはフィルム状のギャップ材を使用することにより、主コアと連結コアとの間のギャップ間隔を高精度に設定できるようになる。
【0041】さらに、巻線の両端を規制する鍔部から延長部を設け、この延長部にて両連結コア間を支持する構造とすれば、連結コアの間隔を高精度に保ち且つ連結コアの支持を安定させることができる。




 

 


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