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発明の名称 多線コイルの巻線方法および巻線装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−236381
公開日 平成8年(1996)9月13日
出願番号 特願平7−63319
出願日 平成7年(1995)2月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】染川 利吉
発明者 田中 正幸 / 高橋 智幸 / 畠山 豊
要約 目的
複数の独立した線材を同時に1つのコアに巻き付け、かつ線材の巻始め端部及び巻終り端部を一括して所定線材間隔でコア端部にカラゲ処理する。

構成
複数の線材を所定間隔にガイドしつつコア保持チャックへ送り、所定線材間隔を保ってクランプしつつ巻始め端部のカラゲを行い、巻線した後再度所定間隔にガイドしつつ反対側コア端部へ折り返して巻終り端部のカラゲを行う巻線方法が提供される。また、コアに巻線される線材の本数および所定線材間隔に対応した線材規制用溝を持つコア保持チャックと、各々の線材を独立に勝つ同時にクランプする線材クランプ装置と、線材巻終り端部を所定間隔に保持する線材振分けガイドとを有し、複数の線材を同時に1つのコアに整列巻き及び一括線材端部処理を行う多線コイルの巻線装置が提供される。
特許請求の範囲
【請求項1】複数の線材を所定巾間隔に保持しつつコア保持チャックに保持されたコアの奥端面とチャック孔との間に同時に挿入し、この状態で前記各線材を同時に固定しつつ前記コアに巻き付ける前に前記各線材の巻始端を該コアの奥端面から巻付溝に向けて折り返してその先端を切断し、前記各線材の固定を解きかつ該各線材を所定巾間隔に保持しつつ前記コア保持チャックの回転で前記コアの巻付溝に巻き付け、その後、前記コア保持チャックを後段ステーションへ移動させて各線材を同時に前記コアの先端面へ折り曲げて切断することを特徴とする多線コイルの巻線方法。
【請求項2】巻線動作ステーションから巻終側線材のカラゲステーションへ移動するパレットと、前記パレットに保持されて回転するコア保持チャックと、前記パレットに支持され、かつ前記コア保持チャックの前面を水平にまたぐように旋回可能な線材クランプ装置と、前記カラゲステーション位置で固定フレームに設けられ、かつ前記コア保持チャックの前面へ出入する線材振分けガイドと、前記巻線動作ステーションおよび前記カラゲステーションにそれぞれ設けられた線材カッタとを有し、前記コア保持チャックは、前面の片側に複数本の線材振分けスリットが形成された開閉爪を有し、前記線材クランプ装置は作動軸の押動で同時に開閉する複数のクランプ部を有し、前記線材振分けガイドは前記カラゲステーション位置で前記線材クランプ装置の旋回により折り返された線材をガイドする複数本の振分け溝を有することを特徴とする多線コイルの巻線装置。
【請求項3】前記コア保持チャックの開閉爪は前記線材振分けスリットと反対側の前部片側に部分的な切欠部が形成され、該切欠部に前記線材振分けガイドが出入することを特徴とする請求項第2項に記載した多線コイルの巻線装置。
【請求項4】前記線材クランプ装置は、外筒の中心を貫通して配置されかつ上端にフランジ状のクランプ面を有するセンターシャフトと、該センターシャフトの外周に接して配置されかつ上端に前記センターシャフトのクランプ面の下側に対峙するフランジ部が形成された内筒と、前記内筒と前記外筒との間に配置されかつ上端に前記内筒のフランジ部の下面と前記外筒の上端面とに対峙するフランジ部が形成された中間筒と、前記センターシャフトの下端ばね受座と該シャフトの外周に遊嵌された内筒支持部材との間に配置された第1の軸方向圧縮ばねと、前記内筒と前記中間筒との間に配置された第2の軸方向圧縮ばねと、前記中間筒と前記外筒との間に配置された第3の軸方向圧縮ばねとを有することを特徴とする請求項第2項または第3項に記載した多線コイルの巻線装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品に使用されるコイルの巻線方法およびこの方法を実施するのに有用なコイル巻線装置に関する。特に本発明は複数のそれぞれ独立した線材を1つのコアに同時に巻線する方法および多線コイルの自動巻線機に関する。
【0002】
【従来の技術】1つのコアに1本の線材(単線)を自動巻付けする装置は既に知られており、例えば特公昭59ー44767号公報に示すように、複数のコア保持ユニットをコア供給、巻線作動、ワックス付けおよびカラゲ処理の各作業ステーションへ順次送ってそれぞれのステーションで所定の作業を行わせ、完成したコイルを排出した後、ユニット戻し工程を経て再びコア供給ステーションへコア保持ユニットを戻すようにした電子部品連製造装置がある。この装置においては、巻線ステーションでコア保持ユニットのコアチャックに保持されているコアのチャック奥側のフランジ端部に1本の線材を通し、該線材のガイドおよびクランプを兼ねた一対のガイドローラによって線材をクランプ状態にしてその巻始端の切断およびカラゲを行い、線材をコアの前記フランジ端部から巻線溝へ滑り込ませ、前記クランプ状態を解除して前記コアチャックを軸線まわりに回転させて巻線を行い、次にコアに対して線材を再度クランプした状態で次工程のワックスステーション、カラゲステーションへ前記コア保持ユニットを送り、前記カラゲステーションでは線材のクランプ部分、つまり線材を挟むガイドローラを支持したレバーを旋回させて線材の後端(巻終端)を他方のフランジ端部(チャック先端側)へ折り返して切断する。巻き終りの線材のカラゲ、つまりコア端部への線材の固着、切断はワックスステーションの後のカラゲステーションでなされる。図1はこのようにして単線を巻き付けたコイルの斜視図であり、ドラム形コア4の巻線溝5に巻き付けられた線材6の端部はコア両端のフランジ部7の外周から外端面に沿って直径方向へ90°に折り返された後、フランジの縁部で切断される。
【0003】線材のガイドおよびクランプは、前記レバーに設けた一方のガイドローラと、該ガイドローラを貫通してバネおよびカム作用で軸移動するピンに固着した他方のガイドローラとの間に線材を挟む構造としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した自動巻線機は1本の線材をコア中央の巻線溝に巻き付け、その巻始めおよび巻終りの線材端部をコアのフランジ部に折り返して切断することで線材のコア端部へのカラゲを行うものであり、複数のそれぞれ独立した線材を同時に1つのコアに巻き付けて各線材のカラゲを行うことはできない。複数の線材の巻き付けにおいては、各線材のカラゲ端を所定のピッチ間隔でコアの端部に整列させる必要があり、従来の巻線機ではコア保持チャック内での巻始めおよび巻終り時の複数の線材をコア端面に対して所定間隔で固定することができず、また巻線終了後コア端面に線材の折り返しを行う際の個々の線材を均一に保持することが困難であった。
【0005】本発明は、複数の互いに独立した線材を同時に1つのコアに整列巻きを行うとともに、コアの端面に巻始めおよび巻終りの複数の線材を所定ピッチで同時ににカラゲ処理できる巻線方法および多線コイルの自動巻線装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による多線コイルの巻線方法は、複数の線材を所定巾間隔に保持しつつコア保持チャックに保持されたコアの奥端面とチャック孔との間に同時に挿入し、この状態で前記各線材を同時に固定しつつ前記コアに巻き付ける前に前記各線材の巻始端を該コアの奥端面から巻付溝に向けて折り返してその先端を切断し、前記各線材の固定を解きかつ該各線材を所定巾間隔に保持しつつ前記コア保持チャックの回転で前記コアの巻付溝に巻き付け、その後、前記コア保持チャックを後段ステーションへ移動させて各線材を同時に前記コアの先端面へ折り曲げて切断するようにしたものである。
【0007】また本発明による多線コイルの自動巻線装置は、巻線動作ステーションから巻終側線材のカラゲステーションへ移動するパレットと、前記パレットに保持されて回転するコア保持チャックと、前記パレットに支持され、かつ前記コア保持チャックの前面を水平にまたぐように旋回可能な線材クランプ装置と、前記カラゲステーション位置で固定フレームに設けられ、かつ前記コア保持チャックの前面へ出入する線材振分けガイドと、前記巻線動作ステーションおよび前記カラゲステーションにそれぞれ設けられた線材カッタとを有し、前記コア保持チャックは、前面の片側に複数本の線材振分けスリットが形成された開閉爪を有し、前記線材クランプ装置は作動軸の押動で同時に開閉する複数のクランプ部を有し、前記線材振分けガイドは前記カラゲステーション位置で前記線材クランプ装置の旋回により折り返された線材をガイドする複数本の振分け溝を有している。
【0008】
【実施例】次に、本発明を図面を参照して実施例につき説明する。図2は本発明を用いて3本の独立した線材a,b,cを角形のコア1に巻線した多線コイルの斜視図である。コア1の両端は巻付部2と同様に偏平な角形でかつ巻付部2よりも大形の線材カラゲ部3となっており、各々巻付部2に整列巻きされた3本の線材a〜cの両端は互いに等間隔で前記カラゲ部3の片側面3aから先端面3bにかけて90°に折り返されて固着されている。後述するようにコア1の大形のカラゲ部3は巻線の端部カラゲ、固着のほかに巻線機のコア保持チャックでコア1を把持する部分となる。
【0009】図3は本発明の実施例に係る多線コイルの自動巻線機の全体構成を示す正面図である。図3を参照してその概略を説明すれば、ベース11上のフレーム12に沿って複数個のパレット13が順次、コア供給ステーションA、巻線ステーションB、ヒータ加熱ステーションC、巻終側からげステーションDへと一方向に往行移動し、巻終側昇降機構部Eで下降し、戻り工程を経て再び巻始側昇降機構部Gで最初の往行工程の高さ位置まで上昇し、このようなサイクルを繰り返すようになっている。
【0010】各パレット13には、コア供給部から1個づつ供給されるコアを保持するコア保持チャック14が設けられている。コア供給ステーションAに近接して所要の本数の線材を同時に供給する線材供給部が設けられ、また巻線済みのコアはパレット13が巻終側昇降機構部Eで下降して戻り工程に入った最初の取出ステーションFでコア保持チャック14から取り出され、以後、コア供給ステーションAまでパレット13はコアがない状態で戻り工程、および上昇工程を移動する。
【0012】コア保持チャック14は、そのチャック口にコア1の片側の端部、つまり巻始側の線材カラゲ部3(図2)を保持し、巻線ステーションBでチャック軸線まわりに回転することでコア1の巻付部2に線材15を巻回する構造のものであるが、本発明に係るコア保持チャック14は、複数の独立した線材をコアに巻き付けた多線コイルに適用されるため、従来の単線コイル用とは前面部分の構造に工夫が凝らされている。図4,図5および図6を参照して本実施例のコア保持チャック14、特にその前面部分を中心に説明する。図4はコア保持チャックの前面を、チャック口25に図2の角形コア1を保持した状態で示した正面図、図5は図4の矢視Fからみたチャック前部の側面図である。チャック全体は前記パレット13を貫通して後方へのびる中空の軸部16と、該軸部16に続いて前方部分に形成された背部に先拡りの斜面17をもつ大径の開閉爪部18〜21とを有し、前記軸部16はパレット13に回転可能に軸支された巻取軸22に挿入されて該巻取軸と一体で回転するようになっており、、開閉爪部18〜21は3個の互いに直交するスリット23によって画成され、これによって径方向に弾性が与えられている。開閉爪部18〜21の背部の斜面17をチャッククランプ24(図6参照)で押圧することにより、爪部18〜21が閉じてコア1をクランプし、チャッククランプ24の押圧を解除することで爪部18〜21が開いてコア1を解放する。
【0013】チャック口25は適用するコア端部の形状に合致するように所要深さの角形の口孔として形成されるが、この口孔に続いて後方のチャック軸部へ貫通する押し棒挿入孔が形成され、この挿入孔に軸部側から押し棒27が口孔25の奥端近くまで挿入されている。またチャック口25に開通するようにチャックの片側部から3本の線材振分け溝28が形成されている。中央の振分け溝は開閉爪部18,19を形成する1本のスリット23と兼用されており、他の2本の振分け溝28は口孔25の深さをやや超える溝長さ(軸方向長さ)で形成されている。線材振分け溝28の形成されている側と径方向反対側の開閉爪部20,21には、後述する線材振分けガイドが出入可能に挿入される切欠部29が形成されている。なお前記線材振分けガイドは巻終側カラゲステーション位置の本体フレーム12に装着されている。
【0014】図6〜図9を参照すれば、各パレット13には、コア保持チャック14の側方で上下にのびる線材クランプ装置30が設けられている。線材クランプ装置30はコア保持チャック14の下方位置でパレット13に軸支された水平アーム31の先端に立設されており、水平アーム31は、例えば歯車付き支持ピン32とラック33との組み合せにより、チャックの軸心を通る垂直軸線(支持ピン軸線)のまわりに水平面内で旋回し、これによって線材クランプ装置30はコア保持チャック14の前面をまたぐように巻線ステーション位置の図6,図7の状態から巻終側線材カラゲステーション位置の図8,図9の状態へと回動するようになっている。
【0015】図10,図11を参照して前述の線材クランプ装置30の構造を詳細に説明する。水平アーム31に固定される線材クランプ装置30の外筒34はその直径方向両側に上下にのびる長孔35が形成され、外筒中心には該外筒34を貫通するセンターシャフト36が上下動可能に配置されている。センターシャフト36にも外筒34の長孔35と対峙するように上下に対となった2個の長孔37,38が形成されている。センターシャフト36の上端には、下面を線材押え面とする第1のクランプ部材39が固着され、シャフト下端にはフランジ状のばね受座36aが形成され、このばね受座36aと、センターシャフト下部近くのシャフト外周に設けられた内筒支持部材40との間に第1の圧縮ばね41が設けられ、これによってセンターシャフト36は外筒34に対し常に下方への押圧力が加えられている。ただし、さらに後述するように内筒支持部材40はセンターシャフト36上を上下に摺動可能である。
【0016】センターシャフト36の外周には内筒42が該シャフト36に対して上下摺動可能に配置されている。内筒42の上端部にはフランジ状の第2のクランプ部材43が形成され、また内筒下端は前述した内筒支持部材40に接当している。内筒42に対してもセンターシャフト36の上側の長孔37に対応する位置に長孔44が形成され、またその下方に、かつセンターシャフト36の下側の長孔38に対峙する位置に直径方向に貫通したピン挿入孔が穿けられている。
【0017】内筒42と外筒34との間にはこれらの内外筒42,34の周部に接して上下摺動可能な中間筒46が配置されている。中間筒46の上端には同様にフランジ状の第3のクランプ部材47が形成され、また中間筒下部は内筒支持部材40の外周に接して該支持部材40の下端近くまで延在し、さらに側部にはセンターシャフト36の上側の長孔37に対応する位置に直径方向に貫通したピン挿入孔が形成され、またその下側にはセンターシャフト36の下側長孔38に概ね対応した長孔48が形成されている。
【0018】内筒42と中間筒46との間および中間筒46と外筒34との間に、それぞれ内側中間部材50および外側中間部材51が配置される。まず、内側中間部材50について説明すれば、前記中間筒46は、その略長手方向中間付近から下端にかけて内径が大となっている。そしてこの中間筒46の内径大の部分で内筒42と中間筒46の間に挟まれるように筒状の内側中間部材50が介在されている。内側中間部材50の下端は内筒支持部材40に接当し、この状態で内筒42のピン挿入孔と整合したピン挿入孔が該中間部材50の側部に貫通して形成されている。内側中間部材50の上側部分の内周壁は下側部分より大内径となっており、その段差部52と、中間筒46の内径差を生じる段差部53との間に第2圧縮ばね54が介在されている。なお、後述するようにクランプ部材が完全に閉じている状態では内側中間部材50の上端と中間筒46の段差部53との間には若干の軸方向隙間が存在する。
【0019】次に、外筒34の内周部は上端部分のみが中間筒46の外周と嵌合し、これにより下側部分は内径が大となって中間筒46との間に径方向のスペースがあり、このスペース内に外側中間部材51が配置される。外側中間部材51は、内筒42および内側中間部材50のピン挿入孔に対応する側部位置に長孔55が、またその上方に中間筒46のピン挿入孔と整合するピン挿入孔が形成されており、さらに該外側中間部材51の上部内側は内側中間部材50と同様に内径が大となったばね収容部が形成されている。第3の圧縮ばね56はこのばね収容部内で外筒34の内径小の部分の段差部57と外側中間部材51の段差部58との間に配置される。なお、クランプ部材が閉じている状態では外側中間部材51の上端は外筒34内周の段差部57との間に若干の軸方向隙間が形成されている。
【0020】外筒34の長孔35から外側中間部材51および中間筒46のピン挿入孔、内筒42の長孔44およびセンターシャフト36の上側長孔37を貫通するように上側ピン60が挿入され、同様に外筒34の長孔35から外側中間部材51および中間筒46の長孔48、内側中間部材50および内筒42のピン挿入孔、およびセンターシャフト36の下側長孔38を貫通するように下側ピン61が挿入されている。外筒34の上端外側稜部および第1,第2のクランプ部材39,43の外側部はこれらの間に側方から線材を挿入し易くするために図示のように外周側肉厚が薄くなる斜面が形成されている。
【0021】上述の構造をもつ線材クランプ装置30はセンターシャフト36の下端が図示しないカム機構により動作されるレバー等によって上方へ押し上げられることによりクランプ部材どおしが開き、センターシャフト36の押し上げがなくなるとクランプ部材が閉じてその間の3本の線材15のクランプがなされる。この動作を図10,図12について説明する。図12(A)はセンターシャフト36が押し上げられていない状態であり、外側中間部材51と外筒34との間に介在された第3の圧縮ばね56の力によって該外側中間部材51が、したがって上側ピン60を介して中間筒46が下降して外筒上端面34aに圧接する。内側中間部材50は中間筒46との間の第2の圧縮ばね54により内筒支持部材40とともに下降し、したがって下側ピン61を介して内筒42が内側中間部材50と一緒に下降し、内筒上端のフランジ状クランプ部材43が中間筒46のクランプ部材47に圧接される。また内筒支持部材50の下降により第1の圧縮ばね41を介してセンターシャフト36が下降し、その上端のクランプ部材39が内筒42のクランプ部材43に圧接される。これが線材クランプ部材の閉の状態であって、各クランプ部材間にそれぞれ線材15が挿入されている場合は、それらの3本の線材15は同時にクランプされる。
【0022】次に、センターシャフト36が前記レバー等によって上方へ若干量(e)押し上げられると、第1の圧縮ばね41を介して内筒支持部材40も押し上げの力が作用するが、前述したように内側中間部材50の上端と中間筒46の段差部53との間および外側中間部材51の上端と外筒内側の段差部57との間には軸方向の隙間があり、前記第1の圧縮ばね41によるばね力はこれら第3および第2の圧縮ばね56,54によって対抗されて内筒支持部材40、したがって内筒42は上昇せず、この状態の僅かなシャフト押し上げではセンターシャフト36のみがeだけ上昇する(図12(B))。
【0023】この状態からさらにセンターシャフト36を押し上げると(押上量f)、第1の圧縮ばね41および内筒支持部材40を介して内側中間部材50が上昇してその上端が中間筒46の段差部53に接当する。この内側中間部材50の僅かな上昇により下側ピン61を介して内筒42が上昇し、該内筒上端の第2のクランプ部材43と中間筒46上端の第3のクランプ部材47との間に隙間fができる。この状態が図12(C)の状態である。
【0024】これからさらにセンターシャフト36を押し上げると(押上量g)、第1の圧縮ばね41、内筒支持部材40、中間筒46および上側ピン60を介して外側中間部材51が第3の圧縮ばね56を圧縮してその上端が外筒34の段差部57に接当するまで上昇し、同時に内筒42も内側中間部材50と一緒に上昇し、中間筒46上端のフランジ状クランプ部材47と外筒上端面34aとの間に隙間gが確保される(図12(D))。センターシャフト36の押し上げが解除されると、全部のクランプ部材が閉じた図12(A)の状態となる。なお、図では内側中間部材50の上端と中間筒46の段差部53との間の軸方向隙間、および外側中間部材51の上端と外筒34内周の段差部57との間の軸方向隙間は上述したクランプ部材の開き量と対応させてある。
【0025】次に、巻終りの線材をコアの他方の端部に固着する巻終側カラゲステーション位置で本体フレーム12に装着されている線材振分けガイドについて図8,図9および図13を参照して説明する。この振分けガイド68はアーム65に保持された溝部材66がコア保持チャック14の先端に近接して横方向に水平に配置されている。溝部材66は所定間隔で互いに平行に並び、かつ線材本数に応じた個数の、図示実施例では3本の線材振分け溝67が貫通して形成され、溝部材66がコア保持チャック14の開閉爪20,21の切欠部29(図4)に挿入することにより、コア1の巻付部に対して巻き付けの終った3本の各線材15が溝部材66の対応する振分け溝67を通って線材クランプ装置30に導かれるようになっている。線材振分けガイド68はパレット13およびコア保持チャック14の送り移動に支障がないように溝部材66の伸長方向に出入可能となっている。
【0026】巻終側カラゲステーション位置には、コア保持チャック14の前方で、かつ該チャックの軸線と整合して該チャックに向って移動する線材押え部材70が設けられている。線材押え部材70には巻終側線材15のカラゲ端部を切断するカッタ71が付属しており、このカッタ71も前記線材押え部材70と連動して線材15を横切るように往復移動する。カッタ71の近傍で、切断すべき線材15に対して張力を与えるために、線材15を挟んで該カッタ71と反対側にテンションスプリング72が設けられている。
【0027】図14は線材供給部からコア供給ステーションAを経て巻線ステーションBへ伸長する線材の巻線動作開始時の状態を示した平面図である。線材15は線材繰出部からコアの巻線本数に応じたガイド孔をもつ線材ガイド75を通り、巻線ステーションBのコア保持チャックの線材振分け溝28(図4)からチャック口のコアの奥端とチャック内の押し棒との間に挿入される。この時は線材クランプ装置30のクランプ部材は解放している。巻線開始直前に切刃を備えたチャック内の押し棒27が前進して複数本(実施例では3本)の線材すべてをコアの端部に押し付け、巻線側線材カッタ76の前後動作により線材の先側を切断し、巻線動作に入る。なおこの巻線動作に先立ち、パレット13に保持された線材偏倚棒77が前進してコア供給ステーションAと巻線ステーションBの中間位置で線材を前側へ偏倚させ、チャックの線材振分け溝28の影響を受けないようにする。
【0028】巻線動作はコア保持チャックを挿入している巻取軸22の回転駆動でコア保持チャックが回転することで行われる。この動作および巻取軸22の駆動機構は特公昭59−44767号公報に示されたものと同様である。巻線終了後、線材クランプ装置30の各クランプ部材が閉じて線材を固定し、この状態で巻終側カラゲステーションへパレット13(図8)が移動する。このカラゲステーションでは巻終り側の線材が線材振分けガイド68により位置規制されつつ線材クランプ装置30の旋回によりコアの前端側へ折り返され、テンションスプリング72にて線材に張力を持たせた状態で切刃をもつ巻終り側線材押え部材70で前方から線材を押えつつ巻終り側カッタ71の出入で線材が切断される。このようにして複数本の線材が同時にコアの両端部に所定線材間隔でカラゲ処理され、多線コイルが完成する。この後パレット13がコア取出ステーションへ移動して巻線済みコアの取り出しがなされ、整列状態にされるが、この取出整列においてはトレーおよびケース等への自動供給も可能であり、またバラ状態での排出も可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複数本の線材を同時に1つのコアに供給し、コア巻付部への整列巻線および所定線材間隔の一括線材端部処理が可能となり、従来の巻線方法では成し得なかった複数本の独立した線材による多線コイルの製造が実現できた。




 

 


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