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発明の名称 弾性表面波装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−191227
公開日 平成8年(1996)7月23日
出願番号 特願平7−17453
出願日 平成7年(1995)1月10日
代理人
発明者 中野 正洋 / 小山内 勝則 / 佐藤 勝男 / 山下 善就
要約 目的
溶存酸素を含んだ純水を用いてリンス処理を行っても孔食発生がなく、かつ耐電力性、すなわちマイグレーション耐性を向上させたインターディジタル電極および反射器用などの金属膜を提供する。

構成
圧電性基板上にインターディジタル電極あるいはインターディジタル電極と金属ストリップよりなる反射器とを形成してなる弾性表面波装置で、インターディジタル電極あるいは反射器は、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金により形成された第一層と、第一層上に配置されたアルミニウムにより形成された第二層とからなる二層構成とする。さらに、前記第一層に形成されたアルミニウム合金は、銅の重量組成比が0.3〜3.0%のアルミニウムー銅合金であることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】 圧電性基板上に、インターディジタル電極あるいはインターディジタル電極と金属ストリップよりなる反射器を形成してなる弾性表面波装置において、前記インターディジタル電極あるいは反射器は、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金により形成された第一層と、該第一層上に配置されアルミニウムにより形成された第二層とからなる二層構成としたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項2】 前記第一層に形成されたアルミニウム合金は、重量組成比で0.3〜3.0%の銅を含むアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波装置に関するものであって、更に詳しくは弾性表面波装置のインターディジタル電極あるいは反射器に用いられる金属膜の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】固体表面を伝搬する弾性表面波を利用した信号処理デバイスとして、弾性表面波装置が知られている。弾性表面波装置の基本構成としては、例えば図4、図5に示すものが知られている。図4は圧電性基板40上に電気信号を弾性表面波に変換するインターディジタル電極41(入力用電極)、弾性表面波を電気信号に再変換するインターディジタル電極42(出力用電極)を形成して構成したもので、帯域通過フィルタ(弾性表面波フィルタ)として機能する。図5は圧電性基板50上に弾性表面波を励振するインターディジタル電極51を形成し、その両側に周期的に配列した複数の金属ストリップ52よりなる反射器53を形成して構成されるもので、共振子(弾性表面波共振子)として機能する。尚、通常金属ストリップよりなる反射器は、製造の容易さのため、インターディジタル電極と同時に同一材料より形成される。
【0003】従来、前記インターディジタル電極および反射器用材料としては、半導体集積回路の実績や加工の容易さから、アルミニウムが主として用いられてきた。しかしながら、近年弾性表面波装置に対して高い電力耐性が要求されるようになり、従来のアルミニウムでは金属膜のマイグレーションによる劣化が問題となってきた。このマイグレーションによる金属膜劣化の問題を解決する手段として、金属膜をアルミニウムに換えてアルミニウム−銅合金とすることが J.I.Latham等により開示されている(Thin Solid Films 64 pp9−15(1979年))。その他の耐マイグレーション性に優れた電極材料としては、アルミニウム−シリコン合金(特公昭61−47011号)、アルミニウム−パラジウム合金(特開平2−274008号)、アルミニウム−チタン合金(Proceedings of IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM pp493−496(1990年))等多くのものがすでに公知となっている。
【0004】前記電極材料を用いてインターディジタル電極及び反射器を形成するには、フォトリソグラフィ技術を用いるのが普通である。すなわち、図6に概略断面図を示すように圧電性基板60上に金属膜61をスパッタ等の方法で形成し(工程(イ))、その上にフォトレジスト62を塗布する(工程(ロ))。このフォトレジスト62を乾燥硬化後フォトマスクを用いて選択的に露光を行い現像・リンス後所望のフォトレジストパターンを得る(工程(ハ))。フォトレジスト62には、解像度の点から露光された部分が現像液に溶け出すポジ型を用い、現像液としてはアルカリ性溶液が用いられるのが普通である。現像後ただちに基板上に付着した現像液をすべて洗い流す目的で純水によるリンス処理が行われる。その後エッチングにより不要な電極材部分を除去し(工程(ニ))、最後にフォトレジスト62を剥離して所望のインターディジタル電極形状および反射器形状を得る(工程(ホ))。工程(ニ)及び工程(ホ)においても、エッチング液の除去、フォトレジスト剥離液の除去のため、各作業の仕上げとして純水によるリンス処理の行われるのが普通である。
【0005】
【従来技術の問題点】以上述べたアルミニウム−銅合金等のアルミニウム合金よりインターディジタル電極および反射器を形成する場合、従来以下に述べるような問題点があった。すなわち、アルミニウム−銅合金の場合でいえば、金属膜形成後CuAl2の金属間化合物の析出が起こり、金属膜内で組成がミクロ的に不均質となり局部電池が形成される。この場合、CuAl2相析出部分がカソードとなり、その周囲の銅の欠乏した部分がアノードとなる。前記インターデジタル電極および反射器形成工程の現像後の純水によるリンス及びフォトレジスト剥離後の純水によるリンスにおいて、このCuAl2相の析出とリンスに用いる純水中に含まれる溶存酸素の存在により「孔食」と呼ばれる円形の腐食が発生し問題となっていた。孔食の具体的顕微鏡写真を図3に示す。この図に示すのは、アルミニウム−2.0重量%銅合金の場合に発生した孔食である。このときの純水中には6.8ppmの溶存酸素が含まれていたことが溶存酸素計により計測された。アルミニウム−銅合金中にどの程度の銅が含まれると孔食の発生が起きるかを調べるため銅の重量%が、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、2.0の試料を作成し、10分間純水に浸漬したろころ、0.2重量%では孔食の発生はなかったが、0.3重量%以上ではすべて孔食が発生した。従って、アルミニウム−銅合金では、銅の重量%が0.3以上では孔食の発生を抑止する何等かの対策が必要となっていた。この孔食は、リンスに用いる純水中から溶存酸素を除去することにより抑制可能であることが知られているが、この場合は純水製造装置が非常に高価となる問題があった。
【0006】本発明者等の実験検討によると、アルミニウム−2.0重量%銅合金の金属膜の場合、孔食を抑制するには純水中の溶存酸素を約0.5ppm以下とする必要があることが分かった。純水中への酸素の飽和溶存量は約7ppmであることから、溶存酸素を0.5ppm以下とするには、純水製造装置の改良、もしくは使用する純水から溶存酸素を除去する装置の導入等を行わねばならず、弾性表面波装置の製造原価の上昇をまねいていた。
【0007】上記は、アルミニウム−銅合金の場合について、孔食の発生する様子を詳述したが、他の耐電力性に優れたアルミニウム合金、例えばアルミニウム−チタン合金などについても、アルミニウムに対する添加元素の固溶組成範囲が室温で殆ど無いことから、同様の不具合の起こることは明かである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題は、溶存酸素を含んだ純水を用いてリンス処理を行っても、孔食発生がなくかつ耐電力性に優れたインターディジタル電極あるいは反射器などの金属膜を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、圧電性基板にインターディジタル電極あるいは反射器となる金属膜を、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金により形成された第一層と、この第一層上に配置されたアルミニウムにより形成された第二層とからなる二層構成としたことにある。さらに、前記第一層に形成されたアルミニウム合金は、銅を重量組成比で0.3〜3.0%含むアルミニウム合金であることがより好ましい。
【0010】
【作用】金属膜の構成として、圧電性基板上にアルミニウム合金膜を形成し、さらにその上にアルミニウム膜を形成した構成としているので、アルミニウム合金膜内で、例えばアルミニウム−銅合金の場合CuAl2相が析出して局部電池が形成されたとしても、該アルミニウム合金膜はその上のアルミニウム膜により保護され、純水中の溶存酸素からは隔離されているので、孔食の発生は抑制される。従って、純水中の溶存酸素を除去する機能をもつ高価な純水製造装置を用いる必要がなく、弾性表面波装置を安価に製造できる。さらに、アルミニウム合金膜厚をその上に形成されるアルミニウム膜厚に較べて充分厚く構成しておくことにより、マイグレーションに対する耐性はアルミニウム合金のみの場合と同等のレベルを保持させることが出来る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面および実施例をもとに詳細に説明する。図1は、本願発明になる弾性表面波装置用金属膜の構成と、この金属膜よりインターディジタル電極および反射器を形成する工程を模式的に示した断面図である。圧電性基板10上に先ずアルミニウム−銅合金11をスパッタ法により成膜した。本実施例では圧電性基板としてニオブ酸リチウムを用いた。また、アルミニウム−銅合金としては、銅の重量組成比が0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%の8種を試みた。スパッタ装置としてはMRC643J(マテリアルリサーチコーポレーション社製)を用い、Arガス圧0.67Pa、投入電力2.2kWで行った。この時の成膜レートは約60nm/分であった。次にスパッタ装置内の気密を破ることなく、スパッタターゲットをアルミニウムに切り換え、同様の条件でアルミニウム膜12を成膜した。それぞれの層のスパッタ時間は、アルミニウム−銅合金層が150nm、アルミニウム層が20nmとなるよう設定した。アルミニウムターゲットとしては、純度99.999%のものを用いた(工程(イ))。成膜後、フォトレジストをスピンコーターにより塗布し(工程(ロ))、乾燥硬化後、フォトマスクを用いて選択的に露光を行い、現像・純水によるリンス処理を行なって所望のフォトレジストパターンを得た(工程(ハ))。その後エッチングにより不要な電極材部分を除去し、純水によるリンス処理を行なった。(工程(ニ))、最後にフォトレジスト62を剥離液で除去して、純水によるリンス処理を行ない、所望のインターディジタル電極形状および反射器形状を得た(工程(ホ))。尚、本実施例ではフォトレジストには東京応化工業(株)製の商品名OFPR−800ポジ型フォトレジストを用い、塗布厚は700nmとした。図2は銅の重量組成比が3.0%のアルミニウム−銅合金を第一層とした場合の純水リンス後の表面顕微鏡写真である。表面上を顕微鏡により観察したが、孔食の発生はまったく見られなかった。他の重量組成比の0.3%、0.4%、0.5%、1.0%、2.0%の場合も同様の観察を行ったが、孔食の発生は見られなかった。しかし、銅の重量組成比が4.0%の場合は、弾性表面波装置を構成した場合金属膜の電気抵抗が大きくなりすぎ、低損失の弾性表面波装置を得難くなった。
【0012】次に、この二層構成とした金属膜につき、耐電力性すなわちマイグレーション耐性を評価した。評価試料の第一層アルミニウム合金としては、マイグレーション耐性が最も弱いと考えられる銅の重量組成比0.2%、0.3%、0.5%のアルミニウム−銅合金の3種とした。比較のため、アルミニウム膜のみの構成の試料も同時に評価した。評価の方法としては以下のように行った。64度回転Yカットニオブ酸リチウム基板を用い、インターデジタル電極三個とこれを挟んだ二つの反射器よりなる縦結合型多重モード弾性表面波フィルタ(二段構成)を作成し、これを80℃に保持し、1Wの電力を投入した。また、素子の寿命を損失が1dB劣化するまでの時間として評価した。その結果、アルミニウム膜のみの構成では寿命が約0.2時間であった。また、二層構成では0.2%アルミニウム−銅合金では、ほぼアルミニウムと同じ寿命であったが、本発明の0.3%、0.5%アルミニウム−銅合金では、寿命がそれぞれ約2時間、20時間とほぼ10倍、100倍に向上し、アルミニウム合金使用の効果を保持していることが確かめられた。尚、本実施例では、圧電性基板としてニオブ酸リチウム、アルミニウム合金としてアルミニウム−銅合金の場合についてのみ示したが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
【0013】以上、本願発明者等は、鋭意実験検討を行った結果、インターディジタル電極ないし反射器を形成する金属膜を、下層にアルミニウム合金膜、上層にアルミニウム膜とする構成とすることにより、溶存酸素を含む純水によるリンス洗浄工程においても孔食発生がなく使用することができ、かつ耐電力性すなわちマイグレーション耐性も向上させうることを見いだした。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上実施例をもとに説明したように、圧電性基板上にアルミニウム合金膜を形成し、さらにその上にアルミニウム膜を形成した構成としているので、リンス・洗浄時にアルミニウム合金膜中に析出している金属間化合物とリンス・洗浄に用いる純水とがアルミニウム膜により隔離されているので、溶存酸素を含んだ純水を用いても孔食の発生がないので、純水製造装置に溶存酸素除去の工夫をする必要がなく、安価な製造装置を用いて弾性表面波装置を製造することが出来る。また、金属膜の主要な層はアルミニウム合金より成っているので、マイグレーションに対する耐性も向上させうるものである。




 

 


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